有価証券報告書-第115期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要及び経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1)経営成績の分析
注:一部の取引において、売上高の認識方法を総額から純額に変更しています。また、以下、「実質」とは、上記の売上高の認識方法の変更と為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
当期は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延し、人々の暮らしや企業活動に大きな影響をもたらした1年でした。花王グループは全社の力を結集し、世界の人々の生活と安全に貢献できるよう様々な製品・サービスや情報の提供に努めてきました。衛生意識の高まりにより、ハンドソープ、手指消毒液やホームケア製品全般で需要が高まり、日本を中心に前期に比べ売り上げ、利益は伸長しました。一方で、化粧品事業では日本でインバウンド需要が消滅、外出自粛の影響もあり市場が大幅に縮小し、売り上げ、利益を大きく落としました。また海外では、中国を除く世界中で店舗閉鎖や外出規制の影響を受け、さらには感染症拡大に対応するための特別支出もあり、連結業績全体では前期を下回る結果となりました。
当社グループの主要市場である日本の化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると、インバウンド需要の大幅な減少や外出自粛が影響し、前年を大きく下回りました。一方、トイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、衛生関連製品の大幅な需要拡大等により伸長しました。いずれのカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイレタリー主要商品の消費者購入単価は、前期に対して5ポイント上昇しました。
このような中、売上高は、前期に対して8.0%減の1兆3,820億円(実質5.2%減)となりました。営業利益は1,756億円(対前期362億円減)、営業利益率は12.7%となり、税引前利益は1,740億円(対前期367億円減)となりました。当期利益は、1,281億円(対前期223億円減)となりました。
基本的1株当たり当期利益は262.29円となり、前期の306.70円より44.41円減少(前期比14.5%減)しました。
当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が減少し、前期を251億円下回り623億円となりました。
また、当期は花王グループ中期経営計画「K20」の終了年度であり、この計画では以下の3つの目標を掲げて達成を目指してきました。そして「利益ある成長」へのこだわりの中の「過去最高益更新の継続、実質売上高CAGR +5%、営業利益率 15%」以外の目標は達成することができました。詳細については、2021年2月3日公表の「2020年12月期 決算説明会資料」を参照ください。
■特長ある企業イメージの醸成へのこだわり
■「利益ある成長」へのこだわり
■ステークホルダー還元へのこだわり
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
注:[ ]内は前期の換算レート
[セグメント別の概況]
セグメントの業績
販売実績
(億円、増減率%)
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.0%から38.2%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前期に対して8.4%減の1兆1,513億円(実質5.3%減)となりました。
当期は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延したことで事業に大きな影響が出ました。
日本の売上高は、衛生関連製品は需要が増大し伸長しましたが、化粧品事業では大きく減少しました。また、一部の取引において認識方法を総額から純額に変更したこと等で、前期に対して、9.9%減の8,110億円(実質6.3%減)となりました。
アジアの売上高は、2.9%減の2,003億円(実質0.7%減)となりました。米州の売上高は、5.9%減の836億円(実質3.7%減)となり、欧州の売上高は、9.3%減の564億円(実質8.8%減)となりました。
営業利益は、1,472億円(対前期327億円減)となりました。
当社は、[化粧品事業]、[スキンケア・ヘアケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。
[化粧品事業]
売上高は、前期に対して22.4%減の2,341億円(実質22.1%減)となりました。
化粧品事業は、インバウンド需要が大幅に減少すると共に、世界中で店舗閉鎖や外出規制等が行われた影響で売り上げは大きく減少しました。特にマスク着用が常態化したことで、メイクアップ製品の売り上げが減少しました。
日本ではインバウンド需要の減少に加え、感染症拡大により外出自粛や小売店の臨時休業が行われた影響を受けました。また、4月の緊急事態宣言の発出以降も感染症の再拡大があり市場の回復が遅れました。欧州では、店舗閉鎖の影響を受けました。一方、アジアでは、中国はEコマースへの取り組み等を強化しており、「フリープラス」、「キュレル」の売り上げが順調に推移しました。
