有価証券報告書-第96期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/25 16:03
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194項目
1.企業理念と行動指針
当社の人的資本への取り組みは以下の全体図の通りであり、社員一人ひとりが能力や特性を最大限に発揮し活き活きと活躍できるよう、人材育成方針および社内環境整備方針を掲げ、人的資本経営を推進しています。
企業理念に基づき、2030年に向けた経営戦略を策定し、その実現に向けて組織と個人の「あるべき姿」と社員に「求める姿勢」を明確にしています。また、経営戦略の実現に「必要な人材」を特定し、その人材が効率的かつ効果的に業務を遂行できるよう専門組織を設置し、育成に注力しています。
さらに、全社員の能力向上を目指し、人材育成体系を構築し育成を行うとともに、生産性向上や品質向上に関する教育や活動も積極的に実施しています。同時に、社員が持てる能力を十分に発揮できる環境を整えるため、社内環境整備方針に基づいた取り組みを進めています。
<当社の人的資本への取り組み全体図>
<全体図の①>企業理念と経営戦略
◆企業理念と価値観/行動指針
当社は、持続的な企業価値の創造において「人材こそが最大の資本」であると位置づけております。社員一人ひとりがその能力と個性を最大限に発揮し、活力をもって働ける環境の整備は、当社の成長と競争力の源泉であると認識しております。また、全社員が企業理念に基づく共通の価値観を共有し、行動指針に則った業務遂行を通じて、当社の企業価値のさらなる向上に寄与するものと認識しております。
<使命><価値観><行動指針>
Going ahead with you
NITTAは動かす、未来へ導く製品で。
世の中を前へ、そして人々を幸せに。
熱意 Passion情熱を持って挑戦し、変化を起こしつづける
進取 Innovation柔軟な発想とものづくりで、未来を切り拓く
誠実 Integrityひたむきに取り組み、お客様の期待を超える
敬意 Respect互いを尊重し、グローバルに社会や環境に貢献する

◆ミッション、ビジョン、バリューの浸透「My Mission運動」
当社では、企業理念の浸透を重要視し、社員が日常業務において自発的に理念行動を実践することを目的とした「My Mission運動」を展開しています。この取り組みでは、社員が企業理念の価値観と行動指針に沿った自身のMissionを掲げ、日々の業務に取り組むことを奨励しています。2024年には社員の93.6%が自身のMy Missionを掲げて業務に従事しており、組織内で互いのMissionを共有することで、社員同士が刺激を受け、互いに理解を深めることに繋がっています。
また、理念行動への意欲や実施の度合いをサーベイによって数値化し、その結果を社内で共有することで、企業理念への理解や共感が年々深まり、理念行動の浸透が進んでいます。サーベイの結果からも、理念行動への個人の意識や実践が、サーベイ開始当初の2018年と比較して大きく向上していることは明らかです。これにより、社員のエンゲージメントの向上にも繋がっていると確信しております。
<サーベイの結果>
理念行動の意識と実践2018年2024年ポイントアップ
理念行動をしようと思う人の割合80.5%95.6%15.1%
理念行動を実施している人の割合53.6%86.3%32.7%

