有価証券報告書-第50期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/26 13:40
【資料】
PDFをみる
【項目】
146項目
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善など引き続き緩やかな回復基調にある一方で、過度の人手不足による国内経済への影響や、米国による保護主義政策の長期化懸念、中東情勢の不安定化や北朝鮮情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりなどから、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高81億82百万円(前期比15.7%増)、営業利益4億88百万円(前期比304.0%増)、経常利益5億52百万円(前期比4,553.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益3億16百万円(前期は59百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(ア)試薬事業
当連結会計年度における試薬事業の売上高は81億22百万円(前期比15.8%増)、セグメント利益は4億79百万円(同338.5%増)となりました。
1)臨床検査薬事業
臨床検査薬事業は、医療技術の進歩により先進的な医薬品が登場するなど患者さんに福音となる一方で、わが国の公的医療保険制度を維持するための医療費抑制政策推進の影響や、海外企業参入を中心とした競合激化など、引き続き厳しい経営環境が継続しております。
このような状況下、免疫・血清学検査試薬は、国内市場では、当社主力製品である自己免疫疾患検査試薬の売上が堅調に推移し、中国市場では、既存市場におけるJSR製品の拡販活動に加え、当期から中国子会社が現地メーカー向け診断薬原料の商業生産を開始するなど企業向けマテリアルの販売が大幅に伸長したことなどから、前期比13.8%増の54億67百万円となりました。
臨床検査薬事業の第2の柱として製品群を発売している遺伝子検査試薬は、2018年4月に発売し8月に保険収載された、大腸がんの治療方針決定に利用されるRAS遺伝子とBRAF遺伝子の変異を同時検出する「MEBGENTM RASKET-Bキット」の売上が好調であったことから、前期比73.0%増の14億35百万円となりました。
この結果、臨床検査薬事業の売上高は、前連結会計年度より12億68百万円(22.5%)増収の69億2百万円となりました。
2)LSTR事業
LSTR事業は、中国市場において広大な国土と急速にデジタル化が進んでいる市場特性を勘案してデジタルマーケティングを推進しており、テトラマー試薬を中心に売上が伸長しました。一方で国内市場では、アカデミアを中心に基礎研究用試薬の購買力の沈滞化傾向が継続したことに加え、製品ポートフォリオの見直しを行ったことから売上高は低調となりました。
その結果、LSTR事業の売上高は、前連結会計年度より1億58百万円(11.5%)減収の12億20百万円となりました。
(イ)投資事業
当連結会計年度における投資事業は、売上高は60百万円(前期比増減なし)、セグメント利益は8百万円(同23.0%減)となりました。
また、当連結会計年度末の連結貸借対照表の概要および前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
(ア)資産
当連結会計年度末における総資産は100億8百万円となり、前連結会計年度末に比較して85百万円増加しました。
・流動資産:当連結会計年度末で64億50百万円となり、前連結会計年度末より8億95百万円増加しました。
これは主に、商品及び製品が1億18百万円減少した一方で、受取手形及び売掛金が4億56百万円、現金及び預金が4億2百万円増加したためです。
・固定資産:当連結会計年度末で35億58百万円となり、前連結会計年度末より8億9百万円減少しました。
1)有形固定資産は21億33百万円となり、前連結会計年度末より5億84百万円減少しました。
これは主に、建設仮勘定が4億51百万円、建物及び構築物が1億47百万円減少したためです。
2)無形固定資産は3億23百万円となり、主にソフトウエアの購入に伴い前連結会計年度末より1億99百万円増加しました。
3)投資その他の資産は11億1百万円となり、前連結会計年度末より4億25百万円減少しました。
これは主に、関係会社長期貸付金が2億94百万円、投資有価証券が82百万円減少したためです。
(イ)負債
当連結会計年度末における負債の額は28億19百万円となり、前連結会計年度末に比較して1億77百万円減少しました。
・流動負債:当連結会計年度末で21億31百万円となり、前連結会計年度末より62百万円増加しました。
これは主に、短期借入金が1億50百万円減少した一方で、支払手形及び買掛金が2億52百万円増加したためです。
・固定負債:当連結会計年度末で6億87百万円となり、前連結会計年度末より2億40百万円減少しました。
これは主に、長期借入金が2億34百万円減少したためです。
(ウ)純資産
当連結会計年度末における純資産の額は71億89百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億62百万円増加しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、利益剰余金が3億20百万円増加したためです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、22億16百万円となり、前連結会計年度末と比較して4億2百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、8億22百万円の資金の増加(前連結会計年度は2億75百万円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、減価償却費及びその他の償却費が4億37百万円、税金等調整前当期純利益が4億6百万円、仕入債務の増加額が2億26百万円であります。また、主な資金の減少要因は、売上債権の増加額が4億27百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、5百万円の資金の減少(前連結会計年度は6億51百万円の資金の減少)となりました。主な資金の増加要因は、貸付金の回収による収入が1億99百万円であります。主な資金の減少要因は、有形固定資産の取得による支出が2億14百万円、無形固定資産の取得による支出が1億83百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは4億3百万円の資金の減少(前連結会計年度は3億69百万円の資金の減少)となりました。主な資金の増加要因は、長期借入れによる収入が3億円であります。また、主な資金の減少要因は、長期借入金の返済による支出が6億84百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
(試薬事業)
分類当連結会計年度
金額(千円)
(1)臨床検査試薬事業
1)免疫・血清学検査試薬
①自己免疫疾患検査試薬2,622,021
②がん関連検査試薬327,817
③企業向けマテリアル621,132
④その他免疫・血清学検査試薬337,936
2)遺伝子検査試薬
①がん関連検査試薬1,288,829
②感染症検査試薬212,011
③その他遺伝子検査試薬153,770
(2)LSTR事業
1)基礎研究用試薬
①抗体・ツール561,645
その他6,763
合計6,131,928