営業利益は、日本の大幅な減収により、26億円(対前期388億円減)となりました。
[スキンケア・ヘアケア事業]
売上高は、一部の取引において認識方法を総額から純額に変更したこと等で、前期に対して9.3%減の3,089億円(実質1.4%増)となりました。
スキンケア製品では、「ビオレu」のハンドソープ、手指消毒液等の衛生関連製品は、日本で感染症拡大による需要増に対して全社の力を結集して取り組んだことにより、売り上げを伸ばしました。
ヘアケア製品では、日本で外出自粛により自宅でのケアの機会が増えヘアカラー製品は売り上げを伸ばしましたが、欧米のヘアサロン向け事業は取引先の店舗閉鎖等が影響し、売り上げは前期を下回りました。
営業利益は、508億円(対前期13億円増)となりました。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前期に対して8.3%減の2,340億円(実質7.3%減)となりました。
生理用品「ロリエ」は、日本では特需や外出自粛による使用機会の減少で市場が変動する中、ほぼ横ばいに推移しました。アジアでは、中国でEコマースへの取り組みが順調に推移し、売り上げは大きく伸長しました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、インドネシアでは順調に推移しましたが、日本、中国それぞれの売り上げは前期に比べ減少しました。
パーソナルヘルス製品では、売り上げは前期を下回りました。入浴剤は巣ごもり需要等によって順調に推移しましたが、オーラルケア製品は厳しい競争により売り上げは前期を下回りました。
営業利益は、129億円(対前期43億円減)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前期に対して4.1%増の3,744億円(実質4.5%増)となりました。
日本では、ファブリックケア製品は、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤ともに市場は厳しい競争が続きました。そのような中、衣料用洗剤は新製品・改良品を発売し、売り上げやシェアは前期に比べ堅調に推移しました。また、ホームケア製品は、感染症によって衛生関連製品の需要が拡大する中、除菌、ウイルス対策の訴求を強化すること等で、売り上げは大きく伸長しました。アジアでも、衛生関連製品の売り上げが伸びました。また業務用製品では、手指消毒液の増産体制を大幅に強化し、飲食店等の外食産業や宿泊施設、医療機関、介護施設等、衛生管理が特に必要な現場に供給し、売り上げを伸ばしました。
営業利益は、809億円(対前期91億円増)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して5.8%減の2,692億円(実質4.7%減)となりました。
油脂製品では、景気減退により需要減の動きがある中でも、殺菌や洗浄用途の油脂誘導体製品は堅調に推移しました。機能材料製品では、自動車関連分野等で需要減の影響が残り、売り上げは減少しました。スペシャルティケミカルズ製品では、トナー・トナーバインダーが市況低迷の影響を受けました。
営業利益は、277億円(対前期31億円減)となりました。
(2)財政状態の分析
(連結財政状態)
資産合計は、前期末に比べ117億円増加し、1兆6,656億円となりました。主な増加は、現金及び現金同等物635億円であり、主な減少は、使用権資産153億円、営業債権及びその他の債権88億円です。
負債合計は、前期末に比べ551億円減少し、7,274億円となりました。主な減少は、退職給付に係る負債287億円、リース負債146億円、未払法人所得税等81億円です。
資本合計は、前期末に比べ668億円増加し、9,382億円となりました。主な増加は、当期利益1,281億円、確定給付負債(資産)の純額の再測定164億円であり、主な減少は、配当金662億円、在外営業活動体の換算差額99億円です。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の51.9%から55.5%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は14.2%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
注:営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計から、使用権資産の減価償却費等を除いたフリー・キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,147億円となりました。主な増加は、税引前利益1,740億円、減価償却費及び償却費861億円であり、主な減少は、法人所得税の支払額539億円、退職給付に係る負債の増減額288億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△619億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加えて、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出594億円、無形資産の取得による支出105億円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△871億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金662億円、リース負債の返済による支出209億円です。なお、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、社債の発行と償還を行い、その内訳は、社債の発行による収入249億円、社債の償還による支出249億円です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、1,312億円となりました。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ635億円増加し、3,532億円となりました。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
