四半期報告書-第152期第3四半期(平成27年10月1日-平成27年12月31日)

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2016/02/12 13:46
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31項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

(1)財政状態の分析
(資産、負債及び純資産の状況)
当第3四半期連結会計期間末の総資産は4,122億42百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,422億85百万円減少しました。
主な要因は、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の多結晶シリコン製造設備の減損損失計上に伴う有形固定資産の減少によるものです。
負債は3,603億85百万円となり、前連結会計年度末に比べ246億96百万円減少しました。
主な要因は、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が182億6百万円、社債及び1年内償還予定の社債が50億円、購入契約損失引当金が35億54百万円減少したことによるものです。
純資産は518億56百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,175億88百万円減少しました。
主な要因は、減損損失計上に伴う利益剰余金の減少によるものです。
(2)経営成績の分析
当第3四半期連結累計期間の業績につきましては、以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
売上高営業利益経常利益親会社株主に帰属する四半期純損失(△)
平成28年3月期
第3四半期連結累計期間
226,65812,9409,386△115,806
平成27年3月期
第3四半期連結累計期間
222,02915,86711,057△78,878
増 減 率2.1%△18.4%△15.1%-%

(売上高)
国産ナフサ価格の下落に伴う石油化学製品の販売価格の軟化はあったものの、ソーダ灰及び塩化カルシウム、ならびに太陽電池向け多結晶シリコンの販売数量の増加等により、前年同期より46億28百万円増加し、2,266億58百万円(前年同期比2.1%増)となりました。
(売上原価)
国産ナフサ価格の下落による原料コストの減少はありましたが、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.における減価償却費の負担増等により、前年同期より68億47百万円増加し、1,662億40百万円(前年同期比4.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
全社にわたる費用削減に努めましたが、ソーダ灰及び塩化カルシウム等の販売数量増に伴う物流費の増加等により、前年同期より7億7百万円増加し、474億76百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
(営業利益)
国産ナフサ価格の下落や円安の影響による石油化学製品の損益改善はあったものの、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.における減価償却費の負担増等により、前年同期より29億26百万円減少し、129億40百万円(前年同期比18.4%減)となりました。
(営業外損益・経常利益)
営業外損益は、前年同期に計上した為替差損が為替差益に転じたこと等により、前年同期より12億54百万円改善しました。
以上の結果、経常利益は16億71百万円減少し、93億86百万円(前年同期比15.1%減)となりました。
(特別損益・税金等調整前四半期純損失・四半期純損失・親会社株主に帰属する四半期純損失)
特別損益は、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.の多結晶シリコン製造設備の減損損失計上等により、前年同期より283億86百万円悪化しました。
以上の結果、税金等調整前四半期純損失は1,072億21百万円となり、前年同期より300億58百万円悪化しました。
応分の税金費用を加味した四半期純損失は1,151億76百万円となり、前年同期より360億46百万円悪化しました。
親会社株主に帰属する四半期純損失は1,158億6百万円となり、前年同期より369億28百万円悪化しました。
(セグメント別の状況)
売上高(単位:百万円)

報告セグメントその他合計調整額四半期連結損益計算書計上額
化成品特殊品セメントライフ
アメニティー
平成28年3月期
第3四半期
連結累計期間
66,12240,85664,99343,33340,565255,871△29,213226,658
平成27年3月期
第3四半期
連結累計期間
68,10538,47860,39643,83638,305249,123△27,093222,029
増 減 率△2.9%6.2%7.6%△1.1%5.9%2.7%-2.1%

営業利益又は営業損失(△)(単位:百万円)

報告セグメントその他合計調整額四半期連結損益計算書計上額
化成品特殊品セメントライフ
アメニティー
平成28年3月期
第3四半期
連結累計期間
5,623△3,7844,1314,9864,06515,022△2,08112,940
平成27年3月期
第3四半期
連結累計期間
3,8003,6453,5303,6594,40419,040△3,17315,867
増 減 率47.9%-%17.0%36.3%△7.7%△21.1%-△18.4%

