有価証券報告書-第61期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医薬品業界は、社会保障費の財源確保を背景とする医療費・薬剤費の効率化に向けた諸施策が推進される中、2018年4月に薬価制度の抜本改革(薬価改定率 業界平均7.5%)が実施された影響により市場成長は低位に推移しました。
このような厳しい環境下、当社グループは長期ビジョン「HOPE100(~2023年度)」の実現に向けて、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」のもと、2018年度は経営方針に「スピーディな変革の実行」を掲げ、成長基盤の強化と収益力の向上に邁進しました。中核事業である医療用医薬品事業においては、グローバルを見据えたオリジナル新薬の創製、切れ目のない新薬の創出、新薬による市場の創造に、これまで以上のスピード感を持って取り組みました。また周辺事業では成長加速化・収益力向上を図ると共に、全社的にローコストオペレーションを推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上に努めました。
当連結会計年度における売上高は、2018年4月に実施された薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、続伸した主力製品、販売移管した製品及び新発売した製品の寄与により前期に対して新医薬品(国内)の売り上げが増加しました。他方、新医薬品(海外)は導出品の開発進展に伴う一時金収入の反動減により減少しましたが、後発医薬品の売り上げが前期を上回ったことにより、医療用医薬品事業合計としては増収となりました。ヘルスケア事業※1の実績は微減となりましたが、全体の売り上げは前期比29億79百万円増(前期比2.7%増)の1,136億20百万円となりました。
※1:環境衛生、一般用医薬品他
利益面では、薬価改定等による売上原価率の上昇、一時金収入の減少等により売上総利益が前期に対して41億66百万円減少しました。他方、販売費及び一般管理費は、費用の削減に取り組み、前期に対して43億16百万円減少(内、研究開発費34億52百万円減)したことで売上総利益の減少を吸収し、営業利益は89億72百万円と前期比1億50百万円の増益(前期比1.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、68億69百万円(前期比4.5%増)となりました。
当連結会計年度の業績
売上高 1,136億20百万円(前期比 2.7%増)
営業利益 89億72百万円(前期比 1.7%増)
経常利益 94億38百万円(前期比 1.0%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益 68億69百万円(前期比 4.5%増)
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(a)医療用医薬品事業
[新医薬品(国内)]
薬価制度抜本改革の進展により国内医療用医薬品の市場構造が急速に変化する中、杏林製薬㈱は特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとして、独自のエリアマネジメントを積極的に展開し、主力製品の普及の最大化に取り組みました。当連結会計年度におきましては、中期経営計画の重点戦略に掲げる「新薬群比率の向上」の実現に向けて、主力製品である喘息治療配合剤「フルティフォーム」では処方獲得の強化による処方患者数の増加に努め、順調に伸長しました。また2018年8月より販売を開始した定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液」、及び同年11月に新発売した選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げが新医薬品の実績拡大に寄与しました。他方、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少し、売上高は776億94百万円(前期比5.4%増)となりました。
なお杏林製薬㈱が独占販売をしている持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」につきましては、製造販売元であるMSD㈱が自主回収を決定したことから、2019年1月7日より製品供給を一時停止させていただいております。
[新医薬品(海外)]
前年度に計上した「FPR2作動薬プログラム(導出先:米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社)」の開発進展に伴う一時金収入の反動減等により、売上高は前期に対して25億09百万円減少し、8億30百万円(前期比 75.1%減)となりました。
[後発医薬品]
モンテルカスト錠「KM」(キプレス及びシングレアのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが増加すると共に、今年度販売を開始した追補収載品が寄与し、売上高は前期に対して16億72百万円増の293億34百万円(前期比6.0%増)となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,078億59百万円(前期比3.0%増)となり、セグメント利益は
83億16百万円(前期比0.7%増)となりました。
生産部門の取り組みとしましては、当社連結子会社である杏林製薬㈱の能代工場、及びキョーリン リメディオ㈱の生産本部、キョーリン製薬グループ工場㈱(滋賀県甲賀市)※2を新生産子会社キョーリン製薬グループ工場㈱(東京都千代田区)に、2018年4月1日付けで統合し、同日より本格稼働いたしました。中期経営計画の重点戦略である「ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革」のもと、キョーリン製薬グループ工場㈱に生産機能を集約し、グループ内生産の全体最適化とコスト低減を強力に推進しました。
※2:キョーリン製薬グループ工場㈱(滋賀県甲賀市)は、吸収合併により消滅会社となりました。
(b)ヘルスケア事業
中期経営計画に掲げる育成戦略「環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る」を推進し、主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」は前年を上回る実績で推移しましたが、その他の製品の売り上げが減少し、当セグメントの売上高は57億61百万円(前期比3.0%減)となり、セグメント利益は1億 99百万円(前期比6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億40百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益93億
59百万円、減価償却費29億40百万円、売上債権の増加47億73百万円、たな卸資産の増加21億12百万
円、法人税等の支払額34億76百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、149億39百万円の収入で、これは主に有形固定資産の取得による支出
21億70百万円、無形固定資産の取得による支出21億99百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入
199億97百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、273億15百万円の支出で、これは主に短期借入れによる収入199億75百万円、長期借入金の返済による支出15億82百万円、自己株式の取得等による支出408億39百万円、配当金の支払額50億68百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して120億57百万円減少し、309億14百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(b)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1 上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
