四半期報告書-第91期第3四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/06 9:26
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間の連結業績は、新型コロナウイルス感染症拡大によりホテル運営事業に影響があるものの、前連結会計年度及び当第3四半期連結累計期間に竣工、取得した物件によりオフィス等の不動産賃貸収入は安定的に推移しております。一方で、当第3四半期連結会計期間に予定していた物件売却が当第4四半期連結会計期間にずれ込んだことにより、営業収益は186,360百万円(前年同期比△29,353百万円、13.6%減)、営業利益は54,146百万円(前年同期比△1,639百万円、2.9%減)、経常利益は50,112百万円(前年同期比△2,012百万円、3.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は28,703百万円(前年同期比△8,133百万円、22.0%減)となりました。
各セグメントの経営成績は、次の通りであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
(各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。)
(不動産事業)
当社グループの中核事業は、東京23区を中心に、約250件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約135万㎡を活用した不動産賃貸事業であります。マーケットニーズに即した用途バランスと競争優位性を有する賃貸ポートフォリオを再構築する観点から、ポートフォリオの組替をおこなうとともに、耐震・省エネに優れた開発・建替の加速による優良アセットの積み上げに取り組んでおります。また、開発事業やバリューアッド事業を強化することで、売却利益を享受するビジネスモデルの確立に取り組んでおります。
当第3四半期連結累計期間の新規物件(固定資産)の取得につきましては、日本ヒューレット・パッカード本社ビル(東京都江東区)、銀座天國ビル(東京都中央区)、きらぼし銀行新宿本店(東京都新宿区)及び相鉄フレッサイン新橋烏森口(東京都港区)などを取得いたしました。
開発・建替事業(固定資産)につきましては、(仮称)宇田川町32開発計画(東京都渋谷区)、(仮称)新宿3-17開発計画(東京都新宿区)、(仮称)銀座6丁目開発計画(東京都中央区)、(仮称)赤坂二丁目開発計画(東京都港区)、(仮称)銀座8丁目開発計画(東京都中央区)、(仮称)銀座6丁目並木通り開発計画(東京都中央区)、ヒューリック札幌NORTH33ビル建替計画(札幌市中央区)、ヒューリック福岡ビル建替計画(福岡市中央区)及びヒューリック札幌ビル建替計画(札幌市中央区)などが順調に進行しております。
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、立誠ガーデン ヒューリック京都(京都市中京区)が2020年6月、ヒューリック両国リバーセンター(東京都墨田区)が2020年8月に竣工いたしました。そのほか、(仮称)医誠会国際総合病院計画(大阪市北区)が順調に進行しております。
販売用不動産につきましては、ニューシティ多摩センタービル(東京都多摩市)及び相鉄フレッサイン大阪なんば駅前(大阪市浪速区)などを取得し、ヒューリック築地三丁目ビル(東京都中央区)、WeWork Shimbashi(東京都港区)、池袋GIGO(東京都豊島区)及びヒューリック兜町ビル(東京都中央区)などを売却しております。
このように、当セグメントにおける事業は、前連結会計年度及び当第3四半期連結累計期間に竣工、取得した物件によりオフィス等の不動産賃貸収入は安定的に推移しております。一方で、当第3四半期連結会計期間に予定していた物件売却が当第4四半期連結会計期間にずれ込んだことにより、営業収益は167,793百万円(前年同期比△35,851百万円、17.6%減)、営業利益は65,027百万円(前年同期比3,680百万円、5.9%増)となりました。
(保険事業)
保険事業におきましては、連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社が、国内・外資系の保険会社と代理店契約を結んでおり、法人から個人まで多彩な保険商品を販売しております。保険業界の事業環境は引き続き厳しい環境にありますが、既存損保代理店の営業権取得を重点戦略として、法人取引を中心に営業展開をしております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は2,248百万円(前年同期比△87百万円、3.7%減)、営業利益は552百万円(前年同期比△42百万円、7.1%減)となりました。
(ホテル・旅館事業)
ホテル・旅館事業におきましては、連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社は「THE GATE HOTEL」シリーズ、ヒューリックふふ株式会社は「ふふ」シリーズ、日本ビューホテル株式会社は「ビューホテル」シリーズを中心に、ホテル及び旅館の運営をおこなっております。
当第3四半期連結累計期間においては、新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言や自治体からの要請等を受けて一部店舗を閉鎖したことに伴い、稼働率の低下、レストランや宴会等のキャンセルが発生し、前年同期比で営業損失が増加しております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は12,692百万円(前年同期比4,513百万円、55.1%増)、営業損失は5,467百万円(前年同期は営業損失278百万円)となりました。
(その他)
その他におきましては、主に連結子会社であるヒューリックビルド株式会社が、当社保有ビル等の営繕工事、テナント退去時の原状回復工事、新規入居時の内装工事を中心に受注実績を積み上げた結果、営業収益は7,791百万円(前年同期比1,887百万円、31.9%増)、営業利益は923百万円(前年同期比499百万円、117.6%増)となりました。
②財政状態の状況
(資産)
当第3四半期連結会計期間末の資産合計は、2,029,877百万円となり、対前期末比で253,604百万円増加いたしました。当社グループにおきましては、賃貸ポートフォリオの再構築と開発事業及びバリューアッド事業の強靭化の観点から、ポートフォリオの組替や開発・建替及びバリューアッド事業を推進しております。
また、ヒューリックリート投資法人及びヒューリックプライベートリート投資法人の中長期的な収益向上と優良アセットの着実な積上げを実現するために、スポンサーとしてのサポートやバックアップにも努めております。
主な項目の増減は以下の通りであります。
・現金及び預金147,323百万円増加(新型コロナウイルス感染症再拡大に備えた手元資金の積み増し等)
・販売用不動産43,470百万円増加(固定資産との振替、物件の取得及び売却等)
・建物及び構築物14,407百万円増加(物件の取得、竣工及び販売用不動産との振替等)
・土地55,418百万円増加(物件の取得及び販売用不動産との振替等)
・投資有価証券9,728百万円減少(投資有価証券の取得及び有価証券の含み益の減少等)

(負債)
当第3四半期連結会計期間末の負債合計は、1,577,214百万円となり、対前期末比で262,798百万円増加いたしました。これは、主に、設備投資等に伴い、資金調達をおこなったことによるものであります。
当社グループの借入金残高は1,033,460百万円となっておりますが、このうち特別目的会社(SPC)のノンリコースローンが33,675百万円含まれております。金融機関からの資金調達については、高い収益力を背景として安定的に低コストで調達をおこなっております。
(純資産)
当第3四半期連結会計期間末の純資産合計は、452,662百万円となり、対前期末比で9,193百万円減少いたしました。このうち株主資本合計は、422,074百万円となり、対前期末比で4,774百万円増加しております。これは、主に、親会社株主に帰属する四半期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少によるものであります。
また、その他の包括利益累計額合計は、27,923百万円となり、対前期末比で13,870百万円減少いたしました。これは、主に、有価証券の含み益が19,099百万円減少したことによるその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。
(2)経営方針・経営戦略等
2020年度を初年度とする新中期経営計画を2020年1月に策定しており、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、以下の通りであります。
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(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
該当事項はありません。
(5)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間において、ホテル・旅館事業の販売実績が著しく増加しております。
これは、2019年9月1日付の株式交換により日本ビューホテル株式会社を完全子会社化し、連結の範囲に含めたことによるものであります。