有価証券報告書-第190期(令和1年12月1日-令和2年11月30日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ニッケグループは、2017年度を初年度とする中長期ビジョン「ニッケグループRN(リニューアル・ニッケ)130ビジョン」において、今後10年間の目指す方向性、企業像、経営戦略を再構築し、更なる中長期的な企業価値の向上を目指すことを掲げております。当連結会計年度は「ニッケグループRN130ビジョン」の具現化に向けて、第1次中期経営計画(2017~2019年度)3ヶ年の取り組みを改めて検証するとともに、更なる強固な事業基盤の構築と中長期の戦略策定に努めてきました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高104,915百万円(前年同期比17.0%減)、連結営業利益9,048百万円(前年同期比13.6%減)、連結経常利益12,655百万円(前年同期比13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,121百万円(前年同期比9.2%増)となりました。
人とみらい開発事業の通信関連分野における事業再編や、産業機材事業等で新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収、営業利益は減益となりました。しかし、全社的な経費削減効果に加え、多様化したグループ経営によるリスク分散と各々の経営環境への取り組みにより、営業利益は当初計画を上回りました。
また、2020年5月に資本業務提携した株式会社フジコーを持分法適用関連会社としたことで発生した負ののれんの計上(「持分法による投資利益」に含む)により、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高値を更新しました。
セグメントの概況は以下のとおりであります。
(a)衣料繊維事業
衣料繊維事業の当連結会計年度の売上高は31,399百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益2,216百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
(ユニフォーム分野)
学校制服用素材の販売は、新型コロナウイルス感染拡大による休校の影響により、夏物商材の需要減少や次年度向け出荷がずれ込みましたが、価格改定前の早期引取りが旺盛であったことに加え、価格改定が寄与し、前年同期並みとなりました。官公庁制服用素材の販売は、警察向けは前年同期並みでしたが、消防向けは新型コロナウイルス感染拡大に伴う制服調達予算削減の影響により低調でした。一般企業制服用素材の販売は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、交通、接客及びサービス関連の需要が大幅に減少し低調でした。
(テキスタイル分野)
一般衣料用素材の販売は、国内及び海外ともに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況悪化が長期化しており、既存事業は前年同期に比べて受注が大幅に落ち込み低調でしたが、2020年3月に株式を取得した第一織物株式会社を連結対象としたことにより、前年同期並みとなりました。
(ヤーン分野)
売糸は、高付加価値品に販売を絞り込んだ影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況悪化が長期化しており、前年同期に比べて受注が落ち込み、低調でした。
(b)産業機材事業
産業機材事業の当連結会計年度の売上高は19,057百万円(前年同期比26.1%減)、営業利益1,289百万円(前年同期比29.2%減)となりました。
(自動車関連分野)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車生産が大幅に減少し、一時は車両向けの不織布や縫製糸、結束紐などの受注は半減以下まで落ち込みましたが、当第4四半期からは回復傾向となりました。車載電装品他製造ラインのファクトリーオートメーション設備については、顧客の設備投資抑制の影響を受け、大幅に減少しました。
(環境関連分野)
集塵用フィルターなどの環境関連資材は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低調でした。エネルギー関連についても低調でした。
(その他産業関連)
OA向け及び家電向け資材や工業用資材は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低調でした。半導体関連装置及び画像検査装置についても低調でした。
(生活関連分野)
ラケットスポーツ関連、フィッシング関連は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく低調でした。生活関連資材についても、楽器用を中心に受注が大幅に減少し低調でした。
(c)人とみらい開発事業
人とみらい開発事業の当連結会計年度の売上高は34,468百万円(前年同期比26.8%減)、営業利益5,949百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(開発関連分野)
商業施設運営関連は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、食料品販売店等の一部店舗を除き休館した影響はあったものの前年同期並みとなりました。ソーラー売電事業は、前年同期並みとなりました。また、建設関連は前年同期を大きく上回る受注状況となったことに加え、2019年4月に電気設備工事会社、2020年7月に総合建設会社がグループに加わり好調でしたが、販売用不動産を売却した前年同期との比較では減収となりました。
(ライフサポート分野)
保育・学童保育関連は、2019年4月にバイリンガル幼児園(千葉県市川市)が2年目を迎え、新学年の入園者を獲得できたことで増収となりました。
介護関連は、2019年10月に訪問介護関連の会社がグループに加わったことや、施設への入居数が増加したこと、スタッフを増強したこと等の効果が表れ好調でした。一方、スポーツ関連は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり利用者数が減少し低調でした。
(通信及び新規サービス分野)
通信関連は、携帯事業を取り巻く環境に対応すべく事業再編を行っており大幅な減収となりました。新規サービス関連は、菓子類販売、児童向けアミューズメント施設の新規出店の効果はあるものの、TSUTAYA不採算店舗の閉店や、一部施設で新型コロナウイルス感染拡大防止対策として臨時休業を行った影響で低調でした。
(d)生活流通事業
生活流通事業の当連結会計年度の売上高は16,783百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益1,168百万円(前年同期比22.9%増)となりました。当期は2019年の消費税増税前の駆け込み需要の反動を受けましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の増加が、在宅者向けの家具や生活家電販売の追い風となりました。
