有価証券報告書-第69期(2025/04/01-2026/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は56,806百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,531百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が10,513百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が4,089百万円、「商品及び製品」が1,734百万円、「原材料及び貯蔵品」が3,913百万円、「その他」が3,132百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は131,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ40,829百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が5,689百万円、「機械装置及び運搬具」が5,769百万円、「のれん」が14,469百万円、「顧客関係資産」が18,308百万円、「商標資産」が10,645百万円、「退職給付に係る資産」が2,416百万円それぞれ増加した一方で、「建設仮勘定」が2,852百万円、「投資有価証券」が14,181百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は188,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ64,360百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は28,673百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,592百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が2,727百万円、「その他」が2,049百万円それぞれ増加した一方で、「電子記録債務」が1,349百万円減少したことによるものであります。固定負債は53,083百万円となり、前連結会計年度末に比べ33,210百万円の増加となりました。これは主に「長期借入金」が22,678百万円、「繰延税金負債」が10,586百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は81,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,802百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は106,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ27,557百万円増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」24,647百万円及び「剰余金の配当」1,201百万円により「利益剰余金」が23,445百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が2,637百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.7%(前連結会計年度末は61.0%)となりました。
b.経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に底堅く推移したものの、物価高の長期化により節約志向が強まり、個人消費の回復は緩やかなものとなりました。
また、国際情勢の不安定化や原材料価格の高騰、物流コストおよび人件費の上昇などが企業活動に影響を及ぼし、景気の先行きには依然として不透明感が残っております。
国内の食品業界では厳しい経営環境が続いており、米菓業界においては、原料米価格が高止まりするなど、コストプッシュ・インフレの影響を強く受けております。このような経営環境下、当グループは「中長期成長戦略2030」の実現に向け、着実に歩みを進めております。
当社は、“お米の恵み”を「美味しさ」「健康」「感動」といった価値へと高めることで、お客様の健やかなライフスタイルに貢献することを、パーパス(存在意義)である“Better For You”に込めております。
また、ビジョン(目指す姿)として、お米の持つ可能性を最大限に引き出し、世界に向けて新たな価値と市場を創出する“Rice Innovation Company”の実現を掲げております。
これらの取り組みを通じ、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指しております。
2025年度は、ビジョンの実現に向け、「事業基盤の徹底強化」と「本格的なグローバル展開への推進」を基本方針とし、国内米菓事業においては、独自価値の訴求を通じたキャッシュ創出力の強化に取り組むとともに、海外事業においては、TH FOODS, INC.の完全子会社化を軸とした北米戦略の再構築を進めてまいりました。また、食品事業においては、シーズ事業の成長に向けた各種施策に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、食品事業が前期を下回ったものの、国内米菓事業は重点ブランドの成長、海外事業はTH FOODS, INC.の完全子会社化によって前期を上回る実績を確保し、138,052百万円(前期比33.7%増)となりました。
営業利益については、食品事業が前期好調に推移した尾西食品の反動減もあり前期を下回ったものの、国内米菓事業は価格改定の効果により収益性が回復、海外事業も完全子会社化したTH FOODS, INC.が堅調に推移したことで、7,528百万円(前期比36.9%増)となりました。また、経常利益については、TH FOODS, INC.の連結子会社化による影響(持分法による投資利益の減少)を営業増益が補い、7,501百万円(前期比8.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、TH FOODS, INC.の連結子会社化に伴い、第1四半期連結会計期間に段階取得に係る差益20,598百万円を計上したことから24,647百万円(前期比354.9%増)となりました。
