有価証券報告書-第96期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
当社グループは、日本、米州、欧州、アジアなど、グローバルな事業展開を推進しておりますことから、資本市場における財務情報の国際的な比較可能性の向上、グループ内での会計処理統一を目的として、前連結会計年度より国際会計基準(以下「IFRS」という。)を適用することといたしました。
当社グループは、2016-2020年の5か年中期経営計画において、持続的成長の指標として「コア営業利益」(日本基準)を掲げておりますが、IFRS適用後は、事業活動による経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」(IFRS)を採用しております。なお、「コア営業利益」(IFRS)は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えて算出しております。
(1)当期の経営成績の概況
◎ 当連結会計年度の売上収益及びコア営業利益は、協和メデックス㈱の連結除外に加え、日本における薬価基準引下げ影響等があったものの、欧米におけるグローバル戦略品の上市・伸長や持分法による投資損益の改善等により減収増益となりました。
◎ 税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益に加え、固定資産売却益の計上等によりそれぞれ増益となりました。
◎ 日本では薬価基準引下げ、後発医薬品の浸透などにより厳しい事業環境でしたが、発熱性好中球減少症発症抑制剤「ジーラスタ」、パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」、尋常性乾癬治療剤「ドボベット」、新製品である二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「オルケディア」、抗悪性腫瘍剤「リツキシマブBS『KHK』」が好調に推移しました。欧米では、グローバル戦略品である新製品のX染色体連鎖性低リン血症(XLH)治療剤「Crysvita」や、抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)の販売好調を筆頭に、がん疼痛治療剤「Abstral」(日本製品名「アブストラル」)など主要製品も堅調に推移しました。また、アジアでの順調な業績に加えて、ポテリジェント技術を応用した当社創製のベンラリズマブについては、米国での承認取得に続き、日本、欧州、カナダ、オーストラリアでも承認を取得したことにより、アストラゼネカ社からのマイルストン・ロイヤルティなどの技術収入の獲得に貢献しております。
研究開発では、海外において、ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社と共同開発しているブロスマブ(欧米製品名「Crysvita」)が米国食品医薬品局(FDA) 及び欧州委員会(EC)から医薬品販売承認を取得しました。また、モガムリズマブ(欧米製品名「POTELIGEO」)も同様に医薬品販売承認を取得しました。ブロスマブは、2月に小児及び青少年におけるXLHの治療薬として、ECから条件付き医薬品販売承認を取得し、4月には小児及び成人におけるXLHの治療薬として、FDAから医薬品販売承認を取得しました。モガムリズマブは、菌状息肉腫及びセザリー症候群の治療薬として、8月にFDAから、11月にはECから医薬品販売承認を取得しました。なお、両製品ともFDAから画期的新薬に指定され優先的な審査が行われました。これらの承認により、現在、ブロスマブは欧米にて、モガムリズマブは日本に加え米国においても販売を開始し、世界の人々の健康と豊かさに力強く貢献し始めております。
一方、日本では腎カテゴリーにて二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「オルケディア」の製造販売承認を3月に取得するなど、当社グループ全体で重要な研究開発パイプラインが着実に進展した1年となりました。
バイオケミカル事業では、為替変動等の事業リスクに対する強靭な構造への転換と製品供給体制の強化を目的に生産体制の整備を継続すると同時に、健康志向や品質への関心が高まる中、既存製品の付加価値を高める取り組みも進めました。医薬・工業用原料では国内外の医薬原料の販売が堅調に推移し、また、ヘルスケア領域では、通信販売の「アルギニンEX」、「シトルリン」が伸長したことなどから、国内事業は順調に売上を伸ばしました。
2010年に取り組みを開始した山口事業所の再編は、宇部工場での生産終了をもって、予定通りに移管、集約を実施しました。海外製造工場については、Thai Kyowa Biotechnologies Co., Ltd.ではアミノ酸製造設備拡充が完了し、さらに、上海協和アミノ酸有限公司では新生産設備の商業運転の準備を進めました。
また、当社が保有する診断薬事業会社である協和メデックス㈱の株式のうち66.6%を2018年1月4日付にて日立化成㈱へ譲渡しました。これにより、協和メデックス㈱に対する当社の所有割合は33.4%となり、同社は当社の連結子会社から持分法適用会社になりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
医薬事業
◎ 日本の売上収益は、協和メデックス㈱の連結除外の影響に加え、4月に実施された薬価基準引下げや後発医薬品及び競合品の影響を受け、前連結会計年度を下回りました。
・主力製品の腎性貧血治療剤「ネスプ」は、薬価基準引下げの影響等により前連結会計年度の売上収益を下回りました。
・抗アレルギー剤「アレロック」、高血圧症・狭心症治療剤「コニール」、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」、抗てんかん剤「デパケン」等の長期収載品は、後発医薬品の浸透等の影響により売上収益が減少しました。