◆経営戦略
当社は、中長期経営計画「SHIFT2030」において、探索型SHIFT(新規事業の模索)と深化型SHIFT(既存事業の強化)の両輪で事業をさらに発展させることを目指しております。SHIFTには、変化(SHIFT)を繰り返すことで大きな革新(イノベーション)へつなげるという想いを込めており、3大SHIFT「成長へのSHIFT・企業価値向上へのSHIFT・更なるグローバル化へのSHIFT」を掲げ、推進しております。
◆あるべき姿
当社の使命の実現とSHIFT2030の達成に向けた、私たち組織・個人のあるべき姿は「ものづくりを核としたシフトイノベーター」であり、シフトイノベーターとは、世の中の変化に対応し自ら変化しながら革新に挑戦し続ける個人・集団を表しています。
<全体図の②>人事戦略と人材育成 ~人材育成方針~
当社では、企業理念と経営戦略の実現には、必要な人材を特定し育成することが重要であると認識しております。また、社員一人ひとりが価値観・行動指針を実践し、「シフトイノベーター」として活き活きと活躍することが不可欠であると捉え、次の4つの取り組みを行っております。
◆取り組み1:必要な人材の特定と育成
経営戦略に基づき、特に強化すべき人材を、イノベーション人材、デジタル人材、グローバル人材、次世代経営人材と特定し、それぞれに対して人材育成の取り組みを行っています。
・イノベーション人材
当社では、SHIFT2030で掲げる新事業の探索を行う組織として、専門部隊を設置しております。また、グループ関連会社全体として、技術・研究開発部門がInnovation活動(新規事業探索・新製品開発)に取り組んだ成果を発表するNI(NITTA Innovation)フォーラムを毎年開催するとともに、教育機関によるNI研修、部署や職種を横断したNIサークル活動、知的財産部門による知財教育体系の構築と幅広い社員層への研修等を実施しております。これらの取り組みにより、社員がイノベーションを起こし新しいものを生み出す風土づくりを全社で進めております。
・デジタル人材
当社では、専門組織を設置してDXを推進しています。その一環として策定したデジタル戦略の一つに、デジタル人材育成があります。社員のデジタルへの関与レベルを階層化し、デジタル階層別育成体系(デジタル人材育成タワー)を構築して人材の育成を行っています。
・グローバル人材
当社では、海外トレーニー派遣制度を設け、若手から中堅クラスを対象に、海外現地での語学研修と海外子会社での実務経験を組み合わせたプログラムを実施しています。また、新入社員向けの語学研修や海外駐在前研修など、グローバルに活躍する社員の育成とサポートの体制を整えています。
・次世代経営人材
当社では、次世代の経営人材を的確に見極め育成することが、企業の持続的成長に不可欠であるとの認識のもと、サクセッションプランの策定およびビジネスリーダー育成研修を人事施策の一環として実施しています。
◆取り組み2:ダイバーシティの推進
当社では、多様性がイノベーションの源泉であると認識し、ダイバーシティを推進しています。女性活躍推進においては、意欲と能力のある女性を積極的に登用するため、管理職登用制度の改定や育成研修を実施し、2020年度には5.4%だった女性管理職比率が2024年度には8.9%に増加しました。
また、職種のダイバーシティにも取り組んでおり、組織の中核となる管理職を多様な職種から登用するための育成研修を行っています。さらに、新卒採用・キャリア採用の入社形態による格差を生じさせないよう、キャリア採用者向けの育成研修を充実させ、活躍を促しています。障がい者についても、入社形態を問わず積極的に採用し、健常者と同じ人事制度で処遇しています。これにより、様々な部署で障がい者が活躍しています。
◆取り組み3:人材育成体系の運用とブラッシュアップ
当社では、すべての社員の能力やスキル向上を目指し、人材育成体系を構築・運用し、毎年ブラッシュアップしています。社員の多彩なキャリア形成を支援するため、「研修タワープログラム」により、階層別研修とテーマ別研修を充実させています。また、生産性向上や品質向上に関する教育および活動(TQM(※)、QCサークル活動、自工程完結活動 等)も、全社を挙げて活発に行っています。
(※)TQM:Total Quality Managementの略
(研修タワープログラム)

(生産性向上や品質向上に関する教育/活動) 「Total Nitta System」:Q(品質)・C(コスト)・D(納期)の向上
人材育成のための継続的活動
TQM(Total Quality Management)活動QCサークル活動:現場主体の品質改善の取り組みNS(Nitta System)自主研:効率的な仕組みの追求
管理職を対象とした報告会・指導会・職場コミュニケーションの活性化・一人工の追求 ・7つの「ムダ」の排除
・経営課題の抽出と課題解決・論理的思考の形成・標準化へ向けた仕組みの構築
自律推進活動自工程完結活動(JKK活動)5S活動
経営課題を現場目線で落とし込み活性化を図る活動間接部門の作業効率の向上を図る取り組み職場環境整備で基本となる5つの要素