各セグメントの概況は、次のとおりであります。
<国内米菓事業>国内米菓事業については、独自価値訴求型の競争戦略への転換を推し進めており、原料米の高騰など変化を続ける事業環境に柔軟に対応できる、収益性の高い事業構造の確立を目指してまいりました。
具体的には、従来の重点6ブランドを中心としたブランド強化策の継続展開に加えて、価格改定に対する需要底支えの観点から定番ブランドの強化にも取り組みました。
「亀田の柿の種」は、スナック需要への拡張を目指し「うましお」の拡販を継続、「お酒のおつまみ」というイメージから「いつでも、どこでも、誰とでも」楽しめるブランドを目指した施策に取り組みました。「ハッピーターン」は前期に続き「ハッピーターンスパイス」の強化を通じたおつまみ需要への拡張、「亀田のつまみ種」は「午後のつまみ種」の商品改良やプロモーションを通じたおやつ需要への拡張に努めました。「無限シリーズ」は発売後初となる大幅リニューアルを実施、「こつぶっこ」「技のこだ割り」は定番商品の品揃え強化によって需要促進を図るなど、顧客起点でブランド・商品の独自性に磨きをかける取り組みを進めました。また、定番ブランドは需要底支えの観点から品揃えやプロモーションの強化に努めました。加えて、重点6ブランドの生産能力増強や販売促進費用の効率的な執行等、価値訴求に軸足を置いた活動を展開しました。
これらの取り組みの結果、重点6ブランドの売上高については、「無限」シリーズが前期を下回った一方、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「こつぶっこ」「技のこだ割り」は前期を上回りました。
また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、拡大するインバウンド需要を取り込むため、新規チャネル開拓などに継続的に取り組みました。これらの結果、国内米菓事業全体の売上高は72,309百万円(前期比3.7%増)となりました。
営業利益については、単体米菓において原材料価格の高騰に対し「亀田の柿の種」や定番ブランドを中心とした価格改定を実施。従前より進めている重点6ブランドへの集中化や定番ブランドの底支えによるプロダクトミックス(販売構成比)の改善、販売促進費用の効率的な執行、生産効率向上など各種施策の効果により収益性は大幅に改善しました。また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社も価格改定や生産効率向上など収益性改善による堅調な業績が加わり、国内米菓事業全体の営業利益は5,139百万円(前期比15.7%増)となりました。
<海外事業>海外事業については、北米戦略の再構築、アジア地域での持続的成長を通じ、成長性と収益性の強化に取り組んでまいりました。北米は、6月に連結子会社化し、堅調に推移したTH FOODS, INC.の取り込みが寄与し大幅増収となりました。また、アジアでは、OEM事業(カンボジア・タイ法人)が減収となりましたが自社ブランド事業(ベトナム、中国)は堅調に推移しました。これらの結果、海外事業全体の売上高は49,477百万円(前期比187.0%増)となりました。
営業利益については、北米では戦略再構築の効果により大きく改善した一方、アジアではカンボジア法人における輸出量の減少、タイ法人における豪州向け輸出量の減少や為替変動(バーツ高)の影響により減益となりました。これらの結果、海外事業全体では1,792百万円の営業利益(前期比1,223.1%増)となりました。
<食品事業>食品事業については、亀田製菓本体とグループ会社の連携を通じ、成長投資の効果を引き出すべく事業拡大に取り組んでまいりました。長期保存食は官公庁・企業向け需要は堅調な一方、拡大基調にあった個人需要の反動減により微減収となりました。災害時などの突発的な需要への対応余力を高め、更なる成長に備えて建設した新工場は、2026年1月に稼働を開始しております。また、米粉パンは「おこめ食パン」の販路拡大を通じた事業成長に取り組みました。さらに、植物性乳酸菌についても、機能性の訴求を通じた販路拡大を継続、欧米市場への本格参入に向けたKerry社との協働も順調に進捗しております。加えて、プラントベースフードはコンセプトを「代替肉」から「植物性たんぱく質食材」に改め、商品の販路拡大やBtoB市場開拓に継続的に取り組んでまいりました。これら各事業の売上高は前期を上回っておりますが、前期で販売を終了した「低たんぱく質米飯」の減収分を補うには至らず、食品事業全体の売上高は8,820百万円(前期比2.7%減)となりました。
営業利益については、投資先行フェーズにあるプラントベースフードや米粉パンに加え、尾西食品が想定を超える原料米高騰の影響を受けたこともあり、451百万円(前期比31.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,481百万円増加し、18,601百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11,897百万円(前期比2,455百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益に、減価償却費や減損損失、のれん償却額等の非資金項目、退職給付に係る資産や売上債権等の営業活動に係る資産及び負債の増減、段階取得に係る差益、関係会社株式売却益、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は26,024百万円(前期比18,194百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は23,507百万円(前期は1,215百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△14,127百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