(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.前期比については、当連結会計年度より標準原価計算制度を導入したことに伴い前期との比較が困難となったため、記載しておりません。
2) 商品仕入実績
(試薬事業)
分類当連結会計年度
金額(千円)
前期比(%)
(1)臨床検査薬事業
1)免疫・血清学検査試薬
①自己免疫疾患検査試薬213,40719.8
②がん関連検査試薬260,23425.8
③企業向けマテリアル509,65976.7
④その他免疫・血清学検査試薬374,5467.6
その他272,471△15.7
合計1,630,32021.3

(注)1.金額は仕入価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 受注実績
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
4) 販売実績
セグメントの名称当連結会計年度
金額(千円)
前期比(%)
1.試薬事業
(1)臨床検査薬事業(合計)(6,902,541)(22.5)
1)免疫・血清学検査試薬(小計)(5,467,179)(13.8)
①自己免疫疾患検査試薬2,397,0772.1
②がん関連検査試薬701,86412.2
③企業向けマテリアル1,290,01249.7
④その他免疫・血清学検査試薬1,078,22411.3
2)遺伝子検査試薬(小計)(1,435,361)(73.0)
①がん関連検査試薬1,072,899140.5
②感染症検査試薬219,3082.8
③その他遺伝子検査試薬143,154△15.9
(2)LSTR事業(合計)(1,220,054)(△11.5)
1)基礎研究用試薬(小計)(1,038,670)(△12.9)
①抗体・ツール742,461△6.3
②蛍光タンパク関連試薬76,306△6.2
③その他基礎研究用試薬219,902△30.9
2)テトラマー試薬(小計)(181,384)(△2.6)
①MHCテトラマー153,534△0.2
②その他27,850△14.3
試薬事業計8,122,59615.8
2.投資事業
バイオ関連企業への投資事業60,0000.0
投資事業計60,0000.0
報告セグメント計8,182,59615.7

(注)1.当連結会計年度より事業区分を変更しており、前期比については、前連結会計年度の数値を、変更後の事業区分に組み替えた数値で比較しております。
2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2017年4月1日
至 2018年3月31日)
当連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
株式会社スズケン75,7161.12,156,62826.4
東邦薬品株式会社2,728,56938.61,111,49113.6
アルフレッサ株式会社653,9159.21,042,15612.7

