有価証券報告書-第113期(平成30年1月1日-平成30年12月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
注:以下、( )付きの数字はマイナス表示であり、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
世界景気は、貿易問題の動向、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、また欧米での政策に関する不確実性の影響等により不透明な状況にあります。
当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)及び化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると、2018年1月から12月において、金額では堅調に推移しました。いずれのカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイレタリー商品の平均単価は、前期に対して1ポイント上昇しました。
このような中、当期は、2017年から2020年までの4ヵ年にわたる花王グループ中期経営計画「K20」の2年目を終了しました。AI、IoT等の技術革新とともに流通構造や購買行動等がグローバルで、スピーディーに変化し、消費者の価値観も多様化しています。当社グループは、将来に向けて積極的に投資を行い、これらの変化に対応した新製品・改良品の発売やマーケティング、販売活動の強化等に取り組みました。その結果、連結業績は、9期連続の営業利益及び当期利益の増益、6期連続の営業最高益を達成することができました。親会社の所有者に帰属する当期利益を除き、連結業績予想に到達しませんでしたが、今後も「K20」達成に向けて全社を挙げて取り組んでいきます。
売上高は、前期に対して1.2%増の1兆5,080億円(実質1.3%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、新製品・改良品の発売及び販売促進活動のさらなる強化等に取り組みましたが、売り上げはわずかに減少しました。海外では、売り上げは前期を上回りました。ケミカル事業では、天然油脂価格の下落に伴う販売価格改定等が影響しましたが、高付加価値化を進め、前期を上回りました。
利益面では、減価償却費等が増加しましたが、マーケティング費用の効率化やアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果等により、営業利益は2,077億円(対前期29億円増)、営業利益率は13.8%となり、税引前利益は2,073億円(対前期30億円増)となりました。当期利益は、1,553億円(対前期67億円増)となりました。
基本的1株当たり当期利益は314.25円となり、前期の298.30円より15.95円増加(前期比5.3%増)しました。
当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が増加し、前期を31億円上回り935億円となりました。
なお、2018年4月27日開催の取締役会において、資本効率の向上と株主への一層の利益還元のため、自己株式の取得を決議し、総額500億円の自己株式を取得しました。また、9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
注:[ ]内は前期の換算レート
[セグメント別の概況]
当期より以下の変更を行っています。
1.ビューティケア事業を化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業に区分し、従来4区分としていた報告セグメントを5区分に変更しています。
2.従来、スキンケア・ヘアケア製品に分類していた乾燥性敏感肌ケア「キュレル」を化粧品事業に、ヒューマンヘルスケア事業に分類していたメンズプロダクツ「サクセス」をスキンケア・ヘアケア事業に組み入れたことにより、前期の売上高及び営業利益を組み替えて表示しています。
3.日本のコンシューマープロダクツ事業の販売組織を再編したため、前期の営業利益を組み替えて表示しています。
セグメントの業績
販売実績
(億円、増減率%)
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.0%から37.7%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前期に対して1.4%増の1兆2,329億円(実質1.6%増)となりました。
消費者の価値観の多様化に対応した新製品・改良品の発売や購買行動の変化に合わせたEコマースの強化等、より効果的なマーケティング・販売活動に取り組みました。
日本の売上高は、前期に対してわずかに減少し、0.3%減の8,839億円となりました。
アジアでは、順調に伸長し、売上高は5.3%増の1,987億円(実質6.3%増)となりました。
米州の売上高は、10.0%増の850億円(実質12.1%増)となり、欧州の売上高は、2.3%増の652億円(実質0.1%増)となりました。
営業利益は、1,757億円(対前期27億円増)となりました。