(寝装品及び業務用品分野)
EC向けの寝装品は暖冬の影響や一部商流の見直しにより販売が減少しました。また、災害用備蓄毛布や航空機内膝掛け毛布の販売は新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。
(生活雑貨分野)
100円ショップ向け雑貨の販売や在宅勤務者向けの家具販売は好調でした。また、EC向け生活家電は消費税増税後の反動減がありましたが、巣ごもり消費の需要が高まり、特にキッチン家電が好調でした。
(ホビー・クラフト分野)
店舗販売が中心のスタンプ用インク、スタンプの販売は新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。乗馬用品販売は2019年8月に株式会社日本馬事普及が連結対象に加わりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。
(その他)
保険代理店の業績は前年同期並みでしたが、コンテナ販売は新規設置が減少し低調でした。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ、仕入債務の減少等により、2,378百万円減少して11,315百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、投資有価証券の売却及び償還による収入の減少等により3,081百万円増加して6,225百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、短期借入金の純増減額の増加等により、2,563百万円減少して359百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比4,914百万円増加して29,927百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
(注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値を用いて、以下の計算式により計算しております。
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注4)営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態・単位等は必ずしも一様でなく、また受注生産をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」における、各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は147,172百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は63.8%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産は1,310円05銭となりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)は、7.7%(前連結会計年度比0.4ポイント増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産は78,586百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。その主な内容は、現金及び預金の増加5,167百万円や売上債権の減少7,617百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産は68,585百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。その主な内容は、のれんの減損による減少や投資有価証券の増加1,883百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は37,030百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。その主な内容は、仕入債務の減少5,748百万円、短期借入金の増加3,352百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債は14,426百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。その主な内容は、繰延税金負債の減少482百万円や長期預り敷金保証金の減少257百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は95,714百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。その主な内容は、利益剰余金の増加5,272百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,847百万円等であります。
(b) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は104,915百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
セグメント別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
衣料繊維事業につきましては、第2四半期より連結対象となった第一織物㈱が業績に貢献したものの、各分野で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたこと等により、売上総利益は減少いたしました。
産業機材事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、自動車関連分野をはじめとして、各分野とも低調に推移したこと等により、売上総利益は減少いたしました。
人とみらい開発事業につきましては、通信事業の再編や前期に販売用不動産の売却をしたこと、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりキッズランド事業やスポーツ事業が低調だったこと等により、売上総利益は減少いたしました。
生活流通事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の増加や、前連結会計年度に子会社化した㈱日本馬事普及を通年で連結対象にしたこと等により、売上総利益は増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上原価は74,873百万円(前連結会計年度比21.0%減)となり、売上総利益は30,042百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ3.6ポイント増加し、28.6%となりました。
(営業利益)
衣料繊維事業につきましては、第一織物㈱を第2四半期から連結対象にしたこと等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
産業機材事業につきましては、売上高の減少に伴う販売諸費の減少等により、販売費及び一般管理費は減少いたしました。
