有価証券報告書-第53期(平成29年5月1日-平成30年4月30日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における日本経済は、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある
ものの、雇用・所得環境の改善が続くなかで、各種政策の効果もあって、緩やかな回復が続きました。
飲料業界におきましては、根強い節約志向の継続により、事業環境は依然として厳しい状況が続いておりま
す。
このような状況の中、当社グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当社グループを取り巻
く全てのお客様に対し「お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか」を常に考え、一丸となって積極
的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,947億93百万円(前期比4.0%増)、営業利益220億43百万円
(前期比1.2%増)、経常利益214億41百万円(前期比0.4%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益125億
53百万円(前期比8.3%減)となりました。
セグメント別の業績を示すと次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>[国内茶葉(リーフ)製品]
「京都宇治抹茶入り お~いお茶」リーフ・ティーバッグ製品のパッケージに氷水出しを訴求するデザイン
を掲載したり、全国の店頭において、厚生労働省認定の「伊藤園ティーテイスター」を取得している茶師によ
る実演販売「大茶会」を開催したりするなど、生活シーンに合わせたお茶のさまざまな“おいしさ”“楽しみ
方”をお伝えする取り組みを実施いたしました。リーフ・ティーバッグのほかにも、水でもお湯でもすぐに溶
ける粉末タイプなど手軽にご賞味いただける簡便性製品についても積極的にご提案し、ご好評いただいており
ます。
[国内飲料(ドリンク)製品]
当社主力製品であります「お~いお茶」において、春には桜、秋には紅葉の季節限定パッケージを展開して
おります。桜パッケージでは日本全国各地の桜の名所を、紅葉パッケージでは全国47都道府県の郷土料理の魅
力をご紹介することで、日本の春および秋を盛り上げてまいりました。このような季節感のある製品展開や当
社ならではの原料調達力と茶製品生産技術を活かした製品展開により、「お~いお茶」ブランドのさらなる価
値向上を図ってまいります。
ノンカフェイン茶系飲料No.1である「健康ミネラルむぎ茶」においては、年間を通して家族みんなが安心し
て、おいしく水分と適度なミネラルが補給できる飲料として、引き続きご好評いただいております。
コーヒー飲料である「TULLY'S COFFEE」においては、コーヒー豆・焙煎・抽出にこだわり、最高の一杯を追
求するタリーズコーヒーのバリスタが監修しております。コーヒーの魅力のひとつである香りを失わないよう
に、コーヒー豆を粉砕してから抽出するまでの時間を短縮することで芳醇な香りに仕上げております。消費者
の多様な嗜好に沿った製品を展開し、「TULLY'S COFFEE」ブランドのさらなる強化を図ってまいります。
当社は、賞味期限の「年月表示」への順次移行を実施しております。この取り組みにより、全販売数量の約
8割が「年月表示」となり、食品ロスの軽減・物流効率化に伴うCO2排出量の削減による「環境負荷軽減」
および店舗や倉庫での管理対象ロット数の減少や保管スペース縮小などの作業効率化による「生産性向上」が
期待できます。
[海外茶葉(リーフ)製品]
米国、中国を中心に「グローバルブランド」で展開する「MATCHA GREEN TEA」の積極的な販売を行ってま
いりました。
[海外飲料(ドリンク)製品]
ITO EN (North America) INC. において、和食や抹茶の世界的ブームや健康志向の高まりを背景に、「お~
いお茶」などの無糖茶飲料が順調に売上を伸ばしております。また、米国を中心にコーヒー豆の栽培から販売
までを行うDistant Lands Trading Company において、主要顧客であるフードサービスチェーンへの当社グル
ープ製品の販売など、引き続きシナジー効果を追求してまいります。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は4,556億3百万円(前期比3.6%増)となり、営業利益は191
億51百万円(前期比0.3%増)となりました。
<飲食関連事業>タリーズコーヒージャパン㈱におきましては、新定番エスプレッソビバレッジ「フラットホワイト」やイー
スターをコンセプトとした「ポップンイースターラテ」を発売し、ご好評をいただいております。また、ティ
ービバレッジでも「ベリーベリーロイヤルミルクティー」や「フルーツカクテルティー」などご好評をいただ
いております。新規出店も順調に進み、総店舗数は706店舗になりました。
引き続き積極的な投資とあわせて既存店舗の改装などによる活性化を図り、店舗競争力を強化することで、スペシャルティコーヒーショップとしての更なるブランド強化を図ってまいります。
この結果、飲食関連事業の売上高は325億70百万円(前期比7.7%増)となり、営業利益は32億50百万円(前
期比3.8%増)となりました。
<その他>Mason Distributors,Inc. におきましては、引き続きサプリメントの販売が好調に推移しております。
この結果、売上高は66億19百万円(前期比11.9%増)となり、営業利益は9億39百万円(前期比17.2%増)
となりました。
財政状態の状況は次の通りであります。
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産の残高は1,737億98百万円で、前連結会計年度末に比べて8億59百万円減少しております。これは「現金及び預金」の25億38百万円減少によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産の残高は1,273億82百万円で、前連結会計年度末に比べて3億66百万円減少しております。これは「工具、器具及び備品」の42億62百万円増加、「リース資産」の38億79百万円減少によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債の残高は771億87百万円で、前連結会計年度末に比べて43億73百万円減少しております。これは「支払手形及び買掛金」の31億82百万円減少によるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債の残高は802億41百万円で、前連結会計年度末に比べて38億94百万円減少しております。これは「リース債務」の31億86百万円減少によるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は1,437億50百万円で、前連結会計年度末に比べて70億41百万円増加しております。これは「利益剰余金」の73億16百万円増加によるものです。
②キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、253億22百万円の収入(前期は270億98百万円の収入)となりま
した。主な要因といたしましては、増加要因として税金等調整前当期純利益209億90百万円、減価償却費132億
