訂正有価証券報告書-第147期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/08/05 9:37
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【項目】
121項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。
①固定資産の減損処理
当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定される使用価値により測定しております。
また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。
②退職給付費用及び債務
当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理する事としております。
③繰延税金資産の回収可能性
当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。
繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当金として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。
(2) 経営成績の分析
当社グループは、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進してまいりました。しかしながら、農薬の輸出向け販売の減少等により、当連結会計年度の売上高は1,427億1千1百万円(前年度比3.6%減)、営業利益は74億1千5百万円(前年度比1.8%増)となりました。経常利益は、米国の飼料添加物製造会社の業績が好調に推移したことにより持分法投資利益が増加し、189億5千2百万円(前年度比27.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は143億1千3百万円(前年度比30.8%増)となりました。
①売上高及び営業利益
売上高
当連結会計年度の売上高は1,427億1千1百万円となり、前年同期に比べ53億5千万円減少いたしました。
以下のセグメントの業績は、セグメント間の内部取引消去後の金額であります。
[化学品事業]
中国経済の減速等の影響に伴う国内外の需要の停滞により、カセイソーダ等の工業薬品及びPCB無害化処理薬剤等の化成品の販売が低調に推移し、減収となりました。その一方で、医薬品添加剤「HPC」等の医薬品・医薬中間体及び当社が成長ドライバーと位置付けているセルロース誘導体事業や機能性ポリマー事業等の販売は堅調に推移し、増収となりました。
この結果、当連結会計年度の[化学品事業]の売上高は406億2千8百万円となり、前年同期に比べ7億2千7百万円減少いたしました。
また、営業利益は21億4千1百万円と前年同期に比べ16億1千4百万円増加いたしました。
[農業化学品事業]
人口増加や新興国の経済発展による農産物需要の増大に伴い、中期的には農薬需要の増加が見込まれるものの、足元では穀物価格の下落等の影響により、殺虫剤・殺ダニ剤「モスピラン」及び除草剤「ホーネスト」の輸出向け販売が低調に推移し減収となりました。国内向け販売につきましても、天候不順や病害虫発生の減少等の影響により、販売は低調に推移いたしました。
この結果、当連結会計年度の[農業化学品事業]の売上高は438億7千8百万円となり、前年同期に比べ31億5千1百万円減少いたしました。
また、営業利益は23億8千万円と前年同期に比べ19億5千9百万円減少いたしました。
[商社事業]
各種無機薬品やウレタン原料等の減少により、当連結会計年度の[商社事業]の売上高は338億8千7百万円となり、前年同期に比べて15億6千3百万円減少いたしました。
また、営業利益は2億6千9百万円と前年同期に比べ1百万円増加いたしました。
[運輸倉庫事業]
倉庫業及び運送業が堅調に推移したことにより、当連結会計年度の[運輸倉庫事業]の売上高は38億9千7百万円となり、前年同期に比べて8千1百万円増加いたしました。
また、営業利益は4億4千9百万円と前年同期に比べ1百万円増加いたしました。
[建設事業]
プラント建設工事が堅調に推移いたしましたが、当連結会計年度の[建設事業]の売上高は133億3千5百万円となり、前年同期に比べて6千3百万円減少いたしました。
また、営業利益は13億9千2百万円と前年同期に比べ3千8百万円増加いたしました。
[その他]
当連結会計年度の[その他]の売上高は70億8千3百万円と前年同期に比べて7千3百万円増加いたしました。
また、営業利益は8億3千5百万円と前年同期に比べ4億円増加いたしました。
原価、費用及び営業利益
当連結会計年度の営業利益は、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進したこと等により74億1千5百万円と、前年同期に比べ1億3千万円増加いたしました。
なお、営業利益率は5.2%となり、前年同期に比べ0.3ポイント増加いたしました。
②営業外損益及び経常利益
当連結会計年度は、米国の飼料添加物製造会社の業績が好調に推移したこと等により、持分法による投資利益が117億2千8百万円と、前年同期に比べ53億8千9百万円増加いたしました。
これにより営業外損益は115億3千6百万円の益(純額)となりました。
この結果、経常利益は189億5千2百万円となり、前年同期に比べ40億2千8百万円増加いたしました。
③特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益
特別損益は4千万円の益(純額)となりました。また、法人税等(法人税等調整額含む)は前年同期に比べ26億3千2百万円増加し、45億1千4百万円となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は143億1千3百万円となり、前年同期に比べ33億6千7百万円増加いたしました。
(3) 財政状態の分析
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が12億5千8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ6億9千7百万円減少し、2,205億8千7百万円となりました。
負債につきましては、支払手形及び買掛金が66億8千5百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ50億6百万円減少し、890億9千7百万円となりました。
純資産につきましては、利益剰余金が120億1千5百万円増加したことに加え、為替換算調整勘定が41億3千8百万円減少及び非支配株主持分が38億5千1百万円減少したこと等により、純資産合計では前連結会計年度末に比べ43億8百万円増加し、1,314億8千9百万円となりました。なお、連結子会社である三和倉庫株式会社を株式交換により完全子会社化したことで、非支配株主持分が減少するとともに、資本剰余金が増加し自己株式の保有が減少いたしました。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は58.5%となり、前連結会計年度末の54.6%から3.9ポイント増加いたしました。
②キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(4) 次期(平成28年度)の見通し
今後の見通しにつきましては、政府の追加経済対策等による景気の回復が期待されるものの、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。
次期の業績予想につきましては、売上高1,400億円、経常利益108億円、親会社株主に帰属する当期純利益93億円を予想しております。また、為替レートは1$=110円を想定しております。
(注)上記「次期の見通し」は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。