使用権資産を含む重要な資本的支出の2021年度の予定額は、約980億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものです。
(1)経営成績の分析
注:一部の取引において、売上高の認識方法を総額から純額に変更しています。また、以下、「実質」とは、上記の売上高の認識方法の変更と為替変動の影響を除く増減率を表示しています。
| 売上高 (億円) | 営業利益 (億円) | 営業利益率 (%) | 税引前利益 (億円) | 当期利益 (億円) | 親会社の 所有者に 帰属する 当期利益 (億円) | 基本的 1株当たり 当期利益 (円) | |
| 2020年12月期 | 13,820 | 1,756 | 12.7 | 1,740 | 1,281 | 1,261 | 262.29 |
| 2019年12月期 | 15,022 | 2,117 | 14.1 | 2,106 | 1,503 | 1,482 | 306.70 |
| 増減率 | (8.0)% 実質(5.2)% | (17.1)% | - | (17.4)% | (14.8)% | (14.9)% | (14.5)% |
当期は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延し、人々の暮らしや企業活動に大きな影響をもたらした1年でした。花王グループは全社の力を結集し、世界の人々の生活と安全に貢献できるよう様々な製品・サービスや情報の提供に努めてきました。衛生意識の高まりにより、ハンドソープ、手指消毒液やホームケア製品全般で需要が高まり、日本を中心に前期に比べ売り上げ、利益は伸長しました。一方で、化粧品事業では日本でインバウンド需要が消滅、外出自粛の影響もあり市場が大幅に縮小し、売り上げ、利益を大きく落としました。また海外では、中国を除く世界中で店舗閉鎖や外出規制の影響を受け、さらには感染症拡大に対応するための特別支出もあり、連結業績全体では前期を下回る結果となりました。
当社グループの主要市場である日本の化粧品市場は、小売店の販売実績や消費者購入調査データによると、インバウンド需要の大幅な減少や外出自粛が影響し、前年を大きく下回りました。一方、トイレタリー(化粧品を除くコンシューマープロダクツ)市場は、衛生関連製品の大幅な需要拡大等により伸長しました。いずれのカテゴリーも、Eコマースチャネルの構成がさらに高まり、トイレタリー主要商品の消費者購入単価は、前期に対して5ポイント上昇しました。
このような中、売上高は、前期に対して8.0%減の1兆3,820億円(実質5.2%減)となりました。営業利益は1,756億円(対前期362億円減)、営業利益率は12.7%となり、税引前利益は1,740億円(対前期367億円減)となりました。当期利益は、1,281億円(対前期223億円減)となりました。
基本的1株当たり当期利益は262.29円となり、前期の306.70円より44.41円減少(前期比14.5%減)しました。
当社グループが経営指標としているEVA(経済的付加価値)は、NOPAT(税引後営業利益)が減少し、前期を251億円下回り623億円となりました。
また、当期は花王グループ中期経営計画「K20」の終了年度であり、この計画では以下の3つの目標を掲げて達成を目指してきました。そして「利益ある成長」へのこだわりの中の「過去最高益更新の継続、実質売上高CAGR +5%、営業利益率 15%」以外の目標は達成することができました。詳細については、2021年2月3日公表の「2020年12月期 決算説明会資料」を参照ください。
■特長ある企業イメージの醸成へのこだわり
■「利益ある成長」へのこだわり
■ステークホルダー還元へのこだわり
当期の海外連結子会社等の財務諸表項目(収益及び費用)の主な為替の換算レートは、次のとおりです。
| 第1四半期 (1-3月) | 第2四半期 (4-6月) | 第3四半期 (7-9月) | 第4四半期 (10-12月) | |||||||||
| 米ドル | 108.95 | 円[ | 110.09円] | 107.54 | 円[ | 109.99円] | 106.17 | 円[ | 107.32円] | 104.47 | 円[ | 108.71円] |
| ユーロ | 120.18 | 円[ | 125.10円] | 118.41 | 円[ | 123.58円] | 124.05 | 円[ | 119.39円] | 124.55 | 円[ | 120.34円] |
| 中国元 | 15.61 | 円[ | 16.31円] | 15.18 | 円[ | 16.13円] | 15.34 | 円[ | 15.31円] | 15.77 | 円[ | 15.43円] |
注:[ ]内は前期の換算レート
[セグメント別の概況]
セグメントの業績
