有価証券報告書-第44期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/28 9:40
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「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の開示府令第二号様式記載上の注意(32)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、海外の経済政策と動向、通商問題の動向、金融市場の変動に留意する必要があるものの、経済再生と財政健全化を実現する各種政策の推進を背景に、個人消費や五輪関連需要、投資の増加、有効求人倍率の高水準推移等が続きました。
当化粧品業界におきましては、平成30年の年間化粧品販売金額は前年比3.4%増の予測推移となりました。人口の減少や少子高齢化が進む中で、加齢に伴う肌の悩みをもつ層は増加傾向にあり、美容意識の高まりから複数品目を使用する肌ケアの需要が回復してきております。また、消費者ニーズに対応した高機能・高付加価値商品の投入も積極的に行われ、拡大を続けており、エイジング市場やホワイトニング市場は活況を呈すると見込まれています。
訪問販売化粧品市場では、チャネルを横断した展開が拡大・加速し、企業間競争は激しさを増しております。求人の高水準推移の影響もあり、訪問販売員の確保は厳しい状況のなかで、集客に向けた販売員の教育や、新規顧客獲得など、各社の強みを活かした施策が重要となっております。物質的な豊かさより精神的な豊かさが求められる昨今の消費スタイルや、多様化する消費者層に対応するため、顧客に対して積極的にコミュニケーションを図ることで、より身近な存在になり、柔軟性のあるサービスの構築・提供はもとより、従来どおり訪問販売だからこそできる価値、すなわち誠実・信頼を顧客に提供し続けることが求められています。
このような状況のもとで、当社は企業理念「愛と美と豊かさの実践と追求」に基づき、人と人が直接出会い、コミュニケーションを取りながら、製品やサービスを提供していく対面販売にこだわり、コア事業である訪問販売領域の販売組織満足度を高めるとともに、全てのステークホルダーの満足度の向上を目指し、「驚きと楽しさと感動に溢れる美しい生き方」を共に創造し、幸せと豊かさを提供できる「ワンダ・フル・カンパニー」として成長すべく、企業活動に邁進してまいりました。
当事業年度は、当社の訪問販売にかかわる方が「私はアイビー」という当社の志や目指す生き方を自身の生き方と捉えて誇りと喜びをもち、「日本の女性の肌を常に美しくし続けること」を通して、より魅力ある企業に成長するため「当社独自のビジネスモデルへのこだわりと、当社らしい営業スタイルの再構築」、「美容液のトップブランド化を推進するための課題解決」、「Face to Faceの信頼の上に成り立つ、地域に根差した活動による理念型販売組織づくり」、「経営資源の再編成による財務体質の改善」を経営方針とし、経営基盤の再構築、訪問販売事業拡大に集中して展開してまいりました。
また、販売環境の支援としましては、販社財務支援による経営健全化支援、スマートフォンによる販売・決済アプリ「アイビーレジ」の機能拡充、及び普及活動、アイビーメイツのWeb登録システムの導入、カウンセリング販売の継続強化、Webを活用した販売組織とのコミュニケーション基盤の構築、情報発信拠点アルテミス ザ・ショップ、同 ザ・ルームの展開等を積極的に実施してまいりました。
当事業年度においては、「リ ホワイト クリアアップ ローション」(医薬部外品)、「リ ホワイト クリアアップ クリーム」(医薬部外品)、「アイビー メークアップコレクション ザ グロウイング スマイル」、「ユーグレナ バイタル」を発売し、顧客拡大、並びに顧客満足向上に努めてまいりました。
経営基盤強化につきましては、今後の安定財務体質への改善を目的に、資本性のある資金調達が必要と判断し、平成30年12月に第三者割当による社債型優先株式1,000百万円を発行いたしました。また、経営判断の迅速化を図るため、各部の使命に基づき役割を明確にして業務執行を行ってまいりました。具体的には、「経営会議」を軸とした重要経営課題の集中審議や全社マネジメント強化の他、「予算統制会議」での経費予実管理の強化、「販売戦略会議」においては、販売施策の機動力強化と顧客への価値伝達に継続して取り組んでまいりました。
実務面においても機動的な資本政策、製品開発の推進、製造原価の継続的低減活動、売上債権回収の促進、販売促進経費の費用対効果性の向上、固定費の圧縮、遊休資産の売却、コンプライアンスの継続強化、ISO品質マネジメントシステムの運用推進にも継続して取り組んでまいりました。
売上面におきましては、販売組織づくりの推進、稼働率の向上、及び教育機会の拡大、特に販売教育の再徹底を年間を通じて推進し、当社のフラッグシップ美容液の取り組み強化、アイビーファン拡大を展開してまいりましたが、「レッドパワー セラム」、「ホワイトパワー セラム」は販売組織の在庫調整の影響を大きく受けたことにより、それらの受注が年間を通して低迷し、売上高は前期比59.3%となりました。一方、利益面におきましては、入金基準での売上が一部計上されたものの、美容液の受注減による売上の大幅減少、美容液の棚卸資産の増加、生産調整による製造原価の上昇により、売上総利益は前期比49.2%となりました。
販売費においては、各種営業施策、キャンペーンの実施等、売上拡大にかかわる経費の費用対効果を重視した実行を、一般管理費においては、「経費使用方針」に基づいた予実差異管理を徹底して実行してまいりました。その結果、販売費及び一般管理費計は前期比で26.6%圧縮することができましたが、年間を通しての売上低迷が大きく影響し、営業損益、経常損益、当期純損益とも赤字となりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,335,542千円(前事業年度比40.7%減)、営業損失989,184千円(前事業年度は営業利益153,169千円)、経常損失は1,035,736千円(前事業年度は経常利益158,496千円)、当期純損失は1,036,506千円(前事業年度は当期純利益57,875千円)となりました。