◆取り組み4:社員の働き方の指針となる人事制度を改定
当社では、社員のモチベーション向上と優秀な人材の確保を目的として、昨年、人事制度を改定しました。新しい人事制度は、企業理念やSHIFT2030の実現に向けたサブシステムとして位置付けられ、連動しています。NITTA流のジョブ型を基に、資格等級制度・評価制度・賃金制度を再構築しました。社員の行動の基盤となる理念行動を資格等級制度の等級要件に組み込み、評価制度とも連動させています。
また、シニア社員の活躍が今後ますます重要になることを踏まえ、管理職の役職定年後の働き方を複線化し、定年後についてもモチベーションを維持して活躍できるよう、役割と成果に応じた処遇の実現を図りました。さらに、高度専門人材の職種や地域限定職の新設、アルムナイ制度の導入なども行っています。
今後、事業業績の状況、エンゲージメントや組織風土の調査結果、従業員満足度調査の結果をモニタリングしながら、より良い制度を目指していきます。
<全体図の③>社員が活躍するための基盤の整備 ~社内環境整備方針~
刻々と変化する社会環境の中で、企業が持続的に成長するためには、社員が健康で安心して働ける職場環境の整備が不可欠です。当社では、健康経営と働き方改革を推進するとともに、福利厚生の充実に努めています。
◆組織風土とエンゲージメント
当社では、一人ひとりの能力が最大限に発揮され、イノベーションが創出される組織づくりにおいて、「挑戦する風土」の醸成が重要であると考えています。こうした背景から、組織および個人の挑戦度を可視化する「チャレンジ風土スコア」と、心理的安全性の確保状況を測る「風通し風土スコア」を継続的にモニタリングしています。
また、社員のエンゲージメントが業務パフォーマンスに与える影響の大きさを重視し、2018年より「ワーク・エンゲージメント」の定点観測を実施しています。さらに、離職率も組織風土を示す重要な指標の一つと位置づけ、常にその動向を把握し、健全な職場環境の維持に努めています。各スコア・数値は以下の<人的資本の取り組み一覧>を参照ください。
◆健康経営
当社は、価値創造に向けた重要なマテリアリティの一つとして「働きがいのある魅力的な職場環境の実現」を掲げており、その実現手段の一環として健康経営を位置付けています。2018年には「健康経営宣言」を策定し、「健康なからだ」「健康なこころ」「健康な職場」という3つの健康をキーワードに、健康経営を推進しております。これらの取り組みの成果を可視化するため、明確な成果指標を設定し、継続的なモニタリングを行っています。
こうした継続的な取り組みが評価され、当社は2019年以降、7年連続で「健康経営優良法人(大企業部門・ホワイト500)」に認定され、さらに2023年および2024年には「健康経営銘柄」に2年連続で選定されました。今後も、社員の心身の健康維持・向上を支える施策を継続的に展開し、持続可能で活力ある職場づくりを目指してまいります。
<健康経営の最終的な成果指標>
健康なからだメタボリックシンドローム該当者率
脂質リスク該当者率
健康なこころプレゼンティーイズム(※1)
健康な職場ワーク・エンゲージメント (※2)

