有価証券報告書-第166期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/24 11:59
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181項目

(1) 経営成績等の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資意欲を背景とした内需と、円安環境が好影響をもたらす業種を中心として緩やかな回復基調で推移いたしました。一方、慢性的な人手不足、円安の長期化と物価上昇の継続、米国の保護主義的な動きや地政学的な不確実性の増大により、先行きに慎重さが求められる状況で推移しました。
このような状況のもと当社グループでは、受注残の増加に対応した生産を実行するとともに、消防・防災事業では、多発する自然災害の現場ニーズに応える商材の企画開発と提案営業を行い、航空・宇宙、工業用品事業では、新規顧客からの受注や難易度の高い製品製造にも注力し、お客様の期待に応えられるよう事業活動を進めてまいりました。
売上高は、全ての事業セグメントにおいて前期比で増収となりました。
利益面は、原材料価格の上昇やエネルギー価格の高止まりは継続しているものの、増収効果は大きく、また、一部製品における販売価格の改定効果が出始めていることなどから、前期比で増益となりました。
その結果、売上高は14,540百万円(前期比19.3%増)、営業利益1,231百万円(前期比91.3%増)、経常利益1,188百万円(前期比81.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益666百万円(前期比56.4%増)となりました。
当連結会計年度における報告セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。
(消防・防災事業)
消防ホース・消火栓ホースの販売は、堅調に推移いたしました。資機材では、災害避難生活の環境改善対応資機材、林野火災対応の資機材、車両積載用の救助資機材の販売が増加しております。特殊車両は資材等の一部に調達遅延があり、顧客承認のもと納期を次年度へ延長したことから販売が減少しております。
利益面では、販売費や商材企画開発費用が増加したものの、増収効果により増益となりました。
その結果、売上高8,297百万円(前期比21.3%増)、セグメント利益(営業利益)は522百万円(前期比51.8%増)となりました。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門は、官需大型機用部品やエンジン用部品の販売が増加したほか、民需向けシール部品や宇宙関連の製品の販売が伸長しております。工業用品部門では、原油貯蔵施設向けタンクシールの大型案件数が前期に比べ増加した結果、販売が増加しております。
利益面では、輸入材料や部品を中心にコスト上昇が継続しております。また、当期においては難易度の高い一部製品の生産コスト増加の影響も受けております。一方、売価再設定などの対策効果に加え当期は増収効果が大きく、前期比で増益となりました。
その結果、売上高は5,731百万円(前期比18.2%増)、セグメント利益(営業利益)は1,102百万円(前期比72.1%増)となりました。
(不動産賃貸事業)
テナント収益が好調なことから賃料収入は増加しております。
利益面では、前期に比べ修繕費が増加したことから減益となりました。
その結果、売上高は511百万円(前期比2.5%増)、セグメント利益(営業利益)は92百万円(前期比10.5%減)となりました。
② 財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末の流動資産残高は14,717百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,726百万円の増加となりました。主として受取手形、売掛金及び契約資産が1,038百万円、棚卸資産が1,485百万円それぞれ増加したことによるものです。
(固定資産)
当連結会計年度末の固定資産残高は4,902百万円となり、前連結会計年度末に比べ303百万円の増加となりました。主として、有形固定資産が40百万円、投資有価証券が388百万円それぞれ増加したことによるものです。
(流動負債)
当連結会計年度末の流動負債残高は7,139百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,787百万円の増加となりました。主として、支払手形及び買掛金が465百万円、短期借入金が970百万円、未払法人税等が344百万円それぞれ増加したことによるものです。
(固定負債)
当連結会計年度末の固定負債残高は2,469百万円となり、前連結会計年度末に比べ291百万円の増加となりました。主として、資産除去債務が113百万円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産残高は10,010百万円となり、前連結会計年度末に比べ950百万円の増加となりました。主として、利益剰余金においては親会社株主に帰属する当期純利益666百万円の増加と剰余金の処分125百万円による減少、その他の包括利益累計額においては、その他有価証券評価差額金が271百万円増加したことによるものです。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より318百万円減の2,656百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、601百万円の資金の減少(前期は423百万円の資金の増加)となりました。これは、主として税金等調整前当期純利益1,046百万円、減価償却費284百万円などの資金増加要因と、売上債権の増加額1,456百万円、棚卸資産の増加額1,485百万円などの資金減少要因によるものです。
投資活動によるキャッシュ・フローは、564百万円の資金の減少(前期は197百万円の資金の減少)となりました。これは、主として有形固定資産の取得による支出557百万円によるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、847百万円の資金の増加(前期は101百万円の資金の減少)となりました。これは、主として借入金による収支978百万円の増加、配当金の支払額124百万円などによるものです。
④ 生産、受注及び販売の状況
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)
消防・防災事業1,746,224△9.4
航空・宇宙、工業用品事業5,688,138+17.2
合計7,434,362+9.6

