有価証券報告書-第84期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/07/28 16:18
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(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当社グループは、「外食サービス事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の設備投資増加の下支えや堅調な雇用環境を受け個人消費の持ち直しが見られたものの、消費税増税の影響、年明け以降に発生した新型コロナウイルス感染症が与える内外経済の下振れリスクや金融市場の変動等により、景気の先行きは依然として不透明であり、今後も予断を許さない状況となっております。
外食業界におきましては、中食業界を含めた顧客獲得競争はますます激しさを増し、長引く人手不足による人件費の上昇に加え、物流費の上昇や天候不順などによる原材料費の高騰など、経営環境はより一層の厳しさを増しております。さらに、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響で、大幅な売上減少が懸念され、大変深刻な状況が続いております。
このような状況の中、当社グループにおいては、今後の大きな飛躍に向けた3ヵ年の中期経営計画『新・中期経営計画2022』を策定し、「既存店の再成長とコスト削減」を基軸として、現場第一・原点回帰・人財育成を戦略方針に掲げて、既存店舗の再生・活性化、付加価値の高いメニュー開発・サービス向上、次世代人財の積極的な登用、外部リソースの活用、人事評価の見直し等の施策を軸に取り組んでまいりました。
また、今後も各業態において既存店の顧客満足度向上に重きをおき、QSCA(フードサービスの概念的価値を表す。Quality:クオリティ、Service:サービス、Cleanliness:クレンリネス、Atomosphere:アトモスフィアの頭文字)の継続的な向上施策を実施してまいります。
売上高については、居酒屋業界の競争環境の激化に加えて、働き方改革によるライフスタイルの変化で消費者ニーズが多様化したことや台風による営業時間短縮及び店休の実施、さらに新型コロナウイルス感染症に伴う外出自粛及び店休の実施等で2月下旬より急激に売上減少が進み、2月の既存店売上高は前年同期比93.9%、3月の既存店売上高は前年同期比70.3%と著しく落ち込みました。この結果、通期の既存店売上高は前年同期比95.1%(客数95.1%、客単価99.9%)となりました。
売上原価については、メニューミックスによる粗利高の確保等により、売上原価率は前期に比べ1.2ポイント改善となりました。
販売費及び一般管理費については、時給単価の上昇等による人件費率の増加や物流費用の上昇等によるコスト増加、売上減少に伴う固定費率の上昇により、販管費率が前期に比べて0.6ポイントの増加となりました。
また、より抜本的に収益構造を変革していくため、グループ店舗数の約15%にあたる大幅な閉店を実施したこと等により、店舗減損及び店舗閉鎖損失が発生しました。そのほか、リニュアルに伴う固定資産除却損及びのれんの減損損失等により、1,190百万円の特別損失を計上することとなりました。
店舗数については、開店が1店舗、閉店が52店舗(うちFC4店舗)となり、当期末の店舗数は449店舗(うち、FC58店舗)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の当社グループの売上高は24,404百万円(前年同期比8.9%減)、営業損失は479百万円(前期は685百万円の赤字)、経常損失は522百万円(前期は812百万円の赤字)、親会社株主に帰属する当期純損失は1,801百万円(前期は2,841百万円の赤字)となりました。
資産は、前連結会計年度末に比べ2,551百万円減少し、13,978百万円となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べ758百万円減少し、12,825百万円となりました。また、純資産も、前連結会計年度末に比べ1,793百万円減少し、1,153百万円となりました。
子会社別の事業の状況は以下のとおりであります。なお、会社ごとの売上高は、連結取引相殺消去前の売上高であるため、連結損益計算書の売上高とは一致しておりません。
(a)㈱扇屋東日本、㈱扇屋西日本
焼き鳥居酒屋「備長扇屋」「やきとりの扇屋」では、ファミリーが入り易い意匠、ドリンクバーの設置、テイクアウトコーナーの設置など、リニュアルパッケージの更新に努めてまいりました。
また、イタリアンシェフが手がける鳥料理の専門店「扇屋 天」、進む個食化への対応として「焼肉の扇屋」を実験店としてスタートしております。
㈱扇屋東日本と㈱扇屋西日本を合算した当連結会計年度の売上高は10,929百万円(前年同期比8.7%減)、当期において閉店34店舗(うちFC4店舗)となり、期末店舗数は276店舗(うちFC54店舗)となりました。
(b)㈱フードリーム
ショッピングセンターや商業施設内を中心に、「パステルイタリアーナ」「カプチーナ」「ステーキハウス松木」「鶴亀堂」など様々なブランドを展開する㈱フードリームでは、サービス改革やヒット商品の開発にウエイトを置きながら、業態のリブランディングに取り組んでおります。一方で、お客様にまた来たいと思っていただけるように、定期的なキャンペーンの開催やイベントなどを行ってまいりました。
パステルブランド初となるパステルブランドとプリン生食パンの専門店「だってプリンがすきなんだもん。」を組み合わせた複合型業態の実験を、ニューフォーマットとしてスタートしております。
㈱フードリームの当連結会計年度の売上高は6,418百万円(前年同期比11.0%減)となり、当期において閉店12店舗となり、期末店舗数は91店舗となりました。
(c)㈱一丁