人とみらい開発事業につきましては、子会社の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
生活流通事業につきましては、巣ごもり消費の増加による売上高の増加に伴う販売諸費の増加や、前連結会計年度に子会社化した㈱日本馬事普及を通年で連結対象にしたこと等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は20,993百万円(前連結会計年度比0.6%減)となり、営業利益は9,048百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(経常利益)
営業外損益は、持分法による投資利益の増加等により、収益増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は12,655百万円(前連結会計年度比13.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、関係会社出資金売却益等がありましたが、新型コロナウイルス感染症による損失等により、収益減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は10,057百万円(前連結会計年度比1.0%減)となり、法人税等の減少等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は7,121百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、主に衣料繊維事業における原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、主に保有する不動産への設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,878百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は29,927百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、将来の利益計画に基づき慎重に検討を行っておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
(退職給付会計)
退職給付に係る資産及び負債のうち、確定給付制度に係る分については、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の計算が前提条件と異なる場合、または制度に変化や変更が生じた場合は、将来の退職給付に係る負債、及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「営業利益」、「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高」は104,915百万円(前連結会計年度比17.0%減)、「営業利益」は9,048百万円(前連結会計年度比13.6%減)、「自己資本当期純利益率(ROE)」は7.7%(前連結会計年度比0.4ポイント増)となりました。
なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
ニッケグループは、2017年度を初年度とする中長期ビジョン「ニッケグループRN(リニューアル・ニッケ)130ビジョン」において、今後10年間の目指す方向性、企業像、経営戦略を再構築し、更なる中長期的な企業価値の向上を目指すことを掲げております。当連結会計年度は「ニッケグループRN130ビジョン」の具現化に向けて、第1次中期経営計画(2017~2019年度)3ヶ年の取り組みを改めて検証するとともに、更なる強固な事業基盤の構築と中長期の戦略策定に努めてきました。
この結果、当連結会計年度の経営成績は、連結売上高104,915百万円(前年同期比17.0%減)、連結営業利益9,048百万円(前年同期比13.6%減)、連結経常利益12,655百万円(前年同期比13.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7,121百万円(前年同期比9.2%増)となりました。
人とみらい開発事業の通信関連分野における事業再編や、産業機材事業等で新型コロナウイルス感染拡大の影響により減収、営業利益は減益となりました。しかし、全社的な経費削減効果に加え、多様化したグループ経営によるリスク分散と各々の経営環境への取り組みにより、営業利益は当初計画を上回りました。
また、2020年5月に資本業務提携した株式会社フジコーを持分法適用関連会社としたことで発生した負ののれんの計上(「持分法による投資利益」に含む)により、経常利益および親会社株主に帰属する当期純利益は過去最高値を更新しました。
セグメントの概況は以下のとおりであります。
(a)衣料繊維事業
衣料繊維事業の当連結会計年度の売上高は31,399百万円(前年同期比9.8%減)、営業利益2,216百万円(前年同期比11.6%減)となりました。
(ユニフォーム分野)
学校制服用素材の販売は、新型コロナウイルス感染拡大による休校の影響により、夏物商材の需要減少や次年度向け出荷がずれ込みましたが、価格改定前の早期引取りが旺盛であったことに加え、価格改定が寄与し、前年同期並みとなりました。官公庁制服用素材の販売は、警察向けは前年同期並みでしたが、消防向けは新型コロナウイルス感染拡大に伴う制服調達予算削減の影響により低調でした。一般企業制服用素材の販売は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、交通、接客及びサービス関連の需要が大幅に減少し低調でした。
(テキスタイル分野)
一般衣料用素材の販売は、国内及び海外ともに、新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況悪化が長期化しており、既存事業は前年同期に比べて受注が大幅に落ち込み低調でしたが、2020年3月に株式を取得した第一織物株式会社を連結対象としたことにより、前年同期並みとなりました。
(ヤーン分野)
売糸は、高付加価値品に販売を絞り込んだ影響に加え、新型コロナウイルス感染拡大に伴う市況悪化が長期化しており、前年同期に比べて受注が落ち込み、低調でした。
(b)産業機材事業
産業機材事業の当連結会計年度の売上高は19,057百万円(前年同期比26.1%減)、営業利益1,289百万円(前年同期比29.2%減)となりました。
(自動車関連分野)
新型コロナウイルス感染拡大の影響により自動車生産が大幅に減少し、一時は車両向けの不織布や縫製糸、結束紐などの受注は半減以下まで落ち込みましたが、当第4四半期からは回復傾向となりました。車載電装品他製造ラインのファクトリーオートメーション設備については、顧客の設備投資抑制の影響を受け、大幅に減少しました。
(環境関連分野)
集塵用フィルターなどの環境関連資材は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低調でした。エネルギー関連についても低調でした。
(その他産業関連)
