四半期報告書-第154期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/07 12:57
【資料】
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【項目】
32項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①当第2四半期連結累計期間の状況
当第2四半期連結累計期間(2019年4月1日から2019年9月30日まで)におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調が続きました。また、世界経済の動向と政策に関する不確実性などがあり、アジア及びヨーロッパの中では弱さはみられたものの、全体としては緩やかな回復が続きました。
このような事業環境の中、当社グループは引き続き、中期経営計画「TOTO WILL2022」に基づき、「日本」「中国・アジア」「米州・欧州」の3つの事業で構成される「グローバル住設事業」と「セラミック」「環境建材」で構成される「新領域事業」の2つの事業軸で活動を推進しました。
その結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,963億2千9百万円(前年同四半期比5.4%増)、営業利益が174億6千7百万円(前年同四半期比3.5%減)、経常利益が179億2千4百万円(前年同四半期比10.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益が124億5百万円(前年同四半期比6.7%減)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ、38億9千1百万円減少しました。主な内容は、現金及び預金が73億6千9百万円の減少、商品及び製品が27億5百万円の増加となっています。
また、負債は、前連結会計年度末に比べ、49億2千2百万円減少しました。主な内容は、その他流動負債がコマーシャル・ペーパーの減少等により75億2千1百万円の減少となっています。
②セグメントの業績
セグメントごとの売上高については、外部顧客への売上高を記載しています。
a.グローバル住設事業
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,843億1千7百万円(前年同四半期比7.0%増)、営業利益が200億3百万円(前年同四半期比4.7%増)となりました。
<日本住設事業>当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,188億1千1百万円(前年同四半期比9.8%増)、営業利益が130億1千8百万円(前年同四半期比60.9%増)となりました。
当社グループにおいては、新商品及び施策による効果、また消費税率引き上げによる駆け込み需要などにより、リモデル・新築とも前年を上回る実績となりました。
TOTO、DAIKEN、YKK APでは、快適性と環境配慮を両立するリフォーム「グリーンリモデル」を引き続き推進しています。
また、増加している訪日外国人観光客の目に触れるトイレの提案強化をすることで、「ウォシュレット」の訴求機会を増やし、国内だけでなく海外での購買につなげる活動を強化しています。
<中国・アジア住設事業>(中国)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が323億9千2百万円(前年同四半期比3.9%減)、営業利益が46億9千1百万円(前年同四半期比39.6%減)となりました。
二、三線都市への取組み強化で売り上げ回復も、一線都市の市場停滞並びに為替影響で減収減益となりました。
当社グループにおいては、一線から二・三線都市の都市部を中心に、市場環境や消費者の購買行動の変化などに注視しつつ、高級ブランドとしての強みを活用し、事業活動を推進しています。
また、中国国内の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産と最適な供給体制の構築を進めています。
加えて、「ウォシュレット」のプロモーション強化を通じて普及拡大に努めています。
(アジア・オセアニア)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が147億8千3百万円(前年同四半期比0.8%減)、営業利益が22億4千5百万円(前年同四半期比23.1%減)となりました。
当社グループにおいては、世界の供給基地としてベトナム、タイでの生産体制を充実させると共に、新興国市場での販売力を強化しています。また、ベトナムや台湾では、高級ブランドとしての認知を活かした事業活動を推進しています。
ベトナムでは、市場の成長に合わせて、5スターホテルや高級コンドミニアムなどの著名物件や、個別散在物件の受注強化のため、販売網の強化やアフターサービス体制の整備に取り組んでいます。
台湾では、新築住宅着工に依存しない販売体制確立に向け、積極的なプロモーションの展開により、「ウォシュレット」の普及に努めています。
<米州・欧州住設事業>(米州)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が163億9百万円(前年同四半期比2.0%増)、営業利益が4億8千7百万円(前年同四半期比52.0%減)となりました。
「ウォシュレット」の販売好調により増収も、将来に向けた販売投資により減益となりました。
当社グループにおいては、中高級市場における商品優位性や価値伝達によってブランド価値を高め、競合他社との差別化を図っています。
節水便器の高い節水性能(洗浄水量3.8L)や「ウォシュレット」「ネオレスト」の快適性、デザイン性がお客様から評価され、住宅、非住宅共に採用が増加しています。「ウォシュレット」は、ショールーム展示やホームページの充実、eコマースなど新規ルートの開拓・強化を進めています。
(欧州)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が20億2千万円(前年同四半期比2.8%増)、営業損失が4億3千9百万円(前年同四半期は営業損失6億8千5百万円)となりました。
当社グループにおいては、ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築及び著名物件の獲得を進めており、販売代理店におけるショールーム展示の質の向上や、施工店の開拓・拡大に注力しています。「ウォシュレット」や「ネオレスト」など差別化商品の認知が向上し、ホテルなどの高級現場における商品の採用が進んでいます。
欧州のお客様の嗜好に沿う高いデザイン性の新商品を発売し、展示会やセミナー、ショールーム展示を通じてお客様への価値訴求を強化しています。
b.新領域事業
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が118億7千4百万円(前年同四半期比21.5%減)、営業損失が7億9千2百万円(前年同四半期は営業利益6億3千万円)となりました。
当社のオンリーワン技術を活かした「セラミック事業」、環境浄化技術「ハイドロテクト」による建材や塗料などを展開する「環境建材事業」を「新領域事業」として、事業活動を推進しています。
<セラミック事業>当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が81億1千8百万円(前年同四半期比28.8%減)、営業損失が4億9千7百万円(前年同四半期は営業利益8億6千6百万円)となりました。
当社グループにおいては、半導体・表示デバイス等の先端デバイスの需要が減少したことにより、それらの製造装置に採用されている当社セラミック製品の需要も減少しました。
今後も取引先の需要に対応できるよう、もの創りを抜本的に改革し、生産性向上に取り組むことで、強固な事業基盤の構築を目指しています。
<環境建材事業>当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が37億5千5百万円(前年同四半期比0.8%増)、営業損失が2億9千5百万円(前年同四半期は営業損失2億3千5百万円)となりました。
当社グループにおいては、住宅会社向け外壁商品をメインとする売上はほぼ横ばいとなりました。内装防汚陶板「ハイドロセラ」を中心とした生産体制強化活動を推進しており、引き続き事業体質の更なる改善を目指しています。
③その他