・二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「レグパラ」は、競合品の影響を受けて売上収益が減少しましたが、同じく二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする新製品「オルケディア」の販売を5月に開始しました。
・発熱性好中球減少症発症抑制剤「ジーラスタ」、乾癬治療剤「ルミセフ」、パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」等も堅調に売上収益を伸ばしました。なお、尋常性乾癬治療剤「ドボベット」は、新剤形となる「ドボベットゲル」の販売を6月に開始しました。
・1月に販売を開始した抗悪性腫瘍剤「リツキシマブBS『KHK』」は、順調に市場浸透し伸長しました。
◎ 海外の売上収益は、グローバル戦略品の新製品の発売により前連結会計年度を上回りました。
・米州及び欧州では、4月に米国及びドイツで販売を開始したX染色体連鎖性低リン血症治療剤「Crysvita」が好調に推移し、投与患者数を着実に伸ばしております。また、抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)が10月に米国で販売を開始し、順調に市場に浸透し始めております。なお、癌疼痛治療剤「Abstral」(日本製品名「アブストラル」)等も堅調に売上収益を伸ばしました。
・アジアの売上収益は、中国や韓国を中心に二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「Regpara」(日本製品名「レグパラ」)等が堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。
・技術収入については、ベンラリズマブに関して、アストラゼネカ社からのマイルストン収入が減少したものの、ロイヤルティ収入が増加しました。
◎ コア営業利益については、欧米で上市したグローバル戦略品であるX染色体連鎖性低リン血症治療剤「Crysvita」及び抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)の販売好調による売上総利益の増加や持分法による投資損益の改善等があったものの、グローバル戦略品の欧米上市に係る販売費の増加等により前連結会計年度並みとなりました。
バイオケミカル事業
◎ 日本の売上収益は、植物成長調整剤事業譲渡の影響等により、前連結会計年度を下回りました。
・医薬・健食用原料事業は、一部品目のラインナップを整理したため、前連結会計年度を下回りました。
・通信販売事業は、「アルギニンEX」、「シトルリン」等が伸長し、前連結会計年度を上回りました。
◎ 海外の売上収益は、前連結会計年度を下回りました。
・米州及び欧州では、一部製品の競争激化による影響で前連結会計年度を下回りました。
・アジアでは、前連結会計年度並みとなりました。
◎ コア営業利益については、海外工場への生産シフトによるコストダウンの寄与等により、前連結会計年度を上回りました。
(2)当期の財政状態の概況
◎ 資産は、前連結会計年度末に比べ337億円増加し、7,420億円となりました。
・ 非流動資産は、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ40億円減少し、3,561億円となりました。
・ 流動資産は、資金運用としての親会社に対する貸付金の増加等により、前連結会計年度末に比べ377億円増加し、3,858億円となりました。
◎ 負債は、前連結会計年度末並みの924億円となりました。
◎ 資本は、配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ336億円増加し、6,496億円となりました。この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント上昇し、87.6%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
◎ 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の147億円に比べ12億円増加し、159億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、562億円の収入(前連結会計年度比13.4%減)となりました。主な収入要因は、税引前利益734億円、減価償却費及び償却費222億円等であります。一方、主な支出要因は、法人所得税の支払額142億円等であります。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、399億円の支出(前連結会計年度比11.8%減)となりました。主な支出要因は、親会社に対する貸付金の純増加額381億円のほか、有形固定資産の取得による支出105億円、無形資産の取得による支出96億円等であります。一方、主な収入要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入91億円、有形固定資産の売却による収入62億円、貸付金の回収による収入58億円等であります。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、165億円の支出(前連結会計年度比9.8%減)となりました。主な支出要因は、配当金の支払額161億円等であります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループ内において原材料等として使用する中間製品については、その取引額が僅少であるため相殺消去等の調整は行っておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っております。
一部の製品で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
注1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 当期の経営成績の概況」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は次のとおりであります。