北海道や首都圏のターミナル駅を中心に展開する刺身居酒屋「魚や一丁」では、市場に入荷した良い食材を、仕入れてその日に売るというスタイルで差別化を図り、ファンづくりに努めてまいりました。料理人の技術に裏打ちされた商品力と提供品質に磨きをかけ、お客様満足向上に精進しております。
また、「北海道一丁」と「室蘭焼鳥チキウ」という2つのブランドが一つの店に共存するダブルネーム方式で、北海道色を強め宴会需要に替わる需要創出に向けた業態実験をスタートさせております。
㈱一丁の当連結会計年度の売上高は2,694百万円(前年同期比13.3%減)となり、当期において閉店1店舗となり、期末店舗数は17店舗(うちFC1店舗)となりました。
(d)㈱一源
埼玉を中心に展開する総合型居酒屋「いちげん」では、和・洋・中のバラエティー豊かなメニューが特徴的であり、ファミリーターゲットの強みに磨きをかけるため、女性のお客様、家族連れのお客様にも楽しんでいただけるメニューやイベントなどを提案しております。また、立地毎のマーケットに適応するため、テイクアウトの強化やデリバリー対応への取り組みを進めるとともに、食事需要にも対応できるメニューと宴会場を有効的に活用する取り組みを進めてまいりました。
㈱一源の当連結会計年度の売上高は2,185百万円(前年同期比10.0%減)、当期において、開店1店舗、閉店2店舗となり、期末店舗数は22店舗となりました。
(e)㈱紅とん
都心のターミナル駅を中心に展開する炭火串焼き専門店「日本橋紅とん」では、「働くお父さんのエネルギー源」をコンセプトとして、専門店ならではの商品開発や串焼き技術を向上させ、コンセプトの浸透を図ってまいりました。特に野菜や肉などの巻き串の拡充や、ドリンクのスピード提供に注力してまいりました。
大阪下町の味お好み焼き「ぼちぼち」では、多くの「焼き師」育成のため調理技術に磨きをかけ、活気あふれる店舗づくりを行っております。
㈱紅とんの当連結会計年度の売上高は2,160百万円(前年同期比1.4%減)で、当期において閉店3店舗となり、期末店舗数は43店舗(うちFC3店舗)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較し、540百万円減少の2,103百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、738百万円(前連結会計年度は262百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純損失が1,649百万円となったものの、そのうち現金の支出を伴わない減価償却費が1,060百万円、のれん償却額が111百万円及び減損損失が953百万円あったことが影響しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、597百万円(前連結会計年度は1,160百万円の支出)となりました。これは主に、既存店のリニュアルや新規出店などに伴う有形固定資産の取得が608百万円、無形固定資産の取得による支出が101百万円あった一方、敷金・保証金の返還による収入が252百万円あったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により使用した資金は、682百万円(前連結会計年度は228百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済が499百万円、リース債務の支払が187百万円あったことなどによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の状況
a. 仕入実績
当連結会計年度の仕入実績を事業会社別に示すと、次のとおりであります。
事業会社仕入高(百万円)前年同期比(%)
㈱扇屋東日本2,050△12.9
㈱扇屋西日本1,466△7.8
㈱フードリーム2,010△14.6
㈱一丁1,027△2.4
㈱一源639△13.2
㈱紅とん628△5.1
合計7,824△10.6

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 上記の仕入高の金額は、仕入値引控除前の金額であります。
3. 上記の仕入高の金額は、連結会社間取引消去前の仕入高であるため、連結損益計算書の仕入高とは一致しておりません。
4. 外食サービス事業の単一セグメントであるため、事業会社別に記載しております。
b. 受注実績
当社グループは一般顧客に直接販売する飲食業を営んでいるため、受注状況は記載しておりません。
c. 販売実績
当連結会計年度の販売実績を事業会社別に示すと、次のとおりであります。
なお、当社グループは主に一般顧客に直接販売する飲食業を営んでいるため、特定の主要な販売先はありません。
事業会社売上高(百万円)前年同期比(%)
㈱扇屋東日本6,186△9.8
㈱扇屋西日本4,742△7.2
㈱フードリーム6,418△11.0
㈱一丁2,694△13.3
㈱一源2,185△10.0
㈱紅とん2,160△1.4
合計24,388△9.4

(注) 1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 上記の売上高の金額は、連結会社間取引消去前の売上高であるため、連結損益計算書の売上高とは一致しておりません。
3. 外食サービス事業の単一セグメントであるため、事業会社別に記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。
また、当社グループは、新型コロナウイルス感染症拡大の状況下、2020年4月4日以降自主的に順次店舗の臨時休業の対応をとり、4月7日の政府による緊急事態宣言発令を受けた地方自治体からの休業要請を受け、併せて200店舗規模を臨時休業と致しました。その後、2020年5月25日の緊急事態宣言解除を受けて、6月1日より営業を再開しております。
