訂正有価証券報告書-第92期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(i)経営成績
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスの感染症拡大により大きな影響を受けました。早期に感染拡大を抑え経済活動を再開した中国では、内需主導での景気回復も見られましたが、欧米においては国によって財政政策やワクチン接種等の感染防止策の進捗の違い等もあり、景気回復はまだら模様でした。
国内経済は、第1回目の緊急事態宣言解除後、一部業界において回復の兆しを見せておりましたが、第2波、第3波と新型コロナウイルス新規感染者数が増減を繰り返すことにより、本格的な景気回復とはなりませんでした。
当社グループ製品の主要需要業界としては、物流業界向けや半導体業界向けは堅調に推移し、また自動車業界向けも年度後半には回復傾向となりましたが、工作機械業界向けは年度を通し低調に推移しました。
このような環境下、当社グループの当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度比51億6千4百万円減(6.2%減)の786億9千7百万円となりました。
損益面では、感染症拡大防止の観点からWeb会議やテレワークの推進などにより出張や各種活動を抑制し、経費削減に努めましたが、売上高減少の影響が大きく、営業利益は28億6千1百万円と前連結会計年度比6億6千6百万円の減益(18.9%減)となりました。
また、経常利益につきましては、自動車業界向けの需要悪化や持分法適用会社であるゲイツコリア CO.,LTDの解散措置により持分法投資利益が9億7千5百万円減少したこともあり、59億1千万円と前連結会計年度比16億3千2百万円の減益(21.6%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、47億2千3百万円と前連結会計年度比14億2千4百万円の減益(23.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
ベルト・ゴム製品事業
主力のベルト製品(受注額152億4千9百万円、前期比2.8%増、当社単独ベース)、ゴム製品(受注額44億5千3百万円、前期比3.4%減、当社単独ベース)は、国内では物流業界向けや半導体業界向けが堅調に推移しましたが、金融機器向けや工作機械向けが低調でした。海外では、物流業界向けや郵便業界向けが堅調でした。ベルト・ゴム製品の生産規模は、123億6千8百万円(前期比4.2%減・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は253億2千9百万円と前連結会計年度比16億6千万円の減少(6.2%減)となりました。セグメント利益は、減収の影響で16億4百万円と前連結会計年度比3億7千万円の減少(18.7%減)となりました。
ホース・チューブ製品事業
ホース・チューブ製品(受注額187億9千7百万円、前期比8.4%減、当社単独ベース)は、国内では半導体製造装置向けは堅調でしたが、自動車業界向けは第3四半期以降回復傾向となったものの、年度前半の落ち込みを取り戻すまでには至りませんでした。海外では、中国では第2四半期以降、建設機械向け需要が回復したものの、北米や韓国などでは自動車業界向けを中心に低調でした。ホース・チューブ製品の生産規模は、184億8千3百万円(前期比11.1%減・販売価格ベース、当社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は267億7千6百万円と前連結会計年度比27億8千万円の減少(9.4%減)となりました。セグメント利益は、減収の影響で9億2百万円と前連結会計年度比3億8千2百万円の減少(29.7%減)となりました。
化工品事業
化工品製品(受注額122億6千5百万円、前期比6.2%減、ニッタ化工品株式会社単独ベース)は、国内では、鉄道向け高機能製品製品は堅調でしたが、産業資材や防水資材、建設資材製品が低調でした。海外では、OA機器向け高機能製品が低調でした。化工品製品の生産規模は、123億7千1百万円(前期比5.7%減、販売価格ベース、ニッタ化工品株式会社単独ベース)となりました。
以上の結果、売上高は120億7千万円と前連結会計年度比10億8千2百万円の減少(8.2%減)となりました。セグメント利益は、減収の影響で7千6百万円と前連結会計年度比1億1千4百万円の減少(59.9%減)となりました。
その他産業用製品事業
空調製品(受注額37億5千2百万円、前期比7.7%増、当社単独ベース)は、測定器の需要が堅調であったことに加え、検査キットが好調でしたが、フィルタの新設建築物件はコロナ禍の影響により低調でした。感温性粘着テープ(受注額16億3千2百万円、前期比32.8%増、当社単独ベース)は、電子部品製造向けが好調でした。
以上の結果、売上高は110億2千7百万円と前連結会計年度比4億8百万円の増加(3.9%増)となりました。セグメント利益は、経費削減効果などにより3億4千8百万円と前連結会計年度比2億1千4百万円の増加(160.8%増)となりました。
不動産事業
テナントの退去及び賃料の減免要請などの影響により、売上高は8億3千6百万円と前連結会計年度比5千万円の減少(5.7%減)となりました。セグメント利益は、2億6千2百万円と前連結会計年度比7千4百万円の減少(22.0%減)となりました。
経営指導事業