2.記載金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、海外セグメントにおいてTH FOODS, INC.を連結子会社化したこと等によるものであります。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、海外セグメントにおいてTH FOODS, INC.を連結子会社化したこと等によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社は財務戦略の基本方針として機動性を重視し、変化への対応力と投資効率の最適化を図ることで持続的な成長を目指します。
新たな中長期成長戦略のキャッシュアロケーションの考え方は、2025〜2027年度を前半期、2028〜2030年度を後半期と定め、期間ごとの方針の違いを明確化しました。前半期においては、累積の営業キャッシュ・フローは約460億円を見込み、2025年6月に実施した米国TH FOODS, INC.の完全子会社化に伴う借入金増加への対応として、拡大するキャッシュ・フローを財務体質の改善と将来の投資に備えるべく、連結キャッシュ・フローを整理しました。前半期の営業キャッシュ・フローの使途については、株主還元および借入金返済を優先的に充当した上で、国内米菓事業の主要ブランドの生産能力増強投資に配分します。その他の投資については、残余資金および一部外部調達により実施し、資本効率の向上を図ります。国内米菓事業においては、高収益の主力ブランドの能力増強に選択と集中を推進します。後半期においては、TH FOODS, INC.の収益拡大を起点としたグループ全体の資本効率向上およびキャッシュ創出力の強化に取り組み、営業キャッシュ・フローは約540億円を見込んでいます。前半期同様に、株主還元および借入金返済を拡大するとともに、成長ポテンシャルの高い北米市場への事業拡大投資に軸足を置いて、中長期的な企業価値向上に資する投資行動を徹底します。
b.経営資源の配分に関する考え方
当グループでは、資本効率の指標であるROIC(投下資本利益率)の現状から、過去の投資に対する回収が決して十分ではないと認識しています。こうした問題意識のもと、投資判断におけるハードルレートを8%に設定し、投資回収ルールの厳格化を図っています。このハードルレートは、投資案件ごとの可否判断に加え、投資効果の振り返りや事業別の資本効率性のマネジメントを通じて、投資回収の促進や資本効率向上のための基準として機能しています。
また、外部生産委託の活用やロイヤリティビジネスの展開を通じて、運転資本および保有資産の圧縮を図るアセットライトを推進します。同時に、人的資本経営にもとづく人材育成や、技術継承・ノウハウ蓄積を目的とした研究開発(R&D)投資は継続的に強化していきます。
c.資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d.資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において120億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額80億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当グループは、「中長期成長戦略2030」において、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する“Rice Innovation Company”をビジョン(目指す姿)として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
当グループを取り巻く事業環境は、原材料価格や物流コストの高止まり、為替変動、国内市場の成熟化に加え、海外事業拡大に伴う経営の複雑化などにより、引き続き不確実性の高い状況が続いております。このような環境下において、中長期的な成長と企業価値の向上を実現するため、当グループは以下の重点課題に取り組んでまいります。
a. 国内米菓事業における持続的な収益力の強化

国内米菓事業では、市場成熟が進む中、コスト構造の変化への対応が重要な課題となっております。重点ブランドへの資源集中や価格改定の定着を図るとともに、生産効率の向上や商品構成の最適化を通じ、安定的かつ持続的な収益基盤の強化に取り組みます。
また、一つの市場(国・地域・顧客層)に対して、グループを挙げて一体で取り組む「ONE KAMEDA for ONE MARKET」の考え方のもと、単体米菓を中心にアジカル株式会社・とよす株式会社・株式会社日新製菓との事業連携を深化させ、国内米菓市場を一体として捉えたシナジー創出を進めてまいります。
b. 北米を起点とした海外事業の収益拡大と経営基盤の確立

海外事業は、当グループの成長を牽引する重要な領域と位置付けております。
TH FOODS, INC.を中核とする北米事業においては、買収後の統合を着実に進め、グループシナジーの早期顕在化と収益力の強化を図ります。
アジア地域では、ベトナムを中心とした自社ブランド事業の拡大に加え、OEM事業の戦略再構築やパートナーシップの深化を通じ、収益性の向上に取り組みます。
c. 食品事業における成長投資の回収と収益基盤の確立

長期保存食、機能性素材、米粉パン、プラントベースフードなどの食品事業は、社会的ニーズの高まりを背景に成長余地を有する一方、投資回収と安定的な収益創出が課題となっております。尾西食品株式会社の事業拡大を通じた投資回収を進めるとともに、株式会社タイナイ・株式会社マイセン・株式会社マイセンファインフードの新規顧客開拓や乳酸菌ビジネスの拡大を通じ、食品事業を第三の収益基盤として確立してまいります。
d. グループ経営の高度化と資本効率の向上
事業領域および地域の拡大に伴い、グループ全体の経営管理体制の高度化が求められております。選択と集中を軸とした資源配分を徹底し、ROICをはじめとする資本効率を重視した経営を推進することで、持続的なキャッシュ・フロー創出と株主還元の両立を図ってまいります。
