四半期報告書-第28期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

【提出】
2018/02/14 15:39
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【項目】
13項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当第3四半期連結累計期間の経営成績及び分析は以下のとおりです。
(1)業績の状況
連結経営成績
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比
売上収益17,1186,277△10,841
売上総利益17,1186,277△10,841
営業利益(△損失)12,633△94△12,727
四半期利益(△損失)10,048△1,713△11,761

(売上収益、売上総利益)
当第3四半期連結累計期間の売上収益は、前第3四半期連結累計期間に比べ10,841百万円減少し、6,277百万円となりました。当社グループは第1四半期連結会計期間より単一セグメントとしておりますが、売上区分別の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)

前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比
マイルストン収入及び契約一時金15,0743,783△11,291
ロイヤリティ収入1,7802,053273
その他264441177
合計17,1186,277△10,841

当第3四半期連結累計期間のロイヤリティに関する収益は、前第3四半期連結累計期間と比べ273百万円増加し、2,053百万円(15.3%増加)となりました。これは主に、導出先であるノバルティス社によるウルティブロ®ブリーズヘラー®及びシーブリ®ブリーズへラー®の売上に関連するものです。2018年1月24日のノバルティス社の発表によると、両剤の2017年第4四半期(2017年10月から2017年12月)の売上は162百万米ドルとなりました。
ウルティブロ®ブリーズヘラー®(以下「ウルティブロ」、当四半期の売上120百万米ドル、前年同期比26%増)LAMA/LABAの配合剤であるウルティブロは当四半期において、FLAME studyの良好な結果、並びにCOPD症状を有する大多数の患者に対し、増悪のリスクの有無に関わらずLAMA/LABA配合剤を第一選択薬として推奨するGOLDに後押しされ、進捗しました。また、今年発表された、ステロイド及び気管支拡張剤の配合剤から非ステロイド配合剤であるウルティブロへ直接切り替えを推奨するFLASH studyもこのたびの結果に寄与しています。ウルティブロはファースト・イン・クラスのLAMA/LABAの配合剤として、日本、欧州、中国(2017年12月に製造販売承認を取得)を含む100ヵ国以上において承認されています。ウルティブロは1日1回吸入のグリコピロニウム臭化物およびインダカテロールの固定用量配合剤であり、欧州において成人のCOPDの諸症状を緩和するための維持療法を適応としています。
シーブリ®ブリーズへラー®(以下「シーブリ」、当四半期の売上42百万ドル、前年同期比4%増)シーブリはLAMAの単剤であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の諸症状を緩和するための維持療法として、100ヵ国以上において承認されています。グリコピロニウム臭化物とその製剤の独占的開発・販売権は、2005年4月に、当社および共同開発パートナーであるVectura社からノバルティス社に導出しています。
これらの製品は米国において、Utibron™ Neohaler®、Seebri™ Neohaler®の製品名で異なる用量・用法で販売されています。サノビオン・ファーマシューティカルズ・インクは、2016年10月21日に米国における販売権を取得しています。サノビオン社は2017年10月にSeebri™ Neohaler®の販売を開始しています。
「シーブリ®ブリーズヘラー®」 「ウルティブロ®ブリーズヘラー®」 「UtibronTM Neohaler®」 「Seebri™Neohaler®」はノバルティス社の登録商標です。
当第3四半期連結累計期間のマイルストンに関する収益は、前第3四半期連結累計期間と比べ11,291百万円減少し、3,783百万円(74.9%減少)となりました。前第3四半期連結累計期間と比較したマイルストンの減少は、2016年4月にAllergan Pharmaceuticals International Limited (以下「Allergan社」)へのパイプラインの導出により契約一時期金125百万米ドルを受領したことが主たる要因です。当第3四半期連結累計期間におけるマイルストンに関連する収益は、主に提携先であるAstraZeneca UK Limited(以下「AstraZeneca社」)、Teva Pharmaceutical Industries Ltd(以下「Teva社」)、Allergan社からの開発マイルストンに起因します。
2017年4月にAZD4635がアデノシンによるT細胞の機能抑制を解除し、T細胞の抗腫瘍免疫性を高めることを明確に示した前臨床試験が成功したことを契機に、12百万米ドルのマイルストンを受領しました。これにより、単剤で使用した場合や抗PD-L1チェックポイント阻害剤と併用した場合に、AZD4635によりA2Aシグナル伝達を遮断すると、腫瘍の増殖が低減することがわかりました。
2017年5月にTeva社がHeptares社が開発した前臨床開発候補薬カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬を片頭痛の治験薬として、前臨床試験を更に進めると選定したことに伴い、同社より5百万米ドルを受領しました。
2017年9月に、第Ⅰ相臨床試験にてファースト・イン・クラス候補のムスカリンM4受容体作動薬であるHTL0016878を最初の被験者である健常人に投与し、第Ⅰ相臨床試験を開始したことに伴い、15百万米ドルの開発マイルストンを受領しました。
当第3四半期連結累計期間において、公表しているその他の重要なマイルストンに関する収益はありません。
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比
研究開発費2,3283,4561,128
販売費及び一般管理費2,7533,213460
(内訳)人件費1,0171,264247
委託費726550△176
その他1,0091,399390

