有価証券報告書-第89期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
我が国経済は緩やかに回復しており、雇用環境などの改善や企業の投資意欲の高まりが見られています。一方で、米中間の貿易摩擦などの景気後退につながるリスク要因もあり、引き続き楽観視はできない状況となっております。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、底堅い需要を背景に、都心部を中心として空室率は改善傾向にあり、賃料水準も堅調に推移しております。
こうした環境のもと、当社グループは、平成30年度を初年度とする中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして不動産賃貸事業を核としたビジネスモデルを発展進化させ、永続的な企業価値の増大を遂げることに注力してまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、営業収益は287,513百万円(前期比△2,105百万円、0.7%減)、営業利益75,564百万円(前期比11,314百万円、17.6%増)、経常利益72,530百万円(前期比10,660百万円、17.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益49,515百万円(前期比7,113百万円、16.7%増)となりました。
財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は、1,526,423百万円(前期末比174,285百万円、12.8%増)、負債合計は、1,122,287百万円(前期末比149,005百万円、15.3%増)、純資産合計は、404,135百万円(前期末比25,279百万円、6.6%増)となりました。
各セグメントの業績は、次の通りであります。
(各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。)
(不動産事業)
当社グループの中核事業は、東京23区を中心に、約240件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約119万㎡を活用した不動産賃貸事業であります。賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、立地を厳選した新規物件取得や建替の推進、開発物件の組み入れを継続すると共に、アセットマネジメントの強化により、更なる不動産価値の向上に取り組んでおります。また、高付加価値を創出して収益化する不動産バリュー アッド事業の軌道化へ向けての取り組みも強化しております。
当連結会計年度における建替の状況につきましては、ヒューリック板橋(東京都板橋区)が平成30年2月、ヒューリック府中ビル(東京都府中市)が平成30年7月、ヒューリック目白(東京都豊島区)が平成30年10月及びヒューリックレジデンス新御茶ノ水(東京都千代田区)が平成30年12月に竣工いたしました。
そのほか、王子富士ビル(平成32年1月竣工予定)及び成増富士ビル(平成32年6月竣工予定)の建替計画が順調に進行しております。なお、当連結会計年度におきまして、新たにヒューリック福岡ビル(平成36年12月竣工予定)の建替を決定しております。
当連結会計年度の新規物件(固定資産)の取得につきましては、新日本実業銀座6丁目ビル(東京都中央区)、ヒューリック葛西臨海ビル(東京都江戸川区)、新宿武蔵野ビル(東京都新宿区)、WeWork Shimbashi(東京都港区)、イトーヨーカドー川崎店(川崎市川崎区)、ラウンドワン吉祥寺店(東京都武蔵野市)、ポルテ金沢(石川県金沢市)、イトーヨーカドー鶴見店(横浜市鶴見区)、MASU no SQUARE(東京都千代田区)、赤坂スターゲートプラザ(東京都港区)及び住友商事千里ビル(大阪府豊中市)などを取得いたしました。
開発事業(固定資産)につきましては、ヒューリックスクエア東京(東京都千代田区)(一部は販売用)が平成30年10月及びヒューリック築地三丁目ビル(東京都中央区)が平成30年11月に竣工いたしました。
そのほか、(仮称)赤坂二丁目開発計画(東京都港区)、(仮称)銀座8丁目開発計画(東京都中央区)などの開発用地を取得したほか、(仮称)宇田川町32開発計画(東京都渋谷区)、(仮称)新宿3-17開発計画(東京都新宿区)及び(仮称)銀座6丁目開発計画(東京都中央区)などが順調に進行しております。
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、大阪市主催の土地売却プロポーザルで事業予定者として選定され、(仮称)扇町医誠会病院開発計画(大阪市北区)の推進に着手したほか、(仮称)立誠小跡地開発計画(京都市中京区)などが順調に進行しております。
販売用不動産につきましては、ヒューリックスクエア東京(東京都千代田区)が平成30年10月に竣工いたしました。
そのほか、リーフみなとみらい(横浜市西区)(一部)及びリバーサイド品川港南ビル(東京都品川区)などを取得し、ヒューリック銀座7丁目ビル(東京都中央区)(一部)、ヒューリック神宮前五丁目ビル(東京都渋谷区)、ヒューリック志村坂上(東京都板橋区)、東池袋セントラルプレイス(東京都豊島区)、ふれあい横浜メディカルセンター(横浜市中区)、品川シーズンテラス(東京都港区)(一部)、ヒューリック神谷町ビル(東京都港区)、ヒューリック日本橋室町ビル(東京都中央区)、浅草橋ホテル(東京都台東区)及びヒューリック豊洲プライムスクエア(東京都江東区)(一部)などを売却しております。
このように、当セグメントにおける事業は順調に進行しており、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件による不動産賃貸収入の増加に加え、販売用不動産の売却も順調に推移したことなどから、営業収益は257,070百万円(前期比△2,104百万円、0.8%減)、営業利益は81,065百万円(前期比11,857百万円、17.1%増)となりました。
(保険事業)