このような状況をうけまして、当事業年度におきましては、経営体制及び今後の事業展開、内部留保の充実を図るために、誠に遺憾ながら、配当を普通株式及びA種優先株式ともに見送っております。
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、セグメント別の記載を省略しておりますが、部門別の販売実績につきましては、次のとおりであります。
[化粧品部門]
イ.スキンケア
スキンケアにつきましては、平成30年6月に、肌本来の力をサポートし、輝くような透明感のある肌を目指す美白シリーズ「リ ホワイト」として、「リ ホワイト クリアアップ ローション」(医薬部外品)、「リ ホワイト クリアアップ クリーム」(医薬部外品)」を発売しました。また、平成28年に発売しました、お手入れの手応えを高めるためのエイジングケア製品「レッドパワー セラム」、及び平成30年2月に発売しました、美白と美肌を叶え、さらなる美しさへと導くための美容液「ホワイトパワー セラム」(医薬部外品)は、当社の成長戦略を担う柱となる製品として位置付けており、発売当初から同製品の販促プロモーションや先行予約促進を、販売組織づくりと連動して積極展開し、販売強化に向けて経営資源を集中して取り組んでまいりました。しかしながら、販売会社の在庫調整の影響を大きく受けたことにより、当初予定していた美容液合計数量の2割に満たない受注となりました。スキンケアシリーズの販売強化も年間を通じて実施することで、販売組織の拡大と新規顧客獲得にも取り組んでまいりましたが、「レッドパワー セラム」及び「ホワイトパワー セラム」の売上予算に占める比率は60%と高いため、新製品や通常レギュラー製品ではカバーしきれず、スキンケア全体の売上高は2,405,527千円(前事業年度比50.1%減)となりました。
ロ.メークアップ
メークアップにつきましては、平成30年12月に、数量限定のセット製品「アイビー メークアップコレクション ザ グロウイング スマイル」を発売し、顧客満足向上に努めました。その結果、売上高は341,453千円(同5.2%増)となりました。
ハ.ヘアケア
ヘアケアにつきましては、新製品の発売はなく、売上高は136,061千円(同16.0%増)となりました。
ニ.その他化粧品
新製品の発売はなく、売上高は40,300千円(同25.7%増)となりました。
以上、化粧品部門の売上高は2,923,343千円(同44.8%減)となりました。
[美容補助商品]
平成31年3月に、美と健康の基礎力をサポートする「ユーグレナ バイタル」を発売しました。当初予定していた販売計画数の2倍の受注となり、美容補助商品全体の売上高は375,196千円(同29.8%増)となりました。
[化粧雑貨品等]
化粧用具等の化粧雑貨品等につきましては、売上高は37,002千円(同1.7%減)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は3,168,582千円(前事業年度末は4,493,646千円)となり、前事業年度末に比べ1,325,063千円減少しました。これは主に売上債権を回収したことに伴い売掛金が1,226,283千円減少するとともに、未収還付法人税等の回収により292,894千円減少しているにも関わらず、999,207千円の税引前当期純損失を計上したことなどの影響で、現金及び預金の増加が696,108千円にとどまったことによるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は2,472,025千円(同2,664,638千円)となり、前事業年度末に比べ192,613千円減少しました。これは主に、保険積立金61,689千円の解約、投資有価証券20,196千円の売却、長期貸付金40,147千円の回収、減価償却費を136,829千円計上したことによるものであります。
(繰延資産)
当事業年度末における繰延資産の残高は13,169千円(同24,812千円)となり、前事業年度末に比べ11,642千円減少しました。これは主に、社債発行費を13,801千円償却したことによります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は2,357,902千円(同3,642,482千円)となり、前事業年度末に比べ1,284,579千円減少しました。これは主に前事業年度末に計上した支払手形、買掛金が決済及び支払われたことで、支払手形と買掛金が445,195千円減少、短期借入金を長期借入金へと契約変更したことにより短期借入金が680,000千円減少したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は1,900,155千円(同1,757,114千円)となり、前事業年度末に比べ143,041千円増加しました。これは主に社債が606,000千円減少したものの、短期借入金を長期借入金へと契約変更したことにより長期借入金が731,000千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,395,719千円(同1,783,500千円)となり、前事業年度末に比べ387,780千円減少しました。これは主に当期純損失を1,036,506千円計上したこと、剰余金を396,371千円配当したこと、及び平成30年12月に第三者割当による社債型優先株式を1,000,000千円発行したことによるものです。この結果、自己資本比率は、24.7%(同24.8%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、税引前当期純損失、社債の償還による支出等があるものの、売上債権の減少、長期借入れによる収入、株式の発行による収入等があったことにより、前事業年度末に比べ696,108千円増加し、当事業年度末には859,756千円となりました。
また当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は528,706千円(前年同期は2,120,918千円の使用)となりました。
