四半期報告書-第156期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/05 13:12
【資料】
PDFをみる
【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
なお、第1四半期連結会計期間より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、遡及処理後の数値で比較分析を行っています。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①当第2四半期連結累計期間の状況
当第2四半期連結累計期間(2021年4月1日から2021年9月30日まで)における世界経済は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響が残るものの、回復の傾向が見られます。
我が国の経済は同様に回復の動きが見られるものの、その勢いが鈍化しています。
このような事業環境の中、当社グループは新共通価値創造戦略「TOTO WILL2030」を実現していくための最初の3年間の経営課題である、中期経営課題(WILL2030 STAGE1)に基づき、「日本住設事業」「中国・アジア住設事業」「米州・欧州住設事業」の3つの事業で構成される「グローバル住設事業」と「セラミック事業」で構成される「新領域事業」の2つの事業軸で活動を推進しました。
当社は、「きれいと快適」「環境」を両立するTOTOらしい商品を「サスティナブルプロダクツ」と位置付け、これらの商品をグローバルで普及させることにより、地球環境に配慮した、豊かで快適な社会の実現に貢献しています。
その結果、当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が3,095億6百万円(前年同四半期比20.7%増)、営業利益が266億1千3百万円(前年同四半期比173.1%増)、経常利益が281億4千5百万円(前年同四半期比180.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益が198億6千8百万円(前年同四半期比351.8%増)となりました。
総資産は、前連結会計年度末に比べ、370億9千4百万円減少しました。主な内容は、現金及び預金が581億5千9百万円の減少、建物及び構築物が96億6千4百万円の増加、商品及び製品が76億7千8百万円の増加となっています。
また、負債は、前連結会計年度末に比べ、612億8千8百万円減少しました。主な内容は、短期借入金が327億6千2百万円の減少、その他流動負債がコマーシャル・ペーパーの減少等により199億3千1百万円の減少となっています。
②セグメントの業績
セグメントごとの売上高については、外部顧客への売上高を記載しています。
なお、第1四半期連結累計期間より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同四半期比較については、前年同四半期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しています。
a.グローバル住設事業
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,959億4千5百万円(前年同四半期比20.0%増)、営業利益が250億2千万円(前年同四半期比137.2%増)となりました。
<日本住設事業>当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が2,137億6千4百万円(前年同四半期比12.8%増)、営業利益が126億5千9百万円(前年同四半期比170.4%増)となりました。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点で、ショールームについては完全予約制をとりつつ、オンライン接客などの対応でお客様へのニーズに対応しています。
また、衛生性に対する意識の高まりで、「タッチレス商品」である自動水栓等の販売が好調であることに加え、在宅時間の増加などで、リモデルへの関心が高まり、リモデルは大きく前年を上回る実績となりました。
新築住宅においても、新設住宅着工戸数の増加を受け、売上も大きく前年を上回りました。
TOTO、DAIKEN、YKK APでは、これからも安心して暮らせる、人と地球にやさしい家づくりの視点「グリーンリモデル」に基づいて、新しい生活様式に対応した提案とお客様のさまざまな暮らしの想いをかなえるライフスタイルの提案「十人十家」を推進しています。
当社が創り出した清潔なトイレ文化を世界へ発信していくことに加え、新型コロナウイルス感染症拡大を踏まえ衛生的な空間と新しい生活様式に対応した商品の提案・開発を強化しています。
<中国・アジア住設事業>(中国大陸事業)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が426億4千7百万円(前年同四半期比61.1%増)、営業利益が78億7千6百万円(前年同四半期比98.3%増)となりました。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大による市場環境や消費者の購買行動の変化などに注視しつつ、高級ブランドとしての強みを活用し、引き続き事業活動を推進しています。