以上を踏まえた、2027年3月期の業績見通しは以下のとおりであります。なお、中東情勢の影響については、一定の想定に基づき影響額を推定しているものの、現時点では流動的であることから本業績見通しには織り込んでおりません。
(単位:百万円)
(注)調整後営業利益は、営業利益からTH FOODS, INC.の完全子会社化に伴うのれん償却額等を控除した実質的な利益を示す指標であります。
また、業績見通しの前提となる為替レートにつきましては、1US$150.0円、1CNY=21.5円、1THB=4.6円、1VND=0.0060円を想定しております。
※ 将来に関する留意事項
将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画及び企業買収時の事業計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込や各国の長期インフレ率、顧客減少率などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1,011百万円を計上いたしました。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係) (9) 数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.返金負債及び変動対価の算定
当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債及び変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。
① 財政状態及び経営成績の状況
a.財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は56,806百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,531百万円の増加となりました。これは主に「現金及び預金」が10,513百万円、「受取手形、売掛金及び契約資産」が4,089百万円、「商品及び製品」が1,734百万円、「原材料及び貯蔵品」が3,913百万円、「その他」が3,132百万円それぞれ増加したことによるものであります。固定資産は131,416百万円となり、前連結会計年度末に比べ40,829百万円の増加となりました。これは主に「建物及び構築物」が5,689百万円、「機械装置及び運搬具」が5,769百万円、「のれん」が14,469百万円、「顧客関係資産」が18,308百万円、「商標資産」が10,645百万円、「退職給付に係る資産」が2,416百万円それぞれ増加した一方で、「建設仮勘定」が2,852百万円、「投資有価証券」が14,181百万円それぞれ減少したことによるものであります。
この結果、総資産は188,223百万円となり、前連結会計年度末に比べ64,360百万円増加となりました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は28,673百万円となり、前連結会計年度末に比べ3,592百万円増加となりました。これは主に「短期借入金」が2,727百万円、「その他」が2,049百万円それぞれ増加した一方で、「電子記録債務」が1,349百万円減少したことによるものであります。固定負債は53,083百万円となり、前連結会計年度末に比べ33,210百万円の増加となりました。これは主に「長期借入金」が22,678百万円、「繰延税金負債」が10,586百万円それぞれ増加したことによるものであります。
この結果、負債合計は81,757百万円となり、前連結会計年度末に比べ36,802百万円増加となりました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は106,466百万円となり、前連結会計年度末に比べ27,557百万円増加となりました。これは主に「親会社株主に帰属する当期純利益」24,647百万円及び「剰余金の配当」1,201百万円により「利益剰余金」が23,445百万円増加したことや、「為替換算調整勘定」が2,637百万円増加したことによるものであります。
この結果、自己資本比率は54.7%(前連結会計年度末は61.0%)となりました。
b.経営成績
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前連結会計年度比 (%) | |
| (百万円) | (百万円) | ||
| 売上高 | 103,262 | 138,052 | 33.7 |
| 営業利益 | 5,500 | 7,528 | 36.9 |
| 経常利益 | 6,916 | 7,501 | 8.5 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 5,417 | 24,647 | 354.9 |
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に底堅く推移したものの、物価高の長期化により節約志向が強まり、個人消費の回復は緩やかなものとなりました。
また、国際情勢の不安定化や原材料価格の高騰、物流コストおよび人件費の上昇などが企業活動に影響を及ぼし、景気の先行きには依然として不透明感が残っております。
国内の食品業界では厳しい経営環境が続いており、米菓業界においては、原料米価格が高止まりするなど、コストプッシュ・インフレの影響を強く受けております。このような経営環境下、当グループは「中長期成長戦略2030」の実現に向け、着実に歩みを進めております。
当社は、“お米の恵み”を「美味しさ」「健康」「感動」といった価値へと高めることで、お客様の健やかなライフスタイルに貢献することを、パーパス(存在意義)である“Better For You”に込めております。
また、ビジョン(目指す姿)として、お米の持つ可能性を最大限に引き出し、世界に向けて新たな価値と市場を創出する“Rice Innovation Company”の実現を掲げております。
これらの取り組みを通じ、持続的な成長と企業価値の一層の向上を目指しております。
