有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
①財政状態及び経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善など引き続き緩やかな回復基調にある一方で、過度の人手不足による国内経済への影響や、米国による保護主義政策の長期化懸念、中東情勢の不安定化や北朝鮮情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりなどから、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高92億29百万円(前期比12.8%増)、営業利益13億34百万円(前期比173.1%増)、経常利益13億26百万円(前期比140.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億66百万円(前期比299.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(ア)試薬事業
当連結会計年度における試薬事業の売上高は91億75百万円(前期比13.0%増)、セグメント利益は13億25百万円(同176.3%増)となりました。
1)臨床検査薬事業
臨床検査薬事業は、医療技術の進歩により先進的な医薬品が登場するなど患者さんに福音となる一方で、わが国の公的医療保険制度を維持するための医療費抑制政策推進の影響や、海外企業参入を中心とした競合激化など、引き続き厳しい経営環境が継続しております。
このような状況下、免疫・血清学検査試薬は、国内市場では、当社主力製品である自己免疫疾患検査試薬の売上が堅調に推移し、前期に用手法から自動化機器対応試薬へとバージョンアップしたがん関連検査試薬がユーザーのニーズを取り込み売上が伸長したこと、中国市場では、JSR製品や中国子会社が現地診断薬メーカー向けに製造する診断薬原料といった企業向けマテリアルの販売が大幅に伸長したことなどから、前期比9.2%増の59億72百万円となりました。
臨床検査薬事業の第2の柱として製品群を発売している遺伝子検査試薬は、前期に発売した「MEBGEN RASKETTM-Bキット」および「MEBRIGHTTM NUDT15 キット」の売上が好調であったことから、前期比42.1%増の20億39百万円となりました。
この結果、臨床検査薬事業の売上高は、前連結会計年度より11億9百万円(16.1%)増収の80億12百万円となりました。
2)LSTR事業
LSTR事業は、中国市場において広大な国土と急速にデジタル化が進んでいる市場特性を勘案してデジタルマーケティングを推進しており、テトラマー試薬を中心に売上が伸長しました。国内市場はアカデミアを中心に基礎研究用試薬の購買力の沈滞化傾向が継続したことに加え、前期に製品ポートフォリオの見直しを行った影響から売上はやや低調となりました。
その結果、LSTR事業の売上高は、前連結会計年度より56百万円(4.6%)減収の11億63百万円となりました。
(イ)投資事業
当連結会計年度における投資事業は、売上高は54百万円(前期比10.0%減)、セグメント利益は9百万円(同4.7%増)となりました。
また、当連結会計年度末の連結貸借対照表の概要および前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
(ア)資産
当連結会計年度末における総資産は114億78百万円となり、前連結会計年度末に比較して14億69百万円増加しました。
・流動資産:当連結会計年度末で78億22百万円となり、前連結会計年度末より13億71百万円増加しました。
これは主に、受取手形及び売掛金が74百万円減少した一方で、現金及び預金が12億84百万円、原材料及び貯蔵品が1億28百万円、仕掛品が1億15百万円増加したためです。
・固定資産:当連結会計年度末で36億56百万円となり、前連結会計年度末より98百万円増加しました。
1)有形固定資産は21億12百万円となり、前連結会計年度末より20百万円減少しました。
これは主に、その他の有形固定資産に含まれる工具器具備品が1億11百万円増加した一方で、リース資産が66百万円、建物及び構築物が59百万円減少したためです。
2)無形固定資産は2億88百万円となり、前連結会計年度末より34百万円減少しました。
3)投資その他の資産は12億55百万円となり、前連結会計年度末より1億53百万円増加しました。
これは主に、関係会社長期貸付金が75百万円減少した一方で、繰延税金資産が2億62百万円増加したためです。
(イ)負債
当連結会計年度末における負債の額は30億24百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億4百万円増加しました。
・流動負債:当連結会計年度末で26億53百万円となり、前連結会計年度末より5億22百万円増加しました。
これは主に、短期借入金が1億93百万円減少した一方で、その他流動負債に含まれる前受金が4億69百万円、未払金が2億15百万円増加したためです。
・固定負債:当連結会計年度末で3億70百万円となり、前連結会計年度末より3億17百万円減少しました。
これは主に、長期借入金が3億11百万円減少したためです。
(ウ)純資産