◎ 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ1.9%(68億円)減の3,465億円となりました。医薬事業は、海外の売上収益がグローバル戦略品の新発売により伸長したものの、日本の売上収益が協和メデックス㈱の連結除外の影響に加え、薬価基準引下げの影響を受けたこと等により減収となりました。バイオケミカル事業は、通信販売事業の売上収益が伸長したものの、医薬・健食用原料事業での一部品目のラインナップの整理に加え、植物成長調整剤事業譲渡の影響等により減収となりました。
◎ 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ7.5%(97億円)減の1,193億円となり、売上総利益は、同1.3%(29億円)増の2,272億円となりました。売上総利益率は前連結会計年度の63.5%から2.1ポイント改善し65.6%となりました。
◎ 販売費及び一般管理費、研究開発費、持分法による投資損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、グローバル戦略品の欧米上市に係る販売費の増加等により前連結会計年度に比べ6.1%(68億円)増の1,198億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度に比べ1.1%(6億円)減の486億円となりました。なお、売上収益研究開発費比率は前連結会計年度の13.9%から0.1ポイント上昇し14.0%となりました。
持分法による投資損益は、技術収入の計上や研究開発費の減少等により前連結会計年度に比べ損失が97.8%(44億円)減の1億円となりました。
◎ その他の収益、その他の費用
当連結会計年度のその他の収益、その他の費用は、前連結会計年度の18億円の損失(純額)から155億円の利益(純額)となり173億円の収益増加となりました。その他の収益が、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益の計上(110億円)、減損損失戻入益の増加(33億円)及び固定資産売却益の増加(29億円)等により、前連結会計年度に比べ増加しました。
◎ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べ31.5%(176億円)増の734億円となりました。
◎ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ46.9%(61億円)増の190億円となりました。税引前利益に対する法人所得税費用の負担率は、前連結会計年度の23.2%から2.7ポイント上昇し25.9%となりました。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ26.8%(115億円)増の544億円となりました。売上収益当期利益率は前連結会計年度の12.1%から3.6ポイント改善し15.7%となりました。
なお、2016-2020年中期経営計画における目標指標につきましては、コア営業利益は、前連結会計年度に比べ、1.7%(10億円)増の587億円となりました。また、海外売上比率は、グローバル戦略品「Crysvita」及び「POTELIGEO」の販売開始が貢献し、前年31.8%から3.4ポイント上昇し35.2%となりました。ROEは、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益の影響もあり、前連結会計年度の7.2%から1.4ポイント改善し8.6%となりました。
目標達成に向けた主な取組課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の分析
当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 当期の財政状態の概況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
◎ 資本の財源及び資金需要の主な内容
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源としており、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは562億円でした。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、従業員給付費用、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
◎ 資金の流動性
資金の流動性については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
◎ 資金調達の可能性
当社グループでは、事業活動を支える資金の調達に際して、当社が中心となって低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。当社は、グローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社及び国内外の子会社において資金プーリング等を実施するなど、当社グループ全体の資金の効率的な活用と金融費用の削減に努めております。
当社は、短期的な資金需要を満たすのに十分な短期格付を維持し、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の機動的な発行を実施することで短期資金の調達を可能としております。さらに、当社グループが確保している資金水準を上回る戦略的投資に機動的に対応するために、コミットメント・ライン、国内CPの発行枠等の調達手段を確保しております。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組にも努めております。
⑤ 次期の見通し
(注)為替レートは、110円/米ドル、130円/ユーロ、145円/ポンドを前提としております。