(注) 金額は、販売価格によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)受注残高(千円)前期比(%)
消防・防災事業10,056,354+48.32,030,301+646.8
航空・宇宙、工業用品事業6,611,152△14.28,777,081+11.1
合計16,667,506+15.010,807,383+32.3

c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)
消防・防災事業8,297,901+21.3
航空・宇宙、工業用品事業5,731,432+18.2
不動産賃貸事業511,429+2.5
合計14,540,763+19.3

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)
官公庁2,640,75621.72,885,75019.8
三菱重工業㈱1,249,06610.21,476,28910.2


(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、最近の当社グループを取り巻く経営環境の変化が大きいことから、引き続き安定的な収益率の確保へ注力し、目標とする経営指標を「連結売上高経常利益率3%の維持」としております。
当連結会計年度は、消防・防災事業において防災需要の拡大等により売上が増加したことに加え、航空・宇宙、工業用品事業において航空機関連及び工業製品の需要増加を背景に販売が拡大したことから、全体として増収となりました。利益面では、航空・宇宙、工業用品事業の増収が利益を押し上げたほか、消防・防災事業においても増収効果が寄与し、全体として増益となりました。その結果、当連結会計年度は連結売上高経常利益率8.2%となり、目標とする経営指標を達成しております。一方で、原材料価格やエネルギー価格の上昇、人件費の増加といったコスト増加要因は継続しており、利益の押下げ要因となっております。
足元では物価上昇、賃上げ、金利上昇などのコスト上昇要因が継続しており、売価の見直し等の対策を進めておりますが、原材料価格については依然として不透明な状況が続いており、引き続き価格動向を注視していく必要があります。また、当社グループの中長期的な成長に向けては、設備投資や人的資本への投資を継続していくことが重要な課題であります。これらの課題に対応しつつ、次期以降も目標である「経常利益率3%の維持」を目指してまいります。
(消防・防災事業)
売上高の増加、固定費負担割合の影響により、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は6.3%(前期5.0%)に上昇しております。なお、エンドユーザーの多くは官公庁であり、その予算による調達品目や金額により事業の売上高は増減する状況にあります。そのような状況の中で、顧客ニーズに寄り添う営業活動や自社企画開発品の展開により、今後の需要創出に向けた取り組みを進めております。
(航空・宇宙、工業用品事業)
航空・宇宙部門では、エンドユーザーの中期的な計画による官需大型機用製品、エンジン用部品の販売が増加しております。工業用品部門では、タンクシールの大型案件による売上高が増加に寄与しております。その結果、外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は19.2%(前期13.2%)となりました。一方、航空・宇宙部門で使用するチタン材やアルミ材などの原材料と部品の価格高騰が継続しており、原材料価格の上昇に対して売価の再設定など対策を進めましたが、受注から生産・出荷までのリードタイムが長い案件においては随時対応が必要な状況が続いております。増収効果による利益押上げ要因が原材料価格上昇の利益押下げ要因を上回り、利益率は前期比で上昇しております。
(不動産賃貸事業)
外部顧客への売上高に対するセグメント営業利益率は18.1%(前期20.7%)となりました。修繕費の増加により減益となっておりますが、事業の収益性に問題はありません。
② 財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容
(流動資産)
主要な科目残高の前期比は、現金及び預金89.8%、売上債権(受取手形、売掛金及び契約資産並びに電子記録債権の合計。)127.7%、棚卸資産(商品及び製品、半製品、仕掛品、原材料及び貯蔵品の合計。)144.1%となりました。
現金及び預金は、地政学的リスクをはじめとする外部環境の動向を踏まえ、適切な流動性を確保しております。
売上債権は、例年、消防・防災事業の販売が顧客予算との関連性から年度後半に集中するため、期末の残高が増加する傾向にあります。期末残高の前期比につきましては、消防・防災事業は救助用資機材等の販売に伴い、増加しております。また、航空・宇宙、工業用品事業の期末残高は、継続した受注増加を背景に売上高が伸長し、増加しております。
