有価証券報告書-第104期(2023/04/01-2024/03/31)
(重要な会計上の見積り)
会計上の見積りにより当連結会計年度に係る連結財務諸表にその額を計上した項目であって、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある項目は次のとおりであります。
1 棚卸資産の評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループでは、棚卸資産の評価について、「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (イ)重要な資産の評価基準及び評価方法 ③棚卸資産」に記載のとおり、総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっており、期末における棚卸資産については、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額とするとともに、当該差額を売上原価に計上しております。
また、一定の保有期間が経過した製品等(対象製品に係る原材料、仕掛品を含む)については、正味売却価額をもって貸借対照表価額とするとともに、当該差額を売上原価に計上しております。
シューズ事業における「商品及び製品」は最終消費財であり、「瞬足」ブランド等の子ども向けから「アキレス・ソルボ」ブランド等の紳士・婦人向けまで幅広く取り扱っており、ブランドごとに多様な品番、色、サイズを揃えていることから、他の事業の製品と比べても商品点数が多いことが特徴であります。また、市場環境、天候等の外部環境要因の影響を受けやすい状況にあることから、棚卸資産が滞留する傾向があり、棚卸資産における「商品及び製品」の評価に重要な影響を及ぼす場合があります。
他方、プラスチック事業における車輌内装用資材、フイルム、建装資材、防災対策商品及び産業資材事業におけるウレタン、断熱資材、工業資材における「商品及び製品」は、主として季節的な影響を受けにくい中間財であり、販売見込みに基づく生産調整が可能であること、また、得意先からの受託生産による製品も多く、廃番による生産中止までの期間は長く、滞留するリスクは低いことから、将来における市場環境や需要動向が見込みより悪化した場合でも、棚卸資産の評価に関する影響は限定的であります。
シューズ事業の「商品及び製品」は、大別して子ども向けと紳士・婦人向けがあり、子ども向けは、主に量販店、靴専門店に販売し、シーズン(季節)ごとに新製品(シーズン品)を投入しております。他方、紳士・婦人向けは、主に百貨店、靴専門店に販売しており、サンダル・ブーツなどのシーズン品もありますが、主として季節を問わず年間を通じて取り扱う年間品を投入しております。
シーズン品と年間品では商品のライフサイクルが異なりますが、棚卸資産の評価の検討に際しては、シーズン品と合わせて年間品もシーズン終了後、店頭での売れ行き状況、原価率の状況及び在庫回転月数の状況等を勘案の上、継続するか否かの判定を行い、その判定結果をもとに継続品と非継続品の正味売却価額を決定しております。当該正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、正味売却価額を貸借対照表価額としております。
継続品は、量販店や百貨店等に対して現在の販売価格で今後も継続販売可能と仮定した上で、正味売却価額を決定しております。
非継続品は、量販店や百貨店等において店頭販売価格が引き下げられることから、現在の販売価格で今後は販売できないと仮定した上で、量販店や百貨店等のクリアランスセールの価格を参考に、色・サイズバランス・品質等を勘案の上、正味売却価額を決定しております。
なお、期末時点の製品在庫は、上記の正味売却価額で全て販売可能であると仮定した上で評価替の検討をしております。
また、プラスチック事業、産業資材事業における「商品及び製品」の評価は、主に生産中止となった製品等について今後継続販売はしないことから、処分見込価額まで帳簿価額を切下げております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当社グループが保有する棚卸資産のうち、シューズ事業における「商品及び製品」は、競合他社との競争激化や天候等による外部環境要因の影響を受けやすく、また、ファッションの流行によって顧客のニーズが変化することから、将来における実際の市場環境や需要動向が見込みより悪化した場合には、評価損の計上に伴い、利益が減少する可能性があります。
他方、プラスチック事業、産業資材事業における「商品及び製品」は、前述のとおり、棚卸資産の評価に関する影響は限定的であります。
2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