2 医療用医薬品事業の新医薬品実績が著しく増加しました。これは「ナゾネックス点鼻液」の仕入の増加によるものです。
(c)受注実績
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(d)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のと
おりであります。
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
当社グループにおいては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。
(a)その他有価証券で時価のあるものの評価基準及び評価方法
その他有価証券の評価差額は全部純資産直入法により処理しており、損益認識を行う場合とは親会社株主に帰属する当期純利益が異なってまいります。
(b)貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収不能見込み額を計上しておりますが、一般債権について
は、過去の貸倒実績率による見積額を計上しております。従いまして、厳しい経済情勢下においては各取引先の財政状態の変化により追加引当が必要となる可能性があります。
(c)退職給付に係る負債
従業員退職給付費用および退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(d)繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得見込額等により回収可能性が高いと判断した金額を計上しておりますが、将来の予測に基づくため不可避の不確実性を内包していると認識しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して237億01百万円減少し、1,730億34百万円となりました。このうち、流動資産は1,149億04百万円と前連結会計年度末と比較して50億42百万円の減少となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少121億09百万円、受取手形及び売掛金の増加47億72百万円、商品及び製品の増加11億74百万円、仕掛品の増加19億16百万円等によるものです。また、固定資産は581億30百万円と前連結会計年度末と比較して186億59百万円の減少となりました。主な増減要因は、無形固定資産の増加16億51百万円、投資有価証券の減少209億15百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して162億00百万円増加し、496億39百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加11億75百万円、短期借入金の増加199億75百万円、未払法人税等の減少15億01百万円、流動負債のその他の減少27億12百万円、長期借入金の減少12億78百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して399億02百万円減少し、1,233億95百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の減少235億42百万円、自己株式の取得・処分等152億01百万円、その他有価証券評価差額金の減少11億75百万円等によるものです。
(b)経営成績の分析
(売上高)
新医薬品(国内)については、喘息治療配合剤「フルティフォーム」では処方獲得の強化による処方患者数の増加に努め、順調に伸長しました。また2018年8月より販売を開始した定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液」、及び同年11月に新発売した選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げが新医薬品の実績拡大に寄与しました。他方、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少し、売上高は776億94百万円(前期比5.4%増)となりました。後発医薬品については、モンテルカスト錠「KM」(キプレス及びシングレアのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが増加すると共に、今年度販売を開始した追補収載品が寄与し、売上高は前期に対して16億72百万円増の293億34百万円(前期比6.0%増)となりました。この結果、前連結会計年度に比較して29億79百万円増加(前期比2.7%増)し、1,136億20百万円となりました。
(営業損益)
営業利益は、前連結会計年度に比較して1億50百万円増加(前期比1.7%増)し、89億72百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較して2億94百万円増加し、68億69百万円となりました。
(c)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品購入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において23億06百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2020年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約41億円を予定しております。
(d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」において、連結売上高年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としております。当連結会計年度における単年度連結売上高は前期比2.7%増、連結営業利益率は7.9%であり、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」を通した連結売上高年平均成長率は△1.1%、連結営業利益率は8.0%を予想しております。これらの指標に対する取り組みにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載しております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』」の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医薬品業界は、社会保障費の財源確保を背景とする医療費・薬剤費の効率化に向けた諸施策が推進される中、2018年4月に薬価制度の抜本改革(薬価改定率 業界平均7.5%)が実施された影響により市場成長は低位に推移しました。
このような厳しい環境下、当社グループは長期ビジョン「HOPE100(~2023年度)」の実現に向けて、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」のもと、2018年度は経営方針に「スピーディな変革の実行」を掲げ、成長基盤の強化と収益力の向上に邁進しました。中核事業である医療用医薬品事業においては、グローバルを見据えたオリジナル新薬の創製、切れ目のない新薬の創出、新薬による市場の創造に、これまで以上のスピード感を持って取り組みました。また周辺事業では成長加速化・収益力向上を図ると共に、全社的にローコストオペレーションを推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持・評価の向上に努めました。