当社は、[化粧品事業]、[スキンケア・ヘアケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。
[化粧品事業]
売上高は、前期に対し5.0%増の2,796億円(実質5.0%増)となりました。
2018年5月に新たな成長戦略を発表し、ブランドポートフォリオの最適化やマーケティングの強化等に取り組み、一定の成果を上げることが出来ました。重点戦略ブランドを決め、選択と集中を進めるとともに、消費者の購買行動の変化に対応して、デジタルマーケティングの強化を図りました。
デパートチャネルで展開しているカウンセリング化粧品の「SUQQU」や「RMK」、セルフ化粧品では、低刺激で和漢植物エキスを配合した「フリープラス」、乾燥性敏感肌ケア「キュレル」の売り上げは、好調に推移しました。また、2018年9月に改良した土台美容液「ソフィーナiP」は、多くの消費者に受け入れられ、順調に売り上げを伸ばしました。好調なアジアでは、中国を中心に売り上げは大きく伸長しました。今後も着実に構造改革を進めながら、新成長戦略を実行し、化粧品事業をさらに発展させていきます。
営業利益は、好調なブランドやアジア事業の増収効果等により、277億円(対前期147億円増)と大きく改善しました。
[スキンケア・ヘアケア事業]
売上高は、前期に対し2.6%増の3,414億円(実質2.7%増)となりました。
スキンケア製品では、「ビオレ」が日本、アジアで順調に売り上げを伸ばしましたが、米州では、競合品の激しい攻勢を受けました。ハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ」は米州で順調に推移しました。
ヘアケア製品では、日本で、革新的な次世代型の白髪ケア「リライズ」ブランドを立ち上げ、好調に推移しましたが、シャンプー・リンスは、拡大するプレミアム市場への対応が遅れたことや、マス市場の縮小が影響し、売り上げは前期を下回りました。欧州ではヘアケアブランド「ジョン・フリーダ」が厳しい市場競争の影響を受けました。
また、2018年1月にスーパープレミアム価格帯のヘアサロン向けブランド「Oribe(オリベ)」を所有するOribe Hair Care, LLC(米国)が連結子会社になり好調に推移しました。
営業利益は、日本やアジアのスキンケア製品の増収効果がありましたが、欧米の構造改革費用を計上したこと等により、488億円(対前期5億円減)となりました。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前期に対して4.8%減の2,677億円(実質4.4%減)となりました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では製品の改良を行い、サンプリング等の販売促進活動を強化して、消費者からの支持は拡大しましたが、2019年1月から中国で施行の新電子商取引法の影響等で、中国での転売を目的とした需要が大きく減少し、売り上げは前期を下回りました。また中国では、価格競争の激化や現地メーカーの攻勢等により、売り上げは前期に比べて減少しました。一方、インドネシアでは、中間所得層向けの現地生産品が好調に推移し、また、ロシアやその周辺国でも、消費者に広く受け入れられ、シェアを伸ばしました。
生理用品「ロリエ」は、日本、中国等で高付加価値品が好調に推移し、大人用紙おむつは、日本で下着らしさにこだわった超薄型紙パンツの「リリーフ まるで下着」が、順調に売り上げを伸ばしました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、順調に推移しました。オーラルケアや入浴剤では、高機能品が順調に推移しました。蒸気の温熱シート「めぐりズム」は、改良品の発売やデジタルマーケティングを強化したこと等でロイヤルユーザーが拡大し、売り上げが伸長しました。
フード&ビバレッジ製品では、事業構造改革を進め、収益構造が改善しました。
営業利益は、ベビー用紙おむつの売り上げ減少や原材料価格の上昇、減価償却費の増加等により、279億円(対前期65億円減)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前年同期に対して2.5%増の3,441億円(実質2.6%増)となりました。
ファブリックケア製品は、日本で厳しい競争環境の中、売り上げは、堅調に推移しました。衣料用洗剤「アタック」は、「洗たく水を抗菌水に変える」という価値伝達の強化を図り、柔軟仕上げ剤では、高付加価値商品の市場拡大が続く中、「フレア フレグランス」を改良しシェアを伸ばしました。
ホームケア製品は、売り上げは、堅調に推移しました。日本では、泡スプレータイプの食器用洗剤「キュキュット」を改良して新たな使用者を開拓し、順調に推移しました。
アジアでは、タイ等で高付加価値品の投入と店頭展開の強化を進め、売り上げは堅調に推移しました。また、海外での業務品事業を強化する目的で、2018年8月にWashing Systems, LLC(米国)の買収を完了し、連結子会社になりました。
営業利益は、厳しい競争環境の中、石化原料等の価格上昇の影響等により、712億円(対前期50億円減)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して0.8%増の3,128億円(実質0.5%増)となりました。
