訂正四半期報告書-第28期第2四半期(平成29年7月1日-平成29年9月30日)

【提出】
2018/02/14 15:38
【資料】
PDFをみる
【項目】
12項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものです。
当第2四半期連結累計期間の経営成績及び分析は以下のとおりです。
(1)業績の状況
連結経営成績
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
売上収益15,8395,314△10,525
売上総利益15,8395,314△10,525
営業利益12,2231,444△10,779
四半期利益(△損失)10,027△678△10,705

(売上収益、売上総利益)
当第2四半期連結累計期間の売上収益は、前第2四半期連結累計期間に比べ10,525百万円減少し、5,314百万円となりました。当社グループは第1四半期連結会計期間より単一セグメントとしておりますが、売上区分別の状況は以下のとおりです。
(単位:百万円)

前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
マイルストン収入及び契約一時金14,4983,726△10,772
ロイヤリティ収入1,1761,276100
その他164312148
合計15,8395,314△10,525

当第2四半期連結累計期間のマイルストンに関する収益は、前第2四半期連結累計期間と比べ10,772百万円減少し、3,726百万円(74.3%減少)となりました。前第2四半期連結累計期間と比較したマイルストンの減少は、2016年4月にAllergan Pharmaceuticals International Limited (以下「Allergan社」)へのパイプラインの導出により契約一時期金125百万米ドルを受領したことが主たる要因です。当第2四半期連結累計期間におけるマイルストンに関連する収益は、主に提携先であるAstraZeneca UK Limited(以下「AstraZeneca社」)、Teva Pharmaceutical Industries Ltd(以下「Teva社」)、Allergan社からの開発マイルストンに起因します。
2017年4月にAZD4635がアデノシンによるT細胞の機能抑制を解除し、T細胞の抗腫瘍免疫性を高めることを明確に示した前臨床試験が成功したことを契機に、12百万米ドルのマイルストンを受領しました。これにより、単剤で使用した場合や抗PD-L1チェックポイント阻害剤と併用した場合に、AZD4635によりA2Aシグナル伝達を遮断すると、腫瘍の増殖が低減することがわかりました。
AZ4635の第Ⅰ相臨床試験は順調に進捗しており、現在、AZ4635の単剤投与における最大耐用量(maximum tolerated dose: MTD)を確立し、AstraZeneca社の免疫チェックポイント阻害剤であるIMFINZI™ (デュルバルマブ:durvalumab)との併用療法における用量漸増試験を実施中です。複数のがん種における単剤並びにデュルバルマブとの併用療法に関する第Ⅰ相後期拡張コホート試験は、2017年末までに開始予定です。
2017年5月にTeva社がHeptares社が開発した前臨床開発候補薬カルシトニン遺伝子関連ペプチド(CGRP)受容体拮抗薬を片頭痛の治験薬として、前臨床試験を更に進めると選定したことに伴い、同社より5百万米ドルを受領しました。
2016年4月に締結したグローバルな開発・販売に係る契約の下、Allergan社はアルツハイマー病を含む主要な神経性疾患治療に向けた新規ムスカリン受容体サブタイプ選択的作動薬化合物群(M1、M4、M1/ M4デュアル作動薬)の幅広いポートフォリオに関するグローバルな独占的権利を有しており、2017年9月に、第Ⅰ相臨床試験にてファースト・イン・クラス候補のムスカリンM4受容体作動薬であるHTL16878を最初の被験者である健常人に投与し、第Ⅰ相臨床試験を開始したことに伴い、15百万米ドルの開発マイルストンを受領しました。
当第2四半期連結累計期間のロイヤリティに関する収益は、前第2四半期連結累計期間と比べ100百万円増加し、1,276百万円(8.4%増加)となりました。これは主に、導出先であるノバルティス社によるウルティブロⓇブリーズヘラーⓇ及びシーブリⓇブリーズへラーⓇの売上に関連するものです。2016年12月に、ノバルティス社は大日本住友製薬株式会社の完全子会社であるサノビオン・ファーマシューティカルズ・インク(以下「サノビオン社」)と米国でのUtibron™ Neohaler®並びにSeebri™ Neohaler®の販売に関して提携していますが、ロイヤリティ率は米国を除くノバルティス社の売上と、サノビオン社による米国での売上は同率です。2017年10月24日のノバルティス社の発表によると、両剤の当第2四半期連結会計期間の売上は138百万米ドルとなりました。
ウルティブロⓇブリーズヘラーⓇ(当四半期の売上101百万米ドル、前年同期比3%増、以下「ウルティブロ」)LAMA/LABAの配合剤であるウルティブロ(グリコピロニウム臭化物50μg/インダカテロールマレイン酸塩110μg)は当四半期において、FLAME studyの良好な結果、並びにCOPD症状を有する大多数の患者さんに対し、増悪のリスクの有無に関わらずLAMA/LABA配合剤を第一選択薬として推奨するGOLDガイドラインに後押しされ、進捗しました。ウルティブロはファースト・イン・クラスのLAMA/LABAの配合剤として、日本、欧州を含む90ヵ国以上において承認されています。ウルティブロは1日1回吸入のグリコピロニウム臭化物及びインダカテロールの固定用量配合剤であり、欧州において成人のCOPDの諸症状を緩和するための維持療法を適応としています。米国では1日2回吸入の用法で承認され、Utibron™ Neohaler®(グリコピロニウム臭化物15.6μg/インダカテロールマレイン酸塩27.5μg)の製品名で販売されています。
シーブリⓇブリーズへラーⓇ(グリコピロニウム臭化物50μg)(当四半期の売上37百万ドル、前年同期比2%増)はLAMAの単剤であり、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の諸症状を緩和するための維持療法として、100ヵ国以上において承認されています。米国では1日2回吸入の用法で承認され、Seebri™ Neohaler®(グリコピロニウム臭化物15.6μg)の製品名で発売されています。グリコピロニウム臭化物とその製剤の独占的開発・販売権は、2005年4月に、当社及び共同開発パートナーであるVectura社からノバルティス社に導出しています。
(営業損益)
当第2四半期連結累計期間の営業損益は、前第2四半期連結累計期間に比べ10,779百万円減少し、1,444百万円の利益となりました。これは主に上記の売上収益、売上総利益の減少によるものです。
(四半期損益)
当第2四半期連結累計期間の四半期損益は、前第2四半期連結累計期間に比べ10,705百万円減少し、678百万円の損失となりました。これは主に営業利益および金融収益が減少したこと等によるものです。
(研究開発費、販売費及び一般管理費)
研究開発費、販売費及び一般管理費の内訳
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
研究開発費1,6572,221564
販売費及び一般管理費2,0692,0789
(内訳)人件費815814△1
委託費561378△183
その他692886194