(注)各セグメントの売上高、営業利益又は営業損失(△)にはセグメント間取引を含めております。
(化成品セグメント)
苛性ソーダは、国内の販売数量が堅調に推移した一方で、販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
塩化ビニルモノマーは、国産ナフサ価格の下落により原料コストが減少し、損益が改善しました。
塩化ビニル樹脂は、住宅着工戸数が回復基調にあるものの、サプライチェーンにおける在庫調整が続いたことなどにより販売数量が減少し、減収となりました。
ソーダ灰及び塩化カルシウムは、トクヤマ・セントラルソーダ株式会社が平成26年10月から営業を開始したことにより増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は661億22百万円(前年同期比2.9%減)、営業利益は56億23百万円(前年同期比47.9%増)で減収増益となりました。
(特殊品セグメント)
半導体向け多結晶シリコンは、半導体製品のサプライチェーンにおける在庫調整等により販売数量が減少し、減収となりました。
太陽電池向け多結晶シリコンは、Tokuyama Malaysia Sdn. Bhd.が平成26年10月から営業を開始したことにより販売数量が増加し増収となった一方で、減価償却費の負担増等により損益が悪化しました。
乾式シリカは、半導体用研磨材向けを中心に販売が堅調に推移し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は408億56百万円(前年同期比6.2%増)、営業損失は37億84百万円で、増収ながら赤字に転じました。
(セメントセグメント)
セメントは、国内において、公共工事の減少や天候不順による工事の遅れ等から官公需・民需とも低調に推移し、販売数量が減少したため、減収となりました。
資源環境事業は、建設発生土などの廃棄物受入数量が増加し、増収となりました。
連結子会社は、一部地域において大型案件向けに生コンクリート等の販売数量が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は649億93百万円(前年同期比7.6%増)、営業利益は41億31百万円(前年同期比17.0%増)で増収増益となりました。
(ライフアメニティーセグメント)
医薬品原薬は、ジェネリック医薬品向けの販売数量が減少し、減収となりました。
プラスチックレンズ関連材料は、メガネレンズ用フォトクロミック材料の販売数量が増加し、増収となりました。
微多孔質フィルムは、紙おむつなどのサニタリー用品向けの販売数量が増加し、増収となりました。
ポリオレフィンフィルムは、コンビニエンスストア向け商品の包装材用途を中心に販売が堅調に推移したものの、国産ナフサ価格の下落により販売価格が軟調に推移し、減収となりました。
歯科器材は、新製品や海外向けの販売数量が増加し、増収となりました。
医療診断システムは、血液検査向けの国内大型案件が増加し、増収となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は433億33百万円(前年同期比1.1%減)、営業利益は49億86百万円(前年同期比36.3%増)で減収増益となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した対処すべき課題について重要な変
更があった事項は次のとおりです。
なお、記載している事項は、当四半期報告書提出日現在において、当社グループが判断したものです。
また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2
事業の状況 3 対処すべき課題」の項目番号に対応したものです。
(1) 経営改革方針
② 多結晶シリコン事業の再構築
太陽電池材料となる多結晶シリコンの製造では、太陽電池向け多結晶シリコン市況の下落に基づく事業環境の悪化と、平成27年10月から11月にTokuyama Malaysia Sdn. Bhd.において実施した多結晶シリコンプラントの定期修繕後の状況を踏まえ、当該プラントの中長期の事業計画を見直し将来の投資回収可能性を検討した結果、当第3四半期連結会計期間において、1,234億86百万円の減損損失を特別損失として計上するに至りました。
今回の事業計画見直しにより、平成27年7月に策定した「中期経営計画2017」については、当該事業計画変更を反映した見直しを行い、期末の決算発表時に公表する予定です。毀損した純資産の回復策や、負債・資本構成など今後の資本政策については、今回の特別損失、中期経営計画の見直し、昨今の事業環境等を踏まえ、再検討を行います。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は65億8百万円です。