油脂製品では、海外での需要は堅調でしたが、天然油脂価格の下落に伴う販売価格調整の影響により、売り上げは減少しました。機能材料製品では、インフラ関連分野での拡販の貢献もあり、売り上げを伸ばしました。スペシャルティケミカルズ製品では、トナー・トナーバインダーは顧客の需要減の影響を受けたものの、ハードディスク関連製品は順調に推移しました。
営業利益は、海外での油脂製品の伸長と高付加価値化により、最高益を更新し306億円(対前期3億円増)となりました。
(3)財政状態の分析
資産合計は、前期末に比べ336億円増加し、1兆4,610億円となりました。主な増加は、棚卸資産137億円、有形固定資産231億円、のれん416億円、無形資産297億円、主な減少は、現金及び現金同等物771億円です。
負債合計は、前期末に比べ175億円増加し、6,255億円となりました。主な増加は、退職給付に係る負債199億円です。
資本合計は、前期末に比べ161億円増加し、8,355億円となりました。主な増加は、当期利益1,553億円、主な減少は、市場買付けによる自己株式の取得500億円、配当金575億円、その他の包括利益321億円です。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.5%から56.3%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は18.9%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
また、2018年9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。
(4)キャッシュ・フローの分析
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,956億円となりました。主な増加は、税引前利益2,073億円、減価償却費及び償却費607億円、退職給付に係る負債の増減額207億円であり、主な減少は、営業債権及びその他の債権の増減額126億円、棚卸資産の増減額157億円、法人所得税等の支払額517億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,579億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加えて、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出803億円、既存事業とのシナジー効果が期待されるヘアサロン向け事業や業務品事業等における企業結合による支出739億円です。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、377億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,086億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金576億円、自己株式の取得による支出500億円です。なお、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、社債の発行と償還を行い、その内訳は社債の発行による収入251億円、社債の償還による支出249億円です。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ771億円減少し、2,660億円となりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
重要な資本的支出の2019年度の予定額は、約1,000億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(2)経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(2)経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(9)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成していないため、当該差異の金額については、概算額で記載しております。
(収益)
日本基準では、当社グループが顧客に対して支払う対価である販売促進費等の一部について、販売費及び一般管理費に含めて表示しておりましたが、IFRSでは売上高から控除しております。この結果、売上高が494億円減少しております。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは償却を停止しております。この結果、販売費及び一般管理費が日本基準より138億円減少しております。
(退職給付に係る費用)
①日本基準では、退職給付に係る期待運用収益及び利息費用は退職給付費用として売上原価、販売費及び一般管理費に含めて表示しておりましたが、IFRSでは退職給付に係る利息純額を金融費用として表示しております。この結果、売上原価、販売費及び一般管理費から金融費用に△59億円の表示組替が発生しております。