◎ 協和発酵バイオ㈱株式の譲渡決定に伴い、2019年12月期第1四半期連結会計期間より、バイオケミカル事業を非継続事業に分類する予定です。これにより、非継続事業からの利益は、連結損益計算書上、継続事業と区分して表示する予定です。次期連結業績予想(2019年12月期)の売上収益、コア営業利益及び税引前利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。なお、同連結会計期間より、当社グループの報告セグメントは「医薬事業」の単一セグメントとなる予定です。
◎ 次期(2019年1月1日から2019年12月31日まで)の連結業績については、売上収益は3,050億円、コア営業利益は530億円、税引前利益は470億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は680億円を見込んでおります。なお、当連結会計年度の売上収益、コア営業利益、税引前利益には非継続事業(バイオケミカル事業)が含まれているため、次期の見通しにおける当連結会計年度比を「-」としております。当期の継続事業(医薬事業)からの当該金額は、それぞれ売上収益2,715億円、コア営業利益503億円及び税引前利益670億円であり、当期の継続事業からの当該金額と比較した場合の当連結会計年度比は、それぞれ12.3%増、5.4%増及び29.9%減となる見通しです。
◎ 医薬事業は、日本において薬価基準引下げの影響等を受けることが予想されるものの、米国及び欧州において2018年に発売を開始したグローバル戦略品「Crysvita」及び「POTELIGEO」の伸長により、売上収益は当連結会計年度に比べ増収となる見通しであります。また、グローバル戦略品の収益拡大・価値最大化に向けた販売費の増加や、研究開発費の増加が見込まれますが、海外売上収益の増加により、コア営業利益は増益となる見通しであります。
◎ 税引前利益については、コア営業利益の増益が見込まれるものの、その他の収益の減少により、当連結会計年度に比べ減益となる見通しです。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益については、協和発酵バイオ㈱株式の譲渡に伴う子会社株式売却益(税引後)が非継続事業からの当期利益に計上されることにより増益となる見通しです。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が当連結会計年度に比べ減少する見込みのため、当連結会計年度に比べ収入が減少する見通しです。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産・無形資産の取得による支出の増加が見込まれるものの、子会社株式の売却に伴い非継続事業からの投資活動によるキャッシュ・フローの増加が見込まれるため、当連結会計年度に比べ収入が増加する見通しです。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額の増加が見込まれるため、当連結会計年度に比べ支出が増加する見通しです。なお、今後も自己株式の取得、資金調達等の財務活動については、経済情勢や資金状況等を勘案しながら機動的に対応してまいります。
以上の結果、次期における現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度末並みとなる見通しです。
(注)上記の予想は、当社が有価証券報告書提出日時点で入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんの償却は20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法により規則的に償却しておりましたが、IFRSでは非償却であり、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が当連結会計年度において12,237百万円減少しております。
当社グループは、2016-2020年の5か年中期経営計画において、持続的成長の指標として「コア営業利益」(日本基準)を掲げておりますが、IFRS適用後は、事業活動による経常的な収益性を示す指標として「コア営業利益」(IFRS)を採用しております。なお、「コア営業利益」(IFRS)は、「売上総利益」から「販売費及び一般管理費」及び「研究開発費」を控除し、「持分法による投資損益」を加えて算出しております。
(1)当期の経営成績の概況
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | |
| 売上収益 | 3,465億円 | 3,534億円 | △68億円 |
| コア営業利益 | 587億円 | 577億円 | 10億円 |
| 税引前利益 | 734億円 | 558億円 | 176億円 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 544億円 | 429億円 | 115億円 |
◎ 当連結会計年度の売上収益及びコア営業利益は、協和メデックス㈱の連結除外に加え、日本における薬価基準引下げ影響等があったものの、欧米におけるグローバル戦略品の上市・伸長や持分法による投資損益の改善等により減収増益となりました。
◎ 税引前利益及び親会社の所有者に帰属する当期利益は、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益に加え、固定資産売却益の計上等によりそれぞれ増益となりました。