保険事業におきましては、連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社が、国内・外資系の保険会社と代理店契約を結んでおり、法人から個人まで多彩な保険商品を販売しております。保険業界の事業環境は引き続き厳しい環境にありますが、既存損保代理店の営業権取得を重点戦略として、法人取引を中心に拡充しております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は4,056百万円(前期比577百万円、16.6%増)、営業利益は1,596百万円(前期比518百万円、48.1%増)となりました。
(人材関連事業)
人材関連事業におきましては、連結子会社である株式会社アヴァンティスタッフが、人材派遣・人材紹介事業等をおこなっております。同社では、主力ビジネスである人材派遣事業の増強をはかるとともに、企業及び求職者の多様化するニーズに対応するべく、総合人材サービス企業としてのノウハウを活用し、様々な人材サービスの提案、提供をおこなっております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は18,094百万円(前期比△630百万円、3.3%減)、営業利益は360百万円(前期比24百万円、7.2%増)となりました。
(その他)
その他におきましては、連結子会社であるヒューリックビルド株式会社が、当社保有ビル等の営繕工事、テナント退去時の原状回復工事、新規入居時の内装工事を中心に受注実績を積み上げておりますほか、連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社及びヒューリックふふ株式会社等がホテル、高級温泉旅館の運営をおこなっているとともに、連結子会社であるヒューリックオフィスサービス株式会社による給食業務の受託事業等が寄与した結果、営業収益は12,927百万円(前期比1,434百万円、12.4%増)、営業利益は356百万円(前期比△433百万円、54.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により130,973百万円増加し、投資活動により258,127百万円減少し、財務活動において131,010百万円増加し、当連結会計年度末には31,847百万円となりました。
(単位:百万円)
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは130,973百万円の収入(前期比85,248百万円)となりました。これは主に、不動産賃貸収入及び販売用不動産の売却を主因とした税金等調整前当期純利益が72,018百万円、減価償却費が11,942百万円、たな卸資産の減少額が62,399百万円あったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは258,127百万円の支出(前期比△69,039百万円)となりました。これは主に、賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、開発・建替を進めるとともに新規物件の取得をおこなったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは131,010百万円の収入(前期比△17,472百万円)となりました。これは主に、建替や新規物件の取得に伴う資金調達をおこなった一方で、配当金の支払いがあったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
(注)1.各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載の通りであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断をおこなっておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、287,513百万円となり、対前期比で2,105百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件による不動産賃貸収入の増加があった一方で、前連結会計年度において、大型の販売用不動産の売却があったことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、75,564百万円となり、対前期比で11,314百万円増加いたしました。これは、物件の竣工、取得による不動産賃貸収入の増加及び販売用不動産の売上総利益が増加したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、72,530百万円となり、対前期比で10,660百万円増加いたしました。これは、上記営業利益の増加があった一方で、支払利息の増加等により営業外費用が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、49,515百万円となり、対前期比で7,113百万円増加いたしました。これは、上記経常利益の増加があった一方で、税金費用が増加したことによるものであります。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、1,526,423百万円となり、対前期末比174,285百万円増加いたしました。当社グループにおきましては、賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、新規物件取得及び開発・建替の推進に取り組んでおります。
また、ヒューリックリート投資法人及びヒューリックプライベートリート投資法人の中長期的な収益向上と運用資産の着実な積上げを実現するために、スポンサーとしてのサポートやバックアップに努めていくほか、不動産バリューアッド事業の軌道化にも取り組んでおります。
主な項目の増減は以下の通りであります。
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、1,122,287百万円となり、対前期末比149,005百万円増加いたしました。これは、主に、設備投資等に伴い、資金調達をおこなったことによるものであります。
