有価証券報告書-第173期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
■2021年3月期実績

■2021年3月期実績:セグメント情報

■2021年3月期実績:食料品製造事業

② 財政状態の状況
財政状態は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、770億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億7千7百万円減少しております。これは主に、現金及び預金が118億5千9百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,248億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ231億3千3百万円増加しております。これは主に、建物及び構築物(純額)が55億6千7百万円、機械装置及び運搬具(純額)が66億6千2百万円、投資有価証券が94億8百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、482億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億7千7百万円減少しております。これは主に、未払金が63億3千1百万円、未払法人税等が30億9千7百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、297億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億9千7百万円増加しております。これは主に、繰延税金負債が52億5千6百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、1,239億2千3百万円で、前連結会計年度末に比べ184億3千6百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が97億8千2百万円、その他有価証券評価差額金が70億6千9百万円増加したこと等によるものであります。
以上により自己資本比率は、前連結会計年度末より5.2ポイント増加し、60.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ118億5千8百万円減少し、315億6千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は121億2千7百万円と前連結会計年度に比べ88億6千7百万円減少となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が189億4千4百万円、減価償却費79億9百万円及び法人税等の支払額75億9千9百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は198億6千2百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は40億8千4百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3「食料卸売」、「不動産及びサービス」及び「その他」のセグメントについては、該当事項はありません。
b. 受注実績
主要製品の受注生産は、行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く食品業界におきましては、食の安全・安心の徹底やライフスタイルの変化により簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化とその兆しを捉えたより付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増しております。
このような経営環境のもと、当社は2018年度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、その3期目として、高収益安定企業を実現すべく、主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の訴求及び高付加価値商品の開発に注力するとともに、生産効率向上を目指した工場再編や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。
売上高は、コロナ禍の影響を各セグメントで受けたことにより、全体では1,999億9千万円と前年実績に比べ88億8千8百万円(4.3%)の減収となりました。
損益は、売上高の減収等により、営業利益は前年実績に比べ20億6千8百万円(9.7%)減益の191億6千2百万円、経常利益も前年実績に比べ21億8千3百万円(9.9%)減益の197億6千7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年実績に比べ25億8千1百万円(23.9%)増益の134億5百万円となりました。
■営業利益増減分析

(注)1 原価及び販管費計。
2 期初計画において「その他販管費減」に含めておりましたプリングルズ販売店契約終了による影響は、費用の構成に応じて「プロダクトミックス等」及び「その他販管費減」に区分して表示しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造事業>菓子食品部門
国内主力ブランドでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により外出機会が減少し、いわゆる巣ごもり需要と呼ばれる家庭内消費が増えた影響により、「森永ビスケット」は引き続き好調に推移しました。一方、外出機会の減少により、行楽需要等が落ち込んだことから「ハイチュウ」は苦戦を強いられました。また、「チョコボール」「ダース」「カレ・ド・ショコラ」「森永甘酒」も前年実績を下回り、主力ブランド全体では前年実績を下回りました。 その他のブランドでは、巣ごもり需要増加の影響により「森永ホットケーキミックス」が前年実績を大きく上回り、「森永ココア」も引き続き好調に推移しましたが、「プリングルズ」が2020年3月に販売店契約を終了した影響もあり国内全体では前年実績を下回りました。 海外では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けながらも、中国は前年実績を上回り、台湾、米国も好調に推移したことで、海外全体では前年実績を上回りました。 これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,088億4千万円と前年実績に比べ120億3千7百万円(10.0%)減となりました。 損益は、原価改善、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ18億5千5百万円(22.5%)減益の63億9千2百万円となりました。

冷菓部門
主力ブランドの「ジャンボ」グループは、積極的なプロモーションを展開した効果に加え、「バニラモナカジャンボ」が引き続き好調に推移し前年実績を上回りました。その他のブランドでは、「板チョコアイス」が季節限定から通年販売に変更した影響により前年実績を大きく上回り、「パリパリバー」等マルチパックグループも好調に推移しました。 これらの結果、冷菓部門全体の売上高は470億9千1百万円と前年実績に比べ63億3千8百万円(15.6%)増となりました。
損益は、主要なブランドが好調に推移したことにより、営業利益は前年実績に比べ15億3千1百万円(27.5%)増益の70億8千9百万円となりました。