棚卸資産は、前期から引き続き、受注の増加、原材料価格の高騰に伴い残高が増加しております。とくに、航空・宇宙、工業用品事業の受注増加は同事業の受注から生産・出荷までのリードタイムが長いことから、棚卸資産の増加要因となっております。引き続き調達及び生産の効率化に向けた取り組みが必要と認識しております。
(固定資産)
当連結会計年度は、有形固定資産及び無形固定資産への投資額240百万円(建設仮勘定を除く。)に対し、減価償却費(無形固定資産の償却費を含む。)284百万円となりました。工場設備の能力強化・合理化・更新等並びに賃貸商業施設の更新等を行った結果となっております。これらは中長期的な投資行動として適切であると判断しております。
(流動負債、固定負債)
支払手形及び買掛金と電子記録債務の合計残高は前期比118.7%となっております。売上高増加に伴う取引量の拡大により仕入高が増加し、その結果として営業債務が増加しております。
資金調達関連として、社債、長期借入金並びに短期借入金の合計残高は前期比132.6%となりました。在庫運転資金等に対応するため増加しておりますが、有利子負債残高は適切な水準で推移しているものと判断しております。
(純資産)
親会社株主に帰属する当期純利益の計上や配当実施の結果、株主資本残高は前期比106.2%となりました。その他の包括利益累計額はその他有価証券の時価上昇により768百万円(前期比214.7%)となっております。
なお、自己資本比率は51.0%(前期54.6%)であり、経営基盤の安定性は引き続き確保しているものと判断しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況は、消防・防災事業及び航空・宇宙、工業用品事業において販売増加となったことに加え、一部製品の販売価格改定効果もあり、営業利益及び経常利益は全連結会計年度を上回って推移いたしました。一方で、受注拡大に伴う売上債権及び棚卸資産の増加により運転資金需要が増加したことから、営業キャッシュ・フローは減少し、運転資金需要に対応する資金調達を銀行借り入れにより実施した結果、財務キャッシュ・フローはプラスとなっております。投資活動によるキャッシュ・フローでは、生産能力強化及び事業基盤維持を目的とした設備投資を継続して行っております。その結果、現金及び現金同等物の残高は前期比10.7%減となっております。
資金調達については、金融機関からの借入を基本としております。調達した資金は自己資金とあわせ、原材料や商品購入資金、人件費や経費支払いなどの運転資金並びに研究開発費や設備投資資金に充当しております。長期借入を行う場合、借入期間は原則5年以内としておりますが、不動産取得などの投資資金については、投資回収期間を考慮し借入期間を別途設定する場合があります。なお、当社は運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行5行と当座貸越契約を締結しており、突発的な資金需要が発生した場合の手許流動性を確保する手段を準備しております。当連結会計年度末日現在の当座貸越契約の未実行残高は570百万円であります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産、負債の報告数値及び報告期間における収益、費用の報告数値に影響を与える見積りを行う必要があります。見積りを行った時点で合理的と考えられる仮定に基づき判断を行いますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。
当期の連結財務諸表に対して、重要な会計上の見積りとして認識している項目は以下のとおりであります。
(棚卸資産の評価)
棚卸資産について適正な価値で貸借対照表に計上するため、評価を行っております。過剰、滞留、陳腐化した棚卸資産については、合理的な見積り在庫回転期間に基づき評価損を計上しております。また、収益性の低下した棚卸資産については、将来の需要や販売価格等の見積りに基づき、正味実現可能価額まで評価損を計上しております。
(繰延税金資産)
繰延税金資産について、将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングに基づき、一定期間における回収可能性が高いと判断した部分に限り計上しております。回収可能性が見込めないと判断した部分については評価性引当金を計上しております。将来の課税所得の見積りやタックス・プランニングは、事業計画を基礎として過去の業績等も考慮し策定しておりますが、経済情勢の変動、経営成績の悪化、事業計画の変更などにより、適宜、見直しが行われます。繰延税金資産の回収可能性についても定期的に検討を行い、繰延税金資産の計上額及び税金費用に適切に反映しております。
詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

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