有価証券報告書-第46期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

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2021/06/30 9:35
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文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当事業年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の新規感染者数が増加・減少を繰り返すなか、外出自粛や新たな生活様式の導入など行動変容せざるを得ず、厳しい状況となりましたが、感染動向が国内外経済や金融市場に及ぼす影響に注視しながら、社会経済活動のレベルを戻し、引き上げていく各種政策により、国内経済の持ち直しに期待が寄せられました。
当化粧品業界におきましては、令和2年の年間化粧品販売金額は前年比16.1%減の予測推移となりました。同感染症の流行による訪日観光客の減少によるインバウンド需要の減少、外出自粛や美容サロンの営業自粛を受けて需要獲得を目的としたイベントの中止や制限により、対面・提案型のタッチアップカウンセリングによる需要喚起が困難となり市場規模は縮小しました。
在宅時間の増加やマスク着用・手洗い徹底といった衛生習慣に加え、外出自粛期間と重なったホワイトニング市場の需要期において、外出頻度の減少に伴い紫外線対策への意識の低下がみられました。また、自身と向き合う時間も増え、気になる部分の肌ケアに意識が高まるなど、消費者が求める志向にも変化がみられました。
明確な機能訴求によってエイジング市場やホワイトニング市場の活性化が図られている昨今、加齢に伴う肌の悩みをもつ消費者は常に増加傾向にあり、美容セルフケア・ヘルスケアを行う意識の高まりとともに、自宅でも美容効果を得たいと考える消費者に対してライブコマースやデジタルカウンセリングによる需要喚起が活発化するなど、多様化したニーズに対応した高機能商品の展開や新たなニーズの取り込みが図られました。
訪問販売化粧品市場では、チャネルを横断した展開が拡大・加速し、企業間競争は激しさを増しております。近年の働き方改革の推進により、働く女性の増加傾向が続いていますが、人を介したサービスを機軸にする訪問販売業界では、中・高年齢層を中心とした需要へとシフトが進むなか、若年層の新規顧客獲得や販売員の獲得、インターネットを用いた情報収集によって気軽に購入するという消費者ニーズの変化に対応することが重要な成長課題となっております。各社の強みを活かしながら「職業としての販売員の魅力」や、「活動意欲を高める教育制度の点検・見直し・充実」を推進し、新たな顧客との接点拡大や愛用者増大に向けた組織づくりを進めています。物質的な豊かさより精神的な豊かさが求められる昨今の消費スタイルや、多様化する消費者層に対応するため、Webも活用した積極的なコミュニケーションで、身近な存在であり続け、柔軟性のあるサービスの構築・提供はもとより、訪問販売だからこそできる価値、すなわち誠実・信頼を顧客に提供し続けることが求められています。しかし、当事業年度においては、対面販売やタッチアップカウンセリングの縮小、サロンの休業等の影響を受け、本来、訪問販売が得意とする対面型接点が困難となり、市場は大幅な縮小となりました。
このような状況のもとで、当社は企業理念「愛と美と豊かさの実践と追求」に基づき、コア事業である訪問販売領域の販売組織満足を獲得するとともに、すべてのステークホルダーの満足度向上を目指し、企業活動に邁進してまいりました。
当事業年度は、「私はアイビー」という当社の訪問販売にかかわる方が、当社の目指す志や生き方を自身の生き方と捉えて誇りと喜びをもち、「日本の女性の肌を常に美しくし続けること」を全国の販売組織とともに共有し、取り組んでまいりました。
また、変えてはいけない当社の強みである「理念」、「チャレンジ基盤」、「独自価値」は残しつつ、時代の変化に対応して変えていく必要があるものは磨き直して、多くの方が自己の夢に向かって挑戦できる環境づくり、出会った誰もが成長できる会社、変化に対応できる財務体質への再編を目指して取り組んでまいりました。創業からの強みである「人間力」を武器に対面で語り、触れ合いながら、お互いに良い影響を与え合う“対人コミュニケーション活動”及び“同じ志を持つ仲間づくり”を適時、より良い方向を模索しながら推進してまいりましたが、思うように展開できない苦渋の年度でもありました。