2025年度は、ビジョンの実現に向け、「事業基盤の徹底強化」と「本格的なグローバル展開への推進」を基本方針とし、国内米菓事業においては、独自価値の訴求を通じたキャッシュ創出力の強化に取り組むとともに、海外事業においては、TH FOODS, INC.の完全子会社化を軸とした北米戦略の再構築を進めてまいりました。また、食品事業においては、シーズ事業の成長に向けた各種施策に取り組んでまいりました。
当連結会計年度の売上高は、食品事業が前期を下回ったものの、国内米菓事業は重点ブランドの成長、海外事業はTH FOODS, INC.の完全子会社化によって前期を上回る実績を確保し、138,052百万円(前期比33.7%増)となりました。
営業利益については、食品事業が前期好調に推移した尾西食品の反動減もあり前期を下回ったものの、国内米菓事業は価格改定の効果により収益性が回復、海外事業も完全子会社化したTH FOODS, INC.が堅調に推移したことで、7,528百万円(前期比36.9%増)となりました。また、経常利益については、TH FOODS, INC.の連結子会社化による影響(持分法による投資利益の減少)を営業増益が補い、7,501百万円(前期比8.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益については、TH FOODS, INC.の連結子会社化に伴い、第1四半期連結会計期間に段階取得に係る差益20,598百万円を計上したことから24,647百万円(前期比354.9%増)となりました。
各セグメントの概況は、次のとおりであります。
<国内米菓事業>国内米菓事業については、独自価値訴求型の競争戦略への転換を推し進めており、原料米の高騰など変化を続ける事業環境に柔軟に対応できる、収益性の高い事業構造の確立を目指してまいりました。
具体的には、従来の重点6ブランドを中心としたブランド強化策の継続展開に加えて、価格改定に対する需要底支えの観点から定番ブランドの強化にも取り組みました。
「亀田の柿の種」は、スナック需要への拡張を目指し「うましお」の拡販を継続、「お酒のおつまみ」というイメージから「いつでも、どこでも、誰とでも」楽しめるブランドを目指した施策に取り組みました。「ハッピーターン」は前期に続き「ハッピーターンスパイス」の強化を通じたおつまみ需要への拡張、「亀田のつまみ種」は「午後のつまみ種」の商品改良やプロモーションを通じたおやつ需要への拡張に努めました。「無限シリーズ」は発売後初となる大幅リニューアルを実施、「こつぶっこ」「技のこだ割り」は定番商品の品揃え強化によって需要促進を図るなど、顧客起点でブランド・商品の独自性に磨きをかける取り組みを進めました。また、定番ブランドは需要底支えの観点から品揃えやプロモーションの強化に努めました。加えて、重点6ブランドの生産能力増強や販売促進費用の効率的な執行等、価値訴求に軸足を置いた活動を展開しました。
これらの取り組みの結果、重点6ブランドの売上高については、「無限」シリーズが前期を下回った一方、「亀田の柿の種」「ハッピーターン」「亀田のつまみ種」「こつぶっこ」「技のこだ割り」は前期を上回りました。
また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社は、拡大するインバウンド需要を取り込むため、新規チャネル開拓などに継続的に取り組みました。これらの結果、国内米菓事業全体の売上高は72,309百万円(前期比3.7%増)となりました。
営業利益については、単体米菓において原材料価格の高騰に対し「亀田の柿の種」や定番ブランドを中心とした価格改定を実施。従前より進めている重点6ブランドへの集中化や定番ブランドの底支えによるプロダクトミックス(販売構成比)の改善、販売促進費用の効率的な執行、生産効率向上など各種施策の効果により収益性は大幅に改善しました。また、百貨店向け商品や土産物用商品を製造販売するグループ会社も価格改定や生産効率向上など収益性改善による堅調な業績が加わり、国内米菓事業全体の営業利益は5,139百万円(前期比15.7%増)となりました。
<海外事業>海外事業については、北米戦略の再構築、アジア地域での持続的成長を通じ、成長性と収益性の強化に取り組んでまいりました。北米は、6月に連結子会社化し、堅調に推移したTH FOODS, INC.の取り込みが寄与し大幅増収となりました。また、アジアでは、OEM事業(カンボジア・タイ法人)が減収となりましたが自社ブランド事業(ベトナム、中国)は堅調に推移しました。これらの結果、海外事業全体の売上高は49,477百万円(前期比187.0%増)となりました。
営業利益については、北米では戦略再構築の効果により大きく改善した一方、アジアではカンボジア法人における輸出量の減少、タイ法人における豪州向け輸出量の減少や為替変動(バーツ高)の影響により減益となりました。これらの結果、海外事業全体では1,792百万円の営業利益(前期比1,223.1%増)となりました。
<食品事業>食品事業については、亀田製菓本体とグループ会社の連携を通じ、成長投資の効果を引き出すべく事業拡大に取り組んでまいりました。長期保存食は官公庁・企業向け需要は堅調な一方、拡大基調にあった個人需要の反動減により微減収となりました。災害時などの突発的な需要への対応余力を高め、更なる成長に備えて建設した新工場は、2026年1月に稼働を開始しております。また、米粉パンは「おこめ食パン」の販路拡大を通じた事業成長に取り組みました。さらに、植物性乳酸菌についても、機能性の訴求を通じた販路拡大を継続、欧米市場への本格参入に向けたKerry社との協働も順調に進捗しております。加えて、プラントベースフードはコンセプトを「代替肉」から「植物性たんぱく質食材」に改め、商品の販路拡大やBtoB市場開拓に継続的に取り組んでまいりました。これら各事業の売上高は前期を上回っておりますが、前期で販売を終了した「低たんぱく質米飯」の減収分を補うには至らず、食品事業全体の売上高は8,820百万円(前期比2.7%減)となりました。
営業利益については、投資先行フェーズにあるプラントベースフードや米粉パンに加え、尾西食品が想定を超える原料米高騰の影響を受けたこともあり、451百万円(前期比31.0%減)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 増減 | |