健康部門
主力ブランドの「inゼリー」は、飲用シーンの提案に加え、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手と大坂なおみ選手の名を冠した「inゼリー<エネルギー KEI SPECIAL>」「inゼリー<エネルギー NAOMI SPECIAL>」、コロナ禍における健康ニーズを捉えた「inゼリー<シールド乳酸菌>」、アイドルグループ「嵐」とのコラボレーション商品、一部コンビニエンスストア限定で販売し好調だった「inゼリー<エネルギー ブドウ糖>」の全国発売など、積極的にブランドの強化に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う外出機会の減少等の影響により、売上高は前年実績を大きく下回りました。 「天使の健康」シリーズの通販事業は、「おいしいコラーゲンドリンク」が好調に推移し、通販事業全体としても前年実績を上回りました。 これらの結果、健康部門全体の売上高は359億4千7百万円と前年実績に比べ25億3千9百万円(6.6%)減となりました。 損益は、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ17億1千7百万円(24.4%)減益の53億1千3百万円となりました。

これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は1,918億7千8百万円と前年実績に比べ4.1%減となりました。セグメント利益は187億9千5百万円と前年実績に比べ20億4千1百万円の減益となりました。 <食料卸売事業>売上高は、56億4千9百万円と前年実績に比べ9.4%減となりました。セグメント利益は2億8千万円と前年実績に比べ1億8千1百万円の減益となりました。 <不動産及びサービス事業>売上高は、18億2千5百万円と前年実績に比べ4.0%減となりました。セグメント利益は7億9千万円と前年実績に比べ3千4百万円の減益となりました。 <その他>売上高6億3千6百万円、セグメント利益1億9千万円であります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により生じている経営成績への影響は以下のとおりであります。


② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標のトレンド)
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は315億6千8百万円となり、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としつつ、銀行借入、社債発行等により調達する方針であります。資金調達の際には、適切な手元資金の水準、期間及び金利等の調達条件、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施してまいります。 資金配分については、円滑な事業活動及び安全性を確保するための手元資金の水準を確保しつつ、企業価値向上に資する配分に努めております。企業価値向上のための資金配分といたしましては、「2030経営計画」及び「2021中期経営計画」における重点領域への経営資源集中を推進するとともに、適切な株主還元を実行してまいります。 株主還元につきましては経営における重要課題と考えており、安定的配当を確保しつつ、業績及びキャッシュ・フローの状況、配当性向等を総合的に勘案し、状況に応じた株主還元を実施してまいります。当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
■財務指標の趨勢


■株主還元

④ 目標とする経営指標の達成状況
2018年5月に策定いたしました「2018中期経営計画」では、最終年度となる2021年3月期の経営目標を売上高2,200億円、営業利益220億円としております。また、重要経営指標として売上高営業利益率10%、海外売上高比率10%、ROE10%以上を目標としております。 「2018中期経営計画」最終年度となる当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大等の影響を受け、前年実績比4.3%減の1,999億円、営業利益は前年実績比9.7%減の191億円となり、「2018中期経営計画」の経営目標に対して未達となりました。 当連結会計年度の売上高営業利益率はコロナ禍の影響を受けたことによる減収等により、前年実績比0.6ポイント減の9.6%となりました。目標の10%に対して未達となりましたが、「2018中期経営計画」の期間を通じて主力ブランドを中心とした売上高の拡大と高収益生産体制の構築に向けた拠点再編に取り組み、収益力を高めてまいりました。当連結会計年度の海外売上高比率は、主力の米国事業を中心に、中国、台湾なども好調に推移したことで、前年実績比0.8ポイント上昇の6.1%となりましたが、2019年の森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により目標の10%に対して未達となりました。当連結会計年度のROEは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により前年実績比1.0ポイント上昇の11.8%となり、「2018中期経営計画」の期間中の全連結会計年度で目標の10%以上を達成いたしました。 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループでは持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を果たすべく、高い収益性、成長性が見込める事業へ経営資源を集中することで事業規模の拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。また、投資原資を安定的に創出するべく構造改革により経営の効率化をいっそう推進するとともに、研究開発やデジタル技術などへの投資を強化することで中長期の成長に資する基盤づくりに努めてまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
■2021年3月期実績