当連結会計年度において、下記(2)②に記載のとおり、企業分類の変更に伴い、繰延税金資産の取り崩しを含め法人税等調整額3,093百万円を計上しております。
繰延税金資産の主な内訳については、連結財務諸表の「注記事項 (税効果会計関係) 1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳」に記載しております。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 繰延税金資産の回収可能性の検討方法
繰延税金資産は、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定しております。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
当社は、前連結会計年度からの原材料価格やエネルギーコストの上昇により製品の価格改定を行っておりますが、各事業部を取り巻く市場の競争激化や市場環境の急激な変化等により販売数量の減少の影響が大きく、売上高が大きく減少しております。また、原材料価格やエネルギーコストが依然として高止まり、また、受注数量の減少により生産量も減少し操業度も低下しております。そのため、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても税務上の欠損金が生じております。
前連結会計年度においては、将来の利益計画においておおむね5年程度は一時差異等加減算前課税所得が見込まれるとして分類3に該当すると判断しておりましたが、当連結会計年度の業績の状況及び今後の事業環境を踏まえた業績の回復見込み等を勘案した結果、来期以降において業績の回復が前連結会計年度に想定していたよりも時間を要することが見込まれるため、将来の利益計画の見直しを行いました。
それにより、将来のおおむね5年程度一時差異等加減算前課税所得が生じると見込むことが難しいことから企業分類を分類4に変更しております。
繰延税金資産の計上額については、将来減算一時差異の解消見込額と将来加算一時差異の解消見込額とを、解消見込年度ごとに相殺可能な金額の範囲内、及び相殺し切れなかった翌期の将来減算一時差異の解消見込額については翌期の一時差異等加減算前課税所得の見積額の範囲内で計上しております。
③ 一時差異等加減算前課税所得の見積り方法及び見積りに用いた仮定
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、一時差異等加減算前課税所得の見積りに際しては、各事業における市場環境、競合他社の動向、当期の予算達成状況、将来の需要予測等を勘案して、取締役会にて承認された予算から次の製品について一定のストレスを加味して見積っております。
フイルムにおける仮定は「注記事項 (重要な会計上の見積り)3 固定資産の減損」に記載しております。
シューズ、車輌内装用資材、防災対策商品、ウレタン、断熱資材における仮定は以下のとおりであります。
a 販売価格
当連結会計年度において価格改定した製品については、翌連結会計年度以降においても改定後の価格を織り込んでおります。
また、翌連結会計年度以降に価格改定を予定する製品のうち、顧客と合意している場合は将来の改定後の価格、顧客と合意していない場合は顧客との交渉状況、競合他社の価格改定状況等を勘案して、達成可能と見込まれる将来の改定予定の価格を織り込んでおります。
b 販売数量等
各事業における市場環境に基づく当社事業への影響、当期の予算達成状況、足元の受注状況、価格改定の影響等を勘案して、以下のとおり各事業の将来の販売数量を見込んでおります。
・シューズは、競合他社との価格差が縮小することにより、販売足数が増加すると仮定しております。但し、当該市場環境の不確実性が高いことから、販売数量の増加は織り込まず、ストレスを加味して販売数量を見積っております。
・車輌内装用資材は、自動車メーカーからの内示情報と過去の販売実績をもとに受注確度を考慮して販売数量を見積もっております。当社製品が使用される自動車メーカーのモデルの一部が生産終了することや、一部製品の生産を阿基里斯(佛山)新型材料有限公司へ移管すること等から販売数量が減少すると見込んでおります。
・防災対策商品は、防災意識の高まりから主に官需向けで需要が拡大すると見込んでおります。但し、当該市場環境の不確実性が高いことから、将来の受注見込みのうち受注確度の高い部分を織り込んでおります。また、米国市場においてボート市場の回復による販売数量増を見込んでおりますが、直近の販売状況も勘案して一定のストレスを加味した販売数量を見積もっております。
・ウレタンは、主要取引先や車輌用途の拡販を見込んでおりますが、直近の販売状況も勘案して一定のストレスを加味した販売数量を見積もっております。
・断熱資材は、環境に配慮した高品質断熱材への需要の高まりを想定しておりますが、持家の住宅着工の状況や過去の販売実績を勘案して一定のストレスを加味しております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