OA向け及び家電向け資材や工業用資材は、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け低調でした。半導体関連装置及び画像検査装置についても低調でした。
(生活関連分野)
ラケットスポーツ関連、フィッシング関連は、新型コロナウイルス感染拡大の影響が大きく低調でした。生活関連資材についても、楽器用を中心に受注が大幅に減少し低調でした。
(c)人とみらい開発事業
人とみらい開発事業の当連結会計年度の売上高は34,468百万円(前年同期比26.8%減)、営業利益5,949百万円(前年同期比13.9%減)となりました。
(開発関連分野)
商業施設運営関連は、新型コロナウイルス感染拡大防止対策として、食料品販売店等の一部店舗を除き休館した影響はあったものの前年同期並みとなりました。ソーラー売電事業は、前年同期並みとなりました。また、建設関連は前年同期を大きく上回る受注状況となったことに加え、2019年4月に電気設備工事会社、2020年7月に総合建設会社がグループに加わり好調でしたが、販売用不動産を売却した前年同期との比較では減収となりました。
(ライフサポート分野)
保育・学童保育関連は、2019年4月にバイリンガル幼児園(千葉県市川市)が2年目を迎え、新学年の入園者を獲得できたことで増収となりました。
介護関連は、2019年10月に訪問介護関連の会社がグループに加わったことや、施設への入居数が増加したこと、スタッフを増強したこと等の効果が表れ好調でした。一方、スポーツ関連は、新型コロナウイルス感染拡大の影響もあり利用者数が減少し低調でした。
(通信及び新規サービス分野)
通信関連は、携帯事業を取り巻く環境に対応すべく事業再編を行っており大幅な減収となりました。新規サービス関連は、菓子類販売、児童向けアミューズメント施設の新規出店の効果はあるものの、TSUTAYA不採算店舗の閉店や、一部施設で新型コロナウイルス感染拡大防止対策として臨時休業を行った影響で低調でした。
(d)生活流通事業
生活流通事業の当連結会計年度の売上高は16,783百万円(前年同期比1.3%増)、営業利益1,168百万円(前年同期比22.9%増)となりました。当期は2019年の消費税増税前の駆け込み需要の反動を受けましたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の増加が、在宅者向けの家具や生活家電販売の追い風となりました。
(寝装品及び業務用品分野)
EC向けの寝装品は暖冬の影響や一部商流の見直しにより販売が減少しました。また、災害用備蓄毛布や航空機内膝掛け毛布の販売は新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。
(生活雑貨分野)
100円ショップ向け雑貨の販売や在宅勤務者向けの家具販売は好調でした。また、EC向け生活家電は消費税増税後の反動減がありましたが、巣ごもり消費の需要が高まり、特にキッチン家電が好調でした。
(ホビー・クラフト分野)
店舗販売が中心のスタンプ用インク、スタンプの販売は新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。乗馬用品販売は2019年8月に株式会社日本馬事普及が連結対象に加わりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で低調でした。
(その他)
保険代理店の業績は前年同期並みでしたが、コンテナ販売は新規設置が減少し低調でした。
②キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動による資金の収入は、前連結会計年度に比べ、仕入債務の減少等により、2,378百万円減少して11,315百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、投資有価証券の売却及び償還による収入の減少等により3,081百万円増加して6,225百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動による資金の支出は、前連結会計年度に比べ、短期借入金の純増減額の増加等により、2,563百万円減少して359百万円となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比4,914百万円増加して29,927百万円となりました。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。
| 2018年度期末 | 2019年度期末 | 2020年度期末 | |
| 自己資本比率(%) | 62.2 | 61.8 | 63.8 |
| 時価ベースの自己資本比率(%) | 47.2 | 52.0 | 51.4 |
| キャッシュ・フロー対有利子負債比率 | 3.1 | 1.3 | 1.8 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 65.4 | 161.4 | 132.4 |
(注1)各指標は、いずれも連結ベースの財務諸表数値を用いて、以下の計算式により計算しております。
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :営業キャッシュ・フロー/利払い
(注2)株式時価総額は、期末株価終値×自己株式控除後の期末発行済株式数により算出しております。
(注3)有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。
(注4)営業キャッシュ・フロー及び利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書に計上されている「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び「利息の支払額」を用いております。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態・単位等は必ずしも一様でなく、また受注生産をとらない製品もあり、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
このため生産、受注及び販売の状況については「①財政状態及び経営成績の状況」における、各セグメント業績に関連付けて示しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a) 財政状態の分析
当連結会計年度における総資産は147,172百万円(前連結会計年度比1.0%減)となりました。
当連結会計年度における自己資本比率は63.8%となり、当連結会計年度における1株当たり純資産は1,310円05銭となりました。また、自己資本当期純利益率(ROE)は、7.7%(前連結会計年度比0.4ポイント増)となりました。
(流動資産)
当連結会計年度における流動資産は78,586百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。その主な内容は、現金及び預金の増加5,167百万円や売上債権の減少7,617百万円等であります。
(固定資産)
当連結会計年度における固定資産は68,585百万円(前連結会計年度比2.9%増)となりました。その主な内容は、のれんの減損による減少や投資有価証券の増加1,883百万円等であります。