当第2四半期連結累計期間の研究開発費は、前第2四半期連結累計期間に比べ564百万円増加し、2,221百万円となりました。詳細については、(4)研究開発活動に記載しております。また販売費及び一般管理費は、前第2四半期連結累計期間に比べ9百万円増加し、2,078百万円となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
(単位:百万円)
前第2四半期
連結累計期間
当第2四半期
連結累計期間
前年同期比
営業活動によるキャッシュ・フロー12,557△88△12,645
投資活動によるキャッシュ・フロー△229△5,077△4,848
財務活動によるキャッシュ・フロー△5,0583,2468,304

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは88百万円の支出となりました。これは主に、税引前四半期損失の計上、条件付対価に係る公正価値変動額及び営業債権の増加等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは5,077百万円の支出となりました。これは主に、関連会社株式の取得による支出が3,973百万円、その他の金融資産の取得による支出が1,083百万円あったこと等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは3,246百万円の収入となりました。これは主に、4,890百万円の有利子負債の借入による収入があった一方、有利子負債の返済による支出が1,250百万円、条件付対価の決済による支出が550百万円あったこと等によるものです。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。なお、当社グループは財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針は定めておりません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間においては、主にStaRⓇ技術を有するHeptares社のパイプラインの研究開発を行いました。その結果、研究開発費は2,221百万円(前年同期比564百万円増加)となりました。当期においては、研究開発費全体の94.6%は英国における活動によるものです。この増加は、新薬候補により構成される自社独自のパイプライン開発促進のための臨床開発並びにトランスレーショナル医療の拡大・拡張へ向けた取組み、そして本日公表いたしました通り、日本国内におけるレビー小体型認知症を対象としたHTL18318の第Ⅱ相前期臨床試験におけるPOC試験(プルーフ・オブ・コンセプト:Proof of Concept study)開始にむけた準備によるものです。なお第3四半期連結会計期間以降も、研究開発費は大幅に増加する見込であり、主に、日本で実施予定のレビー型認知症を対象とした第Ⅱ相前期臨床試験におけるPOC試験の開始や、当社独自のStaR技術によるGPCRをターゲットとした構造ベースドラッグデザインを活用した自社独自のパイプラインの開発促進によるものです。自社独自のパイプラインに関して、2018年以降、当社は毎年平均して3品目の化合物の臨床入りを目指しています。
2018年3月期における研究開発費の現金支出額は、50百万米ドルから55百万米ドル(5,600百万円から6,200百万円)になると予測しています。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当第2四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べ6,806百万円増加し、54,893百万円となりました。
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ1,486百万円減少し、12,413百万円となりました。なお流動資産の総資産に占める比率は28.7%、現金及び現金同等物の流動資産に占める比率は78.7%となりました。
当第2四半期連結会計期間末における負債は、前連結会計年度末に比べ4,738百万円増加し、24,466百万円となりました。主な増加要因は、銀行借入により有利子負債が4,890百万円及び企業結合による条件付対価の見積り670百万円が増加したことです。一方で、減少要因として有利子負債1,250百万円の返済が発生しております。
当第2四半期連結会計期間末における資本は、前連結会計年度末に比べ2,068百万円増加し、30,427百万円となりました。主な増加要因は、在外営業活動体の為替換算差額が増加したことです。また、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末に比べ3.5ポイント減少し、55.4%となりました。