また、中国大陸の長期的な市場成長による需要増に対応するため、効率的な生産と最適な供給体制の構築を進めています。
加えて、「ウォシュレット」のプロモーション強化を通じて普及拡大に努めています。
(アジア・オセアニア事業)※中国大陸事業を除く
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が155億5千1百万円(前年同四半期比17.9%増)、営業利益が27億6千1百万円(前年同四半期比52.1%増)となりました。
当社グループにおいては、一部地域では新型コロナウイルス感染症拡大の影響を依然として受けていますが、世界の供給基地としてベトナム、タイでの生産体制を充実させると共に、新興国市場での販売力を強化しています。また、日本発の高級ブランドとしての認知を活かした事業活動を推進しています。
各地域の市場成長に合わせて、5スターホテルや高級コンドミニアムなどの著名物件や、個別散在物件の受注強化のため、販売網の強化や積極的なプロモーション展開による「ウォシュレット」の普及、アフターサービス体制の整備に取り組んでいます。
<米州・欧州住設事業>(米州事業)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が213億4千2百万円(前年同四半期比37.6%増)、営業利益が20億5千1百万円(前年同四半期比299.6%増)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業活動の制限を余儀なくされましたが、北米を中心に「ウォシュレット」の需要拡大が継続しており、温水洗浄便座市場が本格的な普及段階に移行してきています。また中古住宅市場の活況を背景に「トルネード洗浄大便器」の実績も好調に推移しています。
当社グループにおいては、中高級市場において清潔機能を中心に価値伝達を強化、商品優位性によってブランド価値を高め、競合他社との差別化を図っており、「ウォシュレット」をはじめ、高い節水性能(洗浄水量3.8L)を有する節水便器、快適性、デザイン性がお客様に評価されている「ネオレスト」などの採用が増加しています。
ショールーム展示拡充やホームページの充実、eコマース整備など、お客様接点の強化や効率的な供給体制づくりを推進しています。
(欧州事業)
当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が26億3千9百万円(前年同四半期比37.7%増)、営業損失が3億2千8百万円(前年同四半期は営業損失4億3千6百万円)となりました。
新型コロナウイルス感染症の影響を受け、事業活動の制限を余儀なくされましたが、引き続き欧州のお客様の嗜好に沿うデザイン性の高い商品の販売、ショールーム展示を通じてお客様への価値訴求を強化しています。
当社グループにおいては、ドイツ、フランス、イギリスを中心に、販売チャネルの構築及び著名物件の獲得を進めており、販売代理店におけるショールーム展示の質の向上や、施工店の開拓・拡大に注力しています。「ウォシュレット」や「ネオレスト」など差別化商品の認知が向上し、ホテルなどの高級現場における商品の採用が進んでいます。
b.新領域事業
<セラミック事業>当第2四半期連結累計期間の業績は、売上高が134億4千8百万円(前年同四半期比37.9%増)、営業利益が29億3千3百万円(前年同四半期比608.8%増)となりました。
当社グループにおいては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響は限定的であり、半導体需要が増加したことで、それらの製造装置に採用されている当社セラミック製品の売上も増加しました。
DX(デジタルトランスフォーメーション)による社会変革、ますます加速する半導体の進化を、高いセラミック技術と次世代のもの創りで支えていきます。
(2)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、847億5百万円となり、前連結会計年度末の1,414億1千9百万円に比べ、567億1千4百万円の資金減少となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により222億2千1百万円の収入となりました。これは、税金等調整前四半期純利益291億9千6百万円、減価償却費130億9千万円等の収入と、棚卸資産の増加額96億8百万円、法人税等の支払額75億6千4百万円、仕入債務の減少額20億7千5百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、120億6千3百万円の収入増加となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により150億2千8百万円の支出となりました。これは、投資有価証券の売却による収入20億2千6百万円等の収入と、有形固定資産の取得による支出165億8百万円、無形固定資産の取得による支出21億2千4百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、36億3千8百万円の支出減少となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により675億9千3百万円の支出となりました。これは、コマーシャル・ペーパーの発行による収入132億円と、コマーシャル・ペーパーの償還による支出406億円、短期借入金の減少326億円、配当金の支払額67億7千7百万円等の支出によるものです。前第2四半期連結累計期間と比較すると、960億8千6百万円の支出増加となりました。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