(流動負債)
当連結会計年度における流動負債は37,030百万円(前連結会計年度比8.2%減)となりました。その主な内容は、仕入債務の減少5,748百万円、短期借入金の増加3,352百万円等であります。
(固定負債)
当連結会計年度における固定負債は14,426百万円(前連結会計年度比3.9%減)となりました。その主な内容は、繰延税金負債の減少482百万円や長期預り敷金保証金の減少257百万円等であります。
(純資産)
当連結会計年度における純資産は95,714百万円(前連結会計年度比2.5%増)となりました。その主な内容は、利益剰余金の増加5,272百万円、その他有価証券評価差額金の減少1,847百万円等であります。
(b) 経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は104,915百万円(前連結会計年度比17.0%減)となりました。
セグメント別の売上高につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上総利益)
衣料繊維事業につきましては、第2四半期より連結対象となった第一織物㈱が業績に貢献したものの、各分野で新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたこと等により、売上総利益は減少いたしました。
産業機材事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、自動車関連分野をはじめとして、各分野とも低調に推移したこと等により、売上総利益は減少いたしました。
人とみらい開発事業につきましては、通信事業の再編や前期に販売用不動産の売却をしたこと、新型コロナウイルス感染拡大の影響によりキッズランド事業やスポーツ事業が低調だったこと等により、売上総利益は減少いたしました。
生活流通事業につきましては、新型コロナウイルス感染拡大に伴う巣ごもり消費の増加や、前連結会計年度に子会社化した㈱日本馬事普及を通年で連結対象にしたこと等により、売上総利益は増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における売上原価は74,873百万円(前連結会計年度比21.0%減)となり、売上総利益は30,042百万円(前連結会計年度比4.9%減)となりました。また、売上総利益率は、前連結会計年度に比べ3.6ポイント増加し、28.6%となりました。
(営業利益)
衣料繊維事業につきましては、第一織物㈱を第2四半期から連結対象にしたこと等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
産業機材事業につきましては、売上高の減少に伴う販売諸費の減少等により、販売費及び一般管理費は減少いたしました。
人とみらい開発事業につきましては、子会社の増加等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
生活流通事業につきましては、巣ごもり消費の増加による売上高の増加に伴う販売諸費の増加や、前連結会計年度に子会社化した㈱日本馬事普及を通年で連結対象にしたこと等により、販売費及び一般管理費は増加いたしました。
以上の結果、当連結会計年度における販売費及び一般管理費は20,993百万円(前連結会計年度比0.6%減)となり、営業利益は9,048百万円(前連結会計年度比13.6%減)となりました。
(経常利益)
営業外損益は、持分法による投資利益の増加等により、収益増加となりました。
以上の結果、当連結会計年度における経常利益は12,655百万円(前連結会計年度比13.3%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
特別損益は、関係会社出資金売却益等がありましたが、新型コロナウイルス感染症による損失等により、収益減少となりました。
以上の結果、当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は10,057百万円(前連結会計年度比1.0%減)となり、法人税等の減少等により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は7,121百万円(前連結会計年度比9.2%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
(a) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
(b) 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要は、主に衣料繊維事業における原材料の仕入や製造経費、販売費及び一般管理費等であり、投資を目的とした資金需要は、主に保有する不動産への設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は20,878百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は29,927百万円となっております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っていますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、以下のとおりであります。
(繰延税金資産)
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異等について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小の単位でグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定にあたっては、将来の利益計画に基づき慎重に検討を行っておりますが、その見積りの前提とした条件や仮定に変化が生じた場合、減損処理が必要になる可能性があります。
(退職給付会計)
退職給付に係る資産及び負債のうち、確定給付制度に係る分については、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。実際の計算が前提条件と異なる場合、または制度に変化や変更が生じた場合は、将来の退職給付に係る負債、及び退職給付費用に影響を与える可能性があります。
(3)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、「売上高」、「営業利益」、「自己資本当期純利益率(ROE)」を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における「売上高」は104,915百万円(前連結会計年度比17.0%減)、「営業利益」は9,048百万円(前連結会計年度比13.6%減)、「自己資本当期純利益率(ROE)」は7.7%(前連結会計年度比0.4ポイント増)となりました。
なお、今後の見通しにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
また、当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。