翌連結会計年度の予算は、各事業の損益を一定の仮定に基づいて策定しているため、各事業を取り巻く事業環境の急激な変化等が生じた場合には各事業の損益が悪化する可能性があります。
また、原油価格やエネルギーコストの予測しえない、さらなる上昇に伴い損益が悪化する可能性があります。
これらの複合的な要因により、翌連結会計年度以降の損益が悪化し課税所得が大きく減少した場合、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の見直し及びそれによる将来の合理的な見積可能期間の短縮等が生じる可能性があり、その場合には繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
3 固定資産の減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額のうち、阿基里斯(佛山)新型材料有限公司に係る有形固定資産及び無形固定資産は5,870百万円、国内のフイルムに係る有形固定資産及び無形固定資産は1,916百万円であります。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、管理会計上の事業区分をもとにグルーピングした事業用資産、賃貸用資産、売却予定資産及び遊休資産に分けて減損の検討を行っております。
有形固定資産及び無形固定資産に減損の兆候があると認められる場合には、資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識します。
当連結会計年度において、国内の車輌内装用資材、ウレタン及び断熱資材について減損の兆候があると判断し、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。
なお、国内の車輌内装用資材、ウレタン及び断熱資材における減損損失については、「注記事項 (連結損益計算書関係)※6 減損損失」に記載しております。
① 減損の兆候判定
・阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
阿基里斯(佛山)新型材料有限公司は、当連結会計年度に営業赤字を計上しておりますが、これは事業立上げに伴うものであり、2024年4月より量産を開始し、今後、当社及び関連会社からの生産移管や主要取引先への拡販を見込んでいることから、減損の兆候はないと判断しました。
・フイルム
国内のフイルムは継続的に営業黒字でしたが、国内外の流通在庫調整等により、当連結会計年度は営業赤字を計上しております。来期はエレクトロニクス分野やエクステリア用フィルム等での需要回復による販売数量増で営業黒字となる見込みであることから、減損の兆候はないと判断しました。
② 減損の兆候判定に用いた主要な仮定
・阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
翌連結会計年度以降の事業計画を勘案して、減損の兆候を判定しております。事業計画は、市場環境や競合他社の動向、取引先からの内示情報と受注確度を考慮して作成しております。
・フイルム
取締役会にて承認された翌連結会計年度の予算から一定のストレスを加味した見通しを勘案して、減損の兆候を判定しております。
販売価格については、現状と概ね同水準の価格を織り込んでおります。
また、販売数量については、北米向け医療用フィルムの在庫調整の影響が継続するものと見込んでおり、 内示情報に基づき販売数量の見直しを行っております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定は慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合には、翌連結会計年度に減損処理が必要となる資産又は資産グループが生じる可能性があります。
会計上の見積りにより当連結会計年度に係る連結財務諸表にその額を計上した項目であって、翌連結会計年度に係る連結財務諸表に重要な影響を及ぼす可能性がある項目は次のとおりであります。
1 棚卸資産の評価
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||||||
| 連結貸借対照表 | 評価損計上額 | 連結貸借対照表 | 評価損計上額 | |||||
| 棚卸資産 | 商品及び製品 | 棚卸資産 | 商品及び製品 | 棚卸資産 | 商品及び製品 | 棚卸資産 | 商品及び製品 | |
| シューズ事業 | 4,488 | 3,946 | 153 | 138 | 3,981 | 3,369 | 112 | 110 |
| プラスチック事業 | 9,285 | 5,396 | 163 | 153 | 9,237 | 5,016 | 175 | 163 |