②日本基準では、数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生年度から純損益に認識しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益として一括で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。また、日本基準では、過去勤務費用について、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生年度から純損益に認識しておりましたが、IFRSでは発生時に純損益として認識しております。これらの結果、売上原価、販売費及び一般管理費が日本基準より25億円減少しております。
③日本基準では、退職給付費用として、退職給付債務に割引率を乗じて利息費用を、年金資産に期待運用収益率を乗じて期待運用収益をそれぞれ認識しておりましたが、IFRSでは退職給付債務と年金資産の純額に割引率を乗じた利息純額を認識しております。この結果、金融費用が66億円増加しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の分析
注:以下、( )付きの数字はマイナス表示であり、「実質」とは為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
| 売上高 | 営業利益 | 営業利益率 | 税引前利益 | 当期利益 | 親会社の 所有者に帰属する当期利益 | 基本的 1株当たり 当期利益 | |
| (億円) | (億円) | (%) | (億円) | (億円) | (億円) | (円) | |
| 2018年12月期 | 15,080 | 2,077 | 13.8 | 2,073 | 1,553 | 1,537 | 314.25 |
| 2017年12月期 | 14,894 | 2,048 | 13.7 | 2,043 | 1,486 | 1,470 | 298.30 |
| 増減率 | 1.2% 実質1.3% | 1.4% | - | 1.4% | 4.5% | 4.5% | 5.3% |
世界景気は、貿易問題の動向、中国を始めアジア新興国等の経済の先行き、また欧米での政策に関する不確実性の影響等により不透明な状況にあります。
当社グループの主要市場である日本のトイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)及び化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると、2018年1月から12月において、金額では堅調に推移しました。いずれのカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイレタリー商品の平均単価は、前期に対して1ポイント上昇しました。
このような中、当期は、2017年から2020年までの4ヵ年にわたる花王グループ中期経営計画「K20」の2年目を終了しました。AI、IoT等の技術革新とともに流通構造や購買行動等がグローバルで、スピーディーに変化し、消費者の価値観も多様化しています。当社グループは、将来に向けて積極的に投資を行い、これらの変化に対応した新製品・改良品の発売やマーケティング、販売活動の強化等に取り組みました。その結果、連結業績は、9期連続の営業利益及び当期利益の増益、6期連続の営業最高益を達成することができました。親会社の所有者に帰属する当期利益を除き、連結業績予想に到達しませんでしたが、今後も「K20」達成に向けて全社を挙げて取り組んでいきます。
売上高は、前期に対して1.2%増の1兆5,080億円(実質1.3%増)となりました。コンシューマープロダクツ事業では、日本において、新製品・改良品の発売及び販売促進活動のさらなる強化等に取り組みましたが、売り上げはわずかに減少しました。海外では、売り上げは前期を上回りました。ケミカル事業では、天然油脂価格の下落に伴う販売価格改定等が影響しましたが、高付加価値化を進め、前期を上回りました。
利益面では、減価償却費等が増加しましたが、マーケティング費用の効率化やアジアのコンシューマープロダクツ事業の増収効果等により、営業利益は2,077億円(対前期29億円増)、営業利益率は13.8%となり、税引前利益は2,073億円(対前期30億円増)となりました。当期利益は、1,553億円(対前期67億円増)となりました。
基本的1株当たり当期利益は314.25円となり、前期の298.30円より15.95円増加(前期比5.3%増)しました。
当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が増加し、前期を31億円上回り935億円となりました。
なお、2018年4月27日開催の取締役会において、資本効率の向上と株主への一層の利益還元のため、自己株式の取得を決議し、総額500億円の自己株式を取得しました。また、9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
| 第1四半期 (1-3月) | 第2四半期 (4-6月) | 第3四半期 (7-9月) | 第4四半期 (10-12月) | |