■2021年3月期実績:セグメント情報

■2021年3月期実績:食料品製造事業

② 財政状態の状況
財政状態は次のとおりであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は、770億5千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ92億7千7百万円減少しております。これは主に、現金及び預金が118億5千9百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は、1,248億6千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ231億3千3百万円増加しております。これは主に、建物及び構築物(純額)が55億6千7百万円、機械装置及び運搬具(純額)が66億6千2百万円、投資有価証券が94億8百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は、482億7千8百万円となり、前連結会計年度末に比べ95億7千7百万円減少しております。これは主に、未払金が63億3千1百万円、未払法人税等が30億9千7百万円減少したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は、297億1千4百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億9千7百万円増加しております。これは主に、繰延税金負債が52億5千6百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、1,239億2千3百万円で、前連結会計年度末に比べ184億3千6百万円増加しております。これは主に、利益剰余金が97億8千2百万円、その他有価証券評価差額金が70億6千9百万円増加したこと等によるものであります。
以上により自己資本比率は、前連結会計年度末より5.2ポイント増加し、60.9%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ118億5千8百万円減少し、315億6千8百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は121億2千7百万円と前連結会計年度に比べ88億6千7百万円減少となりました。主な内容は、税金等調整前当期純利益が189億4千4百万円、減価償却費79億9百万円及び法人税等の支払額75億9千9百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は198億6千2百万円となりました。主な内容は、有形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は40億8千4百万円となりました。主な内容は、配当金の支払額によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
食料品製造 | 菓子食品 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか | 91,598 | △3.6 |
冷菓 アイスクリームほか | 36,633 | +8.7 | |
健康 ゼリー飲料ほか | 10,692 | △29.7 | |
合計 | 138,924 | △3.5 |
(注)1 金額は、販売価格によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3「食料卸売」、「不動産及びサービス」及び「その他」のセグメントについては、該当事項はありません。
b. 受注実績
主要製品の受注生産は、行っておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) | |
食料品製造 | 菓子食品 キャラメル・キャンディ・チョコレート・ビスケット・ココアほか | 108,840 | △10.0 |
冷菓 アイスクリームほか | 47,091 | +15.6 | |
健康 ゼリー飲料ほか | 35,947 | △6.6 | |
小計 | 191,878 | △4.1 | |
食料卸売 | 5,649 | △9.4 | |
不動産及びサービス | 1,825 | △4.0 | |
その他 | 636 | +2.0 | |
合計 | 199,990 | △4.3 |
(注)1 セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合
相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
販売高(百万円) | 割合(%) | 販売高(百万円) | 割合(%) | |
三菱食品株式会社 | 25,145 | 12.0 | 23,124 | 11.6 |
丸紅株式会社 | 21,011 | 10.1 | 21,017 | 10.5 |
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く食品業界におきましては、食の安全・安心の徹底やライフスタイルの変化により簡便性や健康ニーズが高まる中、購買行動の変化とその兆しを捉えたより付加価値の高い商品作りが求められ、競争環境はいっそう厳しさを増しております。
このような経営環境のもと、当社は2018年度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定し、その3期目として、高収益安定企業を実現すべく、主力ブランドの強化と時代の変化に合わせたウェルネス領域の訴求及び高付加価値商品の開発に注力するとともに、生産効率向上を目指した工場再編や全社的なコスト削減等による収益基盤強化に取り組んでまいりました。
売上高は、コロナ禍の影響を各セグメントで受けたことにより、全体では1,999億9千万円と前年実績に比べ88億8千8百万円(4.3%)の減収となりました。
損益は、売上高の減収等により、営業利益は前年実績に比べ20億6千8百万円(9.7%)減益の191億6千2百万円、経常利益も前年実績に比べ21億8千3百万円(9.9%)減益の197億6千7百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前年実績に比べ25億8千1百万円(23.9%)増益の134億5百万円となりました。
■営業利益増減分析