<社外からの評価について>・ESG投資指標に選定
ESG投資の世界的指数である「FTSE4Good Index Series」の構成銘柄に4年連続で選定されました。
また、世界の代表的なESG投資指標である「Dow Jones Sustainability Indices」 の「World Index」の構成銘柄に選定されました。同銘柄への選定は8回目となります。
これらの指標に選定されたことは、TOTOグループのESGに配慮した事業活動、情報開示が評価されたことによるものです。引き続き、TOTOグループは「TOTOグローバル環境ビジョン」の活動を通じて、経営とCSRの更なる一体化を図り、企業価値向上を目指していきます。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は898億5百万円となり、前連結会計年度末の964億7千万円に比べ、66億6千5百万円の資金減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により249億1千6百万円の収入となりました。これは、税金等調整前四半期純利益184億1千6百万円、減価償却費123億3千6百万円等の収入と、たな卸資産の増加額49億2千万円、法人税等の支払額47億8千4百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、365億7千3百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により172億1千2百万円の支出となりました。これは、定期預金の払戻による収入24億7千3百万円等の収入と、有形固定資産の取得による支出160億1千5百万円、無形固定資産の取得による支出28億9千8百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、48億7千3百万円の支出増加となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により129億1千8百万円の支出となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの発行による収入336億円等の収入と、コマーシャル・ペーパーの償還による支出376億円、配当金の支払額76億1千9百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、353億7千8百万円の支出増加となりました。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
[株式会社の支配に関する基本方針について]
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えております。
当社は、1917年の創立以来、一貫して「社会の発展への寄与」を理念とする経営を行ってまいりました。水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化創造にあたっては、たゆまぬ研究開発と市場開拓を行い、必要な設備や人財育成に長期的投資を行うことによって、日本市場の中で、「環境配慮」を実現する節電・節水技術の開発、「清潔・快適」「ユニバーサルデザイン」を実現する素材開発、「安心・信頼」を実現するビフォア・アフターサービス体制等、総合的な事業活動による価値の創造と提供を図ってまいりました。現在では、日本市場で築いた事業モデルを活かし、米州・アジアをはじめとする世界の水まわり市場の積極開拓により、一層の価値向上を図る一方、日本の水まわり市場において確固たる地位を築いたことによる供給責任にも応えています。創立以来、長きにわたり、広く社会の発展に寄与し続けたことが、現在の当社の企業価値ひいては株主共同の利益につながっています。
当社は、公開会社として、当社株式の自由な売買を認めることは当然のことであり、特定の者又はグループによる大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かの最終的な判断は、当社株式を保有する株主の皆様に委ねられるべきものと考えております。しかしながら、当該大量買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、必要かつ相当な手段を採ることによって当社の長期的な株主価値を確保することが必要であると考えております。
②基本方針の実現に資する取組み
(ⅰ)社是・企業理念及び中期経営計画
当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します。」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しております。
当社の企業価値の源泉は、①高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、②ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、③お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、④お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、⑤取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、⑥前記①~⑤の維持・発展を担う従業員等にあります。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、2017年10月に策定した、2018年度から始まる5ヵ年の中期経営計画「TOTO WILL2022」を推進しています。
「TOTO WILL2022」では、コーポレート・ガバナンスを土台に、「グローバル住設事業」「新領域事業」の2つの事業軸と、「マーケティング革新」「デマンドチェーン革新」「マネジメントリソース革新」の3つの全社横断革新活動により、グローバル推進体制を強化していきます。
これらの事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」がより一体となり、更なる企業価値向上を目指します。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、経営の客観性・透明性を高め、経営責任を明確にすることによって、ステークホルダーの皆様の満足を実現し、企業価値を永続的に向上させることが企業経営の要であると考えます。
当社のコーポレート・ガバナンス体制につきましては、当社ホームページ(https://jp.toto.com/company/profile/governance/index.htm)に記載のとおりです。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記の基本方針のもと、2006年4月28日開催の取締役会において「当社株式の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」を導入いたしました。その後、直近では2016年6月29日開催の当社第150期定時株主総会の決議により更新(以下、更新後の買収防衛策を「本プラン」といいます)いたしましたが、本プランの有効期限である、2019年6月25日開催の第153期定時株主総会の終結の時をもって本対応方針を継続しないことを、2019年4月26日開催の取締役会において決議いたしました。
なお、当社は本プラン廃止後も、当社株式の大量買付行為を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
④上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記②及び③に記載の取組みは株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みであり、上記①の基本方針に沿うものであります。これらの取組みは、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的としたものではありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、108億1千6百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。