当事業年度においては、ヘアケア「ヘアプライマリー」シリーズ、健康食品「クレアスパーク」、機能性表示食品「スリムケア プラス」(消費者庁届出番号:E521)、メークアップ「チュリエ」シリーズ、連続式電解水生成器「キレイオン」(医療機器製造販売認証番号225AGBZX00033A05)を発売し、顧客拡大、並びに顧客満足向上に努めてまいりました。
経営基盤強化につきましては、「経営の意思決定」、「有効戦略の選択と集中」、「特定製品の在庫対策」、「スピーディな成長支援」等の重要経営課題に対して、「経営会議」、「戦略統合会議」、「専任チームによる特命プロジェクト」で迅速解決に向けた社内体制の中で、審議・決裁及び実行してまいりました。
実務面においても機動的な資本政策、新規基剤の開発、及び製品開発の推進、製造原価の継続的低減活動、売上債権回収の促進、予実管理の徹底、及び固定費の圧縮、遊休資産の売却、コンプライアンスの継続強化、ISO品質マネジメントシステムの運用推進、人事評価方法の改定、労務関連法に沿った諸規程対応、社内決裁手続きのWeb化促進にも継続して取り組んでまいりました。
売上面におきましては、「基本の仕事の徹底」を年間テーマに、販売組織づくりの推進、稼働率の向上、及び教育機会や方法の見直しを年間通じて推進し、当社のフラッグシップ美容液の取り組み強化、アイビーファン拡大を展開してまいりましたが、対面での研修やセミナー、各種集合イベントなどの多くが開催中止、延期を余儀なくされ、当社の強みである「人間力」を活かした対面販売が制限されることになりました。その結果、販売組織拡大が鈍化しました。
一方、利益面におきましては、原価率は34.1%(前事業年度比6.3%増)となり売上総利益が10.4%減少しました。これは、家庭用複合美容器、連続式電解水生成器、健康食品、及びメークアップ等、原価率が高めの仕入製品が中心である新製品が計画した数量に近い金額を受注できた反面、「レッドパワー セラム」、「ホワイトパワー セラム」(医薬部外品)、及びレギュラー製品の予実の落ち込みや生産調整が原価率を押し上げた主な要因となっております。諸経費につきましては、経費使用方針に基づく予実管理を継続徹底した他、営業諸施策の見直しや旅費交通費、接待交際費が減少したこともあり、販売費及び一般管理費は前事業年度比で14.0%減と年間通して経費削減に努めてまいりました。また、政府支援保証等の利用、固定資産の売却、新株予約権の発行による資本性資金の調達により、経営安定化推進を図ってまいりました。
以上の結果、当事業年度の売上高は3,762,844千円(前事業年度比1.8%減)、営業利益は51,822千円(前事業年度54,912千円の損失)、経常利益は33,703千円(前事業年度比34.9%増)、当期純利益は税金費用を148,302千円(うち法人税等調整額129,525千円)計上した結果、3,771千円(前事業年度比91.8%減)となりました。
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、セグメン
ト別の記載を省略しておりますが、部門別の販売実績につきましては、次のとおりであります。
[化粧品部門]
イ.スキンケア
当社の強みである対面カウンセリング販売が大きく制限され、研修動員や新製品の拡販施策など、当初の販売計画と大きく乖離することになりました。また、販売会社の在庫調整が浸透美活液中心に行われました。その結果、スキンケア全体の売上高は1,973,681千円(同27.5%減)となりました。
ロ.メークアップ
「チュリエ」シリーズを2月に新発売し、顧客満足向上に努めました。その結果、売上高は432,291千円(同32.6%増)となりました。
ハ.ヘアケア
6月に、いつまでも美しくありたい女性に、ふさわしい頭皮と美髪アプローチへと導くヘアケアシリーズ 「ヘアプライマリー エクストラシャンプー」(医薬部外品)、「ヘアプライマリー エクストラコンディショナー」(医薬部外品)、「ヘアプライマリー エクストラシャンプー 詰替用」(医薬部外品)、「ヘアプライマリー エクストラコンディショナー 詰替用」(医薬部外品)、「ヘアプライマリー エクストラリペアミルク」を新発売し、年度内シリーズ合計198,000本超を出荷し好評を得ました。その結果、売上高は248,401千円(同73.3%増)となりました。
ニ.その他化粧品
新製品の発売はなく、売上高は41,594千円(同0.7%増)となりました。
以上、化粧品部門の売上高は2,695,967千円(同16.6%減)となりました。
[美容補助商品]
家庭用複合美容器「アイビー ビューティ パートナー」は7月の発売から、発売前先行本品も含めて7,165台を出荷し、美容液の販売強化と合わせてセルフケア製品として売上に貢献しました。
