有価証券報告書-第137期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

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2016/06/29 15:17
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コーポレート・ガバナンスの状況

(1) 【コーポレート・ガバナンスの状況】
基本的な考え方と現在の体制を採用している理由
企業の存続と価値の向上におけるコーポレート・ガバナンスの重要性については、当社においても認識しており、当社の規模や事業の性質に適応した形で、業務の効率性・透明性・公正性において適正性を高め、株主を始めとするステークホルダー全般の信頼に応えつつ、企業価値の持続的な向上を目標とするとの基本的な考え方の下に、コーポレート・ガバナンス体制の強化に努めております。
当社は、当社の事業環境、経営、企業会計について、十分な見識を有する社外取締役及び社外監査役をメンバーに加え、かつ、法令、定款、コーポレート・ガバナンス・コード等に適合した規定類に則して取締役会、監査役会等を運営することで、迅速な意思決定と業務執行への充分な監督、並びに投資家に対する透明性を確保することができると考え、現在の体制を採用しております。
① 会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況等
当社は監査役制度を採用しております。また、当社の規模等に鑑み取締役9名及び監査役3名を選任しております。
そのうち、社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。
なお、平成28年6月29日開催の第137回定時株主総会において決議がなされ、提出日現在において社外取締役2名、社外監査役2名となっております。
取締役会は原則月1回定期的に開催しており、全監査役も出席しております。取締役は経営及び内部統制の基本方針に基づき、また法令及び定款に違反なきよう審議しております。職責が異なる取締役と監査役は、それぞれの立場から経営のチェックを行っております。
会社の機関・内部統制の関係を図表すると次のとおりであります。

