有価証券報告書-第197期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/22 16:20
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

有報資料

当社は、人々の健康で豊かな生活のために、研究開発を基盤とした新たな価値の創造により、広く社会に貢献することを企業理念とし、以下の経営理念を掲げております。
■ 顧客視点の経営と革新的な研究を旨とし、これからの医療と健やかな生活に貢献する
■ たゆまぬ事業の発展を通して企業価値を持続的に拡大し、株主の信頼に応える
■ 社員が自らの可能性と創造性を伸ばし、その能力を発揮することができる機会を提供していく
■ 企業市民として社会からの信用・信頼を堅持し、よりよい地球環境の実現に貢献する
これらの経営理念に基づいた事業活動を展開することにより、患者様やそのご家族、医療関係者、株主、取引先、社員、地域社会等のステークホルダーの皆様の信頼にお応えし、日本国内での存在感を高めるとともに、グローバルな事業展開を推進する先進的な研究開発型の製薬企業になることを目指しております。
当社は、企業理念を実現するために、「グローバルレベルで戦える研究開発型企業」および「最先端の技術で医療に貢献」とのビジョンを設定しました。そのビジョンの実現に向け、平成25年度から平成29年度までの5カ年の第三期中期経営計画(以下「第三期中計」)を策定しました。
現在、当社グループの収益の柱である「ラツーダ」につきましては、順調に伸長を続けておりますが、平成30年度に独占販売期間が満了となります。「ラツーダ」の独占販売期間満了は、当社グループの業績に対して大きな影響を及ぼすと見込んでおり、損益悪化を最小限にとどめるとともに、その後の再成長に向けた対策が経営上の最重要課題となっております。本対策の一環として、平成28年度にシナプサス社およびトレロ社を買収し、精神神経領域およびがん領域の後期開発品を中心に研究開発パイプラインを拡充させ、また、ノバルティス社から慢性閉塞性肺疾患(COPD)治療剤3製品を導入し、米国での独占的販売権を獲得しました。
平成29年度も引き続き、後期開発品の開発に加え、導入、提携等の戦略的投資に積極的に取り組んでまいります。
当社は、売上高、営業利益に加え、キャッシュ・フローを重視していることから、EBITDAを第三期中計の経営目標として掲げております。平成28年5月に修正公表しました第三期中計の経営目標では、最終年度である平成29年度の経営目標を以下のとおりとしておりましたが、現在、これを上回る利益水準を目標として掲げ、収益拡大に努めてまいります。
(単位:億円)
第三期中計 経営目標
(平成29年度)
(平成28年5月11日公表)
業績予想
(平成29年度)
(平成29年5月11日公表)
売上高4,4004,500
(うち医薬品事業)(3,950)(4,050)
営業利益500550
EBITDA(注)750750