| 米ドル | 108.44円[113.71円] | 109.08円[111.13円] | 111.44円[110.97円] | 112.82円[112.92円] |
| ユーロ | 133.23円[121.13円] | 130.09円[122.28円] | 129.62円[130.35円] | 128.76円[132.95円] |
| 中国元 | 17.04円[ 16.50円] | 17.11円[ 16.19円] | 16.39円[ 16.63円] | 16.31円[ 17.07円] |
注:[ ]内は前期の換算レート
[セグメント別の概況]
当期より以下の変更を行っています。
1.ビューティケア事業を化粧品事業とスキンケア・ヘアケア事業に区分し、従来4区分としていた報告セグメントを5区分に変更しています。
2.従来、スキンケア・ヘアケア製品に分類していた乾燥性敏感肌ケア「キュレル」を化粧品事業に、ヒューマンヘルスケア事業に分類していたメンズプロダクツ「サクセス」をスキンケア・ヘアケア事業に組み入れたことにより、前期の売上高及び営業利益を組み替えて表示しています。
3.日本のコンシューマープロダクツ事業の販売組織を再編したため、前期の営業利益を組み替えて表示しています。
セグメントの業績
| 売上高 | 営業利益 | |||||||||
| 通期 | 増減率 | 通期 | 増 減 (億円) | |||||||
| 2017年 12月期 (億円) | 2018年 12月期 (億円) | (%) | 実質 (%) | 2017年 12月期 | 2018年 12月期 | |||||
| (億円) | 利益率 (%) | (億円) | 利益率 (%) | |||||||
| 化粧品事業 | 2,662 | 2,796 | 5.0 | 5.0 | 130 | 4.9 | 277 | 9.9 | 147 | |
| スキンケア・ヘアケア事業 | 3,329 | 3,414 | 2.6 | 2.7 | 493 | 14.8 | 488 | 14.3 | (5) | |
| ヒューマンヘルスケア事業 | 2,812 | 2,677 | (4.8) | (4.4) | 345 | 12.3 | 279 | 10.4 | (65) | |
| ファブリック&ホームケア事業 | 3,357 | 3,441 | 2.5 | 2.6 | 762 | 22.7 | 712 | 20.7 | (50) | |
| コンシューマープロダクツ事業 | 12,160 | 12,329 | 1.4 | 1.6 | 1,730 | 14.2 | 1,757 | 14.3 | 27 | |
| ケミカル事業 | 3,103 | 3,128 | 0.8 | 0.5 | 303 | 9.8 | 306 | 9.8 | 3 | |
| 小 計 | 15,263 | 15,457 | 1.3 | 1.3 | 2,033 | - | 2,063 | - | 30 | |
| セグメント間消去又は調整 | (369) | (377) | - | - | 15 | - | 14 | - | (1) | |
| 合 計 | 14,894 | 15,080 | 1.2 | 1.3 | 2,048 | 13.7 | 2,077 | 13.8 | 29 | |
販売実績
(億円、増減率%)
| 通期 | 日 本 | アジア | 米 州 | 欧 州 | 合 計 | |||
| 化粧品事業 | 2017年 | 2,150 | 254 | 63 | 195 | 2,662 | ||
| 2018年 | 2,177 | 347 | 64 | 208 | 2,796 | |||
| 増減率 | 1.3 | 36.7 | 1.9 | 6.6 | 5.0 | |||
| 実質 | 1.3 | 36.6 | 3.5 | 5.5 | 5.0 | |||
| スキンケア・ヘアケア事業 | 2017年 | 1,919 | 279 | 689 | 442 | 3,329 | ||
| 2018年 | 1,958 | 285 | 728 | 443 | 3,414 | |||
| 増減率 | 2.1 | 2.0 | 5.7 | 0.2 | 2.6 | |||
| 実質 | 2.1 | 3.4 | 7.8 | (2.6) | 2.7 | |||
| ヒューマンヘルスケア事業 | 2017年 | 1,845 | 967 | 0 | - | 2,812 | ||
| 2018年 | 1,716 | 960 | 1 | - | 2,677 | |||
| 増減率 | (7.0) | (0.8) | 109.9 | - | (4.8) | |||
| 実質 | (7.0) | 0.5 | 118.9 | - | (4.4) | |||
| ファブリック&ホームケア事業 | 2017年 | 2,948 | 388 | 21 | - | 3,357 | ||
| 2018年 | 2,987 | 396 | 57 | 1 | 3,441 | |||
| 増減率 | 1.3 | 2.0 | 174.4 | - | 2.5 | |||
| 実質 | 1.3 | 2.7 | 179.6 | - | 2.6 | |||
| コンシューマープロダクツ事業 | 2017年 | 8,862 | 1,888 | 773 | 638 | 12,160 | ||