当連結会計年度における売上高は、2018年4月に実施された薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、続伸した主力製品、販売移管した製品及び新発売した製品の寄与により前期に対して新医薬品(国内)の売り上げが増加しました。他方、新医薬品(海外)は導出品の開発進展に伴う一時金収入の反動減により減少しましたが、後発医薬品の売り上げが前期を上回ったことにより、医療用医薬品事業合計としては増収となりました。ヘルスケア事業※1の実績は微減となりましたが、全体の売り上げは前期比29億79百万円増(前期比2.7%増)の1,136億20百万円となりました。
※1:環境衛生、一般用医薬品他
利益面では、薬価改定等による売上原価率の上昇、一時金収入の減少等により売上総利益が前期に対して41億66百万円減少しました。他方、販売費及び一般管理費は、費用の削減に取り組み、前期に対して43億16百万円減少(内、研究開発費34億52百万円減)したことで売上総利益の減少を吸収し、営業利益は89億72百万円と前期比1億50百万円の増益(前期比1.7%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、68億69百万円(前期比4.5%増)となりました。
当連結会計年度の業績
売上高 1,136億20百万円(前期比 2.7%増)
営業利益 89億72百万円(前期比 1.7%増)
経常利益 94億38百万円(前期比 1.0%増)
親会社株主に帰属する
当期純利益 68億69百万円(前期比 4.5%増)
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(a)医療用医薬品事業
[新医薬品(国内)]
薬価制度抜本改革の進展により国内医療用医薬品の市場構造が急速に変化する中、杏林製薬㈱は特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとして、独自のエリアマネジメントを積極的に展開し、主力製品の普及の最大化に取り組みました。当連結会計年度におきましては、中期経営計画の重点戦略に掲げる「新薬群比率の向上」の実現に向けて、主力製品である喘息治療配合剤「フルティフォーム」では処方獲得の強化による処方患者数の増加に努め、順調に伸長しました。また2018年8月より販売を開始した定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液」、及び同年11月に新発売した選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げが新医薬品の実績拡大に寄与しました。他方、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少し、売上高は776億94百万円(前期比5.4%増)となりました。
なお杏林製薬㈱が独占販売をしている持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」につきましては、製造販売元であるMSD㈱が自主回収を決定したことから、2019年1月7日より製品供給を一時停止させていただいております。
[新医薬品(海外)]
前年度に計上した「FPR2作動薬プログラム(導出先:米国ブリストル・マイヤーズスクイブ社)」の開発進展に伴う一時金収入の反動減等により、売上高は前期に対して25億09百万円減少し、8億30百万円(前期比 75.1%減)となりました。
[後発医薬品]
モンテルカスト錠「KM」(キプレス及びシングレアのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが増加すると共に、今年度販売を開始した追補収載品が寄与し、売上高は前期に対して16億72百万円増の293億34百万円(前期比6.0%増)となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,078億59百万円(前期比3.0%増)となり、セグメント利益は
83億16百万円(前期比0.7%増)となりました。
生産部門の取り組みとしましては、当社連結子会社である杏林製薬㈱の能代工場、及びキョーリン リメディオ㈱の生産本部、キョーリン製薬グループ工場㈱(滋賀県甲賀市)※2を新生産子会社キョーリン製薬グループ工場㈱(東京都千代田区)に、2018年4月1日付けで統合し、同日より本格稼働いたしました。中期経営計画の重点戦略である「ローコスト強化:グループ内最適化によるコスト構造の変革」のもと、キョーリン製薬グループ工場㈱に生産機能を集約し、グループ内生産の全体最適化とコスト低減を強力に推進しました。
※2:キョーリン製薬グループ工場㈱(滋賀県甲賀市)は、吸収合併により消滅会社となりました。
(b)ヘルスケア事業
中期経営計画に掲げる育成戦略「環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る」を推進し、主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」は前年を上回る実績で推移しましたが、その他の製品の売り上げが減少し、当セグメントの売上高は57億61百万円(前期比3.0%減)となり、セグメント利益は1億 99百万円(前期比6.6%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、3億40百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益93億
59百万円、減価償却費29億40百万円、売上債権の増加47億73百万円、たな卸資産の増加21億12百万
円、法人税等の支払額34億76百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、149億39百万円の収入で、これは主に有形固定資産の取得による支出
21億70百万円、無形固定資産の取得による支出21億99百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入
199億97百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、273億15百万円の支出で、これは主に短期借入れによる収入199億75百万円、長期借入金の返済による支出15億82百万円、自己株式の取得等による支出408億39百万円、配当金の支払額50億68百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して120億57百万円減少し、309億14百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 新医薬品 | 61,205 | 85.8 | ||
| 医療用医薬品事業 | 後発医薬品 | 23,351 | 106.9 | |
| 医療用医薬品事業計 | 84,557 | 90.7 | ||
| ヘルスケア事業 | 2,750 | 91.1 | ||
| 合計 | 87,308 | 90.7 | ||
(注) 上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(b)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 新医薬品 | 12,429 | 455.5 | ||
| 医療用医薬品事業 | 後発医薬品 | 3,344 | 98.6 | |
| 医療用医薬品事業計 | 15,773 | 257.7 | ||
| ヘルスケア事業 | 1,693 | 95.5 | ||
| 合計 | 17,467 | 221.3 | ||
(注)1 上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