| 売上高 | 営業利益 | |||||||||
| 通期 | 増減率 | 通期 | 増減 (億円) | |||||||
| 2019年 12月期 (億円) | 2020年 12月期 (億円) | (%) | 実質 (%) | 2019年 12月期 | 2020年 12月期 | |||||
| (億円) | 利益率 (%) | (億円) | 利益率 (%) | |||||||
| 化粧品事業 | 3,015 | 2,341 | (22.4) | (22.1) | 414 | 13.7 | 26 | 1.1 | (388) | |
| スキンケア・ヘアケア事業 | 3,408 | 3,089 | (9.3) | 1.4 | 495 | 14.5 | 508 | 16.5 | 13 | |
| ヒューマンヘルスケア事業 | 2,552 | 2,340 | (8.3) | (7.3) | 172 | 6.7 | 129 | 5.5 | (43) | |
| ファブリック&ホームケア事業 | 3,595 | 3,744 | 4.1 | 4.5 | 718 | 20.0 | 809 | 21.6 | 91 | |
| コンシューマープロダクツ事業 | 12,570 | 11,513 | (8.4) | (5.3) | 1,799 | 14.3 | 1,472 | 12.8 | (327) | |
| ケミカル事業 | 2,859 | 2,692 | (5.8) | (4.7) | 308 | 10.8 | 277 | 10.3 | (31) | |
| 小計 | 15,430 | 14,205 | (7.9) | (5.2) | 2,107 | - | 1,749 | - | (358) | |
| セグメント間消去又は調整 | (407) | (385) | - | - | 10 | - | 7 | - | (3) | |
| 合計 | 15,022 | 13,820 | (8.0) | (5.2) | 2,117 | 14.1 | 1,756 | 12.7 | (362) | |
販売実績
(億円、増減率%)
| 通期 | 日本 | アジア | 米州 | 欧州 | 合計 | ||
| 化粧品事業 | 2019年 | 2,321 | 427 | 60 | 206 | 3,015 | |
| 2020年 | 1,642 | 454 | 55 | 190 | 2,341 | ||
| 増減率 | (29.3) | 6.2 | (8.4) | (7.9) | (22.4) | ||
| 実質 | (29.3) | 7.6 | (6.3) | (6.9) | (22.1) | ||
| スキンケア・ヘアケア事業 | 2019年 | 1,995 | 285 | 714 | 413 | 3,408 | |
| 2020年 | 1,777 | 253 | 686 | 372 | 3,089 | ||
| 増減率 | (10.9) | (11.1) | (3.9) | (9.9) | (9.3) | ||
| 実質 | 7.4 | (9.4) | (1.7) | (9.6) | 1.4 | ||
| ヒューマンヘルスケア事業 | 2019年 | 1,603 | 948 | 1 | 0 | 2,552 | |
| 2020年 | 1,449 | 889 | 1 | 0 | 2,340 | ||
| 増減率 | (9.6) | (6.2) | 5.1 | 596.1 | (8.3) | ||
| 実質 | (9.6) | (3.5) | 7.5 | 597.3 | (7.3) | ||
| ファブリック&ホームケア事業 | 2019年 | 3,077 | 403 | 112 | 3 | 3,595 | |
| 2020年 | 3,242 | 406 | 93 | 1 | 3,744 | ||
| 増減率 | 5.4 | 0.7 | (17.0) | (47.1) | 4.1 | ||
| 実質 | 5.4 | 3.1 | (14.9) | (46.1) | 4.5 | ||
| コンシューマープロダクツ事業 | 2019年 | 8,996 | 2,063 | 888 | 622 | 12,570 | |
| 2020年 | 8,110 | 2,003 | 836 | 564 | 11,513 | ||
| 増減率 | (9.9) | (2.9) | (5.9) | (9.3) | (8.4) | ||
| 実質 | (6.3) | (0.7) | (3.7) | (8.8) | (5.3) | ||
| ケミカル事業 | 2019年 | 1,234 | 573 | 461 | 591 | 2,859 | |
| 2020年 | 1,111 | 565 | 428 | 589 | 2,692 | ||
| 増減率 | (10.0) | (1.5) | (7.2) | (0.3) | (5.8) | ||
| 実質 | (10.0) | 0.0 | (2.2) | 0.1 | (4.7) | ||
| セグメント間売上高の消去 | 2019年 | (359) | (29) | (1) | (19) | (407) | |
| 2020年 | (340) | (26) | (1) | (18) | (385) | ||
| 売上高 | 2019年 | 9,872 | 2,608 | 1,349 | 1,194 | 15,022 | |
| 2020年 | 8,881 | 2,541 | 1,263 | 1,135 | 13,820 | ||
| 増減率 | (10.0) | (2.6) | (6.3) | (4.9) | (8.0) | ||
