有価証券報告書-第131期(令和3年4月1日-令和4年3月31日)

【提出】
2022/06/24 14:21
【資料】
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【項目】
167項目
(重要な後発事象)
1 当社のベンベルグ工場における火災発生
2022年4月9日、当社のベンベルグ工場(宮崎県延岡市)において火災が発生しました。翌日に火災は鎮火しましたが、被害の状況、復旧の見通し、今後の営業活動等に及ぼす影響については現在調査中であり、現時点で当火災に関連した損失等の金額を合理的に見積もることは困難な状況です。
2 米国Bionova Holdings, Inc.の株式の取得について
当社の連結子会社である旭化成メディカル㈱(以下、「旭化成メディカル」)は、旭化成メディカルの米国子会社であるAsahi Kasei Bioprocess Holdings, Inc.を通じて、バイオ医薬品製薬企業への製造プロセス開発受託、抗体医薬品GMP製造(※)受託を行うBionova Scientific, LLCの100%親会社であるBionova Holdings, Inc. (登記上の本店所在地:米国デラウェア州、CEO:Darren Head)を買収することを決定し、その手続きを2022年5月31日(日本時間)に完了しました。
※GMPとはGood Manufacturing Practiceの略であり、医薬品製造業者が遵守すべき製造に関連する諸基準を定めたものです。GMPの厳格な基準に準拠して医薬品の製造をすることを医薬品GMP製造と呼んでいます。
(1) 企業結合の概要
① 被取得企業の名称及びその事業の内容
被取得企業の名称 Bionova Holdings, Inc.
事業の内容 100%子会社のBionova Scientific, LLCにおけるバイオ関連企業への製造プロセス開発受託サービス、抗体医薬品GMP製造受託サービス、次世代抗体医薬品GMP製造受託サービス
② 企業結合を行った主な理由
Bionova Holdings, Inc.の買収により、旭化成メディカルはバイオプロセス製品事業、装置事業、バイオセーフティ試験受託サービス事業に加え、製造プロセス開発に強みを持つバイオ医薬品CDMO事業(※)を獲得することになります。製造プロセス開発やGMP製造は顧客の製品実現プロセスの中核をなすものであり、新薬開発・製造プロセスにおいて次世代抗体医薬品顧客を含む、より幅広い顧客層に多くのサービスを提供することができるようになります。
※バイオ医薬品CDMO事業とは、製薬会社に代わり、バイオ医薬品の製造プロセスの開発や製造そのものを受託するビジネスのことです。
③ 企業結合日
2022年5月31日
④ 企業結合の法的形式
現金を対価とした株式の取得
⑤ 結合後企業の名称
Bionova Holdings, Inc.
⑥ 取得した議決権比率
企業結合直前に所有していた議決権比率 0%
取得後の議決権比率 100%
⑦ 取得企業を決定するに至った主な根拠
当社の連結子会社による、現金を対価とした株式取得であるため。

(2) 被取得企業の取得原価及び対価の種類ごとの内訳
取得の対価現金約333百万米ドル(注)
取得原価約333百万米ドル(注)

(注) キャッシュフリー・デットフリー企業価値ベース
(3) 発生したのれんの金額、発生原因、償却方法及び償却期間
現時点では確定していません。
3 会社分割(簡易吸収分割)によるフォトマスク用ペリクル事業の三井化学株式会社への承継
当社は、2022年5月27日の取締役会の決議において、日本国内、韓国、台湾、北米及び中国において当社が営むフォトマスク用ペリクル製品の製造、開発、販売に関する事業及びその製造を請負う当社の連結子会社である旭化成EMS㈱の全株式(以下、「本件事業」)を吸収分割の方法により、2023年7月1日(予定)を効力発生日として、三井化学株式会社(本社:東京都港区、社長:橋本 修、以下、「三井化学」)に承継させること(以下、「本吸収分割」)等を内容とする最終契約(以下、「本最終契約」)を決定し、三井化学と合意しました。
(1) 事業分離の概要
① 分離先企業の名称
三井化学株式会社
② 分離した事業の内容
ペリクルの製造、開発及び販売に関する事業
③ 事業分離を行った主な理由
当社及び三井化学は、両社のペリクル事業の今後の在り方について協議を重ねた結果、迅速な意思決定と事業強化の観点から、FPDペリクル及びLSIペリクル事業を三井化学の盤石な体制のもとで運営していくことが最善との結論に至ったためです。
④ 事業分離日
2023年7月1日(予定)
⑤ 法的形式を含む取引の概要
当社を吸収分割会社、三井化学を吸収分割承継会社とする受取対価を現金等の財産のみとする吸収分割。三井化学は本吸収分割により、本件事業に帰属する資産、債務その他の権利義務のうち、本吸収分割契約において規定するものを承継します。
なお、本吸収分割とは別に、本件事業に関連する事業として、当社の連結子会社である台湾旭化成電子股份有限公司及びAsahi Kasei E-materials Korea Inc.が行う事業について、本吸収分割の効力発生日までに、事業譲渡の方法等により三井化学又はその関連会社に承継する(以下、「本事業譲渡」)予定です。
また、当社は、本吸収分割に際して、承継する権利義務に代わる対価として現金7,400百万円の交付を三井化学から受ける予定です。当該金額には、上記の本事業譲渡の対価が含まれています。なお、最終的な対価は本最終契約に基づく調整を行った上で確定する予定です。
(2) 分離した事業が含まれている報告セグメントの名称
マテリアル