当第3四半期連結累計期間の研究開発費は、前第3四半期連結累計期間に比べ1,128百万円増加し、3,456百万円となりました。詳細については、(4)研究開発活動に記載しております。
また販売費及び一般管理費は、前第3四半期連結累計期間に比べ460百万円増加し、3,213百万円となりました。この増加の大部分は、2016年11月のG7 Therapeutics(現:Heptares Zurich)取得に伴い認識した無形資産の減価償却と、グローバル市場において競争力をもった報酬制度を目指した株式報酬費用の増加によるものです。
(営業損益)
当第3四半期連結累計期間の営業損益は、前第3四半期連結累計期間に比べ12,727百万円減少し、94百万円の損失となりました。
(四半期損益)
当第3四半期連結累計期間の四半期損益は、前第3四半期連結累計期間に比べ11,761百万円減少し、1,713百万円の損失となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第3四半期
連結累計期間
当第3四半期
連結累計期間
前年同期比
営業活動によるキャッシュ・フロー12,132△115△12,247
投資活動によるキャッシュ・フロー△2,031△5,704△3,673
財務活動によるキャッシュ・フロー△4,88623,64728,533

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは115百万円の支出となりました。これは主に、税引前四半期損失の計上、法人所得税の支払い、条件付対価に係る公正価値変動、営業債権の減少があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは5,704百万円の支出となりました。これは主に、MiNA社の25.6%の株式を保有(同社買収の独占的オプション権を含む)したことによる支出が3,973百万円、その他金融資産の取得による支出が1,083百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは23,647百万円の収入となりました。これは主に、2017年11月の海外募集での株式の発行等による収入21,307百万円あったこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間の研究開発費は、前第3四半期連結累計期間に比べ1,128百万円増加し、3,456百万円(48.4%増加)となりました。当期においては、研究開発費全体の97.1%は英国における活動によるものです。この増加は、新薬候補により構成される自社独自のパイプライン開発促進のための臨床開発並びにトランスレーショナル医療の拡大・拡張へ向けた取組み、日本国内におけるレビー小体型認知症を対象としたHTL0018318の第Ⅱ相臨床試験におけるPOC試験(プルーフ・オブ・コンセプト:Proof of Concept study)開始にむけた準備によるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ25,862百万円増加し、73,949百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18,238百万円増加し、32,137百万円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ3,568百万円増加し、23,296百万円となりました。主な増加要因は、MiNA社の株式25.6%の取得に伴う銀行借入により有利子負債が4,890百万円増加したことです。一方で、減少要因として有利子負債2,000百万円を返済しております。
当第3四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ22,294百万円増加し、50,653百万円となりました。主な増加要因は、2017年11月の海外募集による新株式の発行等により資本金が10,778百万円、資本剰余金が10,389百万円増加したことです。