| 2018年 | 8,839 | 1,987 | 850 | 652 | 12,329 | |||
| 増減率 | (0.3) | 5.3 | 10.0 | 2.3 | 1.4 | |||
| 実質 | (0.3) | 6.3 | 12.1 | 0.1 | 1.6 | |||
| ケミカル事業 | 2017年 | 1,239 | 696 | 526 | 642 | 3,103 | ||
| 2018年 | 1,266 | 675 | 518 | 669 | 3,128 | |||
| 増減率 | 2.2 | (3.0) | (1.5) | 4.3 | 0.8 | |||
| 実質 | 2.2 | (3.3) | 0.7 | 1.1 | 0.5 | |||
| セグメント間売上高の消去 | 2017年 | (318) | (34) | (1) | (16) | (369) | ||
| 2018年 | (329) | (31) | (1) | (16) | (377) | |||
| 売上高 | 2017年 | 9,782 | 2,550 | 1,298 | 1,264 | 14,894 | ||
| 2018年 | 9,776 | 2,631 | 1,368 | 1,305 | 15,080 | |||
| 増減率 | (0.1) | 3.2 | 5.4 | 3.3 | 1.2 | |||
| 実質 | (0.1) | 3.8 | 7.5 | 0.6 | 1.3 | |||
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.0%から37.7%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前期に対して1.4%増の1兆2,329億円(実質1.6%増)となりました。
消費者の価値観の多様化に対応した新製品・改良品の発売や購買行動の変化に合わせたEコマースの強化等、より効果的なマーケティング・販売活動に取り組みました。
日本の売上高は、前期に対してわずかに減少し、0.3%減の8,839億円となりました。
アジアでは、順調に伸長し、売上高は5.3%増の1,987億円(実質6.3%増)となりました。
米州の売上高は、10.0%増の850億円(実質12.1%増)となり、欧州の売上高は、2.3%増の652億円(実質0.1%増)となりました。
営業利益は、1,757億円(対前期27億円増)となりました。
当社は、[化粧品事業]、[スキンケア・ヘアケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。
[化粧品事業]
売上高は、前期に対し5.0%増の2,796億円(実質5.0%増)となりました。
2018年5月に新たな成長戦略を発表し、ブランドポートフォリオの最適化やマーケティングの強化等に取り組み、一定の成果を上げることが出来ました。重点戦略ブランドを決め、選択と集中を進めるとともに、消費者の購買行動の変化に対応して、デジタルマーケティングの強化を図りました。
デパートチャネルで展開しているカウンセリング化粧品の「SUQQU」や「RMK」、セルフ化粧品では、低刺激で和漢植物エキスを配合した「フリープラス」、乾燥性敏感肌ケア「キュレル」の売り上げは、好調に推移しました。また、2018年9月に改良した土台美容液「ソフィーナiP」は、多くの消費者に受け入れられ、順調に売り上げを伸ばしました。好調なアジアでは、中国を中心に売り上げは大きく伸長しました。今後も着実に構造改革を進めながら、新成長戦略を実行し、化粧品事業をさらに発展させていきます。
営業利益は、好調なブランドやアジア事業の増収効果等により、277億円(対前期147億円増)と大きく改善しました。
[スキンケア・ヘアケア事業]
売上高は、前期に対し2.6%増の3,414億円(実質2.7%増)となりました。
スキンケア製品では、「ビオレ」が日本、アジアで順調に売り上げを伸ばしましたが、米州では、競合品の激しい攻勢を受けました。ハンド&ボディローションの「ジャーゲンズ」は米州で順調に推移しました。
ヘアケア製品では、日本で、革新的な次世代型の白髪ケア「リライズ」ブランドを立ち上げ、好調に推移しましたが、シャンプー・リンスは、拡大するプレミアム市場への対応が遅れたことや、マス市場の縮小が影響し、売り上げは前期を下回りました。欧州ではヘアケアブランド「ジョン・フリーダ」が厳しい市場競争の影響を受けました。
また、2018年1月にスーパープレミアム価格帯のヘアサロン向けブランド「Oribe(オリベ)」を所有するOribe Hair Care, LLC(米国)が連結子会社になり好調に推移しました。
営業利益は、日本やアジアのスキンケア製品の増収効果がありましたが、欧米の構造改革費用を計上したこと等により、488億円(対前期5億円減)となりました。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前期に対して4.8%減の2,677億円(実質4.4%減)となりました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、日本では製品の改良を行い、サンプリング等の販売促進活動を強化して、消費者からの支持は拡大しましたが、2019年1月から中国で施行の新電子商取引法の影響等で、中国での転売を目的とした需要が大きく減少し、売り上げは前期を下回りました。また中国では、価格競争の激化や現地メーカーの攻勢等により、売り上げは前期に比べて減少しました。一方、インドネシアでは、中間所得層向けの現地生産品が好調に推移し、また、ロシアやその周辺国でも、消費者に広く受け入れられ、シェアを伸ばしました。