| (百万円) | (百万円) | (百万円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 9,442 | 11,897 | 2,455 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,830 | △26,024 | △18,194 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,215 | 23,507 | 24,722 |
| 現金及び現金同等物に係る換算差額 | 282 | 1,100 | 818 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 8,120 | 18,601 | 10,481 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ10,481百万円増加し、18,601百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は11,897百万円(前期比2,455百万円の収入増加)となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益に、減価償却費や減損損失、のれん償却額等の非資金項目、退職給付に係る資産や売上債権等の営業活動に係る資産及び負債の増減、段階取得に係る差益、関係会社株式売却益、法人税等の支払額を加減算したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は26,024百万円(前期比18,194百万円の支出増加)となりました。
これは主に、有形固定資産の取得による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式取得による支出、連結範囲の変更を伴う子会社株式売却による収入によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は23,507百万円(前期は1,215百万円の支出)となりました。
これは主に、長期借入れによる収入や長期借入金の返済による支出、配当金の支払額によるものであります。
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは△14,127百万円となりました。
キャッシュ・フロー関連指標の推移は、次のとおりであります。
| 2022年3月期 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 61.3 | 58.3 | 58.0 | 61.0 | 54.7 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 81.0 | 83.3 | 74.7 | 66.5 | 48.7 |
| キャッシュ・フロー対 有利子負債比率(年) | 2.3 | 2.8 | 2.4 | 2.6 | 4.2 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ(倍) | 191.4 | 71.0 | 131.1 | 73.9 | 30.8 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。
2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
3.キャッシュ・フローは営業キャッシュ・フローを利用しております。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 数量(屯) | 金額(百万円) | ||
| 国内米菓 | 65,830 | 66,885 | 102.1 |
| 海外 | 44,690 | 47,472 | 333.4 |
| 食品 | 3,556 | 6,526 | 94.6 |
| 報告セグメント計 | 114,077 | 120,883 | 139.5 |
| その他 | - | - | - |
| 合計 | 114,077 | 120,883 | 139.5 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去前の金額を記載しております。
2.記載金額は販売価格で表示しております。
3.当連結会計年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、海外セグメントにおいてTH FOODS, INC.を連結子会社化したこと等によるものであります。
b.受注実績
当グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前年同期比(%) |
| 金額(百万円) | ||
| 国内米菓 | 72,309 | 103.7 |
| 海外 | 49,477 | 287.0 |
| 食品 | 8,820 | 97.3 |
| 報告セグメント計 | 130,607 | 136.0 |
| その他 | 7,445 | 103.3 |
| 合計 | 138,052 | 133.7 |
(注) 1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため、記載を省略しております。
3.当連結会計年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、海外セグメントにおいてTH FOODS, INC.を連結子会社化したこと等によるものであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
③ 資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.財務戦略の基本的な考え方
当社は財務戦略の基本方針として機動性を重視し、変化への対応力と投資効率の最適化を図ることで持続的な成長を目指します。