同7月に、運動のパフォーマンスをサポートしながら、健やかなからだづくりを応援する炭酸チュアブルタブレットの健康食品「クレアスパーク」を、3月には、ローズヒップ由来ティリロサイドを機能性関与成分として配合し、BMIが高めで体脂肪が気になる方を支援する機能性表示食品「スリムケア プラス」(消費者庁届出番号:E521)をそれぞれ新発売し、顧客満足向上、健康需要及び健康食品市場の拡販に努めてまいりました。
また同3月に、胃腸症状改善のための飲用アルカリ性電解水を生成、カラダのキレイをサポートする連続式電解水生成器「キレイオン」(医療機器製造販売認証番号225AGBZX00033A05)を新発売し、2,744台超を出荷しました。
その結果、美容補助商品全体の売上高は1,033,451千円(同84.0%増)となりました。
[化粧雑貨品等]
「チュリエ」シリーズの化粧用具等を含めた化粧雑貨品等につきましては、売上高は33,424千円(同14.4%減)となりました。
②財政状態の状況
(流動資産)
当事業年度末における流動資産の残高は2,850,291千円(前事業年度末は2,501,526千円)となり、前事業年度末に比べ348,764千円増加しました。これは主に、原材料及び貯蔵品が54,186千円減少したものの、投資不動産の売却等により現金及び預金が68,684千円増加したこと、売掛金が75,343千円、商品及び製品が161,668千円増加したことによるものです。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産の残高は1,865,168千円(同2,367,342千円)となり、前事業年度末に比べ502,173千円減少しました。これは主に、投資不動産318,011千円を売却したこと、減価償却費を105,739千円計上したこと、繰延税金資産が129,525千円減少したことによるものであります。
(繰延資産)
当事業年度末における繰延資産の残高は289千円(同2,594千円)となり、前事業年度末に比べ2,304千円減少しました。これは、社債発行費を2,304千円償却したことによります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債の残高は2,201,325千円(同2,091,797千円)となり、前事業年度末に比べ109,528千円増加しました。これは主に、短期借入金が296,396千円、一年内償還予定の社債が100,000千円減少したものの、支払手形及び買掛金が124,138千円増加したこと、未払法人税等が39,461千円増加したこと、その他が75,316千円増加したこと、株式給付引当金が43,671千円増加したことによるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債の残高は965,125千円(同1,278,153千円)となり、前事業年度末に比べ313,028千円減少しました。これは主に、定時返済などで社債が276,000千円、長期借入金が32,012千円減少したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は1,549,299千円(同1,501,513千円)となり、前事業年度末に比べ47,785千円増加しました。これは主に当期純利益を3,771千円計上したこと、自己株式を94,309千円処分したことによるものです。この結果、自己資本比率は、32.7%(同30.8%)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、社債の償還による支出、短期借入金の減少、長期借入金の返済による支出等があるものの、投資不動産の売却による収入、長期借入れによる収入、仕入債務の増加等により、前事業年度末に比べ68,684千円増加し、当事業年度末には113,430千円となりました。
また当事業年度における各キャッシュ・フローは次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において営業活動の結果得られた資金は427,020千円(前年同期比392,092千円増)となりました。
これは主に投資不動産売却益131,666千円等があるものの、税引前当期純利益152,073千円、仕入債務の増加額124,138千円、減価償却費105,739千円、未払消費税等の増加額85,096千円、賞与引当金の増加額61,500千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において投資活動の結果得られた資金は330,370千円(同306,705千円増)となりました。
これは主に有形固定資産の取得による支出48,802千円等があるものの、投資不動産の売却による収入353,420千円、貸付金の回収による収入16,045千円、投資有価証券の売却による収入8,582千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度において財務活動の結果使用した資金は693,392千円(同180,002千円減)となりました。
