有価証券報告書-第103期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/17 14:47
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及び
キャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態及び経営成績の状況
当期の世界経済は、主要先進国の金融政策が転換点を迎えつつある中、物価抑制と景気動向の双方を
注視する局面が続きました。加えて、中東情勢の緊迫化など地政学リスクの再燃、エネルギー価格の
変動など、先行きの見通せない不安定な状況が続きました。
日本経済は、一部で設備投資の持ち直しが見られるものの物価上昇や為替変動の影響を受け、加えて
世界経済同様に地政学リスクの影響を受けるなど、予断を許さない緊張感ある経営環境に終始いたしました。
自動車業界は、次世代技術への投資が活発化するなか、新興カーメーカーの台頭が日系カーメーカーや
サプライヤーの経営に影響を及ぼすなど競争環境が大きく変化しております。こうした市場構造の変容に
加え、各国・地域のエネルギー政策や多様な消費者ニーズに応じた多種多様なモビリティへの対応が、これまで以上に強く求められる一年となりました。
当社グループは、このような不透明な環境が継続するなか、「2030事業計画」を経営の基軸に据え、諸施策を積極的に推進してまいりました。本事業計画では、「安心・安全」「快適」「脱炭素」への貢献を
通じた、社会的価値と経済的価値の両立による持続的な成長を目指しております。当期は本事業計画に沿った
成長戦略を加速させるとともに、市場環境が激変する中国事業において構造改革を実行するなど、将来にわたる収益基盤の強化を並行して進めてまいりました 。
〈安心・安全への貢献〉
提供価値の1つ目である「安心・安全」については、交通事故死傷者数のさらなる低減に向けた取り組み
として、当期も当社主催で欧州の自動車安全アセスメント(Euro NCAP)の関係者を招待して安全サミットを
実施し、議論を行いました。このような取り組みにより将来アセスメントの動向をつかみ、高度化する要求
に対し、当社の強みであるCAE技術(注)を用いて、シートベルトを含めた安全で普及しやすい乗員保護
システムの提案を進めてまいりました。さらに持分法適用会社であった芦森工業株式会社の完全子会社化を通じて、シートベルトとエアバッグを組み合わせた開発をスピードアップさせてまいりました。
技術開発面では、側面衝突時に乗員同士の衝突を防ぐ「新構造の前席センターエアバッグ」や、次世代の
自動車操舵システムに対応した先進的な意匠の新型ハンドルを市場投入いたしました。
さらには自動車以外の交通事故死傷者数低減に向けた「自動二輪車用エアバッグ」等、将来に向けた開発
についても注力してまいりました。
(注)CAE: Computer Aided Engineeringの略。製品の設計・開発を支援するコンピュータシミュレーション
システム。製品の動きなどをコンピュータ上で予測・再現して各種解析ができ、開発の高効率化など
につながる。
0102010_013.jpg先進的な意匠の新型ハンドル
〈快適への貢献〉
提供価値の2つ目である「快適」については、車内空間の価値が再定義される次世代モビリティに向け、当社の強みである内装部品とセーフティシステムを融合させた差別化製品として、車内空間の自由度を
高める薄型インストルメントパネルと、それに対応する新構造のエアバッグの開発に取り組んで
まいりました。また、コンソールの蓋をトレイとしても活用できる「リバーシブルアームレスト」を
開発し、コンソールの利便性と意匠性の両立を実現いたしました。さらに、サイネージ機能を実現する
「光透過技術」や、オフロード車の力強い外観に寄与する塗装技術「メテオコート」、環境負荷を低減する「インモールドコート技術」など、独自の加飾・表面処理技術も確立いたしました。これら高付加価値製品
の量産化により、新たなモビリティ社会におけるクルマの快適性能の向上に貢献してまいりました。
特徴
・アームレストにもトレイにもなる
リバーシブル仕様
・使いやすい左右両開き
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リバーシブルアームレスト

〈脱炭素への貢献・新事業への取り組み〉
提供価値の3つ目である「脱炭素」については、当社の材料技術を核とした循環型ビジネスの構築を
推進いたしました。当社独自の自動車用ゴム部品のリサイクル技術が、「第39回中日産業技術賞」
(主催:中日新聞社、後援:経済産業省)において、最高位の「経済産業大臣賞」を受賞いたしました。
技術改良により新材への配合割合を20%まで引き上げることで資源循環に寄与し、時代の要請に応える技術である点が高く評価されました。また、「廃車から回収したプラスチックを50%配合した自動車部品
(グラブボックス)」が、「第22回“超”モノづくり部品大賞」(主催:モノづくり日本会議・日刊工業新聞社)において「日本力(にっぽんぶらんど)賞」を受賞いたしました。
さらに、カーボンニュートラル社会の実現に向け、「高圧水素タンク」が大型トラックに採用されるなど、乗用車にとどまらず商用車の次世代エネルギー分野への展開も具体化しております。
オープニングトリム
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ゴムのリサイクル材を高配合したオープニングトリム再生プラスチックを使用したグラブボックス

