有価証券報告書-第109期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国の経済は、2019年度末に中国で発生した新型コロナウイルスの世界的パンデミックの影響により、東京オリンピック開催の延期、外出自粛や休業により経済活動が抑制状態となり国内経済は急激かつ大幅な景気後退に至り、極めて厳しい状況となった。
繊維業界においては、新型コロナウイルスの感染対策として緊急事態宣言などの発出により、商業施設の休業などが影響して衣料消費が大幅に低下したことに加え、受注活動も停滞した。更に、商流や生活様態が急速に変化したことで先行きが見通せない厳しい状況が続いている。
このような経済環境のなかで、当社グループは、持続的な利益創出と利益率改善を念頭に置き、商流変化・素材変化に向けた柔軟な対応とタイムリーな開発を図り受注確保に努めた。特に、コロナ禍での対応として衛生加工商品および防災商品の開発に注力すると共に、WEB環境を利用した商品提案、ECビジネス、ITによる事務効率化などに注力してきた。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりである。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前年同期比299百万円減少し、10,398百万円となった。
当連結会計年度末の負債合計は、前年同期比485百万円減少し、7,323百万円となった。
当連結会計年度末の純資産合計は、前年同期比186百万円増加し、3,075百万円となった。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高4,805百万円(前年同期比3.5%減)、営業利益87百万円(前年同期比81.3%減)、経常利益269百万円(前年同期比43.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益101百万円(前年同期比61.1%減)となった。
セグメントごとの経営成績は次のとおりである。
染色整理関連事業
染色整理関連事業においては、新型コロナウイルスの感染拡大により百貨店を中心に消費が大幅に低迷し、主力のファッション衣料の受注は大幅に減少した。ユニフォーム関係も景気後退を受け企業別注大口案件も全般にわたり減少した。一方、後半に中東民族衣装関係、人工皮革関係の受注回復の兆しがあったが、全体として大幅な受注減となり、売上高は前年同期比802百万円減(25.1%減)の2,391百万円となった。テキスタイル販売事業では、ファッション・カジュアル関係が低迷するなか、新規顧客獲得と新商品開発が受注に繋がったが、売上高は前年同期比5百万円減(2.4%減)の234百万円となった。また、木材突き板染色加工では、主力である自動車用途は、昨年来の大幅な受注減が後半に回復が見られ、玩具関係の受注が増加したこともあり、売上高は前年同期比4百万円増(11.0%増)の49百万円となった。以上の結果、売上高は前年同期比803百万円減(23.1%減)の2,675百万円となった。セグメント損失は255百万円(前年同期 セグメント利益91百万円)となった。
発電事業
発電事業においては、連結子会社の株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて、2020年8月より第2発電所の営業運転を開始したことにより発電事業の売上高が前年同期比631百万円増(42.2%増)の2,130百万円となり、セグメント利益は前年同期比31百万円減(8.4%減)の342百万円となった。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、親会社である岐セン株式会社の新規ステープル加工事業への設備支出や連結子会社である株式会社岐阜バイオマスパワーのバイオマス発電所2号機建設に伴う設備支出もあり、前連結会計年度末に比べ1,181百万円減少し、972百万円となった。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における営業活動による資金収支は197百万円(前連結会計年度695百万円)となった。これは主に、税金等調整前当期純利益262百万円、減価償却費525百万円があった一方、未収消費税等の増加234百万円及び未払消費税等の減少57百万円、未収還付法人税等の増加55百万円及び法人税等の支払149百万円があったことによるものである。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における投資活動による資金収支は△2,062百万円(前連結会計年度△720百万円)となった。これは主に、バイオマス発電所2号機建設等の有形固定資産の取得による支出2,217百万円によるものである。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度における財務活動による資金収支は683百万円(前連結会計年度108百万円)となった。これは主に、長期借入金の約定返済518百万円、社債の償還40百万円、及びリース債務返済125百万円等の支出があったものの、新型コロナウイルス対応や設備資金等で短期借入金200百万円、長期借入金1,169百万円の調達を行ったことによるものである。
なお、新型コロナウイルス感染症の長期化又は感染拡大により、当社グループの業績や経営状態に悪影響を及ぼす可能性に備え、経営の安定化を図るべく手元流動性を厚く保持することを当面の方針としている。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループは、染色整理関連事業(織物・編物・不織布の染色加工と付帯業務及び木材突き板染色加工)と発電事業を営んでいる。
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | ||
| 染色整理 関連事業 | 織物の染色加工 | 1,928,684 | 73.8 |
| 編物の染色加工 | 115,249 | 56.0 | |
| 不織布の染色加工 | 327,397 | 92.0 | |
| 木材突き板染色加工 | 49,388 | 111.0 | |
| 計 | 2,420,719 | 75.2 | |
| 発電事業 | 売電収入 | 2,130,201 | 142.2 |
| 合計 | 4,550,921 | 96.4 | |
(注)1 金額は販売価格によっている。
2 上記の金額には、消費税及び地方消費税額は含まれていない。
3 発電事業で生産実績が増加しているのは、連結子会社である株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて2020年8月より第2発電所の営業運転を開始したことによるものである。
b.受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前年同期比 (%) | |
| 染色整理 関連事業 | 織物の染色加工 | 1,801,386 | 69.6 | 191,059 | 61.1 |
| 編物の染色加工 | 96,200 | 57.3 | 24,646 | 56.4 | |
| 不織布の染色加工 | 331,143 | 92.7 | 22,394 | 120.1 | |
| テキスタイル販売 | 234,749 | 97.6 | - | - | |
| 木材突き板染色加工 | 49,388 | 111.0 | - | - | |
| その他 | 25,455 | 89.9 | - | - | |
| 計 | 2,538,324 | 74.1 | 238,099 | 63.5 | |
| 発電事業 | 売電収入 | 2,130,201 | 142.2 | - | - |
| 合計 | 4,668,525 | 94.8 | 238,099 | 63.5 | |
