有価証券報告書-第66期(2023/04/01-2024/03/31)

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2024/06/24 15:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医療用医薬品業界は、薬価改定(中間年改定)が2023年4月に実施されたものの、新型コロナウイルス感染症の感染症法上の位置付けが5類感染症に移行したことから、患者さんの受診行動が同感染症拡大前の水準に回復し、医療用医薬品市場は1桁台半ばの成長率で推移しました。
当社グループは、創業100周年を機に新たな長期ビジョン「Vision 110(2023年度~2032年度)」及び中期経営計画「Vision 110-Stage1-(2023年度~2025年度)」を開始しました。その初年度となる2024年3月期は、経営方針に「事業体制の刷新と新たな取り組みによる成長」を掲げ、事業活動として①創薬体制の刷新 ②パイプラインの拡充 ③新薬の普及最大化 ④コスト競争力の向上に積極的に取り組みました。
当連結会計年度における売上高は、薬価改定(杏林製薬㈱7%台)の影響はあったものの、新薬の伸長により、新医薬品等(国内)が前期を上回る実績となりました。後発医薬品の売上高は減少しましたが、全体の売上高は119,532百万円と前期比6,262百万円(前期比5.5%増)の増収となりました。
利益面では、売上原価率は上昇したものの増収により売上総利益は前期に対して1,240百万円増加しました。他方、販売費及び一般管理費が前期に対して350百万円増加(研究開発費は2,884百万円減少)した結果、営業利益は、前期比890百万円増の6,013百万円(前期比17.4%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別利益として投資有価証券の売却益等1,404百万円を計上し、特別損失として希望退職プログラムに関わる費用等987百万円を計上した結果、5,322百万円(前期比12.7%増)となりました。
当連結会計年度の業績
売上高119,532百万円(前期比5.5%増)
営業利益6,013百万円(前期比17.4%増)
経常利益6,602百万円(前期比13.3%増)
親会社株主に帰属する当期純利益5,322百万円(前期比12.7%増)

売上高の状況につきましては、以下のとおりです。
[新医薬品等(国内)]
薬剤費の抑制を目的として継続的に実施される薬価改定等の施策により、国内医療用医薬品事業を取り巻く環境は一層厳しさを増しています。このような環境に対応し持続成長すべく、杏林製薬㈱は新薬比率の最大化を中期経営計画の重点戦略の一つに掲げており、営業部門では「新薬の普及最大化」を目指して、積極的な活動を展開しました。当連結会計年度においては、新型コロナウイルス感染症が5類感染症に移行するなか、MRによる訪問面談を各医療機関の意向に沿って行うとともに、デジタルプロモーションの効果的な活用により複合的な情報提供を実施することで営業力の補完・強化を図り、新薬の成長加速に取り組みました。その結果、主力製品である過活動膀胱治療剤「ベオーバ」、ニューキノロン系抗菌剤「ラスビック」、喘息治療配合剤「フルティフォーム」、アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の売り上げが増加するとともに、2023年5月に処方日数制限解除となった咳嗽治療薬「リフヌア」も売上増加に寄与しました。また気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」については、厚生労働省からの要請もあり供給量の増加に努めた結果、売り上げは前期を上回りました。同製品については、引き続き増産体制の構築を推進します。他方、長期収載品である潰瘍性大腸炎・クローン病治療剤「ペンタサ」等の売り上げは減少しました。
診断事業に関わる取り組みとしては、2023年3月期に発売した体外診断用医薬品(新型コロナウイルス核酸検出キット、インフルエンザウイルス核酸キット)の拡販に注力しました。2024年3月期には百日咳菌核酸キット「GeneSoC 百日咳菌検出キット」の製造販売承認を取得し、研究用試薬「GeneSoC 梅毒トレポネーマ検出キット(研究用)」及び「GeneSoC HIV-1 検出キット(研究用)」を発売しました。今後とも呼吸器・性感染症領域等において、GeneSoC専用の研究用試薬及び体外診断用医薬品の開発・販売を推進し、これらの製品を通して感染症の予防・診断・治療への貢献に積極的に取り組みます。
以上の結果、新医薬品等(国内)の売上高は82,581百万円(前期比10.4%増)となりました。
[新医薬品(海外)]
新医薬品(海外)の売上高は386百万円(前期比25.1%増)となりました。
[後発医薬品]
安定供給不安への対応に最大限注力するとともに、新規追補収載品の売上拡大に努めましたが、オーソライズド・ジェネリックが前期を下回り、売上高は36,564百万円(前期比4.3%減)となりました。
品質確保の取り組みについては、杏林製薬㈱、キョーリン リメディオ㈱、キョーリン製薬グループ工場㈱の全てのグループ会社が一丸となり、GMP※などの法令遵守の徹底を図るとともに、品質管理体制のより一層の強化に努めました。今後とも信頼性の確保に注力し、高品質で安心・安全な製品を提供していきます。
※医薬品及び医薬部外品の製造管理及び品質管理の基準
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、1,549百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益7,019百万円、減価償却費4,290百万円、投資有価証券売却益993百万円、希望退職関連費用869百万円、棚卸資産の増加5,444百万円、希望退職関連費用の支払額604百万円、法人税等の支払額2,975百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,187百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出5,778百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入2,044百万円、子会社の清算による収入921百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、3,347百万円の支出で、これは主に配当金の支払額3,013百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して4,930百万円減少し、13,886百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品事業103,047105.0
合計103,047105.0

(注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
b.商品仕入実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の商品仕入実績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品事業10,477100.1
合計10,477100.1

(注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
c.受注実績
当社グループは販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社グループは医薬品事業のみの単一セグメントであり、当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
(単位:百万円)
セグメントの名称当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
前年同期比(%)
医薬品事業119,532105.5
合計119,532105.5

(注)最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年4月1日
至 2023年3月31日)
当連結会計年度
(自 2023年4月1日
至 2024年3月31日)
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
アルフレッサ ホールディングス株式会社19,51717.220,86317.5
株式会社メディパルホールディングス18,19416.119,76416.5
株式会社スズケン16,80114.818,47315.5
東邦薬品株式会社13,08911.614,11611.8

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して1,634百万円増加し、177,679百万円となりました。このうち、流動資産は119,310百万円と前連結会計年度末と比較して279百万円の増加となりました。主な増減要因は、現金及び預金の減少5,508百万円、売掛金の増加594百万円、仕掛品の増加5,543百万円、流動資産のその他の減少196百万円等によるものです。また、固定資産は58,369百万円と前連結会計年度末と比較して1,355百万円の増加となりました。主な増減要因は、有形固定資産の増加3,115百万円、投資有価証券の減少872百万円、繰延税金資産の減少868百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して3,687百万円減少し、46,896百万円となりました。主な増減要因は、1年内返済予定の長期借入金の増加10,200百万円、未払法人税等の減少1,103百万円、流動負債のその他の増加516百万円、長期借入金の減少10,200百万円、退職給付に係る負債の減少3,604百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して5,322百万円増加し、130,783百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加2,378百万円、退職給付に係る調整累計額の増加2,736百万円等によるものです。
b.経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
c.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「Vision110-Stage1-」において、連結ベースでの売上高年平均成長率2%以上、研究開発費控除前 営業利益対売上高16%以上を数値目標としております。当連結会計年度における連結売上高は前期比5.5%増、研究開発費控除前 営業利益対売上高は11.7%でした。これらの指標を達成するための取り組みにつきましては、「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品仕入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において6,587百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2025年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約6,600百万円を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 [注記事項](重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。

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