| 実質 | (6.8) | (0.5) | (3.2) | (4.5) | (5.2) | ||
注:コンシューマープロダクツ事業は、外部顧客への売上高を記載しており、ケミカル事業では、コンシューマープロダクツ事業に対する売上高を含めています。地域別の売上高は、販売元の所在地に基づき分類しています。
売上高に占める海外に所在する顧客への売上高の割合は、前期の37.0%から38.2%となりました。
コンシューマープロダクツ事業
売上高は、前期に対して8.4%減の1兆1,513億円(実質5.3%減)となりました。
当期は、新型コロナウイルス感染症が全世界に蔓延したことで事業に大きな影響が出ました。
日本の売上高は、衛生関連製品は需要が増大し伸長しましたが、化粧品事業では大きく減少しました。また、一部の取引において認識方法を総額から純額に変更したこと等で、前期に対して、9.9%減の8,110億円(実質6.3%減)となりました。
アジアの売上高は、2.9%減の2,003億円(実質0.7%減)となりました。米州の売上高は、5.9%減の836億円(実質3.7%減)となり、欧州の売上高は、9.3%減の564億円(実質8.8%減)となりました。
営業利益は、1,472億円(対前期327億円減)となりました。
当社は、[化粧品事業]、[スキンケア・ヘアケア事業]、[ヒューマンヘルスケア事業]、[ファブリック&ホームケア事業]を総称して、コンシューマープロダクツ事業としています。
[化粧品事業]
売上高は、前期に対して22.4%減の2,341億円(実質22.1%減)となりました。
化粧品事業は、インバウンド需要が大幅に減少すると共に、世界中で店舗閉鎖や外出規制等が行われた影響で売り上げは大きく減少しました。特にマスク着用が常態化したことで、メイクアップ製品の売り上げが減少しました。
日本ではインバウンド需要の減少に加え、感染症拡大により外出自粛や小売店の臨時休業が行われた影響を受けました。また、4月の緊急事態宣言の発出以降も感染症の再拡大があり市場の回復が遅れました。欧州では、店舗閉鎖の影響を受けました。一方、アジアでは、中国はEコマースへの取り組み等を強化しており、「フリープラス」、「キュレル」の売り上げが順調に推移しました。
営業利益は、日本の大幅な減収により、26億円(対前期388億円減)となりました。
[スキンケア・ヘアケア事業]
売上高は、一部の取引において認識方法を総額から純額に変更したこと等で、前期に対して9.3%減の3,089億円(実質1.4%増)となりました。
スキンケア製品では、「ビオレu」のハンドソープ、手指消毒液等の衛生関連製品は、日本で感染症拡大による需要増に対して全社の力を結集して取り組んだことにより、売り上げを伸ばしました。
ヘアケア製品では、日本で外出自粛により自宅でのケアの機会が増えヘアカラー製品は売り上げを伸ばしましたが、欧米のヘアサロン向け事業は取引先の店舗閉鎖等が影響し、売り上げは前期を下回りました。
営業利益は、508億円(対前期13億円増)となりました。
[ヒューマンヘルスケア事業]
売上高は、前期に対して8.3%減の2,340億円(実質7.3%減)となりました。
生理用品「ロリエ」は、日本では特需や外出自粛による使用機会の減少で市場が変動する中、ほぼ横ばいに推移しました。アジアでは、中国でEコマースへの取り組みが順調に推移し、売り上げは大きく伸長しました。
ベビー用紙おむつ「メリーズ」は、インドネシアでは順調に推移しましたが、日本、中国それぞれの売り上げは前期に比べ減少しました。
パーソナルヘルス製品では、売り上げは前期を下回りました。入浴剤は巣ごもり需要等によって順調に推移しましたが、オーラルケア製品は厳しい競争により売り上げは前期を下回りました。
営業利益は、129億円(対前期43億円減)となりました。
[ファブリック&ホームケア事業]
売上高は、前期に対して4.1%増の3,744億円(実質4.5%増)となりました。
日本では、ファブリックケア製品は、衣料用洗剤、柔軟仕上げ剤ともに市場は厳しい競争が続きました。そのような中、衣料用洗剤は新製品・改良品を発売し、売り上げやシェアは前期に比べ堅調に推移しました。また、ホームケア製品は、感染症によって衛生関連製品の需要が拡大する中、除菌、ウイルス対策の訴求を強化すること等で、売り上げは大きく伸長しました。アジアでも、衛生関連製品の売り上げが伸びました。また業務用製品では、手指消毒液の増産体制を大幅に強化し、飲食店等の外食産業や宿泊施設、医療機関、介護施設等、衛生管理が特に必要な現場に供給し、売り上げを伸ばしました。
営業利益は、809億円(対前期91億円増)となりました。
ケミカル事業
売上高は、前期に対して5.8%減の2,692億円(実質4.7%減)となりました。
油脂製品では、景気減退により需要減の動きがある中でも、殺菌や洗浄用途の油脂誘導体製品は堅調に推移しました。機能材料製品では、自動車関連分野等で需要減の影響が残り、売り上げは減少しました。スペシャルティケミカルズ製品では、トナー・トナーバインダーが市況低迷の影響を受けました。
営業利益は、277億円(対前期31億円減)となりました。
(2)財政状態の分析
(連結財政状態)
| 前連結会計年度 2019年12月末 | 当連結会計年度 2020年12月末 | 増減 | |
| 資産合計(億円) | 16,539 | 16,656 | 117 |
| 負債合計(億円) | 7,825 | 7,274 | (551) |
| 資本合計(億円) | 8,714 | 9,382 | 668 |