当社グループの借入金残高は872,145百万円となっておりますが、このうち特別目的会社(SPC)のノンリコースローンが23,725百万円含まれております。金融機関からの資金調達については、高い収益力を背景として安定的に低コストで調達をおこなっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、404,135百万円となり、対前期末比25,279百万円増加いたしました。このうち株主資本合計は、368,034百万円となり、対前期末比で33,962百万円増加しております。これは、主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少によるものであります。
また、その他の包括利益累計額合計は、32,703百万円となり、対前期末比で8,629百万円減少いたしました。これは、主に、有価証券の含み益が12,996百万円減少したことによるその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の通りであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、必要な資金を主に銀行借入、社債や短期社債(コマーシャル・ペーパー)等の発行によって調達する方針としており、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの今後の資金需要は、主に不動産事業に係る設備投資であり、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
e.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については以下の通りであります。
※平成30年実施のハイブリッドファイナンス1,500億円のうち、50%(750億円)をみなし資本として算出。
f.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
①財政状態及び経営成績の状況
我が国経済は緩やかに回復しており、雇用環境などの改善や企業の投資意欲の高まりが見られています。一方で、米中間の貿易摩擦などの景気後退につながるリスク要因もあり、引き続き楽観視はできない状況となっております。
賃貸オフィス事業を取り巻く環境につきましては、底堅い需要を背景に、都心部を中心として空室率は改善傾向にあり、賃料水準も堅調に推移しております。
こうした環境のもと、当社グループは、平成30年度を初年度とする中期経営計画に基づき、『変革とスピード』をキーワードとして不動産賃貸事業を核としたビジネスモデルを発展進化させ、永続的な企業価値の増大を遂げることに注力してまいりました。
その結果、当連結会計年度の業績は、営業収益は287,513百万円(前期比△2,105百万円、0.7%減)、営業利益75,564百万円(前期比11,314百万円、17.6%増)、経常利益72,530百万円(前期比10,660百万円、17.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益49,515百万円(前期比7,113百万円、16.7%増)となりました。
財政状態については、当連結会計年度末の資産合計は、1,526,423百万円(前期末比174,285百万円、12.8%増)、負債合計は、1,122,287百万円(前期末比149,005百万円、15.3%増)、純資産合計は、404,135百万円(前期末比25,279百万円、6.6%増)となりました。
各セグメントの業績は、次の通りであります。
(各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。)
(不動産事業)
当社グループの中核事業は、東京23区を中心に、約240件(販売用不動産除く)の賃貸物件・賃貸可能面積約119万㎡を活用した不動産賃貸事業であります。賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、立地を厳選した新規物件取得や建替の推進、開発物件の組み入れを継続すると共に、アセットマネジメントの強化により、更なる不動産価値の向上に取り組んでおります。また、高付加価値を創出して収益化する不動産バリュー アッド事業の軌道化へ向けての取り組みも強化しております。
当連結会計年度における建替の状況につきましては、ヒューリック板橋(東京都板橋区)が平成30年2月、ヒューリック府中ビル(東京都府中市)が平成30年7月、ヒューリック目白(東京都豊島区)が平成30年10月及びヒューリックレジデンス新御茶ノ水(東京都千代田区)が平成30年12月に竣工いたしました。
そのほか、王子富士ビル(平成32年1月竣工予定)及び成増富士ビル(平成32年6月竣工予定)の建替計画が順調に進行しております。なお、当連結会計年度におきまして、新たにヒューリック福岡ビル(平成36年12月竣工予定)の建替を決定しております。
当連結会計年度の新規物件(固定資産)の取得につきましては、新日本実業銀座6丁目ビル(東京都中央区)、ヒューリック葛西臨海ビル(東京都江戸川区)、新宿武蔵野ビル(東京都新宿区)、WeWork Shimbashi(東京都港区)、イトーヨーカドー川崎店(川崎市川崎区)、ラウンドワン吉祥寺店(東京都武蔵野市)、ポルテ金沢(石川県金沢市)、イトーヨーカドー鶴見店(横浜市鶴見区)、MASU no SQUARE(東京都千代田区)、赤坂スターゲートプラザ(東京都港区)及び住友商事千里ビル(大阪府豊中市)などを取得いたしました。
開発事業(固定資産)につきましては、ヒューリックスクエア東京(東京都千代田区)(一部は販売用)が平成30年10月及びヒューリック築地三丁目ビル(東京都中央区)が平成30年11月に竣工いたしました。
そのほか、(仮称)赤坂二丁目開発計画(東京都港区)、(仮称)銀座8丁目開発計画(東京都中央区)などの開発用地を取得したほか、(仮称)宇田川町32開発計画(東京都渋谷区)、(仮称)新宿3-17開発計画(東京都新宿区)及び(仮称)銀座6丁目開発計画(東京都中央区)などが順調に進行しております。
PPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)事業につきましては、大阪市主催の土地売却プロポーザルで事業予定者として選定され、(仮称)扇町医誠会病院開発計画(大阪市北区)の推進に着手したほか、(仮称)立誠小跡地開発計画(京都市中京区)などが順調に進行しております。
販売用不動産につきましては、ヒューリックスクエア東京(東京都千代田区)が平成30年10月に竣工いたしました。