(注)1 原価及び販管費計。
2 期初計画において「その他販管費減」に含めておりましたプリングルズ販売店契約終了による影響は、費用の構成に応じて「プロダクトミックス等」及び「その他販管費減」に区分して表示しております。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
<食料品製造事業>菓子食品部門
国内主力ブランドでは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により外出機会が減少し、いわゆる巣ごもり需要と呼ばれる家庭内消費が増えた影響により、「森永ビスケット」は引き続き好調に推移しました。一方、外出機会の減少により、行楽需要等が落ち込んだことから「ハイチュウ」は苦戦を強いられました。また、「チョコボール」「ダース」「カレ・ド・ショコラ」「森永甘酒」も前年実績を下回り、主力ブランド全体では前年実績を下回りました。 その他のブランドでは、巣ごもり需要増加の影響により「森永ホットケーキミックス」が前年実績を大きく上回り、「森永ココア」も引き続き好調に推移しましたが、「プリングルズ」が2020年3月に販売店契約を終了した影響もあり国内全体では前年実績を下回りました。 海外では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響を受けながらも、中国は前年実績を上回り、台湾、米国も好調に推移したことで、海外全体では前年実績を上回りました。 これらの結果、菓子食品部門全体の売上高は1,088億4千万円と前年実績に比べ120億3千7百万円(10.0%)減となりました。 損益は、原価改善、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ18億5千5百万円(22.5%)減益の63億9千2百万円となりました。

冷菓部門
主力ブランドの「ジャンボ」グループは、積極的なプロモーションを展開した効果に加え、「バニラモナカジャンボ」が引き続き好調に推移し前年実績を上回りました。その他のブランドでは、「板チョコアイス」が季節限定から通年販売に変更した影響により前年実績を大きく上回り、「パリパリバー」等マルチパックグループも好調に推移しました。 これらの結果、冷菓部門全体の売上高は470億9千1百万円と前年実績に比べ63億3千8百万円(15.6%)増となりました。
損益は、主要なブランドが好調に推移したことにより、営業利益は前年実績に比べ15億3千1百万円(27.5%)増益の70億8千9百万円となりました。

健康部門
主力ブランドの「inゼリー」は、飲用シーンの提案に加え、プロテニスプレーヤーの錦織圭選手と大坂なおみ選手の名を冠した「inゼリー<エネルギー KEI SPECIAL>」「inゼリー<エネルギー NAOMI SPECIAL>」、コロナ禍における健康ニーズを捉えた「inゼリー<シールド乳酸菌>」、アイドルグループ「嵐」とのコラボレーション商品、一部コンビニエンスストア限定で販売し好調だった「inゼリー<エネルギー ブドウ糖>」の全国発売など、積極的にブランドの強化に努めてまいりましたが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大に伴う外出機会の減少等の影響により、売上高は前年実績を大きく下回りました。 「天使の健康」シリーズの通販事業は、「おいしいコラーゲンドリンク」が好調に推移し、通販事業全体としても前年実績を上回りました。 これらの結果、健康部門全体の売上高は359億4千7百万円と前年実績に比べ25億3千9百万円(6.6%)減となりました。 損益は、販売費及び一般管理費の抑制等、コスト削減に取り組んでまいりましたが、コロナ禍による減収影響を吸収するには至らず、営業利益は前年実績に比べ17億1千7百万円(24.4%)減益の53億1千3百万円となりました。

これらの結果、<食料品製造事業>の売上高は1,918億7千8百万円と前年実績に比べ4.1%減となりました。セグメント利益は187億9千5百万円と前年実績に比べ20億4千1百万円の減益となりました。 <食料卸売事業>売上高は、56億4千9百万円と前年実績に比べ9.4%減となりました。セグメント利益は2億8千万円と前年実績に比べ1億8千1百万円の減益となりました。 <不動産及びサービス事業>売上高は、18億2千5百万円と前年実績に比べ4.0%減となりました。セグメント利益は7億9千万円と前年実績に比べ3千4百万円の減益となりました。 <その他>売上高6億3千6百万円、セグメント利益1億9千万円であります。
なお、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により生じている経営成績への影響は以下のとおりであります。


② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態の詳細については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(キャッシュ・フローの状況)
キャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(キャッシュ・フロー指標のトレンド)
第169期2017年3月期 | 第170期2018年3月期 | 第171期2019年3月期 | 第172期2020年3月期 | 第173期2021年3月期 | |
自己資本比率(%) | 48.7 | 55.0 | 54.8 | 55.7 | 60.9 |
時価ベースの自己資本比率 (%) | 140.4 | 136.9 | 137.5 | 118.2 | 98.5 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) | 1.4 | 0.6 | 0.5 | 0.5 | 0.8 |
インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 134.6 | 149.0 | 451.4 | 317.1 | 383.3 |
(注) | 自己資本比率 | :自己資本/総資産 |
時価ベースの自己資本比率 | :株式時価総額/総資産 | |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | :有利子負債/キャッシュ・フロー | |
インタレスト・カバレッジ・レシオ | :キャッシュ・フロー/利払い | |
※ | 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。 | |
※ | 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を第171期の期首から適用したことに伴い、第170期以前の決算期に係るキャッシュ・フロー指標のトレンドについては、当該会計基準等を遡って適用した後の指標となっております。 | |
※ | 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。 | |
※ | キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 |
(資本の財源及び資金の流動性)
当社グループの当連結会計年度末の現金及び現金同等物は315億6千8百万円となり、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としつつ、銀行借入、社債発行等により調達する方針であります。資金調達の際には、適切な手元資金の水準、期間及び金利等の調達条件、自己資本比率、ROE、ROICといった財務指標への影響度等を総合的に勘案したうえで、最適な資本構成を目指して実施してまいります。 資金配分については、円滑な事業活動及び安全性を確保するための手元資金の水準を確保しつつ、企業価値向上に資する配分に努めております。企業価値向上のための資金配分といたしましては、「2030経営計画」及び「2021中期経営計画」における重点領域への経営資源集中を推進するとともに、適切な株主還元を実行してまいります。 株主還元につきましては経営における重要課題と考えており、安定的配当を確保しつつ、業績及びキャッシュ・フローの状況、配当性向等を総合的に勘案し、状況に応じた株主還元を実施してまいります。当社の配当政策につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載のとおりであります。
■財務指標の趨勢


■株主還元

④ 目標とする経営指標の達成状況
2018年5月に策定いたしました「2018中期経営計画」では、最終年度となる2021年3月期の経営目標を売上高2,200億円、営業利益220億円としております。また、重要経営指標として売上高営業利益率10%、海外売上高比率10%、ROE10%以上を目標としております。 「2018中期経営計画」最終年度となる当連結会計年度の売上高は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大等の影響を受け、前年実績比4.3%減の1,999億円、営業利益は前年実績比9.7%減の191億円となり、「2018中期経営計画」の経営目標に対して未達となりました。 当連結会計年度の売上高営業利益率はコロナ禍の影響を受けたことによる減収等により、前年実績比0.6ポイント減の9.6%となりました。目標の10%に対して未達となりましたが、「2018中期経営計画」の期間を通じて主力ブランドを中心とした売上高の拡大と高収益生産体制の構築に向けた拠点再編に取り組み、収益力を高めてまいりました。当連結会計年度の海外売上高比率は、主力の米国事業を中心に、中国、台湾なども好調に推移したことで、前年実績比0.8ポイント上昇の6.1%となりましたが、2019年の森永キノインドネシア㈱の全株式譲渡等により目標の10%に対して未達となりました。当連結会計年度のROEは、親会社株主に帰属する当期純利益の増加により前年実績比1.0ポイント上昇の11.8%となり、「2018中期経営計画」の期間中の全連結会計年度で目標の10%以上を達成いたしました。 当連結会計年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大により、外出の自粛やイベントの制限等、様々な経済活動が抑制されたことで消費行動の変化に伴う対応を迫られており、依然として厳しい状況が続いております。海外においては、各種政策によって経済の回復が期待されるものの、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大による世界経済の下振れリスクは依然として大きく、不透明な状況が続いております。 このような状況の中、当社グループでは持続可能な社会の実現に貢献しつつ中長期的な成長を果たすべく、高い収益性、成長性が見込める事業へ経営資源を集中することで事業規模の拡大と収益性の向上に取り組んでまいります。また、投資原資を安定的に創出するべく構造改革により経営の効率化をいっそう推進するとともに、研究開発やデジタル技術などへの投資を強化することで中長期の成長に資する基盤づくりに努めてまいります。
⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の収束時期等を含む仮定に関する情報については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。