経営指導の対象となる関係会社の売上が増加した結果、売上高は13億6千9百万円と前連結会計年度比6千9百万円の増加(5.3%増)となり、セグメント利益は、12億6千万円と前連結会計年度比8千1百万円の増加(6.9%増)となりました。
その他
自動車運転免許教習事業や北海道における山林事業等で構成されるその他の事業の売上高は、12億8千7百万円と前連結会計年度比6千9百万円の減少(5.1%減)となり、セグメント利益は、3千1百万円と前連結会計年度比7千3百万円の減少(69.9%減)となりました。
(ii)財政状態
当連結会計年度末における資産合計は1,346億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて47億2千3百万円の増加となりました。流動資産は711億5千2百万円となり40億8千9百万円の増加となりました。主な要因は現金及び預金が増加したことによるものです。
固定資産は634億9千4百万円となり6億3千3百万円増加しました。そのうち有形固定資産は239億2千5百万円と8億9千7百万円減少しました。無形固定資産は11億9千4百万円と1億6千5百万円の減少となりました。投資その他の資産は383億7千4百万円と16億9千7百万円増加しました。
負債合計は260億7百万円と14億7千2百万円の増加となりました。主な要因は従業員持株会信託型ESOP導入に伴う長期借入金の増加等によるものです。
純資産合計は1,086億3千9百万円となり32億5千1百万円の増加となりました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加や、その他有価証券評価差額金が増加したことによるものです。
この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の80.6%から80.2%となりました。
期末発行済株式総数(自己株式控除後)に基づく1株当たり純資産は、前連結会計年度末の3,615.29円から3,774.86円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、275億2千7百万円(前連結会計年度比21億6千8百万円の増加)となりました。各キャッシュ・フローの状況と主な要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、71億1千4百万円の収入(前連結会計年度比5億5千6百万円の収入減)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益56億5千1百万円、減価償却費28億5千7百万円、持分法による投資利益27億7千万円等があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、30億1千3百万円の支出(前連結会計年度比16億8千4百万円の支出増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出23億5千2百万円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、18億8千5百万円の支出(前連結会計年度比37億6千6百万円の支出減)となりました。これは主に自己株式の取得による支出19億8千万円、配当金の支払額18億7千4百万円、自己株式の売却による収入10億8千5百万円、長期借入による収入10億5千万円等があったことによるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であってもその容量、構造、形式等は、必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多く、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため、生産、受注及び販売の状況については、各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりであります。
経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ51億6千4百万円減少し、786億9千7百万円(前連結会計年度比6.2%減)となりました。新型コロナウイルス感染症拡大により、年度前半は半導体業界や物流業界を除く大部分の業界において需要が減少し、特に自動車業界の需要の減少が影響しました。年度後半になって回復基調となりましたが、前半の落ち込みを埋めるまでには至りませんでした。
(営業利益)
当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ6億6千6百万円減少し、28億6千1百万円(前連結会計年度比18.9%減)となりました。出張や各種活動を抑制したことにより、経費削減にはつながったものの、減収による影響が大きく、減益となりました。
(持分法による投資利益)
当社グループの持分法適用会社には、ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループと、ニッタ・デュポン㈱グループの2グループがあり、それぞれの主要需要業界は自動車業界と半導体業界となります。
ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループは合弁契約に従って、日本を含むアジア地区で自動車メーカーや一般産業向けのタイミングベルト、テンショナー、プーリーなどの製造販売を行っております。ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループの2020年度の業況は、自動車メーカー向けの売上が落ち込み減収減益となりました。