(注)利息、法人税等、減価償却費および特別損益を控除する前の利益
当社グループの平成29年度の事業活動方針は次のとおりであります。
(1) 事業基盤の強化
当社グループが展開する各地域の事業環境および事業状況の変化に対し、機動的に事業構造を転換できるようにするため、引き続き、人件費および一般経費の最適化、資産効率の向上、意思決定の迅速化等により経営効率の向上を図り、事業基盤の強化と強い企業文化の構築に取り組んでまいります。
(2) 各地域セグメントにおける戦略および事業活動
日本では、「トレリーフ」、「ロナセン」、「アイミクス」、日本イーライリリー株式会社との提携品である「トルリシティ」および鳥居薬品株式会社とのプロモーション提携品であるそう痒症改善剤「レミッチ」の売上拡大を図りますが、長期収載品の売上については、後発医薬品の使用促進により減少することが見込まれます。平成28年度の早期退職制度の実施等により、事業運営体制を見直しましたが、引き続き、費用対効果に重点を置いた効率的な事業運営により、売上高および利益の維持に努めてまいります。
北米では、当社グループの売上高全体の30%以上を占める「ラツーダ」のさらなる伸長を図ります。また、平成30年度の「ラツーダ」の独占販売期間満了後の北米事業の利益確保に向けて、「アプティオム」および「ブロバナ」の売上拡大に努めるとともに、平成29年度に上市を計画しているグリコピロニウム臭化物およびノバルティス社から導入した3製品が早期に利益品目に成長できるよう、販売活動に注力してまいります。
中国では、引き続き「メロペン」の販売を中心に事業規模の維持に努めてまいります。
その他の地域では、欧州における「ラツーダ」の事業展開について、引き続き、新たなパートナーとの提携を含め、あらゆる選択肢の検討を進めるとともに、東南アジアにおいてアストラゼネカ・ユーケー・リミテッドから返還を受けた「メロペン」の事業の立ち上げを円滑に行うことにより、利益の拡大を図ります。
また、各地域セグメントの事業状況に応じて、買収、導入、導出、提携などを積極的に推進してまいります。
(3) 研究開発戦略
研究開発については、重点領域である精神神経領域、がん領域に加え、希少疾患などの治療薬のない疾患分野や再生医療・細胞医薬といった新規分野にも引き続き積極的に経営資源を投入し、なかでも、後期開発品の開発を最優先に進めてまいります。研究段階においては、革新的な医薬品の創出を目指して、自社研究に加えて国内外の研究機関等との共同研究等にも取り組んでまいります。また、限られた研究開発費の中で最大限の効果を発揮できるよう、最適な研究開発体制の構築と研究開発活動の効率化に引き続き取り組んでまいります。
精神神経領域では、米国において、dasotralineについて、注意欠如・多動症(ADHD)を対象とした承認申請を平成29年度中に行うべく申請準備を進めるとともに、過食性障害(BED)を適応とする平成30年度の追加承認申請を目指して開発を推進してまいります。また、アポモルヒネ塩酸塩水和物のパーキンソン病に伴うオフ症状を対象とした承認申請を平成29年度中に行うべく開発を行ってまいります。これらを計画どおり上市することにより、「ラツーダ」の独占販売期間が満了となった後も、サノビオン社を再び成長路線に乗せることができると考えております。日本においては、「トレリーフ」のレビー小体型認知症(DLB)に伴うパーキンソニズムの適応追加について、平成29年度中の承認申請を行うべく申請準備を着実に進めてまいります。また、「ロナセン」の経皮吸収型製剤については、平成30年度の承認申請を目指し、さらには、ルラシドン塩酸塩について、日本での統合失調症、双極Ⅰ型障害うつおよび双極性障害メンテナンスを対象とした平成31年度の承認申請を目指して、それぞれ開発を推進してまいります。
がん領域では、がん幹細胞性に対する阻害剤としてファースト・イン・クラスのナパブカシンについて、胃または食道胃接合部腺がんを対象とした米国および日本での平成30年度の承認申請を目指すとともに、同じくフェーズ3試験を実施中の結腸直腸がんおよび膵がんを対象とした開発にも最大限の注力をしてまいります。また、米国において急性骨髄性白血病(AML)を対象としたフェーズ2試験を実施中のalvocidibについて、平成30年度の承認申請を目指し、さらに、フェーズ1/2試験のフェーズ2段階にあるがんペプチドワクチンDSP-7888についても、積極的に開発を行ってまいります。
再生医療・細胞医薬については、早期の事業化を目指して複数の研究開発プロジェクトを推進してまいります。サンバイオ・インクから導入した慢性期脳梗塞を対象とした骨髄間質細胞由来のSB623について、北米でのフェーズ2試験を推進いたします。iPS細胞由来では、先駆け審査指定制度の指定品目となった「非自己iPS細胞由来ドパミン神経前駆細胞」について、京都大学iPS細胞研究所と共同で実用化に取り組んでおり、また株式会社日立製作所とも細胞培養に関する共同研究を推進してまいります。眼疾患領域では、世界初のiPS細胞を用いた製品の事業化を目指し、株式会社ヘリオスとの共同開発を推進し、併せて、当社と株式会社ヘリオスとの合弁会社である株式会社サイレジェンにおいて、生産および販売促進体制構築に向けた検討を推進してまいります。また、国立研究開発法人理化学研究所とiPS細胞由来立体網膜を用いた網膜変性疾患の再生医療の共同研究、さらには、慶應義塾大学および国立病院機構大阪医療センターとiPS細胞由来神経前駆細胞を用いた脊髄損傷の再生医療の共同研究などの取組を強化してまいります。これらの実用化に向けての最重要課題の一つである再生医療等製品の生産体制については、平成29年度中の稼働開始を目標に、当社の総合研究所に細胞生産設備を新設いたします。
(4) 株主還元および財務戦略
当社は、企業価値と株主価値の持続的かつ一体的な向上を基本方針としており、株主への還元については、安定的な配当に加えて、業績向上に連動した増配を行ってまいります。平成28年度の業績は、第三期中計の平成29年度経営目標である営業利益500億円を1年前倒しで達成するとともに、当社発足以来の最高益となりましたので、特別配当を実施いたしました。
財務状況については、順次有利子負債の返済を進めておりましたが、平成28年度におけるシナプサス社およびトレロ社の買収により、新たな借入を行いました。当社グループが持続的に成長していくためには、買収で得た開発品等への先行投資に加え、製品および開発品の導入ならびに国内事業、北米事業、新規事業等への投資をさらに積極的に進めていく必要があり、必要に応じてレバレッジの活用などにより資金を確保してまいります。
(5) リスクへの対応
これらの事業計画を進めるうえにおいては、コンプライアンス違反により社会的信用を失うリスク、新製品開発の遅延または中止のリスク、市販後に予期せぬ副作用が発生するリスク、訴訟に関わるリスク、操業停止のリスク等の様々なリスクがあります。
当社は、当社グループのリスクマネジメント推進体制の一層の強化を図るため、リスクマネジメントに関する基本方針を定めた「DSP Group Risk Management Policy」を制定し、その体制を整備しました。今後とも、リスク管理を強化し、リスクの未然防止および低減に努めてまいります。なお、これらのリスクが顕在化した場合には、機動的に対策を講じることにより、影響を最小限にとどめるように努めてまいります。
当社は、CSR経営を事業活動の基本に据え、コンプライアンスの徹底、実効性の高いコーポレートガバナンス体制および透明性の高い経営の追求、多様なステークホルダーとのコミュニケーション、国内外での社会貢献活動、働き方改革、女性の活躍などのダイバーシフィケーション等を推進し、持続的成長の礎を築いてまいります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。