当期の売上収益は、顧客の生産台数増加等により、1兆1,467億円(前期比 8.2%増)と増収となりました。
利益については、増販効果や原価改善等により、営業利益は 795億円(前期比 32.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は 620億円(前期比 70.7%増)となりました。
当期末における総資産は、主に有形固定資産の増加に伴い、前期末に比べ 798億円増加し、
9,929億円となりました。また、負債は主に営業債務及びその他の債務の増加により、前期末に比べ 531億円増加し、3,777億円となりました。
資本については、主にその他の資本の構成要素の増加により、前期末に比べ 267億円増加し、
6,151億円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。
a.日本
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 4,886億円(前期比 11.1%増)となりました。
営業利益については、増販効果や原価改善等により 235億円(前期比 105.9%増)となりました。
b.米州
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 4,283億円(前期比 6.1%増)となりました。
営業利益については、米国の関税影響はあるものの、増販効果や原価改善等により
349億円(前期比 2.4%増)となりました。
c.欧州・アフリカ
売上収益は、為替影響等により 346億円(前期比 5.8%増)となりました。
営業利益については、固定費の増加を原価改善で吸収し 26億円(前期比 1.1%減)となりました。
d.中国
売上収益は、顧客の生産台数減少等により、908億円(前期比 4.3%減)となりました。
営業利益については、減販影響はあるものの、固定費の削減等により赤字幅を縮小し
20億円の営業損失(前期は営業損失 72億円)となりました。
e.アジア
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 1,539億円(前期比 11.1%増)となりました。
営業利益については、増販効果や原価改善等により 149億円(前期比 5.3%増)となりました。
f.インド
売上収益は、顧客の生産台数増加等により 518億円(前期比 22.4%増)となりました。
営業利益については、増販効果や原価改善等により 57億円(前期比 32.3%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当期末における現金及び現金同等物は、前期末 1,187億円に比べ 130億円増加し、1,318億円と
なりました。当期における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは 1,316億円(前期比 43.1%増)の収入となりました。
これは主に、税引前利益 902億円、減価償却費及び償却費 536億円等によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは 496億円(前期比 30.9%減)の支出となりました。
これは主に、有形固定資産及び無形資産の取得による支出 574億円等によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは 708億円(前期比 39.9%増)の支出となりました。
これは主に、自己株式取得による支出 453億円等によるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本478,13110.9
米州370,4187.3
欧州・アフリカ33,2766.0
中国84,621△7.1
アジア92,7918.8
インド50,14119.3
合計1,109,3818.1

(注)金額は販売価額によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっています。
b.受注実績
当社グループ(以下「当社および連結子会社」)は、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとして
各納入先より生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しています。
c.販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
日本447,86811.2
米州425,0376.1
欧州・アフリカ33,2666.4
中国86,198△6.4
アジア102,90812.8
インド51,49222.4
合計1,146,7728.2

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しています。
2.主な相手先への販売実績および総販売実績に対する割合は、次のとおりです。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
金額(百万円)割合(%)※金額(百万円)割合(%)※
トヨタ自動車㈱235,85122.2258,25322.5

※トヨタ自動車㈱の子会社を含めた販売実績および総販売実績に対する割合は、
前連結会計年度57.3%、当連結会計年度58.0%です。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断した
ものです。
①重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる
見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針、4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しています。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の経営成績等について、売上収益は、顧客の生産台数増加等により、
1兆1,467億円(前期比 8.2%増)と増収となりました。
利益については、増販効果や原価改善等により、営業利益は 795億円(前期比 32.9%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は 620億円(前期比 70.7%増)となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しています。
当社グループの資本の財源および資金の流動性については、以下のとおりです。
a.当社グループの財務方針
成長性・安全性・効率性のバランスをとりながら、資本コストを意識した効率的な事業運営を進める
ことで企業価値向上につとめます。
(成長性)
2030事業計画に沿って、研究開発も含めた投資は、高成長・高収益が期待できる分野に重点的に
リソーセス配分をしていきます。
事業軸ではセーフティシステム・内外装、地域軸では米州・インドです。
(安全性)
成長機会を逃さぬよう、あらゆる投資機会に機動的に対応できる自己資金および資金調達力を確保して
いきます。手元資金に関しては、グループファイナンスにより本社主導で資金の効率化と平準化を進め、連結月商1か月を目安としております。
(効率性)
資本コストを意識した効率的な事業運営を進めるため、TG-ROICと名付けた当社独自のROIC計算式を
用い、各事業・地域の固定資産・棚卸資産のリソーセスに見合ったリターンを追求するとともに効率化を
進めていきます。2030年のROE 10%を目指して、連結でのTG-ROIC 20%を目標に、各事業・地域の
目標値を設定し、事業ポートフォリオの改善につなげていきます。
株主還元については、安定的かつ継続的な増配を実現するため、DOE(注1)3.5%程度を
目指しております。(注2)また、適切な資本構成を構築するため、機動的な自己株式の取得にも
取り組み、資本効率向上も意識して、投資家の皆様の期待に応えていきます。
加えて、非財務情報を含む積極的な情報開示や、株主構成の多様化、特に個人株主の増加を図ることで
株主資本コストの低減にも努めていきます。
(注1)DOE:株主資本配当率=配当額÷株主資本(連結)
(注2)従来はDOE2.5%を下限目標としておりました。
0102010_018.png
b.資金需要
当社グループでは、当連結会計年度において、585億円の設備投資を実施しています。
今後も、重点とする各事業、地域を中心に、TG-ROICをモノサシにメリハリをつけた設備投資を実施する
とともに、安定的かつ継続的な増配を基本とした株主還元も実施します。また、事業環境や成長機会に
応じたM&Aやアライアンス、もしくは資本効率向上の観点からの追加的な株主還元に回すなど戦略的に配分
していきます。
c.資金調達方法
当社グループは、円滑な事業活動に必要な資金の流動性確保と財務の安定性・健全性維持を資金調達の
基本としており、金融機関からの借入や社債の起債など資金効率を考えた多様な資金調達を行っています。
また、グループファイナンスにより、グローバルでの資金効率も図っています。
当連結会計年度末における社債および借入金を含む有利子負債の残高は 1,233億円となっています。
d.キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、前期末 1,187億円に比べ 130億円増加し、1,318億円と
なりました。当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要
②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。
セグメント別の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。

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