◎ 日本では薬価基準引下げ、後発医薬品の浸透などにより厳しい事業環境でしたが、発熱性好中球減少症発症抑制剤「ジーラスタ」、パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」、尋常性乾癬治療剤「ドボベット」、新製品である二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「オルケディア」、抗悪性腫瘍剤「リツキシマブBS『KHK』」が好調に推移しました。欧米では、グローバル戦略品である新製品のX染色体連鎖性低リン血症(XLH)治療剤「Crysvita」や、抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)の販売好調を筆頭に、がん疼痛治療剤「Abstral」(日本製品名「アブストラル」)など主要製品も堅調に推移しました。また、アジアでの順調な業績に加えて、ポテリジェント技術を応用した当社創製のベンラリズマブについては、米国での承認取得に続き、日本、欧州、カナダ、オーストラリアでも承認を取得したことにより、アストラゼネカ社からのマイルストン・ロイヤルティなどの技術収入の獲得に貢献しております。
研究開発では、海外において、ウルトラジェニクス・ファーマシューティカル社と共同開発しているブロスマブ(欧米製品名「Crysvita」)が米国食品医薬品局(FDA) 及び欧州委員会(EC)から医薬品販売承認を取得しました。また、モガムリズマブ(欧米製品名「POTELIGEO」)も同様に医薬品販売承認を取得しました。ブロスマブは、2月に小児及び青少年におけるXLHの治療薬として、ECから条件付き医薬品販売承認を取得し、4月には小児及び成人におけるXLHの治療薬として、FDAから医薬品販売承認を取得しました。モガムリズマブは、菌状息肉腫及びセザリー症候群の治療薬として、8月にFDAから、11月にはECから医薬品販売承認を取得しました。なお、両製品ともFDAから画期的新薬に指定され優先的な審査が行われました。これらの承認により、現在、ブロスマブは欧米にて、モガムリズマブは日本に加え米国においても販売を開始し、世界の人々の健康と豊かさに力強く貢献し始めております。
一方、日本では腎カテゴリーにて二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「オルケディア」の製造販売承認を3月に取得するなど、当社グループ全体で重要な研究開発パイプラインが着実に進展した1年となりました。
バイオケミカル事業では、為替変動等の事業リスクに対する強靭な構造への転換と製品供給体制の強化を目的に生産体制の整備を継続すると同時に、健康志向や品質への関心が高まる中、既存製品の付加価値を高める取り組みも進めました。医薬・工業用原料では国内外の医薬原料の販売が堅調に推移し、また、ヘルスケア領域では、通信販売の「アルギニンEX」、「シトルリン」が伸長したことなどから、国内事業は順調に売上を伸ばしました。
2010年に取り組みを開始した山口事業所の再編は、宇部工場での生産終了をもって、予定通りに移管、集約を実施しました。海外製造工場については、Thai Kyowa Biotechnologies Co., Ltd.ではアミノ酸製造設備拡充が完了し、さらに、上海協和アミノ酸有限公司では新生産設備の商業運転の準備を進めました。
また、当社が保有する診断薬事業会社である協和メデックス㈱の株式のうち66.6%を2018年1月4日付にて日立化成㈱へ譲渡しました。これにより、協和メデックス㈱に対する当社の所有割合は33.4%となり、同社は当社の連結子会社から持分法適用会社になりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
医薬事業
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | |
| 売上収益 | 2,715億円 | 2,758億円 | △43億円 |
| コア営業利益 | 503億円 | 505億円 | △2億円 |
◎ 日本の売上収益は、協和メデックス㈱の連結除外の影響に加え、4月に実施された薬価基準引下げや後発医薬品及び競合品の影響を受け、前連結会計年度を下回りました。
・主力製品の腎性貧血治療剤「ネスプ」は、薬価基準引下げの影響等により前連結会計年度の売上収益を下回りました。
・抗アレルギー剤「アレロック」、高血圧症・狭心症治療剤「コニール」、潰瘍性大腸炎治療剤「アサコール」、抗てんかん剤「デパケン」等の長期収載品は、後発医薬品の浸透等の影響により売上収益が減少しました。
・二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「レグパラ」は、競合品の影響を受けて売上収益が減少しましたが、同じく二次性副甲状腺機能亢進症を適応症とする新製品「オルケディア」の販売を5月に開始しました。
・発熱性好中球減少症発症抑制剤「ジーラスタ」、乾癬治療剤「ルミセフ」、パーキンソン病治療剤「ノウリアスト」等も堅調に売上収益を伸ばしました。なお、尋常性乾癬治療剤「ドボベット」は、新剤形となる「ドボベットゲル」の販売を6月に開始しました。
・1月に販売を開始した抗悪性腫瘍剤「リツキシマブBS『KHK』」は、順調に市場浸透し伸長しました。
◎ 海外の売上収益は、グローバル戦略品の新製品の発売により前連結会計年度を上回りました。
・米州及び欧州では、4月に米国及びドイツで販売を開始したX染色体連鎖性低リン血症治療剤「Crysvita」が好調に推移し、投与患者数を着実に伸ばしております。また、抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)が10月に米国で販売を開始し、順調に市場に浸透し始めております。なお、癌疼痛治療剤「Abstral」(日本製品名「アブストラル」)等も堅調に売上収益を伸ばしました。
・アジアの売上収益は、中国や韓国を中心に二次性副甲状腺機能亢進症治療剤「Regpara」(日本製品名「レグパラ」)等が堅調に推移し、前連結会計年度を上回りました。
・技術収入については、ベンラリズマブに関して、アストラゼネカ社からのマイルストン収入が減少したものの、ロイヤルティ収入が増加しました。
◎ コア営業利益については、欧米で上市したグローバル戦略品であるX染色体連鎖性低リン血症治療剤「Crysvita」及び抗悪性腫瘍剤「POTELIGEO」(日本製品名「ポテリジオ」)の販売好調による売上総利益の増加や持分法による投資損益の改善等があったものの、グローバル戦略品の欧米上市に係る販売費の増加等により前連結会計年度並みとなりました。
バイオケミカル事業