| 親会社所有者帰属持分比率 | 51.9% | 55.5% | - |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分(円) | 1,783.46 | 1,920.56 | 137.10 |
| 社債及び借入金(億円) | 1,271 | 1,277 | 6 |
資産合計は、前期末に比べ117億円増加し、1兆6,656億円となりました。主な増加は、現金及び現金同等物635億円であり、主な減少は、使用権資産153億円、営業債権及びその他の債権88億円です。
負債合計は、前期末に比べ551億円減少し、7,274億円となりました。主な減少は、退職給付に係る負債287億円、リース負債146億円、未払法人所得税等81億円です。
資本合計は、前期末に比べ668億円増加し、9,382億円となりました。主な増加は、当期利益1,281億円、確定給付負債(資産)の純額の再測定164億円であり、主な減少は、配当金662億円、在外営業活動体の換算差額99億円です。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、前期末の51.9%から55.5%となりました。親会社所有者帰属持分当期利益率(ROE)は14.2%となり、引き続き高い水準を維持することができました。
(3)キャッシュ・フローの分析
(連結キャッシュ・フローの状況)
| 通期 | 増減 (億円) | ||
| 2019年12月期 (億円) | 2020年12月期 (億円) | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 2,445 | 2,147 | (298) |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | (943) | (619) | 323 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | (1,262) | (871) | 391 |
| 調整後フリー・キャッシュ・フロー(注) | 1,285 | 1,312 | 26 |
注:営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計から、使用権資産の減価償却費等を除いたフリー・キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、2,147億円となりました。主な増加は、税引前利益1,740億円、減価償却費及び償却費861億円であり、主な減少は、法人所得税の支払額539億円、退職給付に係る負債の増減額288億円です。
投資活動によるキャッシュ・フローは、△619億円となりました。主な内訳は、日本の生産拠点の能力増強に加えて、伸長著しいアジアでも積極的に設備投資を行ったことによる有形固定資産の取得による支出594億円、無形資産の取得による支出105億円です。
財務活動によるキャッシュ・フローは、△871億円となりました。安定的かつ継続的な配当を重視しており、またEVA視点から資本効率の向上を目的として、自己株式の取得及び消却も弾力的に行っています。当期の主な内訳は、非支配持分への支払いを含めた支払配当金662億円、リース負債の返済による支出209億円です。なお、適正な資本コスト率の維持及び成長投資のための財務基盤の強化を目的に、社債の発行と償還を行い、その内訳は、社債の発行による収入249億円、社債の償還による支出249億円です。
調整後フリー・キャッシュ・フローは、1,312億円となりました。
当期末の現金及び現金同等物の残高は、為替変動による影響を含めて前期末に比べ635億円増加し、3,532億円となりました。
(4)重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号。以下、「連結財務諸表規則」)第93条の規定により、国際会計基準(以下、「IFRS」)に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、採用している重要な会計方針及び見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表に関する注記事項 3.重要な会計方針」及び「4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
使用権資産を含む重要な資本的支出の2021年度の予定額は、約980億円であり、主に当社グループ内の資金を有効活用する予定であります。なお、計画については「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(6)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は、産業界向けのケミカル製品から一般消費者向けのコンシューマー製品まで極めて多種多様であり、それら製品の在庫をほぼ一定の必要水準に保つように、主として見込み生産を行っております。従って、生産実績は販売実績に類似しております。生産及び販売の実績については、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。
(7)経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(8)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」、達成状況は、「(1) 経営成績の分析」に記載のとおりであります。