有価証券報告書-第102期(平成27年1月1日-平成27年12月31日)

【提出】
2016/03/28 15:09
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【項目】
123項目

対処すべき課題

当社グループを取り巻く世界経済の動向は、新興国の成長鈍化が懸念されるほか、不安定な為替相場や株式市場などの影響により、先行きは依然不透明であります。また、平成27年10月に大筋合意となったTPP(環太平洋経済連携協定)により、アジア太平洋を中心とした新たな巨大経済圏が創出されようとしており、引き続き注視していく必要があると捉えております。一方、国内では産業の空洞化や、少子高齢化等に伴う消費ニーズの多様化など、当社グループが置かれる環境は日々スピードを増して変化しております。
また、当社グループを取り巻く業界動向は、国内における既存産業の成熟、グローバル市場における競合他社の変質により、市場競争がますます激化する一方、消費者の環境意識や健康志向の高まりに伴い、お客様の要求水準もさらに高まることが予想されます。
このような事業環境の中、当社グループは永続的な成長を目指し、次の3つの方向性に対する課題に取り組んでまいります。
①徹底的に効率化された企業を目指し、抜本的な構造改革を行う(Efficiency)
当社グループの展開する事業は多岐にわたっておりますが、「選択と集中」戦略に基づき抜本的な収益構造の改革を目的として、事業の整理及び経営資源の再配分を推進しております。各事業の収益性や経営資源の配分を定期的にモニタリングし、ミッションに応じた最適な事業経営に努めてまいります。また、事業戦略を支えるオペレーションにおいても改革を推進し、強固な競争力を実現してまいります。さらに、これらの事業展開を推進していく上で重要となるガバナンス、人材、財務、危機管理、IT等の経営基盤強化にも積極的に取り組んでまいります。
②未来を豊かにする企業を目指し、技術革新を巻き起こす(Innovation)
永続的な成長を実現するためには、既存事業の収益性を高め将来への投資原資を生み出すことに加え、将来の事業の柱となる新規事業の創出が不可欠であると認識しております。当社グループでは、環境・エネルギー分野、医療・福祉分野、先端技術分野を成長産業と位置づけ、新規事業部門に優先的に経営資源を投下し事業展開を進めてまいります。また、他社とのアライアンス等も積極的に検討を行い、早期事業化を目指してまいります。
③「NICCAブランド」を磨くことで、不変の独自性を追求する(Sustainability)
当社グループは、70有余年に及ぶ歴史の中で蓄積してきた、界面化学・毛髪科学の『コア技術』、アジアを中心とした世界各国のネットワークを活用した『顧客対応力』、そしてそれらを支える社員に根付く『大家族主義』、これらを当社グループの強み、すなわち「NICCA ブランド」と位置づけております。環境変化の激しい時代にあって、当社グループは、創業者精神に基づく「NICCA ブランド」を、絶対に変えないものとして、より一層磨きをかけるとともに、海外を含むグループ会社全体への更なる浸透を図ってまいります。
本年は、当社創立75周年の節目の年であるとともに、当社グループが掲げる「長期ビジョン2016」の最終年度であります。グループ一丸となり、創業者精神のもと、課題に対して真摯に取り組みながら、ビジョンの達成、そして永続的な成長を目指してまいります。