会計監査人については、平成28年6月29日開催の第137回定時株主総会にて新日本有限責任監査法人が留任いたしましたので、これより監査契約を結び、以前と同様に正しい経営情報を提供し、公正不偏な立場から監査が実施される環境を整備する予定であります。
顧問弁護士には、法律上の判断を必要とする場合に適時アドバイスを受けております。
当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。
当社は、社外取締役及び社外監査役を選任するための基準及び独立性の基準を定め、それに基づいて株主総会において選任された社外取締役及び社外監査役は、当社の事業への理解の深さ、これまでの経験と実績を活かし、役員による相互監視や法令及び定款に基づく社内規定に則した意思決定の徹底等と併せて、当社の意思決定の妥当性、公正性、透明性の向上に寄与していると当社は考えております。
なお、当社における社外役員及び独立役員の選定基準の概要については、以下のとおりであります。
(社外役員選定基準)
・企業経営、または会計監査など専門的分野において、広い見識と十分な経験を有していること。
・当社の業務を理解し、当社の意思決定や業務執行に関する客観的かつ経験に根差したご意見をいただけること。
・親会社等の取締役、執行役等会社法における社外役員欠格者でないこと。
(独立役員選定基準)
・議決権10%以上(含間接保有)を保有している大株主である会社の取締役、監査役等(これらの配偶者または二親等内の親族もしくは同居の親族を含む、以下同じ。)でないこと。
・重要な取引関係(当社連結売上高の2%以上の取引が当社及び当社子会社との間にある場合をいう)のある企業の業務執行にあたる取締役等でないこと。
・主要借入先の取締役、監査役等でないこと。
・当社グループとの間に取締役、監査役等の相互就任の関係がないこと。
・自己または所属法人等が役員報酬以外に当社から多額(年額10百万円以上)の報酬を得ていないこと。
・過去3年間、以上の基準を満たしていること。
・当社の社外役員としての要件及び東京証券取引所が定める独立性の要件を満たしていること。
社外取締役、社外監査役は取締役会及び監査役会において情報を共有してその監督や監査の精度をより高めるとともに、社外監査役は、内部監査室や会計監査人と監査情報を共有して、監査役監査の向上に努めております。また、内部監査室が子会社を含む当社グループ全部門に対して定期的に実施している内部監査に関する報告書は、社長及び監査役に対して提出しております。
② 内部統制に関する基本的な考え方及びその整備状況
内部統制システムは、企業の存続と価値の向上に重要であり、当社グループの状況に則して、業務の効率性・透明性・公正性において適切なシステムの構築と運用に努めており、現在の当社グループの内部統制システムの状況は以下のとおりであります。
イ 取締役及び使用人の職務が効率的に行われることを確保するための体制及び当社及び子会社から成る企業集団の業務の適正を確保するための体制
a.効率的な事業体制
妥当性、透明性、公正性を確保しつつ、意思決定における積極的なリスクテイクと効率的で適正な業務執行を可能とするため、当社グループの業務の執行にあたっては、内部統制の基本方針に基づいて予め定められた職務権限及び妥当な意思決定ルールを規定して各部門(グループ会社含む。)に権限を委譲し、各責任者は、その権限に基づき、取締役会で決定した内部統制の基本方針、経営方針及び計画等に従って事業計画を策定し実施します。
業務執行にあたって生じる設備投資・要員の異動については、取締役会で決定した基本方針に基づいて、常勤取締役と重要な各部門の責任者が構成する経営会議において、取締役会で決定した内部統制の基本方針、経営方針及び計画等に則し、全社的な観点から詳細かつ充分に検討して決定します。
目標を明確にし、効率のよい事業運営を行うため、予算管理規定に基づき全社及び各事業の年度予算を定め、それに基づいた業績管理を徹底しており、経営幹部会(月次)、事業ヒアリング(四半期)での報告を通じて、常時、状況を把握し、必要な修正を加えます。
b.妥当性、透明性、公正性を確保しつつ、意思決定における積極的なリスクテイクと効率的で適正な業務執行を可能とする体制
・取締役会等における付議事項(決議事項及び報告事項)、職務権限と業務分掌の明確化を行う。
・取締役の業務執行におけるインセンティブとして、業務執行取締役に業績連動報酬制を適用し、さらに、中長期的な報酬として、業績連動報酬の一定割合を株式取得目的報酬として位置づけ、定時定型累積投資方式による自己株式の買付けに充当する。
・業務執行取締役の業績評価、報酬決定、候補指名等、特に妥当性、透明性、公正性に配慮する必要がある事項の決定に際しては、独立社外取締役及び独立社外監査役(以下、独立役員という。)へ諮問、協議する。
・取締役会の有効性について独立役員による定期的な評価を行う。
・社外取締役に対し、本方針において社外監査役の定めるところに準じて、適切な職務執行に必要な体制を整備し、支援を行う。
ロ 資産の保全が適性に行われるための体制
当社グループにおける資産の取得、使用及び処分は、当社及びグループ会社の社内規定に定める手続及び承認の下に実施されております。また、適切なリスク管理によって顕在化した、または、予見される損失に対して、資産への影響を限定しております。
ハ 情報の保存及び管理に関する体制
当社グループにおける取締役の職務執行に係る情報(電子情報を含む。)の保存及び管理は、社内規定に定められた方法で行います。
ニ 損失の危険の管理に係る体制
当社グループでは、事業リスク、災害リスク、品質・環境リスク、安全衛生リスク、不正リスク等リスクの種類に応じて設ける管掌部門及び専門委員会がリスクを内包する部門と協力してリスクの継続的な識別、分析、評価、対応策の検討及び検証を行うほか、グループ全体にかかる重要なリスクの継続的な識別、分析、評価、対応策の検討及び検証をリスクマネジメント委員会の管理下において、リスク管理をグループ横断的かつ統合的に行っております。
ホ 取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
当社グループは、「FUJIKURA COMPOSITES 行動規範」を制定し、コンプライアンス推進委員会を設けてコンプライアンス推進にあたるほか、監査役・内部監査室が法令・定款等社内規定に基づいてモニタリングしております。また、内部通報制度を充実させ、外部の弁護士事務所に加え、社長・監査役・内部監査室長・管理本部長・コンプライアンス推進委員長等、複数の社内情報受付窓口を設置して、グループ内の社員(派遣社員も含む)からの情報提供を受付け、トップダウン型で迅速な問題解決を図る体制を構築しております。
ヘ 財務報告の信頼性を確保するための体制
内部統制室を設置し、当社グループの内部統制の整備と運用を統一的かつ網羅的に進め、企業会計審議会の財務報告に係る内部統制実施基準の定めるところに沿って体制を構築しております。
ト 監査役を補助する使用人に関する体制
監査役は、管理本部の所属員に監査役の事務を補助させることができ、また、その職務に必要な場合、取締役から独立して監査役の指揮下で監査業務の補助を行うための補助者を要請できることとしております。
チ 前項の使用人の取締役会からの独立性に関する事項
前項の補助者の選任・解任・処遇の変更等は、補助者を要請した監査役と協議の上、決定します。
リ 監査役を補助する使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
選任された補助者は、補助者を要請した監査役の直接の指揮下に置き、その指示によりその職務を行います。
ヌ 取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制及び子会社の取締役、監査役、使用人から報告を受けた者が監査役に報告するための体制
監査役は取締役会その他重要な会議に出席し、当社及びグループ会社の取締役及び重要な使用人から事業に影響する重要事項について報告を受けます。取締役及び使用人は、監査役の要請に応じて、経営上の重要事項の報告を行います。
また、内部通報規程において、通報内容と調査結果の監査役への報告が規定されているほか、窓口として直接情報提供を受け、自ら、調査し、取締役会規程に基づき、取締役会へ報告、是正措置を勧告できる体制となっております。
ル 前項で報告した者が、報告したことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
内部通報規程における通報者保護に準じて取り扱います。
ヲ 監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
当社においては、監査役の請求に基づき、費用及び債務の全額を負担します。
ワ その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役は、代表取締役及び会計監査人と定期的な会合を持ち意見交換を行うほか、必要に応じてグループ会社を含む当該責任者等に直接ヒアリングを行う等、監査の強化を図っております。また、必要に応じて、会計監査人、内部監査部門、その他外部の専門家と連携して情報の収集と監査内容の充実に努めます。
カ 反社会的勢力排除に係る体制
当社は、自らの企業価値を守り、当社の社会的責任を果たす観点から反社会的勢力との関係遮断を「FUJIKURA COMPOSITES 行動規範」に規定し、人事総務部を対応統括部署として、地域の警察及び警視庁管内特殊暴力防止対策連合会等の機関と連絡を取りながら、従業員への研修、契約書モデルへの反社会的勢力排除条項の追加等、被害予防体制の強化を進めております。
③ 役員報酬等
イ 役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額及び対象となる役員の員数
役員区分報酬等の総額
(千円)
報酬等の種類別の総額(千円)対象となる
役員の員数
(人)
基本報酬賞与退任慰労金
取締役
(社外取締役を除く。)
134,791134,7919
監査役
(社外監査役を除く。)
16,02016,0201
社外役員11,47511,4754