これは主に税引前当期純損失999,207千円等があるものの、売上債権の減少額1,226,283千円、たな卸資産の減少額340,542千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は61,373千円(前年同期は81,950千円の使用)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出89,464千円等があるものの、保険解約返戻金81,133千円、貸付金の回収による収入40,147千円、投資有価証券の売却による収入19,174千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果得られた資金は105,709千円(前年同期比1,048,085千円減)となりました。
これは主に社債の償還による支出810,000千円、短期借入金の純減少額680,000千円等があるものの、長期借入れによる収入1,000,000千円、株式の発行による収入1,000,000千円等があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、生産実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
スキンケア1,528,91917.1
メークアップ384,385104.4
ヘアケア130,71465.4
その他27,32154.6
合計2,071,34021.6

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度において、生産実績に著しい変動がありました。これは、「レッドパワー セラム」等のスキン
ケア製品が販売組織の在庫調整の影響を大きく受け、年間を通して受注が低迷したことによります。
b.商品仕入実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、商品仕入実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
美容補助商品109,50268.5
化粧雑貨品等25,54282.5
合計135,04570.8

(注) 1.金額は、仕入価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、販売実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 平成30年4月1日
至 平成31年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
スキンケア2,405,52749.9
メークアップ341,453105.2
ヘアケア136,061116.0
その他40,300125.7
化粧品合計2,923,34355.2
美容補助商品375,196129.8
化粧雑貨品等37,00298.3
合計3,335,54259.3

(注) 1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.当事業年度において、販売実績に著しい変動がありました。これは、「レッドパワー セラム」等のスキン
ケア製品が販売組織の在庫調整の影響を大きく受け、年間を通して受注が低迷したことによります。
⑤資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フロー
当事業年度におけるキャッシュ・フローの分析につきましては、「③キャッシュ・フローの状況」に
記載のとおりです。
b.契約債務
平成31年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。
年度別要支払額(百万円)
契約債務合計1年以内1年超3年以内3年超5年以内5年超
短期借入金630630---
長期借入金1,167226452362127
社債1,58669665220236
リース債務00---

上記の表において、貸借対照表の流動負債に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。また、1年内償還予定の社債は、社債に含めております。
当社の第三者に対する保証は、取引先の借入金等に対する預金担保保証であります。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社が代わりに弁済する義務があり、平成31年3月末現在の債務保証額は、115百万円であります。
c.財務政策
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、3月頃及び9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に最低でも500百万円以上の現預金を運転資金として保持できるように資金計画を組んでおります。また、当事業年度末において在庫が多い状態と認識しており、仕入を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。
平成30年12月に発行したA種優先株式1,000百万円については、当社の財務数値が健全化されるまでは、取得条項を行使しない予定です。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。財務諸表の作成にあたり、当社は期末日における資産及び負債、当事業年度における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社は過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。なお、見積りにあたっては、保守主義の原則にそって判断をするようにしております。
イ.売上割戻し(販社リファンド等)
当社の取引先である販売会社とは、独自の販売システムに基づく販売契約を締結しております。販売システムにおいて、「販売会社が販売会社を産んで育てる」という育成の仕組みを具現化しております。子販社を産んだ親販社に対しまして、親販社自身の仕入実績に係る当社への入金金額に対し、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。