生理用品「ロリエ」は、日本、中国等で高付加価値品が好調に推移し、大人用紙おむつは、日本で下着らしさにこだわった超薄型紙パンツの「リリーフ まるで下着」が、順調に売り上げを伸ばしました。
パーソナルヘルス製品の売り上げは、順調に推移しました。オーラルケアや入浴剤では、高機能品が順調に推移しました。蒸気の温熱シート「めぐりズム」は、改良品の発売やデジタルマーケティングを強化したこと等でロイヤルユーザーが拡大し、売り上げが伸長しました。
フード&ビバレッジ製品では、事業構造改革を進め、収益構造が改善しました。
営業利益は、ベビー用紙おむつの売り上げ減少や原材料価格の上昇、減価償却費の増加等により、279億円(対前期65億円減)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前年同期に対して2.5%増の3,441億円(実質2.6%増)となりました。
ファブリックケア製品は、日本で厳しい競争環境の中、売り上げは、堅調に推移しました。衣料用洗剤「アタック」は、「洗たく水を抗菌水に変える」という価値伝達の強化を図り、柔軟仕上げ剤では、高付加価値商品の市場拡大が続く中、「フレア フレグランス」を改良しシェアを伸ばしました。
ホームケア製品は、売り上げは、堅調に推移しました。日本では、泡スプレータイプの食器用洗剤「キュキュット」を改良して新たな使用者を開拓し、順調に推移しました。
アジアでは、タイ等で高付加価値品の投入と店頭展開の強化を進め、売り上げは堅調に推移しました。また、海外での業務品事業を強化する目的で、2018年8月にWashing Systems, LLC(米国)の買収を完了し、連結子会社になりました。
営業利益は、厳しい競争環境の中、石化原料等の価格上昇の影響等により、712億円(対前期50億円減)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して0.8%増の3,128億円(実質0.5%増)となりました。
油脂製品では、海外での需要は堅調でしたが、天然油脂価格の下落に伴う販売価格調整の影響により、売り上げは減少しました。機能材料製品では、インフラ関連分野での拡販の貢献もあり、売り上げを伸ばしました。スペシャルティケミカルズ製品では、トナー・トナーバインダーは顧客の需要減の影響を受けたものの、ハードディスク関連製品は順調に推移しました。
営業利益は、海外での油脂製品の伸長と高付加価値化により、最高益を更新し306億円(対前期3億円増)となりました。
(3)財政状態の分析
| (連結財政状態) | |||
| 前連結会計年度 2017年12月末 | 当連結会計年度 2018年12月末 | 増 減 | |
| 資産合計(億円) | 14,274 | 14,610 | 336 |
| 負債合計(億円) | 6,080 | 6,255 | 175 |
| 資本合計(億円) | 8,194 | 8,355 | 161 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 56.5% | 56.3% | - |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分(円) | 1,636.41 | 1,689.82 | 53.41 |
| 社債及び借入金(億円) | 1,206 | 1,208 | 2 |
資産合計は、前期末に比べ336億円増加し、1兆4,610億円となりました。主な増加は、棚卸資産137億円、有形固定資産231億円、のれん416億円、無形資産297億円、主な減少は、現金及び現金同等物771億円です。
負債合計は、前期末に比べ175億円増加し、6,255億円となりました。主な増加は、退職給付に係る負債199億円です。
資本合計は、前期末に比べ161億円増加し、8,355億円となりました。主な増加は、当期利益1,553億円、主な減少は、市場買付けによる自己株式の取得500億円、配当金575億円、その他の包括利益321億円です。
以上の結果、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の56.5%から56.3%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は18.9%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
また、2018年9月14日に自己株式の消却630万株を実施しました。
(4)キャッシュ・フローの分析
| (連結キャッシュ・フローの状況) | |||
| 通期 | 増 減 | ||
| 2017年12月期 | 2018年12月期 | ||
| (億円) | (億円) | (億円) | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 1,858 | 1,956 | 98 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | (961) | (1,579) | (617) |
| フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動) | 897 | 377 | (520) |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | (532) | (1,086) | (553) |
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,956億円となりました。主な増加は、税引前利益2,073億円、減価償却費及び償却費607億円、退職給付に係る負債の増減額207億円であり、主な減少は、営業債権及びその他の債権の増減額126億円、棚卸資産の増減額157億円、法人所得税等の支払額517億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△1,579億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加えて、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出803億円、既存事業とのシナジー効果が期待されるヘアサロン向け事業や業務品事業等における企業結合による支出739億円です。
営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、377億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,086億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金576億円、自己株式の取得による支出500億円です。なお、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、社債の発行と償還を行い、その内訳は社債の発行による収入251億円、社債の償還による支出249億円です。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ771億円減少し、2,660億円となりました。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
重要な資本的支出の2019年度の予定額は、約1,000億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(2)経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(2)経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(9)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と、日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。
なお、当社は日本基準に基づく連結財務諸表を作成していないため、当該差異の金額については、概算額で記載しております。
(収益)
日本基準では、当社グループが顧客に対して支払う対価である販売促進費等の一部について、販売費及び一般管理費に含めて表示しておりましたが、IFRSでは売上高から控除しております。この結果、売上高が494億円減少しております。
(のれんの償却停止)
日本基準では、のれんの償却については、実質的に償却年数を見積り、その年数で償却することとしておりましたが、IFRSでは償却を停止しております。この結果、販売費及び一般管理費が日本基準より138億円減少しております。
(退職給付に係る費用)
①日本基準では、退職給付に係る期待運用収益及び利息費用は退職給付費用として売上原価、販売費及び一般管理費に含めて表示しておりましたが、IFRSでは退職給付に係る利息純額を金融費用として表示しております。この結果、売上原価、販売費及び一般管理費から金融費用に△59億円の表示組替が発生しております。
②日本基準では、数理計算上の差異は、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生年度から純損益に認識しておりましたが、IFRSでは、発生時にその他の包括利益として一括で認識し、直ちに利益剰余金に振り替えております。また、日本基準では、過去勤務費用について、発生時にその他の包括利益で認識し、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により按分した額を発生年度から純損益に認識しておりましたが、IFRSでは発生時に純損益として認識しております。これらの結果、売上原価、販売費及び一般管理費が日本基準より25億円減少しております。
③日本基準では、退職給付費用として、退職給付債務に割引率を乗じて利息費用を、年金資産に期待運用収益率を乗じて期待運用収益をそれぞれ認識しておりましたが、IFRSでは退職給付債務と年金資産の純額に割引率を乗じた利息純額を認識しております。この結果、金融費用が66億円増加しております。