| 産業資材事業 | 3,009 | 1,569 | 19 | 13 | 3,104 | 1,585 | 18 | 3 |
| 合計 | 16,783 | 10,913 | 336 | 305 | 16,323 | 9,971 | 307 | 278 |
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループでは、棚卸資産の評価について、「注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項 (イ)重要な資産の評価基準及び評価方法 ③棚卸資産」に記載のとおり、総平均法による原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)によっており、期末における棚卸資産については、正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、正味売却価額をもって貸借対照表価額とするとともに、当該差額を売上原価に計上しております。
また、一定の保有期間が経過した製品等(対象製品に係る原材料、仕掛品を含む)については、正味売却価額をもって貸借対照表価額とするとともに、当該差額を売上原価に計上しております。
シューズ事業における「商品及び製品」は最終消費財であり、「瞬足」ブランド等の子ども向けから「アキレス・ソルボ」ブランド等の紳士・婦人向けまで幅広く取り扱っており、ブランドごとに多様な品番、色、サイズを揃えていることから、他の事業の製品と比べても商品点数が多いことが特徴であります。また、市場環境、天候等の外部環境要因の影響を受けやすい状況にあることから、棚卸資産が滞留する傾向があり、棚卸資産における「商品及び製品」の評価に重要な影響を及ぼす場合があります。
他方、プラスチック事業における車輌内装用資材、フイルム、建装資材、防災対策商品及び産業資材事業におけるウレタン、断熱資材、工業資材における「商品及び製品」は、主として季節的な影響を受けにくい中間財であり、販売見込みに基づく生産調整が可能であること、また、得意先からの受託生産による製品も多く、廃番による生産中止までの期間は長く、滞留するリスクは低いことから、将来における市場環境や需要動向が見込みより悪化した場合でも、棚卸資産の評価に関する影響は限定的であります。
シューズ事業の「商品及び製品」は、大別して子ども向けと紳士・婦人向けがあり、子ども向けは、主に量販店、靴専門店に販売し、シーズン(季節)ごとに新製品(シーズン品)を投入しております。他方、紳士・婦人向けは、主に百貨店、靴専門店に販売しており、サンダル・ブーツなどのシーズン品もありますが、主として季節を問わず年間を通じて取り扱う年間品を投入しております。
シーズン品と年間品では商品のライフサイクルが異なりますが、棚卸資産の評価の検討に際しては、シーズン品と合わせて年間品もシーズン終了後、店頭での売れ行き状況、原価率の状況及び在庫回転月数の状況等を勘案の上、継続するか否かの判定を行い、その判定結果をもとに継続品と非継続品の正味売却価額を決定しております。当該正味売却価額が帳簿価額を下回る場合には、正味売却価額を貸借対照表価額としております。
継続品は、量販店や百貨店等に対して現在の販売価格で今後も継続販売可能と仮定した上で、正味売却価額を決定しております。
非継続品は、量販店や百貨店等において店頭販売価格が引き下げられることから、現在の販売価格で今後は販売できないと仮定した上で、量販店や百貨店等のクリアランスセールの価格を参考に、色・サイズバランス・品質等を勘案の上、正味売却価額を決定しております。
なお、期末時点の製品在庫は、上記の正味売却価額で全て販売可能であると仮定した上で評価替の検討をしております。
また、プラスチック事業、産業資材事業における「商品及び製品」の評価は、主に生産中止となった製品等について今後継続販売はしないことから、処分見込価額まで帳簿価額を切下げております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
当社グループが保有する棚卸資産のうち、シューズ事業における「商品及び製品」は、競合他社との競争激化や天候等による外部環境要因の影響を受けやすく、また、ファッションの流行によって顧客のニーズが変化することから、将来における実際の市場環境や需要動向が見込みより悪化した場合には、評価損の計上に伴い、利益が減少する可能性があります。
他方、プラスチック事業、産業資材事業における「商品及び製品」は、前述のとおり、棚卸資産の評価に関する影響は限定的であります。
2 繰延税金資産の回収可能性
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 繰延税金資産 | 1,757 | 110 |
| 繰延税金負債 | 502 | 3,072 |