ニッタ・デュポン㈱グループは合弁契約に従って、日本及び海外の日系メーカーを中心に半導体研磨材料の製造販売を行っております。ニッタ・デュポン㈱グループの2020年度の業況は、旺盛な半導体需要を受け増収となりました。
また、ゲイツ・ユニッタ・アジア㈱グループの、韓国拠点でありますゲイツコリアCO.,LTDの解散により、持分法による投資利益が減少しております。
上記の結果、当連結会計年度における持分法投資利益は、前連結会計年度に比べ9億7千5百万円減少し、27億7千万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度における経常利益は、上記要因による持分法投資利益の減少等により、前連結会計年度に比べ16億3千2百万円減少し、59億1千万円(前連結会計年度比21.6%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ14億2千4百万円減少し、47億2千3百万円(前連結会計年度比23.2%減)となりました。特別利益は14百万円を計上しましたが、特別損失は牧場設備などの減損損失1億5千7百万円の計上により2億7千4百万円となりました。
当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
財政状態の分析
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は1,346億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べて47億2千3百万円の増加となりました。主な要因は親会社株主に帰属する当期純利益の増加による現金及び預金の増加や、時価評価による投資有価証券の増加によるものです。
(負債)
負債合計は260億7百万円と14億7千2百万円の増加となりました。主な要因は従業員持株会信託型ESOP導入に伴う長期借入金の増加等によるものです。
(純資産)
純資産合計は1,086億3千9百万円と32億5千1百万円の増加となり、自己資本比率は80.2%となりました。
セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 ① 財政状態及び経営成績の状況 (i)経営成績」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度の営業キャッシュ・フローは71億1千4百万円であり、当連結会計年度末において現金及び現金同等物を275億2千7百万円保有しております。また、換金性の高い金融資産も保有している事から、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を考慮しても、現時点で予測可能な将来の資金需要に対して不足が生じる懸念は少ないと認識しております。
営業活動上の運転資金、設備投資、研究開発のための資金及び配当支払など、主に短期的に資金需要を満たすための資金は、原則として営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、M&A等の巨額の資金需要に対応する場合は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から資金調達を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。
株主還元の考え方
当社では、株主に対する利益還元を重要な経営課題の一つとして位置づけ、企業体質の強化・充実を図りつつ、業績に応じた適正な利益配分を行う事を「基本方針」としております。具体的には、通期業績と先行きの業績見通しをベースとして、連結配当性向等を勘案し、更には一定の水準維持をも念頭に、株主還元に取り組んでまいります。内部留保金につきましては、長期的な視点に立って、研究開発投資、新規事業への投資、製造設備の増強・合理化投資など企業価値の増大の諸施策に活用してまいります。
この「基本方針」のもと、中期経営計画『V2020』のフェーズ3の期間においては、連結配当性向20~30%を目安に、安定的かつ着実な配当を継続的に実施する事で、株主の皆様のご期待にお応えすることにしてまいりました。また、新中長期経営計画『SHIFT2030』のフェーズ1(2022年3月期~2025年3月期)の期間における配当方針は、上記の「基本方針」を維持しつつ、連結配当性向30%を目安に、安定的且つ着実な配当を継続的に実施する事で、株主の皆様のご期待にお応えしてまいります。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
当社グループの連結財務諸表の作成に当たっては、当連結会計年度末における資産、負債の報告金額及び収益、費用の報告金額に影響を与える見積り、判断および仮定を使用する事が必要となります。当社グループの経営陣は連結財務諸表作成の基礎となる見積り、判断及び仮定を過去の経験や状況に応じた合理的と判断される入手可能な情報により継続的に検証し、意思決定を行っております。しかしながら、これらの見積り、判断及び仮定は不確実性を伴うため、実際の結果と異なる場合があります。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に、新型コロナウイルスの感染症拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (追加情報)」に記載のとおりであります。