有価証券報告書-第80期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/30 13:28
【資料】
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【項目】
113項目

研究開発活動

当社グループの研究開発は、基礎研究部門と製品開発部門に分けられる。基礎研究部門は株式会社積水樹脂技術研究所において、新規材料の創出をめざした研究開発、並びに既存コア技術の高度化及び拡大に取り組んでいる。製品開発部門は、各事業分野に所属するそれぞれの開発部門が、機能・コスト・施工・デザイン等、多角的な観点から新製品開発を推進している。
当連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は10億9千8百万円であり、各事業分野別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりである。なお、研究開発費については、株式会社積水樹脂技術研究所で行っている基礎研究等の各事業分野に配分できない費用4億8百万円が含まれている。
(1)都市環境関連事業分野
交通環境資材関連製品:騒音対策製品は、JR新幹線に向けた「吸音板スライド工法」「高速化対応型透明板」を上市し、道路向けとしては景観性を配慮した「低ひずみガラス透明板」を上市した。交通安全製品は、欧州向け弾性視線誘導標「V-フレックス」および廉価型車線区分標「NSEポールコーン」を上市して海外向け製品群を強化するとともに、可搬可能な仮設路面標示ライン材として「ピタリングライン」を開発し、仮設資材市場へ向けて上市した。路面標示材製品は、施工性の優れた視覚障害者向け誘導表示シート「リードラインF」を上市、全国で進む通学路・自転車道整備に向けた養生時間の短いカラー舗装製品のラインナップを強化した。
スポーツ・人工木関連製品:人工芝は温度抑制効果を付与した“クール仕様”の強化を継続するとともに、最高レベルの耐久性を誇るポリタン社のPT-RSproをラインナップした。人工木材は角型テンダーウッドの新たな品揃えとして芯材を変更した汎用品のラインナップを行った。
都市環境関連事業分野に係る研究開発費は2億4千万円である。
(2)街路・住建関連事業分野
街路・橋梁関連製品:防護柵は、通学路や生活道路の安全対策製品として「高強度セイフティパイプ」・「車両用防護柵弾性端末」を上市した。高欄は補修市場への展開として、投物防止機能付としては業界初の衝撃吸収構造を備えた「ビューレイルバリア」を開発し提案活動を開始した。環境分野では、充電インフラ整備事業として設置が増えている電気自動車急速充電施設向けの上屋「EVシェルター」を開発した。また、減災分野では避難路整備製品として「スワレ反射体付ギボクステップ」・「擁壁用階段システム」や冠水時にも機能し壊れにくい「冠水対応ソーラー照明灯」を上市した。
住建材関連製品:商業施設、マンション、集合住宅向け外構製品として、めかくしパネルにプラメタル(アルミ樹脂積層複合板)を採用し、施工性・軽量化・加工性を高めた「めかくし塀K型」を上市した。また、工場関係の安全対策用製品として「設備周りフェンス」を開発した。建材製品では割れない鏡として注目されているステンレス複合板「SKW」に不燃鏡面タイプのラインアップを強化した。
街路・住建関連事業分野に係る研究開発費は2億7千5百万円である。
(3)産業・生活関連事業分野
産業資材関連製品:梱包形態の簡素化・緩衝材レスの要望からストレッチフィルムを用いた台紙付内包装機「パックインストレッチ」を開発・上市した。
生活・緑関連製品:生活製品では、高級ランドリー「IPPIN」シリーズを開発・上市。また、自然気化式ECO加湿器「うるおい」シリーズで小さな森の追加ラインナップを行った。更に、浴槽用皮脂吸着材「ゆくりん」を上市し、メディアに多数掲載されて好評を得ている。緑製品は、プラスチック線材と鉄線材を編み込んだ複合面材を利用したハイブリッド獣害柵を開発すると共に、農業用FRPポール・獣害対策用のFRP支柱を開発・上市した。
産業・生活関連事業分野に係る研究開発費は1億7千3百万円である。