有価証券報告書-第152期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 16:02
【資料】
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【項目】
125項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり採用した会計方針及びその適用方法並びに見積りの評価については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しているため省略しております。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
夏場以降、中国を始めとするアジア新興国の景気の減速感が強まり、また、『電子デバイス材料』の主力商品である太陽電池用途の導電性ペーストは、国内の需要が激減するなど、当連結会計年度の売上高は527億82百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
損益面につきましては、営業経費は増加しましたが、『界面活性剤』、『機能材料』のIT・電子用途の新たな高付加価値品の売上高が大幅に伸長しましたことに加え、原材料価格が低水準で推移しましたことから、営業利益は34億39百万円(前年同期比16.8%増)となりました。また、持分法による投資利益の増加はありましたが、支払利息の増加や為替差益の減少などにより営業外収支が悪化し、経常利益は32億円(前年同期比17.8%増)となりました。これに固定資産の減損損失や税金費用を差し引きました結果、親会社株主に帰属する当期純利益は21億98百万円(前年同期比23.4%増)となりました。なお、各利益ともいずれも2期連続で過去最高益となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
わが国経済は、雇用情勢が改善し設備投資も増加するなど、緩やかな回復基調が続いております。一方で、資源国や中国を始めとするアジア新興国の景気減速など、海外の懸念材料が景気を下押しするリスクも存在しております。
化学業界におきましては、基礎原料ナフサ価格は低水準で推移していますが、中東情勢の混迷、資源国や新興国経済の減速懸念など、先行き不透明な状況が続いております。
(4)経営戦略の現状と見通し
当社グループを取り巻く経済環境は、緩やかな回復基調が続いておりますが、中国経済の減速に加えて、為替が円高方向に向かうなど、下振れの懸念が顕在化しつつあります。
このような状況のもと、この事業環境を乗り切るため、昨年4月にスタートさせた中期経営計画「REACT1000-飛躍への行動を-」の推進を加速します。昨年12月に商業生産を開始した霞工場についてマザー工場化の加速と充実を図ります。また、グループの拠点となるマザー工場として全社的な生産性の向上を進めます。さらにシンガポールに新たに設立した新会社を起点として国際展開に取り組み、売上における海外比率20%以上を目指してまいります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、営業活動の結果得られた資金では、41億97百万円となりました。これは、仕入債務の減少11億3百万円、法人税等の支払5億59百万円などにより資金が減少したのに対し、税金等調整前当期純利益30億54百万円、減価償却費20億87百万円などにより資金が増加したことによるものです。
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループは中期経営計画「REACT1000 -飛躍への行動を-」を平成27年4月より5ヵ年計画としてスタートしました。REACTには、“互いに・すばやく・応えながら・力強く“行動するという意味を込めました。この実行により、「工業用薬剤メーカーとして産業の化学化にこたえる存在感のある企業であり続け」売上高1,000億円企業への歩みを進めます。グループを取り巻く経営環境は厳しい面もありますが、新たな目標の達成に向けて取り組んでまいります。
①連結売上高 750億円以上
②連結売上高営業利益率 8.0%以上
③連結当期純利益 36億円以上
④連結ROE 10.0%以上
⑤連結海外売上比率 20.0%以上
新中期経営計画「REACT1000 –飛躍への行動を-」では、以下の経営方針を掲げて取り組んでまいりま
す。
(経営方針)
① 新しい企業価値の創造
保有資産の産み出す業績と株式時価総額の最大化に努めます。
② 誰にもわかる企業像づくり
企業イメージの認知度の向上を図ります。
③ さらなるガバナンスの深化
企業統治に意を用い経営の効率化に取り組みます。
④ 適切なROE水準の維持と向上
中長期を展望したROE指標を意識します。
⑤ 協調による優位性の構築
取引先、大学、団体などと連携し材料と技術の開発を進めます。
⑥ マザー工場の加速と充実
四日市複合基地構想を柱に全社的な生産性の向上を図ります。
(免責・注意事項)
本計画に記載されている当社の現在の計画、戦略、確信などのうち、歴史的事実でないものは、将来の実績等
に関する見通しであり、リスクや不確定な要因を含んでおります。そのため、実際の業績につきましては、一般
的経済状況、製品需給や市場価格の状況、市場での競争の状況、為替の変動等のさまざまな要因により、これら
見通しと大きく異なる結果となることがあり得ます。
従って、当社として、その確実性を保証するものではありませんので、ご承知おきください。