※1. 出勤はしているものの、健康問題が理由で完全な業務パフォーマンスが出せない状態のこと。病気や怪我がないときに発揮できる仕事の出来を100%としたときの、自身の仕事の出来を評価したもの。SPQを用いたサーベイを実施。なお、SPQとは平成27年度健康寿命延伸産業創出推進事業「東京大学ワーキング」で開発された、1項目の設問によりプレゼンティーイズムを簡便に測定できる尺度。
※2. 新職業性ストレスチェック結果より得られる数値
◆働き方改革
当社では、年次有給休暇取得率の向上、長時間労働の防止、あらゆるハラスメントの防止などの取り組みを進めています。2024年度の人事制度改定では、地域限定社員選択制の新設、在宅勤務制度の拡充、特別休暇の見直し等を行いました。
◆育児・介護支援
当社では、育児・介護支援について、法定を超える制度の運用に努めています。育児による時短勤務は小学校3年生まで、時差勤務は6年生までを対象としており、本年6月には時短勤務の対象を小学校6年生まで拡大する予定です。介護の時短については183日まで、時差については介護状態が続く限り制度の利用を可能としています。男性社員の育児休業取得率の向上にも取り組んでおり、2024年度の取得率は目標の50%を超え、52.2%に達しました。
上記の人的資本への取り組みを、一覧表に示すと下表のとおりです。
<人的資本の取り組み一覧>
項目主な取り組み実績
①企業理念と
経営戦略
◆ミッション、ビジョン、バリューの浸透
①My Mission運動で、企業理念の意識化・行動化を推進
②毎年サーベイを実施し、結果をグループ全社で共有
<サーベイ結果一部抜粋>
項目2018年2024年ポイントアップ
理念行動をしようと思う人の割合80.5%95.6%15.1%
理念行動を実施する人の割合53.6%86.3%32.7%
◆経営戦略とあるべき姿
①中長期経営計画「SHIFT2030」:探索型SHIFTと深化型SHIFTの実現
②3大SHIFT:成長へのSHIFT、企業価値向上へのSHIFT、更なるグローバル化へのSHIFTの推進
③あるべき姿:私たち(組織/個人)は「ものづくりを核としたシフトイノベーター」となる
②人事戦略と
人材育成
※人材育成方針
◆必要な人材の特定と育成
イノベーション人材
①新事業の探索を職務とする組織を設置
②NI(NITTA Innovation)フォーラムを毎年開催し、新規事業探索・新製品開発の成果を発表
③NI研修の実施(新入社員向け、中堅社員向け等)
④NIサークル活動(部署や職種を横断したチームでの活動)
⑤知的財産教育体系の構築と研修の実施
デジタル人材
①DXを推進する専門組織を設置
②デジタル階層別育成体系(デジタル人材育成タワー)の構築と、育成計画の実行
グローバル人材
①海外トレーニー派遣制度(語学研修と海外での業務経験)
②語学研修(新入社員向け、グローバル人材向け)
③海外駐在前研修、グローバル人材向けe-ラーニング
次世代経営人材
①サクセッションプランの運用
②ビジネスリーダー育成研修
③経営人材アセスメント
◆ダイバーシティの推進
①管理職登用制度の改定と研修実施(女性活躍推進)
②多様な職種を対象とした次世代管理職研修の実施(多様な職種からの管理職登用)
③キャリア採用者向けの育成研修の充実(入社形態による格差解消)
④障がい者雇用の推進、障害に関わらず同じ人事制度を適用(障がい者の活躍推進)
◆人材育成体系の運用とブラッシュアップ
①階層別とテーマ別の「研修タワープログラム」
②生産性向上や品質向上に関する教育及び活動(TQM、QC活動、自工程完結等)
※TQM:Total Quality Managementの略
◆人事制度の改定(2024年度)
①目的:社員のモチベーションアップと優秀な人材の確保
②位置づけ:企業理念やSHIFT2030の実現に向けたサブシステムとして連動
③主な改定内容
資格等級制度・評価制度・賃金制度の再構築、管理職の役職定年後の働き方を複線化、若手の早期登用、シニアの活躍推進(働き方や役割の複線化、役割と成果に基づく適切な処遇)、高度専門人材を処遇する職種の新設、地域限定職の新設、アルムナイ制度の導入

項目主な取り組み実績
③社員が活躍するための基盤の整備
※社内環境整備方針
◆組織風土とエンゲージメント
①~④のモニタリングを行い、職場環境の維持・改善の取り組みにつなげる
①チャレンジ風土スコア
②風通し風土スコア
③ワーク・エンゲージメントスコア
④離職率
[調査の結果]
①チャレンジ風土スコア
・自己のチャレンジ
ポジティブ
回答率
2022年度2023年度2024年度
87%88%90%

・職場のチャレンジ
ポジティブ
回答率
2022年度2023年度2024年度
83%84%83%

②風通し風土スコア
・心理的安全性が保たれているか
・年齢・性別・職種・勤続年数・経験年数などに関係なく自分の考えや意見を言える職場か
ポジティブ
回答率
2022年度2023年度2024年度
81%81%80%

③ワーク・エンゲージメントスコア
・新職業性ストレスチェックによるワーク・エンゲージメント値
回答平均点2022年度2023年度2024年度
2.412.402.42

④離職率
・定年退職や再雇用定年など全ての退職者を含む
2021年度2022年度2023年度2024年度
4.0%3.8%4.3%4.1%
◆健康経営
①2018年に健康経営宣言を策定し、3つの健康(からだ・こころ・職場)を推進
②2019年以降7年連続で「健康経営優良法人 大企業部門(ホワイト500)」に認定
③2023年・2024年と2年連続で「健康経営銘柄」に選定
④最終的な成果指標と、モニタリング指標を設定・管理(詳細は当社HP)
◆働き方改革
①年次有給休暇取得率の向上
②長時間労働防止の取り組み
③ハラスメント防止の取り組み
④地域限定社員選択制の新設
⑤在宅勤務制度の拡充
⑥特別休暇の充実
バースデー休暇、リフレッシュ休暇、ファミリーケア休暇、骨髄ドナー休暇、裁判員休暇、定年旅行休暇 等
◆育児・介護支援
①法定を超える育児介護の時短勤務・時差勤務の制度
・育児時短勤務:子供が小学校6年生まで(本年6月改定)
・育児時差勤務:子供が小学校6年生まで
・介護休業:183日まで、介護時差勤務:期間期限なし
②男性育児休業取得率の向上:2024年度の取得率は52.2%

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