そのほか、リーフみなとみらい(横浜市西区)(一部)及びリバーサイド品川港南ビル(東京都品川区)などを取得し、ヒューリック銀座7丁目ビル(東京都中央区)(一部)、ヒューリック神宮前五丁目ビル(東京都渋谷区)、ヒューリック志村坂上(東京都板橋区)、東池袋セントラルプレイス(東京都豊島区)、ふれあい横浜メディカルセンター(横浜市中区)、品川シーズンテラス(東京都港区)(一部)、ヒューリック神谷町ビル(東京都港区)、ヒューリック日本橋室町ビル(東京都中央区)、浅草橋ホテル(東京都台東区)及びヒューリック豊洲プライムスクエア(東京都江東区)(一部)などを売却しております。
このように、当セグメントにおける事業は順調に進行しており、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件による不動産賃貸収入の増加に加え、販売用不動産の売却も順調に推移したことなどから、営業収益は257,070百万円(前期比△2,104百万円、0.8%減)、営業利益は81,065百万円(前期比11,857百万円、17.1%増)となりました。
(保険事業)
保険事業におきましては、連結子会社であるヒューリック保険サービス株式会社が、国内・外資系の保険会社と代理店契約を結んでおり、法人から個人まで多彩な保険商品を販売しております。保険業界の事業環境は引き続き厳しい環境にありますが、既存損保代理店の営業権取得を重点戦略として、法人取引を中心に拡充しております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は4,056百万円(前期比577百万円、16.6%増)、営業利益は1,596百万円(前期比518百万円、48.1%増)となりました。
(人材関連事業)
人材関連事業におきましては、連結子会社である株式会社アヴァンティスタッフが、人材派遣・人材紹介事業等をおこなっております。同社では、主力ビジネスである人材派遣事業の増強をはかるとともに、企業及び求職者の多様化するニーズに対応するべく、総合人材サービス企業としてのノウハウを活用し、様々な人材サービスの提案、提供をおこなっております。
この結果、当セグメントにおける営業収益は18,094百万円(前期比△630百万円、3.3%減)、営業利益は360百万円(前期比24百万円、7.2%増)となりました。
(その他)
その他におきましては、連結子会社であるヒューリックビルド株式会社が、当社保有ビル等の営繕工事、テナント退去時の原状回復工事、新規入居時の内装工事を中心に受注実績を積み上げておりますほか、連結子会社であるヒューリックホテルマネジメント株式会社及びヒューリックふふ株式会社等がホテル、高級温泉旅館の運営をおこなっているとともに、連結子会社であるヒューリックオフィスサービス株式会社による給食業務の受託事業等が寄与した結果、営業収益は12,927百万円(前期比1,434百万円、12.4%増)、営業利益は356百万円(前期比△433百万円、54.8%減)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、営業活動により130,973百万円増加し、投資活動により258,127百万円減少し、財務活動において131,010百万円増加し、当連結会計年度末には31,847百万円となりました。
(単位:百万円)
平成29年12月期 | 平成30年12月期 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 45,724 | 130,973 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △189,088 | △258,127 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | 148,483 | 131,010 |
現金及び現金同等物の期末残高 | 27,991 | 31,847 |
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは130,973百万円の収入(前期比85,248百万円)となりました。これは主に、不動産賃貸収入及び販売用不動産の売却を主因とした税金等調整前当期純利益が72,018百万円、減価償却費が11,942百万円、たな卸資産の減少額が62,399百万円あったためであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは258,127百万円の支出(前期比△69,039百万円)となりました。これは主に、賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、開発・建替を進めるとともに新規物件の取得をおこなったためであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは131,010百万円の収入(前期比△17,472百万円)となりました。これは主に、建替や新規物件の取得に伴う資金調達をおこなった一方で、配当金の支払いがあったことによるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
該当事項はありません。
b.受注実績
該当事項はありません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | 前期比(%) |
不動産事業 (百万円) | 257,070 | △0.8 |
保険事業 (百万円) | 4,056 | 16.6 |
人材関連事業 (百万円) | 18,094 | △3.3 |
その他 (百万円) | 12,927 | 12.4 |
調整額 (百万円) | △4,635 | - |
合計 (百万円) | 287,513 | △0.7 |
(注)1.各セグメントの営業収益は、セグメント間の内部営業収益、振替高を含みます。
2.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次の通りであります。
相手先 | 前連結会計年度 (自 平成29年1月1日 至 平成29年12月31日) | 当連結会計年度 (自 平成30年1月1日 至 平成30年12月31日) | ||
金額 (百万円) | 割合(%) | 金額 (百万円) | 割合(%) | |
ヒューリックリート投資法人 | 34,934 | 12.0 | 51,334 | 17.8 |
合同会社YMMインベストメント | 31,387 | 10.8 | - | - |