このような状況下において、当連結会計年度末におけるのれんを含む固定資産の減損及び繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、当社グループは来期以降の業績について、新型コロナウイルス感染症による影響が2020年6月以降順次回復に向かい2021年4月には収束するものの、生活様式の変更等により一定程度の需要が落ち込むと仮定をおき、将来キャッシュ・フローにマイナスの影響を与えるものとして見積っております。不確実性の極めて高い環境下にあり、新型コロナウイルス感染症の収束時期等の見積りには不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」をご参照ください。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりです。
経営成績の分析
a. 売上高
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ2,374百万円減少し、24,404百万円となりました。
これは主に、既存店の売上高が減少(前連結会計年度比95.1%(客数95.1%、客単価99.9%))した影響によるものであります。
b. 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度に比べ1,305百万円減少し、16,817百万円となりました。
これは、主に売上高の減少影響によるものであります。また、売上総利益率は、メニューミックスによる売上総利益の確保に努めた結果、前連結会計年度に比べ1.2ポイント改善となりました。
c.販売費及び一般管理費
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ1,511百万円減少し、17,297百万円となりました。
これは主に、直営店舗数が47店舗減少した影響によるものでありますが、売上高に対する販売費及び一般管理費の比率は、労働単価の上昇による人件比率の増加や売上高の減少に伴う固定比率の上昇等により前連結会計年度に比べて0.6ポイントの増加となりました。
d.営業損失
当連結会計年度の営業損失は、大きな売上高の減収影響があったものの、売上原価や各種コストの効率化を図ったことにより前連結会計年度に比べ206百万円利益を改善しましたが、479百万円の営業損失となりました。
e.経常損失
当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べ3百万円増加し、96百万円となりました。営業外費用は、79百万円減少の139百万円となりました。その結果、当連結会計年度の経常損失は、前連結会計年度に比べ290百万円利益が増加したものの、522百万円の経常損失となりました。
f.税金等調整前当期純損失
当連結会計年度の特別損失は、より抜本的に収益構造を変革していくため、グループ店舗数の約15%にあたる大幅な閉店を実施したこと等により、店舗減損及び店舗閉鎖損失が発生しました。そのほか、リニュアルに伴う固定資産除却損及びのれんの減損損失等により、1,190百万円の特別損失を計上することとなりました。その結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は、前連結会計年度に比べ1,254百万円利益が増加したものの、1,649百万円の税金等調整前当期純損失となりました。
g.親会社株主に帰属する当期純損失
当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は、前連結会計年度に比べ1,039百万円利益が増加したものの、1,801百万円の親会社株主に帰属する当期純損失となりました。
財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ2,551百万円減少し、13,978百万円となりました。
これは、現金及び預金が540百万円減少したこと等により流動資産が1,048百万円減少し、減価償却費及び店舗の減損損失を計上したこと等により有形固定資産が734百万円、のれんの減損損失を計上したこと等により無形固定資産が473百万円、敷金及び保証金が263百万円減少したこと等により投資その他の資産が289百万円減少したことで、固定資産が1,497百万円減少となったことが影響しております。
負債の部は、前連結会計年度末に比べ758百万円減少し12,825百万円となりました。これは主として、店舗数の減少等による買掛金375百万円の減少、長期借入金499百万円を返済したこと等によるものであります。
純資産は、親会社株主に帰属する当期純損失を1,801百万円計上したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,793百万円減少し1,153百万円となりました。
この結果、ROE(自己資本利益率)は△88.0%、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ9.6ポイント減少の8.2%となり、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べ56円22銭減少の36円01銭となりました。
当社は、グループの収益力を早期に回復させ、キャッシュポジションを高めるとともに、当期に大幅に減少した純資産の回復を図るべく財務基盤の強化に向けて努めてまいります。
キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については次のとおりであります。
当社グループの資金需要の主なものは、店舗設備投資、事業開発投資及びM&A・資本業務提携投資であります。これらの投資に要する資金は、増資資金、長期借入金及び自己資金により調達することを基本としております。
なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は7,965百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,103百万円となっております。

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