当連結会計年度末における純資産の額は84億54百万円となり、前連結会計年度末に比較して12億65百万円増加しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、利益剰余金が12億66百万円増加したためです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、35億円となり、前連結会計年度末と比較して12億84百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、21億21百万円の資金の増加(前連結会計年度は8億22百万円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益が11億60百万円、前受金の増加額が4億70百万円、減価償却費及びその他の償却費が4億11百万円、未払金の増加額が1億57百万円であります。また、主な資金の減少要因は、たな卸資産の増加額が2億11百万円、法人税等の支払額が1億22百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億98百万円の資金の減少(前連結会計年度は5百万円の資金の減少)となりました。主な資金の増加要因は、貸付金の回収による収入が67百万円であります。主な資金の減少要因は、有形固定資産の取得による支出が3億11百万円、無形固定資産の取得による支出が47百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは5億28百万円の資金の減少(前連結会計年度は4億3百万円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、長期借入金の返済による支出が5億4百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
(試薬事業)
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 商品仕入実績
(試薬事業)
(注)1.金額は仕入価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 受注実績
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
4) 販売実績
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
2.上記の金額には、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを含んでおり、売上債権、たな卸資産、貸倒引当金、投資、繰延税金資産、法人税等に関する見積りや判断に関して継続的に評価を行っております。実際の結果に関しましては、見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)当社グループの当連結会計年度の連結業績は前期と比べ大幅な増収増益となりました。増収の主な理由としては、臨床検査薬事業が昨年に続き好調であったためです。
臨床検査薬事業では、国内市場において前期(2018年度)期中に発売した遺伝子検査試薬が通年効果により売上拡大に貢献しました。主力の自己免疫疾患検査試薬は引き続き厳しい競争環境下ではありましたが、市場を確保しつつ堅調に推移しています。また中国市場においては中国子会社による現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料・中間体)の販売が大幅に伸長しました。これまでの国内および中国における継続的な活動成果が実績に繋がったと認識しています。
LSTR事業は、テトラマー試薬が海外を中心に売上伸長したものの、国内市場における基礎研究用試薬の売上がアカデミアを中心に低調であったことや前期に実施した製品ポートフォリオの見直し等の影響もあり減収となっています。これは中期経営計画における選択と集中の方針に則った結果です。
コスト面においても、これまで取り組んでまいりました事業再編や様々な固定費削減施策、製品構成の見直しなどの効果により、売上高に対する原価率や販売管理費率はこの数年で着実に改善しました。
以上の通り、これまでの様々な取り組みの成果が収益構造の改善に繋がり対前年増収増益となりました。後述の通り当社グループの当連結会計年度における売上高営業利益率は14.5%と、中期経営計画で掲げた数値目標である10.0%を1年前倒しで達成する事ができました。今後もさらなる企業価値向上への取り組みを継続してまいります。
2)経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」で述べているものが挙げられます。引き続きこれらの事業リスクを最小限にすべく取り組んでおります。特に新型コロナウイルス対応は事業継続計画における喫緊の経営課題として認識し対応を進めています。
3)資本の財源及び資金の流動性について、現預金残高は35億円と前連結会計年度末と比較して12億84百万円増加しました。増益に伴う営業キャッシュ・フローの改善が主な理由です。
現在のグループ企業の資金の流動性は安定的な水準にあると判断しております。新中期経営計画に沿って生産性の向上や研究開発、および効率化などを目的とした積極的な投資を継続していく方針です。そのための財源としては、当連結会計年度と同様に、主に営業活動の結果得られた資金を充当する予定としています。なお、2020年度における金融機関への借入金返済金額は約3億円を予定しております。