ロ 連結報酬等の総額が1億円以上である者の連結報酬等の総額等
連結報酬等の総額が1億円以上である者が存在しないため、記載しておりません。
ハ 役員の報酬等の額又はその算定方法の決定に関する方針の内容及び決定方法
役員報酬につきましては、株主総会で決定された内容及び社内規定に則して取締役社長が原案を作成し、取締役会で審議決定することとしております。当社は、取締役のインセンティブの向上を目的として、役員の賞与及び退任慰労金を廃止して年度報酬に一本化し、社外取締役を除く取締役に対して、経常利益目標に対する達成の度合いに応じて、株主総会で決議された報酬額の範囲内で報酬の一部を増減させる利益連動型報酬制度を採用すると同時に、株式価値の向上について投資家と一体感を保ち、報酬と株価を連動させることを目的として、報酬の一部を株式取得目的報酬として「役員るいとう」による株式取得に充当しております。
④ 内部監査及び監査役監査、会計監査の状況
・常勤監査役は社内の重要な会議に出席し、経営執行状況を監視しております。
・独立した内部監査室(5名)が、当社グループの全部門に対して、定期的な内部監査を実施しております。
・内部監査室は監査役及び会計監査人と常時密接に連絡を取って監査にあたっているほか、監査役と内部監査室は互いの監査状況について適宜情報を交換しております。また、内部監査室が子会社を含む当社グループ全部門に対して定期的に実施している内部監査に関する報告書は、取締役社長及び監査役に対して提出しております。
・会計監査人と監査役及び取締役社長との定期的なミーティングを行い、監査チェックの強化を図っております。
⑤ 会計監査の状況
当社の公認会計士は新日本有限責任監査法人に属しており、業務を執行した公認会計士の氏名及び継続監査年数は下表のとおりであります。
公認会計士氏名継続監査年数
栗原 学7年
伊藤 正広1年