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | |
| 売上収益 | 782億円 | 811億円 | △29億円 |
| コア営業利益 | 81億円 | 72億円 | 9億円 |
◎ 日本の売上収益は、植物成長調整剤事業譲渡の影響等により、前連結会計年度を下回りました。
・医薬・健食用原料事業は、一部品目のラインナップを整理したため、前連結会計年度を下回りました。
・通信販売事業は、「アルギニンEX」、「シトルリン」等が伸長し、前連結会計年度を上回りました。
◎ 海外の売上収益は、前連結会計年度を下回りました。
・米州及び欧州では、一部製品の競争激化による影響で前連結会計年度を下回りました。
・アジアでは、前連結会計年度並みとなりました。
◎ コア営業利益については、海外工場への生産シフトによるコストダウンの寄与等により、前連結会計年度を上回りました。
(2)当期の財政状態の概況
| 当連結会計年度末 | 前連結会計年度末 | 増減 | |
| 資産 | 7,420億円 | 7,083億円 | 337億円 |
| 非流動資産 | 3,561億円 | 3,601億円 | △40億円 |
| 流動資産 | 3,858億円 | 3,481億円 | 377億円 |
| 負債 | 924億円 | 923億円 | 1億円 |
| 資本 | 6,496億円 | 6,160億円 | 336億円 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 87.6% | 87.0% | 0.6% |
◎ 資産は、前連結会計年度末に比べ337億円増加し、7,420億円となりました。
・ 非流動資産は、有形固定資産の減少等により、前連結会計年度末に比べ40億円減少し、3,561億円となりました。
・ 流動資産は、資金運用としての親会社に対する貸付金の増加等により、前連結会計年度末に比べ377億円増加し、3,858億円となりました。
◎ 負債は、前連結会計年度末並みの924億円となりました。
◎ 資本は、配当金の支払いによる減少がありましたが、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上等により、前連結会計年度末に比べ336億円増加し、6,496億円となりました。この結果、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は、前連結会計年度末に比べ0.6ポイント上昇し、87.6%となりました。
(3)当期のキャッシュ・フローの概況
| 当連結会計年度 | 前連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 562億円 | 649億円 | △87億円 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △399億円 | △453億円 | 53億円 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △165億円 | △183億円 | 18億円 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 159億円 | 147億円 | 12億円 |
◎ 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末の147億円に比べ12億円増加し、159億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、562億円の収入(前連結会計年度比13.4%減)となりました。主な収入要因は、税引前利益734億円、減価償却費及び償却費222億円等であります。一方、主な支出要因は、法人所得税の支払額142億円等であります。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、399億円の支出(前連結会計年度比11.8%減)となりました。主な支出要因は、親会社に対する貸付金の純増加額381億円のほか、有形固定資産の取得による支出105億円、無形資産の取得による支出96億円等であります。一方、主な収入要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入91億円、有形固定資産の売却による収入62億円、貸付金の回収による収入58億円等であります。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、165億円の支出(前連結会計年度比9.8%減)となりました。主な支出要因は、配当金の支払額161億円等であります。
(4) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬 | 119,445 | 97.9 |
| バイオケミカル | 74,231 | 114.2 |
| 合計 | 193,677 | 103.6 |
注1.金額は販売価格によっております。
2.当社グループ内において原材料等として使用する中間製品については、その取引額が僅少であるため相殺消去等の調整は行っておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当社グループは、主として販売計画に基づいた生産を行っております。
一部の製品で受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はないため、記載を省略しております。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| 医薬 | 270,438 | 98.4 |
| バイオケミカル | 76,093 | 96.8 |
| 合計 | 346,531 | 98.1 |