新たな中長期成長戦略のキャッシュアロケーションの考え方は、2025〜2027年度を前半期、2028〜2030年度を後半期と定め、期間ごとの方針の違いを明確化しました。前半期においては、累積の営業キャッシュ・フローは約460億円を見込み、2025年6月に実施した米国TH FOODS, INC.の完全子会社化に伴う借入金増加への対応として、拡大するキャッシュ・フローを財務体質の改善と将来の投資に備えるべく、連結キャッシュ・フローを整理しました。前半期の営業キャッシュ・フローの使途については、株主還元および借入金返済を優先的に充当した上で、国内米菓事業の主要ブランドの生産能力増強投資に配分します。その他の投資については、残余資金および一部外部調達により実施し、資本効率の向上を図ります。国内米菓事業においては、高収益の主力ブランドの能力増強に選択と集中を推進します。後半期においては、TH FOODS, INC.の収益拡大を起点としたグループ全体の資本効率向上およびキャッシュ創出力の強化に取り組み、営業キャッシュ・フローは約540億円を見込んでいます。前半期同様に、株主還元および借入金返済を拡大するとともに、成長ポテンシャルの高い北米市場への事業拡大投資に軸足を置いて、中長期的な企業価値向上に資する投資行動を徹底します。
b.経営資源の配分に関する考え方
当グループでは、資本効率の指標であるROIC(投下資本利益率)の現状から、過去の投資に対する回収が決して十分ではないと認識しています。こうした問題意識のもと、投資判断におけるハードルレートを8%に設定し、投資回収ルールの厳格化を図っています。このハードルレートは、投資案件ごとの可否判断に加え、投資効果の振り返りや事業別の資本効率性のマネジメントを通じて、投資回収の促進や資本効率向上のための基準として機能しています。
また、外部生産委託の活用やロイヤリティビジネスの展開を通じて、運転資本および保有資産の圧縮を図るアセットライトを推進します。同時に、人的資本経営にもとづく人材育成や、技術継承・ノウハウ蓄積を目的とした研究開発(R&D)投資は継続的に強化していきます。
c.資金需要の主な内容
当グループの資金需要は、営業活動に係る資金支出では、主に米菓の製造に関わる原材料費、運賃、製造費用(生産に関わる償却費、賃借料、保険料など)、販売費(販売業者へ支払うリベートや、販売促進費用)、人件費などがあります。
また、投資活動に係る資金支出は、食品の安全、安心のために不可欠な設備や施設への投資、製造原価低減のための構造改革投資などの設備投資のほか、海外における事業領域の拡大に向けた生産能力の増強や新規製販拠点の設立などがあります。
d.資金調達
当グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金および外部資金を有効に活用しております。
資金需要の主な内容に記載している運転資金および投資資金などの調達に当たっては、主に国内金融機関からの借入を活用しております。
また、安定的な外部資金調達能力の維持向上は重要な経営課題と認識しており、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しております。加えて盤石な財務基盤を有していることから、当グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、投資資金の調達に関しては問題なく実施可能と認識しております。
機動的な資金枠を確保するため、国内金融機関において120億円のコミットメントラインを設定しているほか、一部の海外子会社が利用できる総額80億円のグローバルコミットメントラインを設定し、機動的な資金調達ができる仕組みを確保しております。
④ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑤ 経営戦略の現状と見通し
当グループは、「中長期成長戦略2030」において、お米の可能性を最大限に引き出し、世界で新価値・新市場を創造する“Rice Innovation Company”をビジョン(目指す姿)として掲げ、持続的な成長と企業価値向上を目指しています。
当グループを取り巻く事業環境は、原材料価格や物流コストの高止まり、為替変動、国内市場の成熟化に加え、海外事業拡大に伴う経営の複雑化などにより、引き続き不確実性の高い状況が続いております。このような環境下において、中長期的な成長と企業価値の向上を実現するため、当グループは以下の重点課題に取り組んでまいります。
a. 国内米菓事業における持続的な収益力の強化

国内米菓事業では、市場成熟が進む中、コスト構造の変化への対応が重要な課題となっております。重点ブランドへの資源集中や価格改定の定着を図るとともに、生産効率の向上や商品構成の最適化を通じ、安定的かつ持続的な収益基盤の強化に取り組みます。
また、一つの市場(国・地域・顧客層)に対して、グループを挙げて一体で取り組む「ONE KAMEDA for ONE MARKET」の考え方のもと、単体米菓を中心にアジカル株式会社・とよす株式会社・株式会社日新製菓との事業連携を深化させ、国内米菓市場を一体として捉えたシナジー創出を進めてまいります。
b. 北米を起点とした海外事業の収益拡大と経営基盤の確立

海外事業は、当グループの成長を牽引する重要な領域と位置付けております。
TH FOODS, INC.を中核とする北米事業においては、買収後の統合を着実に進め、グループシナジーの早期顕在化と収益力の強化を図ります。
アジア地域では、ベトナムを中心とした自社ブランド事業の拡大に加え、OEM事業の戦略再構築やパートナーシップの深化を通じ、収益性の向上に取り組みます。
c. 食品事業における成長投資の回収と収益基盤の確立

長期保存食、機能性素材、米粉パン、プラントベースフードなどの食品事業は、社会的ニーズの高まりを背景に成長余地を有する一方、投資回収と安定的な収益創出が課題となっております。尾西食品株式会社の事業拡大を通じた投資回収を進めるとともに、株式会社タイナイ・株式会社マイセン・株式会社マイセンファインフードの新規顧客開拓や乳酸菌ビジネスの拡大を通じ、食品事業を第三の収益基盤として確立してまいります。
d. グループ経営の高度化と資本効率の向上
事業領域および地域の拡大に伴い、グループ全体の経営管理体制の高度化が求められております。選択と集中を軸とした資源配分を徹底し、ROICをはじめとする資本効率を重視した経営を推進することで、持続的なキャッシュ・フロー創出と株主還元の両立を図ってまいります。