(5)会社の支配に関する基本方針
①基本方針について
当社は、企業倫理の向上と法令遵守を徹底したうえで「企業価値の向上」を図るとともに、「企業の社会的責任」を認識し「社会と共鳴する経営」を行うことによって、株主、顧客、取引先、従業員、地域社会等のステークホルダーの皆様に評価され「顧客に選ばれ続けるトクヤマグループ」を実現することを経営の基本方針としております。
当社は、大正7年の創業以来、一貫した「ものづくり」へのこだわりと顧客をはじめとしたステークホルダーの皆様との長期的な信頼関係を基盤とし、ソーダ灰・苛性ソーダ・塩化ビニル樹脂等の化成品セグメント、セメント事業等のセメントセグメント、多結晶シリコン・乾式シリカ・窒化アルミニウム・電子製品向け高純度薬品等の特殊品セグメント、微多孔質フィルム・歯科器材・イオン交換樹脂膜等のライフアメニティーセグメント、及びその他セグメントの5つのセグメントに区分される幅広い事業を、グループ会社とともに展開しています。
その事業特性は、将来の事業環境変化を想定しつつ、経営資源の先行投入を行い、継続的な企業価値の向上を図るというものです。これは、事業を企画し、技術を開発し、設備を作り、顧客をはじめとしたステークホルダーの皆様との信頼関係、連携関係を強化し、投入経営資源の回収を図るという取り組みです。こうした中長期的な視点からの取り組みの集積結果と現在進行中の経営資源の先行投入が当社の企業価値の源泉と考えております。
従って、このような中長期的な視点からの経営に取り組みつつ、経営の効率化や収益性向上を行うには、専門性の高い業務知識、営業や技術ノウハウを備えた者が、法令及び定款の定めを遵守して、当社の財務及び事業の方針の決定について重要な職務を担当することが、当社株主共同の利益及び当社企業価値の向上に資するものと考えております。
以上が当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針です。
②不適切な支配の防止のための取り組みについて
当社は、大規模な当社株式等の買付行為(以下「大規模買付行為」という。大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」という。)が行われ、その大規模買付行為が当社株主共同の利益及び当社企業価値を著しく損なうと判断される場合には、株主共同の利益及び企業価値の保護のために、対抗措置を講じる必要があると考えております。
大規模買付行為が行われた場合、これを受け入れるか否かは、最終的には当社株主の皆様のご判断に委ねられるべきものであり、そのためには、当該大規模買付者からの十分な情報の提供が必要であると考えます。また、当該大規模買付行為に対する当社取締役会による評価、意見及び事業特性を踏まえた情報等の提供は、株主の皆様が当該大規模買付を受け入れるか否かのご判断のために重要であり、株主共同の利益に資するものと考えております。
当社は、株主共同の利益及び企業価値の保護のために、大規模買付行為に対して大規模買付ルールを定めました。
大規模買付ルールとは、大規模買付者に対して、買付行為の前に、当社取締役会に十分な情報提供をすること及びその情報に基づき、当社取締役会が大規模買付行為を十分に評価・検討し、意見や代替案の取りまとめの期間を確保することを要請するものです。
このルールが遵守されない場合、又は遵守された場合でも株主共同の利益及び企業価値を著しく損なうと判断される場合には、当社取締役会は会社法第277条以下に規定される新株予約権無償割当てによる措置(以下「対抗措置」という。)をとり、大規模買付行為に対抗する場合があります。
以上のような「当社株式等の大規模買付行為に関する対応方針」(以下「本対応方針」という。)の更新につき、平成27年4月30日開催の当社取締役会で決定し、平成27年6月24日開催の第151回定時株主総会においてご承認いただきました。
なお、本対応方針の詳細をインターネット上の当社ウェブサイト(http://www.tokuyama.co.jp/)に掲載しております。
③上記②の取り組みについての取締役会の判断について
当社取締役会は、上記②の「不適切な支配の防止のための取り組みについて」が、当社の基本方針に沿って策定され、株主共同の利益及び企業価値の保護に資するものと考えております。
当社は、本対応方針において取締役会の恣意的な判断を防止するためのチェック機関として特別委員会を設置し、取締役会が対抗措置を発動する場合は特別委員会の勧告を最大限尊重しなければならないと定めており、また、特別委員会の勧告に基づき、株主総会を招集し、その意思を確認することができるものとしており、上記②の取り組みは取締役の地位の維持を目的としたものではありません。