当連結会計年度において、下記(2)②に記載のとおり、企業分類の変更に伴い、繰延税金資産の取り崩しを含め法人税等調整額3,093百万円を計上しております。
繰延税金資産の主な内訳については、連結財務諸表の「注記事項 (税効果会計関係) 1 繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳」に記載しております。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
① 繰延税金資産の回収可能性の検討方法
繰延税金資産は、企業会計基準適用指針第26号「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に定める要件に基づいて企業の分類を判断し、当該分類に応じて回収が見込まれる繰延税金資産の計上額を決定しております。
② 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額の算出方法
当社は、前連結会計年度からの原材料価格やエネルギーコストの上昇により製品の価格改定を行っておりますが、各事業部を取り巻く市場の競争激化や市場環境の急激な変化等により販売数量の減少の影響が大きく、売上高が大きく減少しております。また、原材料価格やエネルギーコストが依然として高止まり、また、受注数量の減少により生産量も減少し操業度も低下しております。そのため、前連結会計年度に引き続き当連結会計年度においても税務上の欠損金が生じております。
前連結会計年度においては、将来の利益計画においておおむね5年程度は一時差異等加減算前課税所得が見込まれるとして分類3に該当すると判断しておりましたが、当連結会計年度の業績の状況及び今後の事業環境を踏まえた業績の回復見込み等を勘案した結果、来期以降において業績の回復が前連結会計年度に想定していたよりも時間を要することが見込まれるため、将来の利益計画の見直しを行いました。
それにより、将来のおおむね5年程度一時差異等加減算前課税所得が生じると見込むことが難しいことから企業分類を分類4に変更しております。
繰延税金資産の計上額については、将来減算一時差異の解消見込額と将来加算一時差異の解消見込額とを、解消見込年度ごとに相殺可能な金額の範囲内、及び相殺し切れなかった翌期の将来減算一時差異の解消見込額については翌期の一時差異等加減算前課税所得の見積額の範囲内で計上しております。
③ 一時差異等加減算前課税所得の見積り方法及び見積りに用いた仮定
繰延税金資産の回収可能性の判断にあたり、一時差異等加減算前課税所得の見積りに際しては、各事業における市場環境、競合他社の動向、当期の予算達成状況、将来の需要予測等を勘案して、取締役会にて承認された予算から次の製品について一定のストレスを加味して見積っております。
フイルムにおける仮定は「注記事項 (重要な会計上の見積り)3 固定資産の減損」に記載しております。
シューズ、車輌内装用資材、防災対策商品、ウレタン、断熱資材における仮定は以下のとおりであります。
a 販売価格
当連結会計年度において価格改定した製品については、翌連結会計年度以降においても改定後の価格を織り込んでおります。
また、翌連結会計年度以降に価格改定を予定する製品のうち、顧客と合意している場合は将来の改定後の価格、顧客と合意していない場合は顧客との交渉状況、競合他社の価格改定状況等を勘案して、達成可能と見込まれる将来の改定予定の価格を織り込んでおります。
b 販売数量等
各事業における市場環境に基づく当社事業への影響、当期の予算達成状況、足元の受注状況、価格改定の影響等を勘案して、以下のとおり各事業の将来の販売数量を見込んでおります。
・シューズは、競合他社との価格差が縮小することにより、販売足数が増加すると仮定しております。但し、当該市場環境の不確実性が高いことから、販売数量の増加は織り込まず、ストレスを加味して販売数量を見積っております。
・車輌内装用資材は、自動車メーカーからの内示情報と過去の販売実績をもとに受注確度を考慮して販売数量を見積もっております。当社製品が使用される自動車メーカーのモデルの一部が生産終了することや、一部製品の生産を阿基里斯(佛山)新型材料有限公司へ移管すること等から販売数量が減少すると見込んでおります。
・防災対策商品は、防災意識の高まりから主に官需向けで需要が拡大すると見込んでおります。但し、当該市場環境の不確実性が高いことから、将来の受注見込みのうち受注確度の高い部分を織り込んでおります。また、米国市場においてボート市場の回復による販売数量増を見込んでおりますが、直近の販売状況も勘案して一定のストレスを加味した販売数量を見積もっております。
・ウレタンは、主要取引先や車輌用途の拡販を見込んでおりますが、直近の販売状況も勘案して一定のストレスを加味した販売数量を見積もっております。