4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2016年度から始まる中期経営計画における計数指標を「2020年度に売上高90億円以上、売上高営業利益率10%以上」とし、2019年度に14.5%と1年前倒しで達成しました。
そこで当社は2020年度より、新しい経営理念と長期ビジョン(「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針 ①企業理念体系・長期ビジョン・新中期経営計画」をご参照ください)を掲げ、長期ビジョンを達成すべく新中期経営計画「Next Stage 2020-2024」を策定しました。新中期経営計画に基づいた中期及び長期施策(「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な経営戦略等」をご参照ください)のバランスを取りながら、持続的な企業成長のための取り組みを実行してまいります。新中期経営計画における新たな計数指標として、5年後の2024年度には売上高130億円、売上高営業利益率(ROS)20%、自己資本利益率(ROE)⦆13%を設定致しました。
なお、次期(2020年度)は、新型コロナウイルスの影響が本年9月末まで継続する事を想定して試算して業績予想に織り込んでおります。売上高は93億50百万円と2019年度に対して1.3%の増収にとどまる見込みですが、営業利益は15億円と12.4%の増益を見込んでおります。
新中期経営計画の達成をより確実にしてさらなる飛躍を目指すために、中期施策として①自己免疫疾患事業を始めとする国内市場の堅持、②中国を始めとする海外事業の強化、③新規事業の創出を設定し実行してまいります。また、引き続きグループ企業レベルでの生産性向上と経営資源の効率的な利用、コスト削減等による収益体質の改善に取り組んでまいります。
5) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.試薬事業
自己免疫疾患関連試薬を中心とした免疫・血清学検査試薬が当社事業の第1の柱です。国内市場を堅持し、中国事業のさらなる拡大を実現するために積極的な研究開発を継続するとともに、継続的に原価改善と生産性の向上に取り組んでまいります。
また免疫・血清学検査試薬に次ぐ第2の柱となった遺伝子検査試薬においては、「MEBGEN RASKETTM-Bキット」や「MEBRIGHTTM NUDT15 キット」といった製品に代表される高い技術力に裏打ちされた特徴のある製品群が貢献しています。今後も他社と差別化が可能な高付加価値の製品開発に取り組んでまいります。
中国子会社(MBLH)は現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料や中間体)の生産販売を目指し2017年度に設立した企業です。今後は当社グループが保有するあらゆる知見や技術を最大限に有効活用し、最終製品の製造や中国における許認可取得ができる企業としてさらなる成長を目指します。
グループ各社の実力が最大限発揮できるよう、これら国内外の各事業に対し適切なリソースの投入を行い確実な成果に繋げていきます。
b.投資事業
MBLグループ企業であるMBLベンチャーキャピタル株式会社が運営するファンド(2014年に設立したJSR・mblVCライフサイエンス投資事業有限責任組合)によるバイオベンチャー企業への投資事業が該当します。当期は予定通りの運営状況でした。
①財政状態及び経営成績の概要
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用環境の改善など引き続き緩やかな回復基調にある一方で、過度の人手不足による国内経済への影響や、米国による保護主義政策の長期化懸念、中東情勢の不安定化や北朝鮮情勢の緊迫化など地政学的リスクの高まりなどから、依然として先行きの不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当連結会計年度の業績は、売上高92億29百万円(前期比12.8%増)、営業利益13億34百万円(前期比173.1%増)、経常利益13億26百万円(前期比140.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益12億66百万円(前期比299.9%増)となりました。
セグメントの業績は次のとおりであります。
(ア)試薬事業
当連結会計年度における試薬事業の売上高は91億75百万円(前期比13.0%増)、セグメント利益は13億25百万円(同176.3%増)となりました。
1)臨床検査薬事業
臨床検査薬事業は、医療技術の進歩により先進的な医薬品が登場するなど患者さんに福音となる一方で、わが国の公的医療保険制度を維持するための医療費抑制政策推進の影響や、海外企業参入を中心とした競合激化など、引き続き厳しい経営環境が継続しております。
このような状況下、免疫・血清学検査試薬は、国内市場では、当社主力製品である自己免疫疾患検査試薬の売上が堅調に推移し、前期に用手法から自動化機器対応試薬へとバージョンアップしたがん関連検査試薬がユーザーのニーズを取り込み売上が伸長したこと、中国市場では、JSR製品や中国子会社が現地診断薬メーカー向けに製造する診断薬原料といった企業向けマテリアルの販売が大幅に伸長したことなどから、前期比9.2%増の59億72百万円となりました。