これは主に長期借入れによる収入200,000千円、新株予約権の行使による株式の発行による収入30,000千円等があるものの、社債の償還による支出376,000千円、短期借入金の純減額322,896千円、長期借入金の返済による支出228,004千円等があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、生産実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の生産実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
スキンケア1,948,431123.0
メークアップ598,989183.9
ヘアケア232,733148.8
その他37,16385.8
合計2,817,317133.5

(注) 1.金額は、販売価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、商品仕入実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の商品仕入実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
美容補助商品637,156236.7
化粧雑貨品等22,53195.8
合計659,687225.4

(注) 1.金額は、仕入価格で表示しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当事業年度において、商品仕入実績に著しい変動がありました。これは、美容補助商品で「アイビー ビューティ パートナー」等の新製品が販売され、その売上が堅調に推移したことによります。
c.受注実績
当社は受注生産を行っておりませんので、該当事項はありません。
d.販売実績
当社は化粧品の専門メーカーとして、同一セグメントに属する化粧品の製造、販売を行っているため、販売実績のセグメント情報の記載は省略しております。
当事業年度の販売実績を品目別に示すと、次のとおりであります。
品目別当事業年度
(自 令和2年4月1日
至 令和3年3月31日)
前年同期比(%)
金額(千円)
スキンケア1,973,68172.5
メークアップ432,291132.6
ヘアケア248,401173.3
その他41,594100.7
化粧品合計2,695,96783.4
美容補助商品1,033,451184.0
化粧雑貨品等33,42485.6
合計3,762,84498.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の当事業年度の経営成績等は、上記記載のとおりですが、経営者が判断している重要な指標等につきまして、補足いたします。
a.上代売上(小売価格ベース)と下代売上(会計上の売上)の関連性について
当社は、売上に対する利益のレバレッジが高いという特徴を持っているため、目標売上高の達成を最重要視しております。当社は、販売会社と小売価格ベースである上代売上で目標を共有化しております。通常、上代売上に対する商品売上(下代売上)の平均掛率は36~40%です。この掛率は、販売契約で定めておりますので、大きく変動することは少ないですが、総じて上代売上高の好調な時は低く、上代売上高が不調な時は高くなる傾向があります。また、通常掛率を適用しないエイド品の場合には、製品ごとに下代価格を定めており、エイド品の売上比率が高い場合には、上代売上金額に対する下代売上金額は高くなる傾向かあります。さらに、会計上の売上は、商品売上(下代売上)から売上割戻額「販社リファンド」を引いて算出いたします。
当事業年度における上代売上高は、当初110億円を目指しておりましたが、結果は87億円(前期は98億円)でした。当社としては、上代売上目標を販売組織とともに達成することを最重要視しております。
b.経営重要指標(KPI;Key Performance Indicator)について
経営重要指標(KPI)として、たな卸資産回転期間、自己資本比率、売上高経常利益率を経営状況のバランスを測る指標としております。
たな卸資産回転期間については、9.9ケ月(前期12.3ケ月、前々期は15.0ケ月)と指標が改善しました。ただし、当事業年度においては、在庫の仕入金額が増加しており、売上原価が高かったことにより、たな卸資産回転期間が低下したことによるものです。引き続き、正常な水準(目標6.0ケ月)に戻せるように取り組んでまいります。