・断熱資材は、環境に配慮した高品質断熱材への需要の高まりを想定しておりますが、持家の住宅着工の状況や過去の販売実績を勘案して一定のストレスを加味しております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
翌連結会計年度の予算は、各事業の損益を一定の仮定に基づいて策定しているため、各事業を取り巻く事業環境の急激な変化等が生じた場合には各事業の損益が悪化する可能性があります。
また、原油価格やエネルギーコストの予測しえない、さらなる上昇に伴い損益が悪化する可能性があります。
これらの複合的な要因により、翌連結会計年度以降の損益が悪化し課税所得が大きく減少した場合、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」に基づく企業の分類の見直し及びそれによる将来の合理的な見積可能期間の短縮等が生じる可能性があり、その場合には繰延税金資産の計上額に重要な影響を与える可能性があります。
3 固定資産の減損
(1) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
(単位:百万円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | |
| 有形固定資産 | 26,171 | 22,039 |
| 無形固定資産 | 393 | 398 |
| 減損損失 | 1,312 | 4,973 |
当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額のうち、阿基里斯(佛山)新型材料有限公司に係る有形固定資産及び無形固定資産は5,870百万円、国内のフイルムに係る有形固定資産及び無形固定資産は1,916百万円であります。
(2) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、管理会計上の事業区分をもとにグルーピングした事業用資産、賃貸用資産、売却予定資産及び遊休資産に分けて減損の検討を行っております。
有形固定資産及び無形固定資産に減損の兆候があると認められる場合には、資産から得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定し、減損損失の認識が必要と判定された場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、帳簿価額の減少額は減損損失として認識します。
当連結会計年度において、国内の車輌内装用資材、ウレタン及び断熱資材について減損の兆候があると判断し、当該資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回ったことから、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、減損損失を計上しております。
なお、国内の車輌内装用資材、ウレタン及び断熱資材における減損損失については、「注記事項 (連結損益計算書関係)※6 減損損失」に記載しております。
① 減損の兆候判定
・阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
阿基里斯(佛山)新型材料有限公司は、当連結会計年度に営業赤字を計上しておりますが、これは事業立上げに伴うものであり、2024年4月より量産を開始し、今後、当社及び関連会社からの生産移管や主要取引先への拡販を見込んでいることから、減損の兆候はないと判断しました。
・フイルム
国内のフイルムは継続的に営業黒字でしたが、国内外の流通在庫調整等により、当連結会計年度は営業赤字を計上しております。来期はエレクトロニクス分野やエクステリア用フィルム等での需要回復による販売数量増で営業黒字となる見込みであることから、減損の兆候はないと判断しました。
② 減損の兆候判定に用いた主要な仮定
・阿基里斯(佛山)新型材料有限公司
翌連結会計年度以降の事業計画を勘案して、減損の兆候を判定しております。事業計画は、市場環境や競合他社の動向、取引先からの内示情報と受注確度を考慮して作成しております。
・フイルム
取締役会にて承認された翌連結会計年度の予算から一定のストレスを加味した見通しを勘案して、減損の兆候を判定しております。
販売価格については、現状と概ね同水準の価格を織り込んでおります。
また、販売数量については、北米向け医療用フィルムの在庫調整の影響が継続するものと見込んでおり、 内示情報に基づき販売数量の見直しを行っております。
(3) 翌連結会計年度の連結財務諸表に与える影響
減損の兆候判定、減損損失の認識及び測定は慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積額の前提とした条件や仮定に変更が生じた場合には、翌連結会計年度に減損処理が必要となる資産又は資産グループが生じる可能性があります。