臨床検査薬事業の第2の柱として製品群を発売している遺伝子検査試薬は、前期に発売した「MEBGEN RASKETTM-Bキット」および「MEBRIGHTTM NUDT15 キット」の売上が好調であったことから、前期比42.1%増の20億39百万円となりました。
この結果、臨床検査薬事業の売上高は、前連結会計年度より11億9百万円(16.1%)増収の80億12百万円となりました。
2)LSTR事業
LSTR事業は、中国市場において広大な国土と急速にデジタル化が進んでいる市場特性を勘案してデジタルマーケティングを推進しており、テトラマー試薬を中心に売上が伸長しました。国内市場はアカデミアを中心に基礎研究用試薬の購買力の沈滞化傾向が継続したことに加え、前期に製品ポートフォリオの見直しを行った影響から売上はやや低調となりました。
その結果、LSTR事業の売上高は、前連結会計年度より56百万円(4.6%)減収の11億63百万円となりました。
(イ)投資事業
当連結会計年度における投資事業は、売上高は54百万円(前期比10.0%減)、セグメント利益は9百万円(同4.7%増)となりました。
また、当連結会計年度末の連結貸借対照表の概要および前連結会計年度末からの主な変動は以下のとおりです。
(ア)資産
当連結会計年度末における総資産は114億78百万円となり、前連結会計年度末に比較して14億69百万円増加しました。
・流動資産:当連結会計年度末で78億22百万円となり、前連結会計年度末より13億71百万円増加しました。
これは主に、受取手形及び売掛金が74百万円減少した一方で、現金及び預金が12億84百万円、原材料及び貯蔵品が1億28百万円、仕掛品が1億15百万円増加したためです。
・固定資産:当連結会計年度末で36億56百万円となり、前連結会計年度末より98百万円増加しました。
1)有形固定資産は21億12百万円となり、前連結会計年度末より20百万円減少しました。
これは主に、その他の有形固定資産に含まれる工具器具備品が1億11百万円増加した一方で、リース資産が66百万円、建物及び構築物が59百万円減少したためです。
2)無形固定資産は2億88百万円となり、前連結会計年度末より34百万円減少しました。
3)投資その他の資産は12億55百万円となり、前連結会計年度末より1億53百万円増加しました。
これは主に、関係会社長期貸付金が75百万円減少した一方で、繰延税金資産が2億62百万円増加したためです。
(イ)負債
当連結会計年度末における負債の額は30億24百万円となり、前連結会計年度末に比較して2億4百万円増加しました。
・流動負債:当連結会計年度末で26億53百万円となり、前連結会計年度末より5億22百万円増加しました。
これは主に、短期借入金が1億93百万円減少した一方で、その他流動負債に含まれる前受金が4億69百万円、未払金が2億15百万円増加したためです。
・固定負債:当連結会計年度末で3億70百万円となり、前連結会計年度末より3億17百万円減少しました。
これは主に、長期借入金が3億11百万円減少したためです。
(ウ)純資産
当連結会計年度末における純資産の額は84億54百万円となり、前連結会計年度末に比較して12億65百万円増加しました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、利益剰余金が12億66百万円増加したためです。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、35億円となり、前連結会計年度末と比較して12億84百万円増加しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、21億21百万円の資金の増加(前連結会計年度は8億22百万円の資金の増加)となりました。主な資金の増加要因は、税金等調整前当期純利益が11億60百万円、前受金の増加額が4億70百万円、減価償却費及びその他の償却費が4億11百万円、未払金の増加額が1億57百万円であります。また、主な資金の減少要因は、たな卸資産の増加額が2億11百万円、法人税等の支払額が1億22百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、2億98百万円の資金の減少(前連結会計年度は5百万円の資金の減少)となりました。主な資金の増加要因は、貸付金の回収による収入が67百万円であります。主な資金の減少要因は、有形固定資産の取得による支出が3億11百万円、無形固定資産の取得による支出が47百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは5億28百万円の資金の減少(前連結会計年度は4億3百万円の資金の減少)となりました。主な資金の減少要因は、長期借入金の返済による支出が5億4百万円であります。
③ 生産、受注及び販売の実績
1) 生産実績
(試薬事業)
| 分類 | 当連結会計年度 金額(千円) | 前年同期比 (%) |
| (1)臨床検査試薬事業 | ||
| 1)免疫・血清学検査試薬 | ||
| ①自己免疫疾患検査試薬 | 2,329,292 | △11.2 |
| ②がん関連検査試薬 | 352,554 | 7.5 |
| ③企業向けマテリアル | 798,368 | 28.5 |
| ④その他免疫・血清学検査試薬 | 275,592 | △18.4 |
| 2)遺伝子検査試薬 | ||
| ①がん関連検査試薬 | 1,367,569 | 6.1 |
| ②感染症検査試薬 | 275,721 | 30.1 |