「販社リファンド」は、支払対象の販社の仕入が大きい時に多く、支払対象の販社の仕入が小さい時には少なくなるため、月次及び年度による金額は大きく変動いたします。また、当該キャッシュバックの予定金額については、売上割戻として売上高より控除しておりますが、入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ロ.経営指導料
当社は、子販社を産んだ親販社に対しまして、子販社等の仕入実績に対する入金金額に対し、「経営指導料」として、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。当該キャッシュバックの予定金額については、販売促進費として経費計上しておりますが、子販社等の入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ハ.売上控除
当社は出荷基準を採用しております。一方、当社の取引先である販売会社は財務基盤が脆弱なところも少なからず存在します。当社が販売会社の仕入代金に係る財務支援を行った場合に、当該販売会社に対する売上の一部について、出荷基準で計上した売上を控除し、入金基準により、売上に計上する場合がございます。一方、控除した売上高に対応した売掛金が入金された場合には、当該売掛金入金額を売上高に計上しております。
ニ.たな卸資産評価損
当社は、製品及び原料・資材の廃棄を極小になるように、生産会議等で仕入・生産のコントロールを行っております。ただし、売上予測に基づく見込み生産のため、実際の販売数と生産数の相違が出る可能性があります。製商品の消費期限を規程で定めており、四半期毎に洗い替えを行い、期限切れの原料や製品については、評価損を原価計上しております。また、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、生産見込みあるいは出荷見込みがないと判断した数量の原料・資材及び製品の原価相当額を、当事業年度に評価損として、原価に見積り計上しております。評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ホ.返品廃棄損失引当金
当社は、出荷基準で売上高を計上し、原則返品等を行っておりません。ただし、製品リニューアルや諸般の事情により、販売会社に対し、製品交換という形での支援を行う場合があります。そのため、製品交換実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、返品廃棄損失引当金を原価に見積り計上しておりますが、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ヘ.賞与支給引当金
当社は、従業員に対する賞与支給に充てるため、当事業年度の業績を鑑み、支給見込額を算出しておりますが、実際の支給額が引当金と相違する可能性があります。
ト.株式給付引当金、役員株式給付引当金
当社は、第42期定時株主総会において承認されましたESOP制度(業績連動型株式報酬制度)に基づき、株主総会で承認されました計算式及び取締役会において定めた規程に基づき、株式給付引当金を計算しております。なお、計算式のもとになる金額は、本制度導入のために設定された信託口が取得した単価に、事業年度の業績によって計算される株数を掛けて算出しておりますが、実際に交付する株数は規程に基づき決定するため、前提となる受益者の人数が減少した場合等は、引当金を計算した株数と相違する可能性があります。
チ.退職給付引当金
当社は、退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用しております。そのため、運用資産の運用成果が財務諸表に反映する経費処理をしております。運用資産の運用成績は日々変動するため、退職給付引当金は実際の退職給付費用とは相違する可能性があります。
リ.販売促進費(キャンペーン等)、交際接待費
当社は、販売会社や販売組織に対し、様々なキャンペーンを行っておりますが、事業年度の売上等に起因する販促費等については、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、見積り費用計上しております。実際に支出される金額は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ヌ.貸倒引当金
当社の取引先である販売会社は財務基盤が脆弱なところも少なからず存在します。当社は、毎年の契約更新時に販売会社より決算報告書を受領し、販売会社の売上高の源泉である研修動員数等を加味した、与信額を算出しております。販売会社に対する売掛金及び貸付金の額に対し、個々の販売会社ごとに与信ランクを設定し、貸倒引当金を経費計上しております。
見積りにあたっては、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容と異なる可能性があります。
ル.繰延税金資産
税務会計と金融商品取引法下での企業会計との差異は次第に大きくなっております。当社は、課税所得の計算上の資産・負債と、貸借対照表上の資産・負債の計上額との一時差異に関して、法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。繰延税金資産の回収可能性を評価するに際しては、将来の課税所得を十分に検討し、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、実際の結果は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。また、将来の課税所得が予想を下回った場合には、繰延税金資産の修正が必要となる可能性があります。
②当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。
a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について
当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有化しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額を引いて算出いたします。
当事業年度における上代売上高は、当初200億円を目指しておりましたが、結果は82億円(前期は156億円)でした。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。
