有価証券報告書-第34期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/23 12:59
【資料】
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【項目】
125項目

研究開発活動

当企業集団の研究開発活動は、当社および連結子会社が行っております。連結子会社である㈱アテニアにつきましては、同社の商品企画に基づく研究開発業務を当社が有償で受託しております。
当企業集団は、当社総合研究所において、化粧品、栄養補助食品、発芽米および青汁に係る基盤技術研究ならびに製品開発研究活動を通じて、「安心・安全」を軸とした安全性・機能性研究を推進し、科学的根拠に基づいた製品開発を行っております。また、相談窓口に直接寄せられるお客様の「声」を集積し分析した「ヤッホーシステム」を製品開発に活かすとともに、国内外の多くの研究機関との共同研究や産官学連携事業への参画など、幅広い研究開発活動を行っております。研究者は、農学、薬学、理学など博士号取得者を含む総勢150名体制となっており、今後とも増員を含む研究開発体制の強化を図ってまいります。
当連結会計年度における研究開発関連費用の総額は2,428百万円であり、セグメントごとの研究開発活動を示すと次のとおりであります。
(1) 化粧品関連事業
ファンケル化粧品およびアテニア化粧品の製品開発において、素材探索研究から安全性や有効性の研究、処方開発、容器開発など広範な領域における研究開発を行っております。
ファンケル化粧品では、創業以来続けてきた肌トラブルを起こさないための無添加研究をさらに一歩進め、生涯にわたって積極的に素肌美を創り出し、持続させるための研究へと進化し続けております。
当連結会計年度においては、紫外線や化粧品添加物などの「肌ストレス」の影響による肌機能低下に関する研究や、素肌の美しさを高めるための研究の結果、角層のタンパク質を解析することで自分の肌のエイジングリスクが分かる「角層バイオマーカー測定技術」を世界に先駆けて独自に開発しました。また、この技術を応用したカウンセリングサービスを平成25年10月よりファンケル銀座スクエア「ファンケル 未来肌研究室」で開始し、シミやシワなどの肌のエイジングリスクを解析、予測し、スキンケアや生活習慣に活かせるアドバイスを行っています。これら解析の指標となる角層バイオマーカーに関する研究データについては、平成25年6月の第112回日本皮膚科学会総会において発表いたしました。
また、製品開発では当社の主力製品である「洗顔パウダー」および「マイルドクレンジングオイル」をリニューアル発売しました。「洗顔パウダー」は、スピーディに濃密な泡が立つ新技術を開発し、肌のうるおい保持効果とスキンケアの浸透効果を高めました。「マイルドクレンジングオイル」は、ウォータープルーフのマスカラやアイライナーなど、落ちにくいメイクもスピーディにすっきり落とすクレンジング機能を強化したほか、これまで以上に肌をこすらずにするんとメイクを落とす機能を強化しました。
アテニア化粧品においては、くすみの原因であるメラニンに多方面からアプローチし、明るく透明感のある色白肌に導く薬用美白化粧水「ホワイトニング クリアローション」をリニューアル発売しました。肌に潜む「点在メラニン」「面在メラニン」「深在メラニン」に着目し多面的・持続的にケアします。また、夜の美白リズムに着目した夜用集中薬用美白美容液「ナイトホワイトCC」を機能アップし、リニューアル発売しました。肌の奥底で凝り固まったメラニンにアプローチし、輝くような透白肌へ導きます。
当事業における研究開発関連費用は1,380百万円であります。
(2) 栄養補助食品関連事業
健康事業の開発コンセプト「体内効率」の考え方に基づき、摂取後に体内で効率よく効果を発揮するように成分の性質を一つひとつ見極め、「①吸収性の向上:機能成分をより多く、②持続性の向上:体内でより長く、③機能性の促進:より強く」の3点を軸に技術開発および製品設計、開発を行っております。
また、お客様一人ひとりが年齢を気にすることなく、心身ともにすこやかに生きていく(=Good Aging)をかなえるための様々な研究を行っており、当連結会計年度においては、全国で推定280万人にもおよぶ腰痛に悩む方に向けた、体の“重さ”や“固まり”の根本原因にアプローチする新発想のサプリメント「コシラックス」を開発いたしました。普段から腰痛を自覚する成人男女79名を対象に8週間連続で摂取し、痛みの測定法による腰痛の評価を行った結果、腰痛の諸症状の緩和効果が確認されました。この研究結果は平成25年9月に第68回日本体力医学会大会において発表いたしました。
また、発芽玄米の研究から発見された希少成分「PSG」の機能についてさらに研究を進め、動脈硬化のリスクを持つと考えられる日本人男性を対象に検証を行った結果、血中LDLコレステロールおよび血中nonHDLコレステロールの値が低下し、動脈硬化のリスク低減に寄与する可能性が示唆されました。この研究結果は、平成25年12月の第16回日本補完代替医療学会学術集会において発表いたしました。
当事業における研究開発関連費用は847百万円であります。
(3) その他
「毎日の食卓から健康を支える」をコンセプトに、発芽米や青汁製品に加え、普段の食事に取り入れられるサプリメント機能を持った高機能な健康ケア食品の製品開発を強化しております。
当連結会計年度におきましては、発芽米関連製品では、ヘルシーながらも食べごたえと美味しさを追求した「発芽米スープごはん 鮭と野菜の塩麹仕立て」や、発芽玄米と野菜の栄養を手軽に摂取できる「スープで食べる 発芽米パスタ」、北海道産ゆめぴりかを使用した発芽米などを開発いたしました。青汁関連製品では、冬季に1食分の緑黄色野菜量が摂れる青汁をあたたかくして飲みたいというニーズにお応えした「本搾り青汁 こだわりポタージュ」、ココアとイソフラボンを含む豆乳パウダーを青汁と組み合わせ、大人の女性の健康と美容にアプローチする「本搾り青汁 リッチココア」などを開発いたしました。
さらに健康ケア食品として、お腹の調子が気になる方だけでなく、効率的な骨と筋肉づくりにアプローチする高機能ヨーグルト「サプリメント会社がつくったヨーグルト」を蒜山酪農農業協同組合と共同開発いたしました。
当事業における研究開発関連費用は200百万円であります。