なお、監査業務にあたる補助者の構成は公認会計士11名、その他9名となっております。
⑥ 会社と会社の社外取締役及び社外監査役の人的関係、資本的関係または取引関係その他の利害関係の概要
当社の社外取締役は2名、社外監査役は2名であります。
社外取締役村田一氏は、村田経営サポートオフィスの代表者であります。同氏と当社との間に人的関係、資本的関係または取引関係その他利害関係はありません。
社外取締役宮城秋男氏は、株式会社フジクラの特別顧問であります。同社と当社はお互いに出資しあうとともに、製品売買の一般的商取引があります。
社外監査役長谷川嘉昭氏は、藤倉化成株式会社の取締役相談役であります。同社と当社はお互いに出資しあうとともに、同氏は当社に出資しており、所有株式数は20,000株であります。また、同社と当社との間には、製品売買の一般的商取引があります。
社外監査役細井和昭氏は、公認会計士の資格を有する者であります。同氏と当社との間に人的関係、資本的関係または取引関係その他利害関係はありません。
⑦ 取締役の定数
当社の取締役は11名以内とする旨定款に定めております。
⑧ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株
主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。ただし、取締役の選任は累積投票によらないものとしております。
⑨ 自己の株式の取得の決定要件
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会決議によって自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、機動的な自己の株式の取得を可能にすることを目的とするものであります。
⑩ 中間配当の決定機関
当社は、取締役会の決議によって、毎年9月30日を基準日として中間配当をすることができる旨定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑪ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
⑫ 取締役及び監査役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定により、取締役会の決議をもって同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の責任を法令の限度において免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
⑬ 株式の保有状況
イ 保有目的が純投資目的以外の目的の投資株式
銘柄数:30
貸借対照表計上額の合計:889,861千円
ロ 保有目的が純投資目的以外の目的の投資株式
前事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額(千円)保有目的
藤倉化成㈱606,500334,181業務上の連携強化
JSR㈱67,000139,561株式の安定化
サカタインクス㈱108,000121,824株式の安定化
㈱武蔵野銀行18,47674,550株式の安定化
㈱三井住友フィナンシャルグループ12,60057,978株式の安定化
愛三工業㈱55,00056,925株式の安定化
MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱12,90043,473株式の安定化
大日本印刷㈱32,00037,376株式の安定化
㈱東芝50,00025,210株式の安定化
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ28,06020,868株式の安定化
日本電信電話㈱1,0207,544株式の安定化
㈱常陽銀行12,1007,477株式の安定化
㈱りそなホールディングス12,3007,338株式の安定化
三井住友トラスト・ホールディングス㈱12,9006,391株式の安定化
㈱ニッキ12,6695,523株式の安定化
㈱朝日ラバー2,0002,240株式の安定化
オカモト㈱4,0001,836株式の安定化
デンヨー㈱1,0001,794株式の安定化
凸版印刷㈱1,000926株式の安定化


当事業年度
特定投資株式
銘柄株式数
(株)
貸借対照表計上額(千円)保有目的
藤倉化成㈱606,500308,708業務上の連携強化
サカタインクス㈱108,000132,408株式の安定化
JSR㈱67,000108,406株式の安定化
㈱武蔵野銀行18,47652,379株式の安定化
愛三工業㈱55,00048,730株式の安定化
㈱三井住友フィナンシャルグループ12,60042,991株式の安定化
MS&ADインシュアランスグループホールディングス㈱12,90040,454株式の安定化
大日本印刷㈱32,00032,000株式の安定化
㈱三菱UFJフィナンシャル・グループ28,06014,633株式の安定化
㈱東芝50,00010,950株式の安定化
日本電信電話㈱2,0409,889株式の安定化
㈱りそなホールディングス12,3004,939株式の安定化
㈱常陽銀行12,1004,670株式の安定化
㈱ニッキ12,9514,377株式の安定化
三井住友トラスト・ホールディングス㈱12,9004,251株式の安定化
オカモト㈱4,0003,800株式の安定化
㈱朝日ラバー2,0001,324株式の安定化
デンヨー㈱1,0001,159株式の安定化
凸版印刷㈱1,000944株式の安定化

みなし保有株式
該当事項はありません。
ハ 保有目的が純投資目的の投資株式
該当事項はありません。
ニ 保有目的を変更した投資株式
該当事項はありません。