b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について
経営重要指標(KPI)として、棚卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。当事業年度におきましては、KPIの悪化が顕著でありました。棚卸資産回転期間については、平成30年3月期に積みあがった在庫の調整を行いましたが、当事業年度における売上高が大幅減収となったため、15.0ケ月(前期は13.4ケ月)と指標が悪化しました。自己資本比率につきましては、24.7%(前期は24.8%)とほぼ横ばいでした。これは、当事業年度における当期純損益が1,036百万円赤字になったこと並びに配当金の支払いがありましたが、総資産の圧縮に努めたことと平成30年12月にA種優先株式1,000百万円を発行したことにより、財務の健全性の維持に努めたことによるものです。売上高経常利益率につきましても、△31.1%(前期は2.8%)と悪化いたしました。これは、上記当期純損失を計上したことによるものです。今後については、悪化したKPIの数値をもとに戻せるように取り組んでまいります。
c.研修動員数
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当事業年度におきましては、理念研修としての「SA研修」の新規動員は1,695名(前期は1,975名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員は6,282名(前期は8,248名)と減少しました。売上高に結びつく重要な動員数は、少し懸念がある状況と考えております。今後については、研修開催数及び研修動員数をこまめに進捗確認を行い、動員数の回復を図ってまいります。
d.流通在庫
当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態が重要であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当事業年度におきましては、平成31年3月末時点で、平成30年3月末よりも流通在庫は減少していると推定しておりますが、まだやや多い水準と考えております。一方、販売組織の実売状況は、当社が収集している各種データから比較的好調に推移していると推定しており、過剰流通在庫については、一部販売会社を除き解消に向かいつつあるものと考えております。
e.資本の財源について
当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益準備金等によって構成されております。当事業年度におきましては、当期純損失を1,036百万円計上したこと、並びに配当金の支払いがありましたが、平成30年12月にA種優先株式1,000百万円を発行したことにより、当事業年度末の純資産は1,395百万円となりました。配当政策については、将来のビジネス環境の変動にもそなえるため、当面は内部留保を優先し、今後については、収益の状況を勘案しながら、利益還元を行う方針です。
f.資金の流動性について
資金の流動性については、当事業年度において、営業キャッシュフロー、財務キャッシュフロー、投資キャッシュフローともプラスとなり、当事業年度末の現預金残高も859百万円(前事業年度末比696百万円増)となりました。今後も仕入及び経費支出を抑え、手元流動資金をさらに積み増す方針でございます。当社といたしましては、当事業年度において悪化した財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。
(3)会社の経営に重要な影響を及ぼす重要事象等に対する分析・検討内容及び解消・改善するための対応策
当社は、事業等のリスクに記載のとおり、当事業年度におきまして、「売上高の著しい減少」「重要な営業損失、経常損失、当期純損失の計上」「新たな資金調達の困難性」「A種優先株式に対する配当の見送り」といった重要事象等が存在します。
売上高の著しい減少については、強化製品である「レッドパワー セラム」(対前事業年度比81.7%減)及び「ホワイトパワー セラム」(対前事業年度比86.2%減)の販売会社による在庫調整が主要因であり、当事業年度におけるレギュラー製品は対前事業年度比27.1%増と好調であるため、販売組織による顧客に対する販売状況は決して悪くないと考えております。そのため、今期における売上高の大幅な減少は一時的な要因であると考えておりますが、研修動員の強化、新製品の拡販施策、強化製品のキャンペーン施策などの販売支援を積極的に行い売上高の回復を図ってまいります。
また、販売会社等における流通在庫については、その状況の把握に努めるとともに、販売会社ごとに与信枠を設定する等により、販売組織において過剰在庫とならないように防止策を行ってまいります。
損益状況につきましても、販売会社が行う在庫調整の影響による一時的な売上高減少にも耐えられる収益構造とするために、経費の節減に努め、損益状況の改善を図ってまいります。
また、上記売上高減少への対応に加えて、財務面においても、平成30年12月25日にA種優先株式を1,000百万円発行し、自己資本の増強を行いました。財務の健全性を維持したことにより、コベナンツ等の条件付ではありますが、平成31年3月には長期借入金400百万円の借入を行うことができましたので、当事業年度末の現預金は859百万円あり、当社が考えている十分な運転資金を有しております。引き続き、在庫の削減と経費の削減を行い、キャッシュフローの改善に努めながら、負債削減にも努めてまいります。
配当については、A種優先株式、普通株式とも配当を見送っております。まずは毀損した自己資本の回復に努めてまりますが、販売組織における販売状況は決して悪くないことから、短い期間で収益力を回復出来ると考えております。
以上の必要な措置を講じることにより、今後も「健全な財務基盤」を回復できると考えておりますので、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。

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