自己資本比率につきましては、32.7%(前期30.8%、前々期は24.7%)と改善しました。これは、以下の対応を行ったことにより、財務の健全性の維持に努めたことによるものです。当事業年度における当期純利益3百万円を計上し、株式給付制度の交付を行ったこと、及び新株予約権を発行し、その一部が行使されたことにより自己株式が減少し、純資産が47百万円増加しました。また、投資不動産と投資有価証券、土地を売却する等を行い、総資産の圧縮に努めました。引き続き、正常な水準(目標60.0%)に戻せるように取り組んでまいります。
売上高経常利益率につきましても、0.9%(前期は0.6%、前々期は△31.1%)と改善いたしました。これは、経常利益33百万円を計上したことによるものです。今後については、引き続きKPIの数値を正常な水準(目標15.0%)に戻せるように取り組んでまいります。
c.研修動員数
当社の経営成績に重要な影響を与える要因の一つとして、販売組織における研修動員数が重要であると考えております。当事業年度におきましては、新型コロナ感染症の流行により、多くの研修が多くは中止・延期を余儀なくされました。
理念研修としての「SA研修」の新規動員は649名(前期は1,334名)、美容研修としての「美容教室」の新規動員2,378名(前期は5,517名)と減少しました。今後については、新型コロナウイルスに対する罹患防止対策を行いながら、新型コロナウイルス感染症の収束にともない、動員数の回復を図ってまいります。
d.流通在庫
当社の経営成績に重要な影響を与えるもう一つの要因としては、販売会社の経営状態が重要であると考えております。販売組織における流通在庫は、ヒアリングにより大まかな把握を行っております。当事業年度におきましては、令和3年3月末時点で、令和2年3月末よりも流通在庫は減少していると推定しております。各種データからも一部過剰な販売会社や製品はあるものの、流通在庫はほぼ適正水準に収れんしており、ここ近年続いていた在庫調整は終わったと考えております。一方、販売組織の実売状況は、当社が収集している各種データから、直近の状況でコロナ禍にもかかわらず増収で推移しております。過剰流通在庫については、一部販売会社を除き、解消したと考えております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社のが判断しているキャッシュフローの状況につきまして、補足いたします。
a.キャッシュフロー分析
当事業年度において、営業キャッシュ・フロー、投資キャッシュ・フローはプラスとなったものの、財務キャッシュ・フローがマイナスとなり、当事業年度末の現預金残高は113百万円(前事業年度末比68百万円増)となりました。今後については、売上高を上げるとともに、仕入及び経費支出を抑え、手元流動資金を積み増す方針でございます。当社といたしましては、引き続き財務内容の改善に全力で取り組んでまいります。
b.資本の財源について
当社の資本の財源については、資本金、資本剰余金及び利益準備金等によって構成されております。当事業年度におきましては、当期純利益を3百万円計上したこと、株式報酬制度の交付により自己株式が減少したこと、新株予約権を令和2年11月に発行し、その一部が行使されたことにより、当事業年度末の純資産は1,549百万円となりました。配当政策については、将来のビジネス環境の変動にもそなえるため、当面は内部留保を優先し、今後については、収益の状況を勘案しながら、利益還元を行う方針です。
c.資金の流動性について
当社は、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入(社債含む)により資金調達することとしております。当社の運転資金は季節変動が大きく、3月頃及び9月頃に手元流動性が低くなる傾向があります。この時期に必要な現預金を運転資金として保持できるように努めてまいります。また、当事業年度末においてまだ在庫が多い状態と認識しており、売上を上げるとともに、仕入及び経費支出を抑制することにより手元資金を生み出し、内部留保した利益と合わせて、負債の削減を行う予定です。
また、令和2年11月に発行しました新株予約権につきましては、その一部は行使されたものの、その行使は株価の動きに左右されるため、業績を上げるように努めてまいります。
平成30年12月に発行したA種優先株式1,000百万円については、当社の財務数値が健全化されるまでは、取得条項を行使しない予定です。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成しております。財務諸表の作成にあたり、当社は期末日における資産及び負債、当事業年度における収益及び費用に影響を及ぼすような見積りを行う場合があります。これらの見積りについて、当社は過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り内容が実際の結果と異なる可能性があります。なお、見積りにあたっては、保守主義の原則にそって判断をするようにしております。