22百万円であるのに対し、減少要因として法人税等の支払額76億40百万円であったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、113億59百万円の支出(前期は82億43百万円の支出)となりました。
主な要因といたしましては、設備投資による支出105億69百万円があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、166億39百万円の支出(前期は80億12百万円の支出)となりまし
た。主な要因といたしましては、ファイナンス・リース債務の返済による支出86億16百万円、配当金の支払
52億32百万円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して28億25百万円
減少し、613億76百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 対前期比増減率(%) |
| リーフ・ドリンク関連事業 | ||
| (販売用製品) | 63,658 | 3.1 |
| (自社製品用原料) | 15,642 | 6.7 |
| リーフ・ドリンク関連事業計 | 79,300 | 3.8 |
| その他 | ||
| (販売用製品) | 1,629 | 4.8 |
| 合計 | 80,929 | 3.9 |
(注)1 販売用製品の金額は販売価格、自社製品用原料の金額は原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記生産実績には外部へ製造委託している仕入製品は含まれておりません。
4 上記金額には消費税等は含まれておりません。
b.仕入実績
当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 対前期比増減率(%) |
| リーフ・ドリンク関連事業 | 215,387 | 2.0 |
| 飲食関連事業 | 10,538 | 4.8 |
| その他 | 2,025 | △1.3 |
| 合計 | 227,950 | 2.1 |
(注)1 金額は仕入原価によっております。
2 セグメント間取引については、相殺消去しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社グループは受注生産を行っておりません。
d.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 対前期比増減率(%) |
| リーフ・ドリンク関連事業 | 455,603 | 3.6 |
| 飲食関連事業 | 32,570 | 7.7 |
| その他 | 6,619 | 11.9 |
| 合計 | 494,793 | 4.0 |
(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10以上の相手先がないため記載を省略しております。
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要と思われる見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しております。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
当連結会計年度末の財政状態につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績
の状況」に記載の通りであります。
b.経営成績
当連結会計年度の売上高は前連結会計年度に比べ4.0%増の4,947億93百万円となりました。これは「(1)
経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通り、リーフ・ドリンク関連事業及び飲食
関連事業の売上高が堅調に推移したことによるものです。
当連結会計年度の売上総利益は前連結会計年度に比べ3.5%増の2,339億83百万円となり、売上総利益率は
0.2%減の47.3%となりました。これは、特にリーフ・ドリンク関連事業において、製品構成の変化の影響等に
よるものであります。
当連結会計年度の営業利益は前連結会計年度に比べ1.2%増の220億43百万円となり、営業利益率は0.1%減
の4.5%となりました。これは、売上総利益率は0.2%減となったものの、販売手数料の売上高に対する比率が
0.1%減少するなど、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率が0.1%減少したことによるものです。
当連結会計年度の経常利益は前連結会計年度に比べ0.4%減の214億41百万円となり、経常利益率は0.2%減
の4.3%となりました。これは、営業外損益に含まれる為替差損益が552百万円減少(減少は為替差損)、売上高
に対する比率が0.1%減少したことによるものです。
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ8.3%減の125億53百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益率は0.3%減の2.5%となりました。これは、平成29年12月に米国において成立
した税制改革法による繰延税金資産の取崩しなどにより、法人税等調整額が16億76百万円増加、売上高に対する
比率が0.3%増加したことによるものです。
c.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載の通りです。
当社グループは、収益性の強化によるキャッシュ・フローを高め、さらに投資効果を重視した設備投資を行うとともに、有利子負債の削減を進めてまいります。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2.事業等のリスク」に記載の通りです。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、リーフ・ドリンク関連事業における製品製造のための原材料の仕入や製造経費のほか、販売費及び一般管理費等であります。また、設備投資需要としては、リーフ・ドリンク関連事業における自動販売機等への投資や飲食関連事業における新規出店等への投資であります。
b.財務政策
当社グループは、事業活動に必要な資金を安定的に調達するため、内部資金の活用に加え、金融機関からの借入及び社債の発行等による資金調達を行っております。資金調達に際しては、調達コストの低減に努める一方、過度に金利変動リスクに晒されないよう金利の固定化を図っております。
⑤経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の達成・進捗状況
当社グループは、平成29年6月に発表しました中長期経営計画の目標にも掲げましたとおり、連結売上高、自己
資本利益率(ROE)、総還元性向を重要な経営指標としており、その進捗状況については以下のとおりでありま
す。
| 平成30年4月期 実績 | 平成31年4月期 見通し | 平成34年4月期 目標値 | |
| 売上高 | 4,947億円 | 5,078億円 | 6,000億円 |
| 自己資本利益率(ROE) | 9.0% | 9.5% | 10%以上 |
| 総還元性向 | 48.5% | 40%以上 | 40%以上 |
「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)当社グループの中長期的な経営戦略」に記載のとおり、今後も中長期経営計画に基づき、企業価値を高め、より一層株主価値の向上に努めてまいります。