3.上記の金額には、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
4.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを含んでおり、売上債権、たな卸資産、貸倒引当金、投資、繰延税金資産、法人税等に関する見積りや判断に関して継続的に評価を行っております。実際の結果に関しましては、見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 当社グループの当連結会計年度の連結業績は前期と比べ増収増益となりました。増収の主な理由としては、LSTR事業は減収となったものの臨床検査薬事業が大幅な増収となったためです。
臨床検査薬事業は、国内市場においては、主力の自己免疫疾患検査試薬は堅調に推移する一方、当期発売した遺伝子検査試薬が売上の大幅増加に貢献しました。中国市場においては中国子会社による現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料)の販売が伸長しました。
LSTR事業は、国内市場における基礎研究用試薬の売上がアカデミアを中心に低調であったこと、製品ポートフォリオの見直し等により減収となっています。
コスト面においても、これまで取り組んでまいりました事業再編や様々な固定費削減施策により、安定的に利益を出せる企業へ体質改善が進んでいるものと認識しています。
2) 経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」で述べているものが挙げられます。これらの各種リスクを最小限にすべく、経営の優先課題として内部統制の強化を実施しております。
3) 資本の財源及び資金の流動性について、資金残高は22億16百万円と前連結会計年度末と比較して4億2百万円増加しました。増益に伴う営業キャッシュ・フローの資金増加に加え、投資有価証券の売却や貸付金の回収などによる収入があったことが主な理由です。
2019年度も引き続き生産性の向上や効率化等を目的とした有効な設備投資を継続していきます。なお、金融機関への借入金返済は年間約5億円の予定です。
現在のグループ企業の資金の流動性は安定的な水準にあると判断しており、2019年度も同様の水準を維持する方針です。本報告書提出時点において当社は金融機関に対して約10億円の短期借入枠を有しており、当社グループの事業を維持するための資金確保に対しては十分な対応が可能です。
4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2020年度に売上高90億円以上、売上高営業利益率10%以上の達成を中期計画における数値目標としています。
2018年度期首予想(当期)2018年度実績(当期)2020年度中期計画
売上高76億円81億82百万円90億円以上
営業利益2億30百万円4億88百万円9億円以上
売上高営業利益率3.0%6.0%10.0%以上

これまでの活動の成果により当連結会計年度の連結業績は期首予想に対して増収増益となり、売上高営業利益率も6.0%と2倍の結果となりました。また、中期計画における売上高営業利益率10.0%以上の数値目標に対し、次期2019年度業績予想では11.6%(売上高86億円/営業利益10億円)と1年前倒しで達成する計画となっております。
その達成をより確実にしてさらなる飛躍を目指すために、中期施策として①自己免疫疾患事業を始めとする国内市場の堅持、②中国事業の強化、③選択と集中及び技術集約による体外診断用医薬品開発効率の向上と製品化、並びに長期施策として①JSRライフサイエンス事業部との協業による新規事業創出、②コンパニオン診断薬受託開発サービス、を設定し実行しています。また、引き続き全社レベルの生産性向上と経営資源の効率的な利用、コスト削減等による収益体質の改善に取り組んでまいります。
5) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.試薬事業
自己免疫疾患関連試薬を中心とした免疫・血清学検査試薬が引き続き当社事業の柱となっています。国内市場を堅持し、中国事業の拡大を実現するために積極的な研究開発を継続するとともに、さらなる利益率の向上を目指し原価低減と経費コントロールに取り組む必要があると認識しています。
また免疫・血清学検査試薬に次ぐ第2の柱である遺伝子検査試薬においては、当期発売したMEBGENTM RASKET-Bキットをはじめとする高い技術力に裏打ちされた特徴のある製品群が貢献しています。今後も他社と差別化が可能な高付加価値の製品開発に取り組んでまいります。
2017年に設立した中国子会社(MBLH)は当期から現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料)の商業生産を開始しております。当社グループが保有するあらゆる知見や技術を最大限に有効活用し、最終製品の製造や中国における許認可取得ができる企業としてさらなる成長を目指します。
グループ各社の実力が最大限発揮できるよう、これら国内外の各事業に対し適切なリソースの投入を行い確実な成果に繋げていきます。
b.投資事業
MBLグループ企業であるMBLベンチャーキャピタル株式会社が運営するファンド(2014年に設立したJSR・mblVCライフサイエンス投資事業有限責任組合)によるバイオベンチャー企業への投資事業が該当します。当期は予定通りの運営状況でした。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。