以上を踏まえた、2027年3月期の業績見通しは以下のとおりであります。なお、中東情勢の影響については、一定の想定に基づき影響額を推定しているものの、現時点では流動的であることから本業績見通しには織り込んでおりません。
(単位:百万円)
| 2026年3月期業績 | 2027年3月期業績予想 | 増減額 | 増減率(%) | |
| 売上高 | 138,052 | 143,000 | 4,947 | 3.6 |
| 調整後営業利益 | 9,934 | 10,700 | 765 | 7.7 |
| 営業利益 | 7,528 | 8,300 | 771 | 10.3 |
| 経常利益 | 7,501 | 7,700 | 198 | 2.6 |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 24,647 | 4,300 | △20,347 | △82.6 |
(注)調整後営業利益は、営業利益からTH FOODS, INC.の完全子会社化に伴うのれん償却額等を控除した実質的な利益を示す指標であります。
また、業績見通しの前提となる為替レートにつきましては、1US$150.0円、1CNY=21.5円、1THB=4.6円、1VND=0.0060円を想定しております。
※ 将来に関する留意事項
将来の経営環境や業績予想に関する記述は、当社が現時点で入手可能な情報や計画策定の前提としている仮定などに基づくものであります。実際の業績は様々な要因によって予想値と異なる可能性があります。
⑥ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
a.固定資産の減損
当グループが減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において用いられる将来キャッシュ・フローは、中期経営計画及び企業買収時の事業計画の前提となった数値を、経営環境などの外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(予算など)と整合的に修正し、資産グループの現在の使用状況や合理的な使用計画等を考慮し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込や各国の長期インフレ率、顧客減少率などの仮定を用いております。中期経営計画の見積期間を超える期間の将来キャッシュ・フローは、中期経営計画の前提となった数値に、それまでの計画に基づく趨勢を踏まえて見積っております。
当グループは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結損益計算書関係) ※8 減損損失」に記載のとおり、当連結会計年度において減損損失1,011百万円を計上いたしました。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加の減損損失(特別損失)が発生する可能性があります。
b.繰延税金資産の回収可能性
当グループは、繰延税金資産の回収可能性については、将来の税金負担額を軽減する効果を有するかどうかで判断しております。当該判断は、収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性、タックス・プランニングに基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性及び将来加算一時差異の十分性のいずれかを満たしているかどうかにより判断しております。
収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得の十分性を判断するに当たっては、一時差異等の解消見込年度及び繰戻・繰越期間における課税所得を見積っております。課税所得は、中期経営計画の前提となった数値を、経営環境等の外部要因に関する情報や当グループが用いている内部の情報(過去における中期経営計画の達成状況、予算など)と整合的に修正し見積っております。当該見積りには、売上高に影響する米菓に関連する市場成長率の見込などの仮定を用いております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響を与える可能性があります。
c.退職給付債務及び費用の算定
当グループには、確定給付制度を採用している会社が存在します。確定給付制度の退職給付債務及び関連する勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割り引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、将来の給与水準、退職率、死亡率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。当社及び国内子会社の年金制度においては、割引率は国債の利回りに基づき、長期期待運用収益率は、現在及び予想される年金資産の配分と、年金資産を構成する多様な資産からの現在及び将来期待される長期の収益率を考慮して決定しております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する退職給付に係る資産(負債)及び退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度末の退職給付債務の算定に用いた主要な数理計算上の仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(退職給付関係) (9) 数理計算上の計算基礎に関する事項」に記載のとおりであります。
d.返金負債及び変動対価の算定
当グループは、変動対価の算定に際して、販売額に対する値引き、割戻し、返品等を含む変動対価の割合は過去の実績と概ね整合するとの仮定のもと、過去の実績率に基づき、将来発生見込額を見積っております。
当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する返金負債及び変動対価の金額に重要な影響を与える可能性があります。