有価証券報告書-第62期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/22 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
143項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
当期における国内医薬品業界は、薬価制度の抜本改革に向けた基本方針の下、後発医薬品使用促進等の薬剤費抑制策とともに消費税増税に伴う薬価改定(業界平均:2.4%)が10月に実施されたことにより1桁台前半の市場成長となり、厳しい市場環境が継続しました。
このような環境の下、当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-(2016年度~2019年度)」の最終年度として、2019年度は経営方針に「やり抜く力の発揮による変革の実行」を掲げ、最後まであきらめないマインドを持って変革を推進し、目標達成と持続成長に向けた成長軌道の獲得に邁進しました。中核事業である医療用医薬品事業においては、グローバルな競争力があるオリジナル新薬の創製、切れ目のない新薬の創出、新薬による市場の創造を経営課題として捉え、重点的に取り組みました。また周辺事業の成長加速及びローコストオペレーションを全社的に推進し、成果目標の達成とステークホルダーの皆様からの支持、評価の向上に努めました。
当連結会計年度における売上高は、新医薬品(国内)では、主力製品の伸長及び新発売した製品の寄与はあったものの、長期収載品の処方減少、主力製品の供給再開時期の遅れによる売り上げ減少等により前期を下回る実績となりました。他方、新医薬品(海外)及び後発医薬品の売り上げは増加しましたが、医療用医薬品事業の合計としては減収となりました。ヘルスケア事業は増収となりましたが、全体の売り上げは前期比36億37百万円減(前期比3.2%減)の1,099億83百万円となりました。
利益面では、売上原価率は低下したものの、新医薬品の減収により売上総利益が前期に対して3億77百万円減少しました。また販売費及び一般管理費は、前期に対して10億92百万円増加(内、研究開発費1億96百万円増)し、営業利益は75億03百万円と前期比14億69百万円の減益(前期比16.4%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、61億49百万円(前期比10.5%減)となりました。
当連結会計年度の業績
売上高 1,099億83百万円(前期比 3.2%減)
営業利益 75億03百万円(前期比 16.4%減)
経常利益 81億75百万円(前期比 13.4%減)
親会社株主に帰属する
当期純利益 61億49百万円(前期比 10.5%減)
セグメントごとの業績は、次のとおりです。
(a)医療用医薬品事業
[新医薬品(国内)]
薬価制度改革により国内医療用医薬品の市場構造が急速に変化する中、杏林製薬㈱は特定領域(呼吸器科・耳鼻科・泌尿器科)の医師、医療機関に営業活動を集中するFC(フランチャイズカスタマー)戦略をベースとした独自のエリアマネジメントによる営業活動を展開しています。当連結会計年度におきましては、中期経営計画の重点戦略に掲げる「新薬群比率の向上」の実現に向けて、主力製品の普及の最大化に取り組みました。喘息治療配合剤「フルティフォーム」は順調に伸長し、2019年12月より長期処方が可能(新医薬品の投薬期間の制限解除)となった選択的β3アドレナリン受容体作動性過活動膀胱治療剤「ベオーバ」の売り上げも前期を大幅に上回りました。またキノロン系経口抗菌剤「KRP-AM1977X(製品名:ラスビック錠75mg)」を2020年1月に新発売いたしました。一方、持続性選択H1受容体拮抗・アレルギー性疾患治療剤「デザレックス」の供給停止(2019年11月に供給再開)及び消費税増税に伴う薬価改定(杏林製薬㈱ 改定率3%台)の影響、長期収載品である気管支喘息・アレルギー性鼻炎治療剤「キプレス」、気道粘液調整・粘膜正常化剤「ムコダイン」、定量噴霧式アレルギー性鼻炎治療剤「ナゾネックス点鼻液」等の売り上げ減少により、売上高は711億52百万円(前期比8.4%減)となりました。
[新医薬品(海外)]
杏林製薬㈱において、広範囲抗菌点眼剤「ガチフロキサシン(導出先:米国アラガン社)」に関わる収入が前期を上回るとともに、韓国Jeil(ジェイル)社と締結した過活動膀胱治療剤「ビベグロン」に関わるライセンス契約等の一時金収入を売り上げに計上したことから、売上高は14億90百万円(前期比79.5%増)となりました。
[後発医薬品]
2019年8月に販売を開始したモメタゾン(ナゾネックスのオーソライズド・ジェネリック)の売り上げが寄与し、売上高は309億57百万円(前期比5.5%増)となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は1,035億99百万円(前期比3.9%減)、セグメント利益は66億19百万円(前期比20.4%減)となりました。
(b)ヘルスケア事業
中期経営計画に掲げた育成戦略「環境衛生の事業成長と既存事業との連携強化により核となる事業を作る」に基づき、主要製品である環境除菌・洗浄剤「ルビスタ」、哺乳びん・乳首・器具等の消毒剤「ミルトン」の売上拡大に努めました。新型コロナウイルスによる感染症の拡大に伴う需要増もあり、両製品ともに前期を上回る実績となりました。
以上の結果、当セグメントの売上高は63億83百万円(前期比10.8%増)、セグメント利益は7億36百万円(前期比268.9%増)となりました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、77億39百万円の収入であり、これは主に税金等調整前当期純利益82億55百万円、減価償却費32億21百万円、売上債権の減少51億85百万円、たな卸資産の増加78億63百万
円、仕入債務の減少16億64百万円、法人税等の支払額15億13百万円によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、29億43百万円の支出で、これは主に有形固定資産の取得による支出
26億24百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、51億17百万円の支出で、これは主に短期借入金の返済による支出100億00百万円、長期借入れによる収入101億80百万円、配当金の支払額43億46百万円によるものです。
この結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末と比較して4億04百万円減少し、305億09百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
(a)生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)

セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
新医薬品66,523108.7
医療用医薬品事業後発医薬品25,828110.6
医療用医薬品事業計92,351109.2
ヘルスケア事業2,923106.3
合計95,274109.1

(注)上記金額は、消費税等抜きの売価換算によっております。
(b)商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)

セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
新医薬品9,70178.1
医療用医薬品事業後発医薬品3,31099.0
医療用医薬品事業計13,01282.5
ヘルスケア事業1,64497.1
合計14,65783.9

(注)上記金額は、消費税等抜きの実際仕入れ額によっております。
(c)受注実績
当社グループ(当社及び当社の連結子会社)は販売計画に基づいた生産を行っておりますので、該当事項はありません。
(d)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(単位:百万円)

セグメントの名称当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
前年同期比(%)
新医薬品72,64292.5
医療用医薬品事業後発医薬品30,957105.5
医療用医薬品事業計103,59996.1
ヘルスケア事業6,383110.8
合計109,98396.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度における主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のと
おりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2018年4月1日
至 2019年3月31日)
当連結会計年度
(自 2019年4月1日
至 2020年3月31日)
金額 (百万円)割合(%)金額 (百万円)割合(%)
アルフレッサ ホールディングス株式会社21,02518.520,24218.4
株式会社スズケン19,02016.717,37215.8
株式会社メディパルホールディングス16,97914.916,88915.4
東邦薬品株式会社14,36912.613,09811.9

3.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
(a)財政状態の分析
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して18億73百万円減少し、1,711億
60百万円となりました。このうち、流動資産は1,170億58百万円と前連結会計年度末と比較して21億
54百万円の増加となりました。主な増減要因は、受取手形及び売掛金の減少51億86百万円、商品及び製品
の増加49億89百万円、仕掛品の増加29億91百万円、流動資産のその他の減少9億37百万円等によるも
のです。また、固定資産は541億02百万円と前連結会計年度末と比較して40億28百万円の減少となりま
した。主な増減要因は、機械装置及び運搬具(純額)の増加8億49百万円、投資有価証券の減少39億31百
万円、繰延税金資産の減少8億14百万円等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末と比較して11億89百万円減少し、484億49百万円となりました。主な増減要因は、支払手形及び買掛金の減少16億64百万円、短期借入金の減少105億32百万円、未払法人税等の増加5億98百万円、流動負債のその他の増加13億15百万円、長期借入金の増加98億80百万円、繰延税金負債の減少18億63百万円、退職給付に係る負債の増加6億54百万円等によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較して6億84百万円減少し、1,227億10百万円となりました。主な増減要因は、利益剰余金の増加17億88百万円、その他有価証券評価差額金の減少20億03百万円、退職給付に係る調整累計額の減少4億51百万円等によるものです。
(b)経営成績の分析
当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。
(c)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、中期経営計画「HOPE100-ステージ2-」においてステートメント「変革(変化と革新)を行い、持続成長を図る」のもと、主力製品「キプレス」の特許満了に伴う対応と中長期的な視点での成長軌道の獲得を目指し、創薬力の強化、新薬群比率の向上、特色を活かしたジェネリック(GE)事業の推進、ローコスト強化に注力してまいりました。薬価制度の抜本改革等の外部環境の劇的な変化、主力製品デザレックスの供給一時停止およびラスビック錠の製造販売承認遅延等の要因により、当初掲げた数値目標である連結売上高年平均成長率3%以上、連結営業利益率15%以上に対し、連結売上高年平均成長率は△2.0%、連結営業利益率は6.8%となり達成はできませんでしたが、創薬体制の構築、中期的な成長を牽引する新薬3製品の発売、新規事業として診断事業への参入等を成し遂げることができました。
長期ビジョン「HOPE100」の総仕上げとなる新中期経営計画「HOPE100-ステージ3-」(2020~2023年度)における経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標及びその達成に向けた取り組みにつきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題」に記載しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりです。
(資金需要)
当社グループの運転資金需要の主なものは、製品製造のための原料・材料の購入、商品購入のほか、製造費用、研究開発費、人件費の支払いであります。
また、継続的に設備投資を行っておりますが、当連結会計年度において35億90百万円の設備投資を実施いたしました。
(財務政策)
当社グループの運転資金及び設備投資資金の調達は、自己資金及び借入金等により賄っております。
2021年3月期においては、工場設備の拡充等、固定資産取得による支出約51億円を予定しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針及び見積りによる判断をおこなっております報告数値があり、実際の結果は見積りによる不確実性のために異なる結果となる可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症による影響は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な会社の経営戦略及び会社の優先的に対処すべき課題 [新型コロナウイルス感染症による影響]」に記載のとおり会計上の見積りに用いた仮定に重要な影響を与えるものではないと認識しております。
当社グループにおいては、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成において重要な判断と見積りに影響を及ぼすと考えております。
(a)その他有価証券で時価のあるものの評価基準及び評価方法
その他有価証券の評価差額は全部純資産直入法により処理しており、損益認識を行う場合とは親会社株主に帰属する当期純利益が異なってまいります。
(b)貸倒引当金
貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収不能見込み額を計上しておりますが、一般債権について
は、過去の貸倒実績率による見積額を計上しております。従いまして、厳しい経済情勢下においては各取引先の財政状態の変化により追加引当が必要となる可能性があります。
(c)退職給付に係る負債
従業員退職給付費用および退職給付債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されておりますが、実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合には認識される費用及び債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(d)繰延税金資産
繰延税金資産については、将来の課税所得見込額等により回収可能性が高いと判断した金額を計上しておりますが、将来の予測に基づくため不可避の不確実性を内包していると認識しております。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。