| ③その他遺伝子検査試薬 | 831,935 | 441.0 |
| (2)LSTR事業 | ||
| 1)基礎研究用試薬 | ||
| ①抗体・ツール | 669,596 | 19.2 |
| その他 | 143,820 | 2,026.4 |
| 合計 | 7,044,453 | 14.9 |
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2) 商品仕入実績
(試薬事業)
| 分類 | 当連結会計年度 金額(千円) | 前期比(%) |
| (1)臨床検査薬事業 | ||
| 1)免疫・血清学検査試薬 | ||
| ①自己免疫疾患検査試薬 | 247,475 | 16.0 |
| ②がん関連検査試薬 | 327,559 | 25.9 |
| ③企業向けマテリアル | 961,793 | 88.7 |
| ④その他免疫・血清学検査試薬 | 232,892 | △37.8 |
| その他 | 221,349 | △18.8 |
| 合計 | 1,991,071 | 22.1 |
(注)1.金額は仕入価額によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3) 受注実績
見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
4) 販売実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 金額(千円) | 前期比(%) |
| 1.試薬事業 | ||
| (1)臨床検査薬事業(合計) | (8,012,106) | (16.1) |
| 1)免疫・血清学検査試薬(小計) | (5,972,142) | (9.2) |
| ①自己免疫疾患検査試薬 | 2,504,111 | 4.5 |
| ②がん関連検査試薬 | 794,473 | 13.2 |
| ③企業向けマテリアル | 1,837,197 | 42.4 |
| ④その他免疫・血清学検査試薬 | 836,359 | △22.4 |
| 2)遺伝子検査試薬(小計) | (2,039,964) | (42.1) |
| ①がん関連検査試薬 | 1,353,448 | 26.1 |
| ②感染症検査試薬 | 227,397 | 3.7 |
| ③その他遺伝子検査試薬 | 459,117 | 220.7 |
| (2)LSTR事業(合計) | (1,163,751) | (△4.6) |
| 1)基礎研究用試薬(小計) | (972,485) | (△6.4) |
| ①抗体・ツール | 654,305 | △11.9 |
| ②蛍光タンパク関連試薬 | 81,020 | 6.2 |
| ③その他基礎研究用試薬 | 237,159 | 7.8 |
| 2)テトラマー試薬(小計) | (191,265) | (5.4) |
| ①MHCテトラマー | 165,978 | 8.1 |
| ②その他 | 25,287 | △9.2 |
| 試薬事業計 | 9,175,857 | 13.0 |
| 2.投資事業 | ||
| バイオ関連企業への投資事業 | 54,000 | △10.0 |
| 投資事業計 | 54,000 | △10.0 |
| 報告セグメント計 | 9,229,857 | 12.8 |
(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| 株式会社スズケン | 2,156,628 | 26.4 | 2,408,478 | 26.1 |
| 東邦薬品株式会社 | 1,111,491 | 13.6 | 1,248,107 | 13.5 |
| アルフレッサ株式会社 | 1,042,156 | 12.7 | 1,172,543 | 12.7 |
2.上記の金額には、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の報告数値及び会計期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを含んでおり、売上債権、たな卸資産、貸倒引当金、投資、繰延税金資産、法人税等に関する見積りや判断に関して継続的に評価を行っております。実際の結果に関しましては、見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1)当社グループの当連結会計年度の連結業績は前期と比べ大幅な増収増益となりました。増収の主な理由としては、臨床検査薬事業が昨年に続き好調であったためです。
臨床検査薬事業では、国内市場において前期(2018年度)期中に発売した遺伝子検査試薬が通年効果により売上拡大に貢献しました。主力の自己免疫疾患検査試薬は引き続き厳しい競争環境下ではありましたが、市場を確保しつつ堅調に推移しています。また中国市場においては中国子会社による現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料・中間体)の販売が大幅に伸長しました。これまでの国内および中国における継続的な活動成果が実績に繋がったと認識しています。
LSTR事業は、テトラマー試薬が海外を中心に売上伸長したものの、国内市場における基礎研究用試薬の売上がアカデミアを中心に低調であったことや前期に実施した製品ポートフォリオの見直し等の影響もあり減収となっています。これは中期経営計画における選択と集中の方針に則った結果です。