4.販売実績が総販売実績の100分の10未満の相手先については記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」に記載の通りであります。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断をおこなっておりますが、不確実性が内在しているため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の分析
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は、287,513百万円となり、対前期比で2,105百万円減少いたしました。これは、前連結会計年度及び当連結会計年度に竣工、取得した物件による不動産賃貸収入の増加があった一方で、前連結会計年度において、大型の販売用不動産の売却があったことによるものであります。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、75,564百万円となり、対前期比で11,314百万円増加いたしました。これは、物件の竣工、取得による不動産賃貸収入の増加及び販売用不動産の売上総利益が増加したことによるものであります。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、72,530百万円となり、対前期比で10,660百万円増加いたしました。これは、上記営業利益の増加があった一方で、支払利息の増加等により営業外費用が増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、49,515百万円となり、対前期比で7,113百万円増加いたしました。これは、上記経常利益の増加があった一方で、税金費用が増加したことによるものであります。
b.財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末の資産合計は、1,526,423百万円となり、対前期末比174,285百万円増加いたしました。当社グループにおきましては、賃貸ポートフォリオの増強及び質的向上の観点から、新規物件取得及び開発・建替の推進に取り組んでおります。
また、ヒューリックリート投資法人及びヒューリックプライベートリート投資法人の中長期的な収益向上と運用資産の着実な積上げを実現するために、スポンサーとしてのサポートやバックアップに努めていくほか、不動産バリューアッド事業の軌道化にも取り組んでおります。
主な項目の増減は以下の通りであります。
・現金及び預金 | 4,169百万円増加 | |
・販売用不動産 | 32,443百万円増加 | (固定資産からの振替、物件の取得、竣工及び売却) |
・仕掛販売用不動産 | 10,335百万円減少 | (開発計画の進行及び竣工) |
・建物及び構築物 | 20,448百万円増加 | (物件の取得、竣工、売却及び販売用不動産への振替) |
・土地 | 141,870百万円増加 | (物件の取得及び販売用不動産への振替) |
・建設仮勘定 | 5,421百万円減少 | (建替及び開発計画の進行、物件の竣工) |
・投資有価証券 | 11,353百万円減少 | (投資有価証券の取得及び有価証券の含み益の減少等) |
(負債)
当連結会計年度末の負債合計は、1,122,287百万円となり、対前期末比149,005百万円増加いたしました。これは、主に、設備投資等に伴い、資金調達をおこなったことによるものであります。
当社グループの借入金残高は872,145百万円となっておりますが、このうち特別目的会社(SPC)のノンリコースローンが23,725百万円含まれております。金融機関からの資金調達については、高い収益力を背景として安定的に低コストで調達をおこなっております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産合計は、404,135百万円となり、対前期末比25,279百万円増加いたしました。このうち株主資本合計は、368,034百万円となり、対前期末比で33,962百万円増加しております。これは、主に、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加及び配当金の支払による利益剰余金の減少によるものであります。
また、その他の包括利益累計額合計は、32,703百万円となり、対前期末比で8,629百万円減少いたしました。これは、主に、有価証券の含み益が12,996百万円減少したことによるその他有価証券評価差額金の減少によるものであります。
c.経営成績に重要な影響を与える要因
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2.事業等のリスク」に記載の通りであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社グループは、必要な資金を主に銀行借入、社債や短期社債(コマーシャル・ペーパー)等の発行によって調達する方針としており、当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの今後の資金需要は、主に不動産事業に係る設備投資であり、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載しております。
e.経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略・経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については以下の通りであります。
平成32年度 中計目標 | 平成30年度 実績 | |
経常利益 | 850億円 | 725億円 |
有利子負債/EBITDA倍率 | ※12倍以内 | ※10.0倍 |
ネットD/Eレシオ | ※3.0倍以内 | ※1.9倍 |
ROE | 10%以上 | 12.7% |
連結配当性向 | 親会社株主に帰属する当期純利益の1/3程度 | 33.9% |
※平成30年実施のハイブリッドファイナンス1,500億円のうち、50%(750億円)をみなし資本として算出。
f.セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載の通りであります。