注1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| アルフレッサ㈱ | 48,291 | 13.7 | 44,592 | 12.9 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(5) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2018年12月31日現在)において当社グループが判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては、過去の実績や現在の状況等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績の分析
当社グループの当連結会計年度の経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 当期の経営成績の概況」に記載のとおりでありますが、損益区分ごとの分析は次のとおりであります。
◎ 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度に比べ1.9%(68億円)減の3,465億円となりました。医薬事業は、海外の売上収益がグローバル戦略品の新発売により伸長したものの、日本の売上収益が協和メデックス㈱の連結除外の影響に加え、薬価基準引下げの影響を受けたこと等により減収となりました。バイオケミカル事業は、通信販売事業の売上収益が伸長したものの、医薬・健食用原料事業での一部品目のラインナップの整理に加え、植物成長調整剤事業譲渡の影響等により減収となりました。
◎ 売上原価、売上総利益
当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べ7.5%(97億円)減の1,193億円となり、売上総利益は、同1.3%(29億円)増の2,272億円となりました。売上総利益率は前連結会計年度の63.5%から2.1ポイント改善し65.6%となりました。
◎ 販売費及び一般管理費、研究開発費、持分法による投資損益
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、グローバル戦略品の欧米上市に係る販売費の増加等により前連結会計年度に比べ6.1%(68億円)増の1,198億円となりました。
研究開発費は、前連結会計年度に比べ1.1%(6億円)減の486億円となりました。なお、売上収益研究開発費比率は前連結会計年度の13.9%から0.1ポイント上昇し14.0%となりました。
持分法による投資損益は、技術収入の計上や研究開発費の減少等により前連結会計年度に比べ損失が97.8%(44億円)減の1億円となりました。
◎ その他の収益、その他の費用
当連結会計年度のその他の収益、その他の費用は、前連結会計年度の18億円の損失(純額)から155億円の利益(純額)となり173億円の収益増加となりました。その他の収益が、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益の計上(110億円)、減損損失戻入益の増加(33億円)及び固定資産売却益の増加(29億円)等により、前連結会計年度に比べ増加しました。
◎ 税引前利益
当連結会計年度の税引前利益は、前連結会計年度に比べ31.5%(176億円)増の734億円となりました。
◎ 法人所得税費用
当連結会計年度の法人所得税費用は、前連結会計年度に比べ46.9%(61億円)増の190億円となりました。税引前利益に対する法人所得税費用の負担率は、前連結会計年度の23.2%から2.7ポイント上昇し25.9%となりました。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益
以上の結果、親会社の所有者に帰属する当期利益は、前連結会計年度に比べ26.8%(115億円)増の544億円となりました。売上収益当期利益率は前連結会計年度の12.1%から3.6ポイント改善し15.7%となりました。
なお、2016-2020年中期経営計画における目標指標につきましては、コア営業利益は、前連結会計年度に比べ、1.7%(10億円)増の587億円となりました。また、海外売上比率は、グローバル戦略品「Crysvita」及び「POTELIGEO」の販売開始が貢献し、前年31.8%から3.4ポイント上昇し35.2%となりました。ROEは、協和メデックス㈱の株式の一部譲渡に伴う子会社株式売却益の影響もあり、前連結会計年度の7.2%から1.4ポイント改善し8.6%となりました。
目標達成に向けた主な取組課題については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
③ 財政状態の分析
当社グループの財政状態の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 当期の財政状態の概況」に記載のとおりであります。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
◎ 資本の財源及び資金需要の主な内容
当社グループは、主に営業活動から得た資金を財源としており、当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは562億円でした。
当社グループの資金需要のうち主なものは、製品製造のための原材料の購入、商品の仕入のほか、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。営業費用の主なものは、従業員給付費用、研究開発費、販売促進費などであります。
また、当社グループは、生産設備の拡充・合理化及び研究開発力の強化などを目的とした継続的な設備投資のほか、新薬候補物質や上市品の導入など、開発パイプライン及び製品ポートフォリオの価値最大化に向けた戦略的な投資を実施しております。
◎ 資金の流動性
資金の流動性については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (3) キャッシュ・フローの概況」に記載のとおりであります。
◎ 資金調達の可能性