コスト面においても、これまで取り組んでまいりました事業再編や様々な固定費削減施策、製品構成の見直しなどの効果により、売上高に対する原価率や販売管理費率はこの数年で着実に改善しました。
以上の通り、これまでの様々な取り組みの成果が収益構造の改善に繋がり対前年増収増益となりました。後述の通り当社グループの当連結会計年度における売上高営業利益率は14.5%と、中期経営計画で掲げた数値目標である10.0%を1年前倒しで達成する事ができました。今後もさらなる企業価値向上への取り組みを継続してまいります。
2)経営成績に重要な影響を与える要因としては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」で述べているものが挙げられます。引き続きこれらの事業リスクを最小限にすべく取り組んでおります。特に新型コロナウイルス対応は事業継続計画における喫緊の経営課題として認識し対応を進めています。
3)資本の財源及び資金の流動性について、現預金残高は35億円と前連結会計年度末と比較して12億84百万円増加しました。増益に伴う営業キャッシュ・フローの改善が主な理由です。
現在のグループ企業の資金の流動性は安定的な水準にあると判断しております。新中期経営計画に沿って生産性の向上や研究開発、および効率化などを目的とした積極的な投資を継続していく方針です。そのための財源としては、当連結会計年度と同様に、主に営業活動の結果得られた資金を充当する予定としています。なお、2020年度における金融機関への借入金返済金額は約3億円を予定しております。
4) 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等については、2016年度から始まる中期経営計画における計数指標を「2020年度に売上高90億円以上、売上高営業利益率10%以上」とし、2019年度に14.5%と1年前倒しで達成しました。
| 2019年度期首予想(当期) | 2019年度実績(当期) | 2020年度(当初中期計画) | |
| 売上高 | 86億円 | 92億29百万円 | 90億円以上 |
| 営業利益 | 10億円 | 13億34百万円 | 9億円以上 |
| 売上高営業利益率 | 11.6% | 14.5% | 10.0%以上 |
そこで当社は2020年度より、新しい経営理念と長期ビジョン(「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (1) 経営の基本方針 ①企業理念体系・長期ビジョン・新中期経営計画」をご参照ください)を掲げ、長期ビジョンを達成すべく新中期経営計画「Next Stage 2020-2024」を策定しました。新中期経営計画に基づいた中期及び長期施策(「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 中長期的な経営戦略等」をご参照ください)のバランスを取りながら、持続的な企業成長のための取り組みを実行してまいります。新中期経営計画における新たな計数指標として、5年後の2024年度には売上高130億円、売上高営業利益率(ROS)20%、自己資本利益率(ROE)⦆13%を設定致しました。
なお、次期(2020年度)は、新型コロナウイルスの影響が本年9月末まで継続する事を想定して試算して業績予想に織り込んでおります。売上高は93億50百万円と2019年度に対して1.3%の増収にとどまる見込みですが、営業利益は15億円と12.4%の増益を見込んでおります。
新中期経営計画の達成をより確実にしてさらなる飛躍を目指すために、中期施策として①自己免疫疾患事業を始めとする国内市場の堅持、②中国を始めとする海外事業の強化、③新規事業の創出を設定し実行してまいります。また、引き続きグループ企業レベルでの生産性向上と経営資源の効率的な利用、コスト削減等による収益体質の改善に取り組んでまいります。
5) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
a.試薬事業
自己免疫疾患関連試薬を中心とした免疫・血清学検査試薬が当社事業の第1の柱です。国内市場を堅持し、中国事業のさらなる拡大を実現するために積極的な研究開発を継続するとともに、継続的に原価改善と生産性の向上に取り組んでまいります。
また免疫・血清学検査試薬に次ぐ第2の柱となった遺伝子検査試薬においては、「MEBGEN RASKETTM-Bキット」や「MEBRIGHTTM NUDT15 キット」といった製品に代表される高い技術力に裏打ちされた特徴のある製品群が貢献しています。今後も他社と差別化が可能な高付加価値の製品開発に取り組んでまいります。
中国子会社(MBLH)は現地企業向けマテリアル(診断薬メーカー向け試薬原材料や中間体)の生産販売を目指し2017年度に設立した企業です。今後は当社グループが保有するあらゆる知見や技術を最大限に有効活用し、最終製品の製造や中国における許認可取得ができる企業としてさらなる成長を目指します。
グループ各社の実力が最大限発揮できるよう、これら国内外の各事業に対し適切なリソースの投入を行い確実な成果に繋げていきます。
b.投資事業
MBLグループ企業であるMBLベンチャーキャピタル株式会社が運営するファンド(2014年に設立したJSR・mblVCライフサイエンス投資事業有限責任組合)によるバイオベンチャー企業への投資事業が該当します。当期は予定通りの運営状況でした。