イ.売上割戻し(販社リファンド等)
当社の取引先である販売会社とは、独自の販売システムに基づく販売契約を締結しております。販売システムにおいて、「販売会社が販売会社を産んで育てる」という育成の仕組みを具現化しております。子販社を産んだ親販社に対しまして、親販社自身の仕入実績に係る当社への入金金額に対し、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。
「販社リファンド」は、支払対象の販社の仕入が大きい時に多く、支払対象の販社の仕入が小さい時には少なくなるため、月次及び年度による金額は大きく変動いたします。また、当該キャッシュバックの予定金額については、売上割戻として売上高より控除しておりますが、入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ロ.経営指導料
当社は、子販社を産んだ親販社に対しまして、子販社等の仕入実績に対する入金金額に対し、「経営指導料」として、販売契約で定めた掛率を掛けてキャッシュバックを行っております。当該キャッシュバックの予定金額については、販売促進費として経費計上しておりますが、子販社等の入金額等の条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ハ.売上控除
当社は出荷基準を採用しております。一方、当社の取引先である販売会社は財務基盤が脆弱なところも少なからず存在します。当社が販売会社の仕入代金に係る財務支援を行った場合に、当該販売会社に対する売上の一部について、出荷基準で計上した売上を控除し、入金基準により、売上に計上する場合がございます。一方、控除した売上高に対応した売掛金が入金された場合には、当該売掛金入金額を売上高に計上しております。
ニ.たな卸資産評価損
当社は、製品及び原料・資材の廃棄を極小になるように、生産会議等で仕入・生産のコントロールを行っております。ただし、売上予測に基づく見込み生産のため、実際の販売数と生産数の相違が出る可能性があります。製商品の消費期限を規程で定めており、四半期毎に洗い替えを行い、期限切れの原料や製品については、評価損を原価計上しております。また、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、生産見込みあるいは出荷見込みがないと判断した数量の原料・資材及び製品の原価相当額を、当事業年度に評価損として、原価に見積り計上しております。評価損の見積りにあたっては、過去の出荷実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で判断しておりますが、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
たな卸資産の計上額は、在庫原価から「評価損」を(収益性の低下に伴う簿価切下)差し引いた金額です。また翌事業年度以降の数年間における出荷予測数とたな卸資産の品質期限とを照らし合わせて、出荷見込みの低いたな卸資産の金額を「評価損」として算出しており、「評価損」の金額は売上原価に含まれております。
当社の取引先である販売会社については、全販売会社から決算報告書を入手しており、その売上原価合計は50億円を超えておりますが、当社の近年における売上高との差異は流通在庫調整によるものです。また、販売会社の在庫状況についても、各種データやヒアリングにより確認しており、その在庫状況は一部の販売会社を除き、令和2年9月頃に適正水準に収れんしたと推測しております。製品ごとの出荷予測数値は、過去数年の出荷数と上記流通在庫の状況を考慮し、今後も販売会社の売上高が過去のトレンドで推移すると仮定し、算出しております。
当社は、現状の在庫評価基準に基づく「評価損」を差し引いたたな卸資産計上額が適正であると考えておりますが、化粧品市場におけるマーケットの変化や経済情勢の変化等により、たな卸資産の「評価損」と将来における廃棄金額が相違する可能性があります。
ホ.返品廃棄損失引当金
当社は、出荷基準で売上高を計上し、原則返品等を行っておりません。ただし、製品リニューアルや諸般の事情により、販売会社に対し、製品交換という形での支援を行う場合があります。そのため、製品交換実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、返品廃棄損失引当金を原価に見積り計上しておりますが、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ヘ.賞与支給引当金
