有価証券報告書-第109期(平成29年1月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/03/29 14:48
【資料】
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【項目】
135項目

対処すべき課題


文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。
1.経営方針
(1)中長期的な会社の経営戦略
①連結中期経営計画「Project 2020+」 平成27年12月発表
当社グループは、平成28年より連結中期経営計画「Project 2020+」を推進している。「Project 2020+」においては、収益性と安定性を高いレベルで持続的に維持する「個性派事業」の拡大・強化を図り、グローバル市場で展開する。お客様にとって魅力度の高い製品・サービスを提供し、世界または一定規模の競争市場でシェアトップの事業を多く持つことにより、市況変動に対する抵抗力の強化を図る。また、事業モデルの変革を推進し、既存事業の収益力のレベルアップを図る。これにより当社グループの企業価値を向上させる。
②「Project 2020+」の基本戦略
当社グループは「インフラケミカルズ」、「エネルギー」、「移動・輸送」、「生活環境」、「情報電子」の5つの市場領域に対し、高付加価値の製品・技術・サービスを提供し、世界規模での社会課題解決に貢献していく。
「Project 2020+」の期間において、当社グループ事業を「成長加速」、「優位確立」、「基盤化」、「再構築」からなる事業ポートフォリオに区分し、それぞれにミッションを定め、事業を強化していく。事業モデルの変革により既存事業群の収益力を一段と高いレベルへ向上させると共に、M&Aや事業提携などを推進し、新たな成長事業を外部から組み入れる。海外展開については、成長著しいアジア・ASEANでの戦略的投資を実施すると共に、欧米などの先進国市場も含めた成長機会の獲得を追求し、「個性派事業」のさらなる拡大を図っていく。
「Project 2020+」における事業ポートフォリオ
1)成長加速事業
電子材料用高純度ガス、機能性化学品、アルミ缶の3つの事業については、アジア・ASEANなど海外市場の成長にあわせた戦略的な施策を積極的に遂行し、事業規模の急速な拡大を実現する。
2)優位確立事業
リチウムイオン電池(LIB)材料、パワー半導体SiCの2事業については、将来の大きな市場成長が期待されることから、事業・技術開発の両面から競争優位性のあるビジネスモデルの確立を実現する。
3)基盤化事業
ハードディスク(HD)、黒鉛電極、石油化学などの事業は、今後も一定の市場・事業規模が期待されることから、市況変動に対する抵抗力を向上させ、安定した利益、キャッシュ・フローを創出する。
4)再構築事業
事業の競争環境・収益性・ビジネスモデルの再構築を通じて、利益、キャッシュ・フローの増大を実現する。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、連結中期経営計画「Project 2020+」において、事業活動の成果を示す下記の指標を重要な経営指標としている。
当社グループが平成30年に目標とする経営指標
平成30年中計目標
売上高8,550億円
営業利益570億円
売上高営業利益率6.7%
FCF(フリー・キャッシュ・フロー)680億円
ROA(総資産営業利益率)6.0%
ROE9.0%
D/Eレシオ1.00倍

(注) 1 平成27年12月11日発表(円ドル為替レート前提:115円/ドル)
2 FCFは平成28年~平成30年累計
2.経営環境及び当社グループの対処すべき課題
新興国において急速な経済成長により生活水準が向上する一方で、地球環境への負荷増大を抑制するための取り組みが世界全域で求められている。社会動向を市場性の観点から見た場合、電子産業分野の一層の高品位化・高速化・高容量化・小型化の進展による利便性・快適性の向上、地球温暖化対策・環境保全の推進による健康で安全な社会の実現、化石エネルギー依存度低下・省エネルギー推進によるエネルギー供給保障等の人類共通の諸課題に対応するための新技術の開発と事業化が求められている。
当社グループは、平成28年より推進中の連結中期経営計画「Project 2020+」において、収益性と安定性を高いレベルで持続的に維持する「個性派事業」の拡大・強化を図りグローバル市場で展開している。優位性のある固有技術をベースに先進・先端技術領域をリードする部材・素材・ソリューションをお客様に提供し、成長するアジア・ASEAN市場に加え、欧米などの先進国市場も含めた成長機会の獲得を追求し、海外展開を加速すると共に、市場が求める高機能、高性能な製品・技術の提供を通じ、お客様の期待、社会のニーズに応え続ける企業の確立を目指し、豊かさと持続性が調和する社会の創造に貢献していく。
また、当社グループは、経営の健全性、実効性及び透明性を確保し、企業価値の持続的な向上により社会から信頼・評価される「社会貢献企業」を実現するために、平成27年、「コーポレート・ガバナンス基本方針」を定め、その充実に取り組んでいく。
特に、グループ全体のリスク管理機能強化を重要課題として捉え、多面的な施策を適時実施していく。
「コーポレート・ガバナンス基本方針」については当社ホームページを参照。
http://www.sdk.co.jp/ir/governance.html