訂正四半期報告書-第28期第1四半期(平成29年4月1日-平成29年6月30日)

【提出】
2018/02/14 15:37
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【項目】
13項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当第1四半期連結累計期間の経営成績及び分析は以下のとおりです。
(1)業績の状況
連結経営成績
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
売上収益15,0822,784△12,298
売上総利益15,0822,784△12,298
営業利益(△損失)12,955731△12,223
四半期利益(△損失)11,097291△10,805

(売上収益、売上総利益)
当第1四半期連結累計期間の売上収益は、前第1四半期連結累計期間に比べ12,298百万円減少し、2,784百万円となりました。
当第1四半期連結累計期間のマイルストンに関する収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ12,444百万円減少し、2,016百万円(86.1%減少)となりました。前第1四半期連結累計期間は、Allergan社へのパイプラインの導出により契約一時期金を受領したことを主たる要因として14,461百万円のマイルストン収入がありました。他方、当第1四半期連結累計期間は、主に提携先であるAstraZeneca UK Limited(以下「AstraZeneca社」)、Teva Pharmaceutical Industries Ltd(以下「Teva社」)からの開発マイルストンにより、2,016百万円のマイルストン収入となりました。
2017年4月にAZD4635(HTL1071)がアデノシンによるT細胞の機能抑制を解除し、T細胞の抗腫瘍免疫性を高めることを明確に示した前臨床試験が成功したことを契機に、12百万米ドルのマイルストンを受領しました。単剤で使用した場合や抗PD-L1チェックポイント阻害剤と併用した場合に、AZD4635によりA2Aシグナル伝達を遮断すると、腫瘍の増殖が低減することがわかりました。
2015年8月にAstraZeneca社とHeptares社は、複数のがん種を標的とした新規がん免疫療法開発に関する提携契約を締結しています。これにより、AstraZeneca社はがん免疫療法の低分子化合物であるアデノシンA2A受容体拮抗薬AZD4635(HTL1071)及びその他の複数のがん種を標的とした既存開発ポートフォリオのがん免疫療法の併用を含むアデノシンA2A受容体阻害剤の独占的開発、製造販売権を取得しています。さらに、予め定められた開発及び販売の目標の達成に応じて、総額500百万米ドルを超える開発及び販売マイルストンや、販売高に応じた最大二桁比率の段階的ロイヤリティを受領することが可能となっています。
2017年5月にTeva社がHeptares社が開発した前臨床開発候補薬カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬を片頭痛の治験薬として、前臨床試験を更に進めると選定したことに伴い、同社より5百万米ドルを受領しました。2015年11月に、Heptares社の構造ベースドラッグデザインを用いて開発した低分子化合物である、カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)新規受容体拮抗薬の開発・製造・商業化のライセンス契約をTava社と締結しています。本契約により、Heptares社は研究開発支援金、さらに最大400百万米ドルの開発・販売マイルストンを受領することが可能となっています。さらにHeptares社は、販売高に応じたロイヤリティを受領することが可能となっています。
当第1四半期連結累計期間のロイヤリティに関する収益は、前第1四半期連結累計期間と比べ23百万円増加し、586百万円(4.2%増加)となりました。これは主に、導出先であるノバルティス社によるウルティブロⓇブリーズヘラーⓇおよびシーブリⓇブリーズへラーⓇの売上に関連するものです。2016年12月に、ノバルティス社は大日本住友製薬株式会社の完全子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)と米国での販売に関して提携していますが、ロイヤリティ率は米国を除くノバルティス社の売上と、サノビオン社による米国での売上は同率です。2017年7月18日のノバルティス社の発表によると、両剤の当期の売上は135百万米ドルとなりました。
(営業損益)
当第1四半期連結累計期間の営業損益は、前第1四半期連結累計期間に比べ12,223百万円減少し、731百万円の利益となりました。これは主に上記の売上収益、売上総利益の減少によるものです。
(四半期損益)
当第1四半期連結累計期間の四半期損益は、前第1四半期連結累計期間に比べ10,805百万円減少し、291百万円の利益となりました。これは主に営業利益および金融収益が減少したこと等によるものです。
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
研究開発費9301,100170
販売費及び一般管理費1,2521,024△227
(内訳)人件費490376△113
委託費383241△142
その他37840628

(研究開発費、販売費及び一般管理費)
当第1四半期連結累計期間の研究開発費は、前第1四半期連結累計期間に比べ170百万円増加し、1,100百万円となりました。詳細については、(4)研究開発活動に記載しております。また販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間に比べ227百万円減少し、1,024百万円となりました。これは主に、前第1四半期連結累計期間は、役員賞与及びAllergan社との提携に関るアドバイザリー費用が多く発生したことによるものです。
当社グループは当第1四半期より単一セグメントとしておりますが、売上区分別の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)

前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
マイルストン収入及び契約一時金14,4612,016
ロイヤリティ収入562586
その他58181
合計15,0822,784

(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第1四半期
連結累計期間
当第1四半期
連結累計期間
前年同期比
営業活動によるキャッシュ・フロー13,751△207△13,959
投資活動によるキャッシュ・フロー△128△5,168△5,039
財務活動によるキャッシュ・フロー△5424,3994,942

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは207百万円の支出となりました。これは主に、税引前四半期利益の計上と営業債権の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは5,168百万円の支出となりました。これは主に、関連会社株式の取得による支出が3,973百万円、その他の金融資産の取得による支出が1,083百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは4,399百万円の収入となりました。これは主に、4,890百万円の有利子負債の借入があったこと、有利子負債の返済が500百万円あったこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社グループは財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は定めておりません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間においては、主にStaRⓇ技術を有するHeptares社のパイプラインの研究開発を行いました。その結果、研究開発費は1,100百万円(前年同四半期比170百万円増加)となりました。当期においては、研究開発費全体の94.6%は英国における活動によるものです。この増加は、新薬候補(「Wave2」)により構成される自社独自のパイプライン開発促進をサポートするため、臨床開発並びにトランスレーショナル医療の拡大・拡張にむけた、Heptares社の人員増加による人件費の増加が主たる要因です。今後12ヶ月から18ヶ月の間に、Wave2にある自社パイプラインのうち、少なくとも1つの新薬候補が臨床段階に進み、最大3つの新薬候補については前臨床試験を開始する見通しです。その他の研究開発費増加の要因は、Heptares社のStaRⓇ技術を活用した構造ベースドラッグデザインによる並びにトランスレーショナル医療の機能の強化によるものです。当グループの研究開発費には、研究開発パートナーシップを結んでいる契約により提携先から負担されるものがあり、提携先から支払われる負担額は研究開発費から控除されることになります。この提携先から負担される費用は、提携にいたったアセット(当社グループでは「Wave1」と分類)、複数のパートナーと契約を締結している技術提携に関連しています。
また資産計上の要件を満たす一部の開発費用については、無形資産に計上しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第1四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ5,766百万円増加し、53,854百万円となりました。
当第1四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ916百万円減少し、12,983百万円となりました。なお流動資産の総資産に占める比率は29.1%、現金及び現金同等物の流動資産に占める比率は82.8%となりました。
当第1四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ4,238百万円増加し、23,966百万円となりました。主な増加要因は、銀行借入により有利子負債が4,890百万円増加したことです。一方で、減少要因として有利子負債500百万円の返済が生じております。
当第1四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ1,528百万円増加し、29,887百万円となりました。主な増加要因は、在外営業活動体の為替換算差額が増加したことです。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ3.5ポイント減少し、55.5%となりました。