(注)1 上記の金額には、消費税及び地方消費税額は含まれていない。
2 発電事業で受注高が増加しているのは、連結子会社である株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて2020年8月より第2発電所の営業運転を開始したことによるものである。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりである。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 前年同期比(%) | ||
| 染色整理 関連事業 | 織物の染色加工 | 1,922,961 | 73.9 |
| 編物の染色加工 | 115,249 | 56.0 | |
| 不織布の染色加工 | 327,397 | 92.0 | |
| テキスタイル販売 | 234,749 | 97.6 | |
| 木材突き板染色加工 | 49,388 | 111.0 | |
| その他 | 25,455 | 89.9 | |
| 計 | 2,675,201 | 76.9 | |
| 発電事業 | 売電収入 | 2,130,201 | 142.2 |
| 合計 | 4,805,403 | 96.5 | |
(注)1 セグメント間の取引については相殺消去している。
2 最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりである。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 東レ株式会社 | 1,358,671 | 27.3 | 984,471 | 20.5 |
| テス・エンジニアリング株式会社 | 747,204 | 15.0 | 751,005 | 15.6 |
| 株式会社エネット | 709,453 | 14.3 | 735,686 | 15.3 |
| 中部電力パワーグリッド株式会社 | - | - | 601,116 | 12.5 |
3 発電事業で販売実績が増加しているのは、連結子会社である株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて2020年8月より第2発電所の営業運転を開始したことによるものである。
4 上記の金額には、消費税及び地方消費税額は含まれていない。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたって、経営陣は過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数字についての判断の基礎となる。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合がある。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態の分析
(資産合計)
当連結会計年度末の総資産は、前年同期比299百万円減少し、10,398百万円となった。
流動資産は、前年同期比1,105百万円減少し、2,541百万円となった。これは主に、現金及び預金が1,179百万円減少したことによるものである。
固定資産は、前年同期比806百万円増加し、7,855百万円となった。これは主に、有形固定資産が前年同期比732百万円増加したこと、投資有価証券が66百万円が増加したことによるものである。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は、前年同期比485百万円減少し、7,323百万円となった。
これは主に、長期借入金が574百万円増加したものの、未払金1,067百万円減少したことによるものである。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は、前年同期比186百万円増加し、3,075百万円となった。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益101百万円の計上、非支配株主持分84百万円の増加によるものである。
2)経営成績の分析
(売上高及び営業利益)
当連結会計年度における売上高は、前年同期比171百万円減少し、4,805百万円となった。セグメント別売上高については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載している。
売上原価は、連結子会社である株式会社岐阜バイオマスパワーにおいて、2020年8月より第2発電所の営業運転を開始したことによる燃料費や減価償却費の増加等により、前年同期比225百万円増加の4,284百万円となった。
販売費及び一般管理費は、給料3百万円、賞与引当金繰入額9百万円、減価償却費3百万円の減少により、前年同期比18百万円減少し、433百万円となった。
その結果、営業利益は前年同期比379百万円減少し、87百万円となった。
(経常利益)
経常利益は、助成金収入126百万円、持分法による投資利益41百万円の増加があったものの、営業利益の減少が響き、前年同期比209百万円減少し、269百万円となった。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等還付税額28百万円の計上があったものの、経常利益の減少により、前年同期比158百万円減少し、101百万円となった。
3)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりである。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループとしては、これらの状況を踏まえて、当社グループが業界において強固な地位を占める合繊複合織物の染色整理関連事業に特化し、付加価値商品をタイムリーに提供できる体制を構築するとともに、将来の事業の一角を担うために関連事業開拓課を設け、木材の突き板を染色、及びテキスタイル販売部での海外事業等を含む自販での事業展開を図り、また、子会社である株式会社岐阜バイオマスパワー及び関連会社である株式会社バイオマスエナジー東海の安定操業、安定販売を図っていく。
c.資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、染料、薬品などの原材料のほか、製造費、一般管理費等の営業費用である。投資を目的とした資金需要は、主に設備投資によるものである。資金調達については、自己資金又は金融機関からの借入により資金調達を行い、資金の安定化を図っている。
今後の設備投資計画等については、「第3 設備の状況 3.設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりである。
d.目標とする経営指標の達成状況等
当社グループは、経営基盤を確かなものとする為、事業活動の成果である連結売上経常利益率を重要な指標として認識している。この指標を重要な指標と位置づけ、安定した収益確保が出来る経営基盤づくりを進め、企業価値を高めるための経営を行っている。
なお、当連結会計年度の連結売上経常利益率は5.6%(前連結会計年度9.6%)となっている。
e.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載している。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大やそれに伴う経済活動停滞による影響が今後1年程度は続くものと想定され、今後、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があるものの、当連結会計年度末時点で、客観的に見積ることは困難であり、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載する仮定に基づき、会計上の見積りを行っている。