2 医療用医薬品事業の新医薬品実績が著しく増加しました。これは「ナゾネックス点鼻液」の仕入の増加によるものです。
(c)受注実績
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(d)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| (単位:百万円) |
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 前年同期比(%) | |
| 新医薬品 | 78,525 | 101.9 | |
| 医療用医薬品事業 | 後発医薬品 | 29,334 | 106.0 |
| 医療用医薬品事業計 | 107,859 | 103.0 | |
| ヘルスケア事業 | 5,761 | 97.0 | |
| 合計 | 113,620 | 102.7 | |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のと
おりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2017年4月1日 至 2018年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | ||
| 金額 (百万円) | 割合(%) | 金額 (百万円) | 割合(%) | |
| アルフレッサ ホールディングス株式会社 | 19,562 | 17.7 | 21,025 | 18.5 |
| 株式会社スズケン | 17,344 | 15.7 | 19,020 | 16.7 |
| 株式会社メディパルホールディングス | 16,248 | 14.7 | 16,979 | 14.9 |
| 東邦薬品株式会社 | 13,351 | 12.1 | 14,369 | 12.6 |
3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
当社グループにおいては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。
(a)その他有価証券で時価のあるものの評価基準及び評価方法
その他有価証券の評価差額は全部純資産直入法により処理しており、損益認識を行う場合とは親会社株主に帰属する当期純利益が異なってまいります。
(b)貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収不能見込み額を計上しておりますが、一般債権について
は、過去の貸倒実績率による見積額を計上しております。従いまして、厳しい経済情勢下においては各取引先の財政状態の変化により追加引当が必要となる可能性があります。
(c)退職給付に係る負債
従業員退職給付費用および退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(d)繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得見込額等により回収可能性が高いと判断した金額を計上しておりますが、将来の予測に基づくため不可避の不確実性を内包していると認識しております。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して237億01百万円減少し、1,730億34百万円となりました。このうち、流動資産は1,149億04百万円と前連結会計年度末と比較して50億42百万円の減少となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少121億09百万円、受取手形及び売掛金の増加47億72百万円、商品及び製品の増加11億74百万円、仕掛品の増加19億16百万円等によるものです。また、固定資産は581億30百万円と前連結会計年度末と比較して186億59百万円の減少となりました。主な増減要因は、無形固定資産の増加16億51百万円、投資有価証券の減少209億15百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して162億00百万円増加し、496億39百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の増加11億75百万円、短期借入金の増加199億75百万円、未払法人税等の減少15億01百万円、流動負債のその他の減少27億12百万円、長期借入金の減少12億78百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して399億02百万円減少し、1,233億95百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の減少235億42百万円、自己株式の取得・処分等152億01百万円、その他有価証券評価差額金の減少11億75百万円等によるものです。
(b)経営成績の分析
(売上高)
新医薬品(国内)については、喘息治療配合剤「フルティフォーム」では処方獲得の強化による処方患者数の増加に努め、順調に伸長しました。また2018年8月より販売を開始した定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液」、及び同年11月に新発売した選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げが新医薬品の実績拡大に寄与しました。他方、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」、潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少し、売上高は776億94百万円(前期比5.4%増)となりました。後発医薬品については、モンテルカスト錠「KM」(キプレス及びシングレアのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが増加すると共に、今年度販売を開始した追補収載品が寄与し、売上高は前期に対して16億72百万円増の293億34百万円(前期比6.0%増)となりました。この結果、前連結会計年度に比較して29億79百万円増加(前期比2.7%増)し、1,136億20百万円となりました。
(営業損益)
営業利益は、前連結会計年度に比較して1億50百万円増加(前期比1.7%増)し、89億72百万円となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比較して2億94百万円増加し、68億69百万円となりました。
(c)キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品購入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において23億06百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2020年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約41億円を予定しております。
(d)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」において、連結売上高年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上を数値目標としております。当連結会計年度における単年度連結売上高は前期比2.7%増、連結営業利益率は7.9%であり、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」を通した連結売上高年平均成長率は△1.1%、連結営業利益率は8.0%を予想しております。これらの指標に対する取り組みにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の対処すべき課題」に記載しております。