当社グループでは、事業活動を支える資金の調達に際して、当社が中心となって低コストかつ安定的な資金を確保するよう努めております。当社は、グローバルCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、当社及び国内外の子会社において資金プーリング等を実施するなど、当社グループ全体の資金の効率的な活用と金融費用の削減に努めております。
当社は、短期的な資金需要を満たすのに十分な短期格付を維持し、国内CP(コマーシャル・ペーパー)の機動的な発行を実施することで短期資金の調達を可能としております。さらに、当社グループが確保している資金水準を上回る戦略的投資に機動的に対応するために、コミットメント・ライン、国内CPの発行枠等の調達手段を確保しております。
また、資金状況等を勘案しつつ財務体質改善、信用力向上のための取組にも努めております。
⑤ 次期の見通し
| 売上収益 | 3,050億円 | (当連結会計年度比 -億円 -% ) |
| コア営業利益 | 530億円 | (当連結会計年度比 -億円 -% ) |
| 税引前利益 | 470億円 | (当連結会計年度比 -億円 -% ) |
| 継続事業からの当期利益 | 370億円 | (当連結会計年度比 -億円 -% ) |
| 非継続事業からの当期利益 | 310億円 | (当連結会計年度比 -億円 -% ) |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 680億円 | (当連結会計年度比 136億円 25.0%増) |
(注)為替レートは、110円/米ドル、130円/ユーロ、145円/ポンドを前提としております。
◎ 協和発酵バイオ㈱株式の譲渡決定に伴い、2019年12月期第1四半期連結会計期間より、バイオケミカル事業を非継続事業に分類する予定です。これにより、非継続事業からの利益は、連結損益計算書上、継続事業と区分して表示する予定です。次期連結業績予想(2019年12月期)の売上収益、コア営業利益及び税引前利益は、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。なお、同連結会計期間より、当社グループの報告セグメントは「医薬事業」の単一セグメントとなる予定です。
◎ 次期(2019年1月1日から2019年12月31日まで)の連結業績については、売上収益は3,050億円、コア営業利益は530億円、税引前利益は470億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は680億円を見込んでおります。なお、当連結会計年度の売上収益、コア営業利益、税引前利益には非継続事業(バイオケミカル事業)が含まれているため、次期の見通しにおける当連結会計年度比を「-」としております。当期の継続事業(医薬事業)からの当該金額は、それぞれ売上収益2,715億円、コア営業利益503億円及び税引前利益670億円であり、当期の継続事業からの当該金額と比較した場合の当連結会計年度比は、それぞれ12.3%増、5.4%増及び29.9%減となる見通しです。
◎ 医薬事業は、日本において薬価基準引下げの影響等を受けることが予想されるものの、米国及び欧州において2018年に発売を開始したグローバル戦略品「Crysvita」及び「POTELIGEO」の伸長により、売上収益は当連結会計年度に比べ増収となる見通しであります。また、グローバル戦略品の収益拡大・価値最大化に向けた販売費の増加や、研究開発費の増加が見込まれますが、海外売上収益の増加により、コア営業利益は増益となる見通しであります。
◎ 税引前利益については、コア営業利益の増益が見込まれるものの、その他の収益の減少により、当連結会計年度に比べ減益となる見通しです。
◎ 親会社の所有者に帰属する当期利益については、協和発酵バイオ㈱株式の譲渡に伴う子会社株式売却益(税引後)が非継続事業からの当期利益に計上されることにより増益となる見通しです。
◎ 営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前利益が当連結会計年度に比べ減少する見込みのため、当連結会計年度に比べ収入が減少する見通しです。
◎ 投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産・無形資産の取得による支出の増加が見込まれるものの、子会社株式の売却に伴い非継続事業からの投資活動によるキャッシュ・フローの増加が見込まれるため、当連結会計年度に比べ収入が増加する見通しです。
◎ 財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出及び配当金の支払額の増加が見込まれるため、当連結会計年度に比べ支出が増加する見通しです。なお、今後も自己株式の取得、資金調達等の財務活動については、経済情勢や資金状況等を勘案しながら機動的に対応してまいります。
以上の結果、次期における現金及び現金同等物の期末残高は、当連結会計年度末並みとなる見通しです。
(注)上記の予想は、当社が有価証券報告書提出日時点で入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、当社としてその実現を約束する趣旨のものではありません。実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
⑥ 経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
⑦ 経営者の問題意識と今後の方針について
「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
(6) 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
(のれんの償却)
日本基準ではのれんの償却は20年以内のその効果の及ぶ期間にわたって定額法により規則的に償却しておりましたが、IFRSでは非償却であり、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この結果、IFRSでは日本基準に比べて、連結損益計算書の「販売費及び一般管理費」が当連結会計年度において12,237百万円減少しております。