当社は、従業員に対する賞与支給に充てるため、当事業年度の業績を鑑み、支給見込額を算出しておりますが、実際の支給額が引当金と相違する可能性があります。
ト.株式給付引当金、役員株式給付引当金
当社は、第42期定時株主総会において承認されましたESOP制度(業績連動型株式報酬制度)に基づき、株主総会で承認されました計算式及び取締役会において定めた規程に基づき、株式給付引当金を計算しております。なお、計算式のもとになる金額は、本制度導入のために設定された信託口が取得した単価に、事業年度の業績によって計算される株数を掛けて算出しておりますが、実際に交付する株数は規程に基づき決定するため、前提となる受益者の人数が減少した場合等は、引当金を計算した株数と相違する可能性があります。
チ.退職給付引当金
当社は、退職給付債務の算定にあたり、簡便法を採用しております。そのため、運用資産の運用成果が財務諸表に反映する経費処理をしております。運用資産の運用成績は日々変動するため、退職給付引当金は実際の退職給付費用とは相違する可能性があります。
リ.販売促進費(キャンペーン等)、交際接待費
当社は、販売会社や販売組織に対し、様々なキャンペーンを行っておりますが、事業年度の売上等に起因する販促費等については、過去の実績やその時点で入手可能な情報等を基に、合理的と考えられる様々な要因を考慮した上で、見積り費用計上しております。実際に支出される金額は、見積り根拠となる仮定又は条件等の変化により、見積り金額が実際の結果と異なる可能性があります。
ヌ.貸倒引当金
当社の取引先である販売会社は財務基盤が脆弱なところも少なからず存在します。貸倒引当金については、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、各取引先の債権については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。当社は全販売会社に決算書の提出を求めており、各販売会社の決算数字及び研修動員などの活動状況及び各販売会社からの入金実績や経営状況のヒアリングを通じて与信ランクを作成しており、そのデータに基づき算出しております。
当社は、現状の貸倒引当金計上額で、当社が認識しうる信用リスクから発生する可能性のある損失を適切に見積もっていると考えておりますが、貸倒引当金の見積りは基本的に過去のデータにより計算しているため、将来見込等の要素も加えているものの急激な経済金融情勢の変化等により、実際の貸倒損失が引当金計上額と相違する可能性があります。
ル.繰延税金資産
税務会計と金融商品取引法下での企業会計との差異は次第に大きくなっております。当社は、課税所得の計算上の資産・負債と、貸借対照表上の資産・負債の計上額との一時差異に関して、法定実効税率を用いて繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。
当事業年度の財務諸表に計上した金額の算出方法については、繰延税金資産の回収可能性を、将来の企業の収益力に基づく一時差異等加減算前課税所得等に基づいて判断することとしております。当事業年度においては、繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針における課税所得見通しの分類4に該当致しますが、将来においておおむね3年から5年程度は一時差異等加減算前課税所得が生じることを合理的な根拠をもって説明することが出来ますので、分類3の基準で計上しております。
新型コロナウイルス感染症は年度内で次第に収束すると仮定し、翌5年間の課税所得見通し合計額を見積もっておりましたが、当事業年度において、『新型コロナウイルスの変異により、向こう数年間は新型コロナウイルスの影響は避けられない』と前提を変更致しました。具体的な影響としては、各種研修の開催や動員に制約が続き、新規販売員及び新規顧客の獲得に苦戦すると想定し、翌5年間の課税所得見通し合計額を変更致しました。
なお、上記課税所得見通しについては、保守的に算出しており、当社の売上利益計画とは異なります。
将来において当社の経営成績が大きく変動する場合、当社の税区分が変更される場合、税制が変更される場合、あるいは繰延税金資産についての会計規則等が変更される場合には、将来における一時差異の解消金額や繰延税金資産の計上額が変動する可能性があります。

IRBANK 採用情報

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  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
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