[株式会社の支配に関する基本方針について]
①当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの事業特性、並びに当社の企業価値の源泉を十分理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させることができる者であることが必要と考えています。
当社は、1917年の創立以来、一貫して「社会の発展への寄与」を理念とする経営を行ってまいりました。水まわりを中心とした豊かで快適な生活文化創造にあたっては、たゆまぬ研究開発と市場開拓を行い、必要な設備や人財育成に長期的投資を行うことによって、日本市場の中で、「環境配慮」を実現する節電・節水技術の開発、「清潔・快適」「ユニバーサルデザイン」を実現する素材開発、「安心・信頼」を実現するビフォア・アフターサービス体制等、総合的な事業活動による価値の創造と提供を図ってまいりました。現在では、日本市場で築いた事業モデルを活かし、米州・アジアをはじめとする世界の水まわり市場の積極開拓により、一層の価値向上を図る一方、日本の水まわり市場において確固たる地位を築いたことによる供給責任にも応えています。創立以来、長きにわたり、広く社会の発展に寄与し続けたことが、現在の当社の企業価値ひいては株主共同の利益につながっています。
当社は、公開会社として、当社株式の自由な売買を認めることは当然のことであり、特定の者又はグループによる大量買付行為に応じて当社株式の売却を行うか否かの最終的な判断は、当社株式を保有する株主の皆様に委ねられるべきものと考えています。しかしながら、当該大量買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、必要かつ相当な手段を採ることによって当社の長期的な株主価値を確保することが必要であると考えています。
②基本方針の実現に資する取組み
(ⅰ)社是・企業理念及び中期経営計画
当社グループは、社是「愛業至誠:良品と均質 奉仕と信用 協力と発展」とTOTOグループ企業理念「私たちTOTOグループは、社会の発展に貢献し、世界の人々から信頼される企業を目指します」に基づき、広く社会や地球環境にとって有益な存在であり続けることを目指して企業活動を推進しています。
当社の企業価値の源泉は、①高品質な製品を提供し続けてきた高度な生産技術力、②ユニットバス・ウォシュレット等の新たな生活文化の創造に寄与する商品やネオレスト・ハイドロテクト等の環境配慮商品を創造してきた研究開発力、③お客様の多様なニーズにきめ細やかに対応できる高品質かつ豊富な商品群、④お客様に安心・安全・信頼の証として認知された企業ブランド、⑤取引先との良好かつ長期的なパートナーシップに基づく販売力、⑥前記①~⑤の維持・発展を担う従業員等にあります。
当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保・向上させるため、2021年度から始まる10カ年の「新共通価値創造戦略 TOTO WILL2030」を策定しました。
TOTO WILL2030を実現するための最初の3年間(2021年度~2023年度)を「中期経営課題(WILL2030 STAGE1)」として具体的な目標を定め、環境変化に対応していきます。
WILL2030 STAGE1では、事業活動と「TOTOグローバル環境ビジョン」をより一体化させ、更なる企業価値向上を目指します。
その戦略フレームは、企業活動のベースとなる「コーポレートガバナンス」と時代の変化に先んじるための「デジタルイノベーション」があり、「グローバル住設」「新領域」の2つの事業軸と、全社最適視点で横串を通す3つの全社横断革新活動です。
(ⅱ)コーポレート・ガバナンスの強化
当社グループは、経営の客観性・透明性を高め、経営責任を明確にすることによって、ステークホルダーの皆様の満足を実現し、企業価値を永続的に向上させることが企業経営の要であると考えます。
当社のコーポレート・ガバナンス体制につきましては、当社ウェブサイト
(https://jp.toto.com/company/profile/governance/index.htm)に記載のとおりです。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
当社は、上記の基本方針のもと、2006年4月28日開催の取締役会において「当社株式の大量買付行為に関する対応方針(買収防衛策)」を導入いたしました。その後、直近では2016年6月29日開催の当社第150期定時株主総会の決議により更新(以下、更新後の買収防衛策を「本プラン」といいます)いたしましたが、本プランの有効期限である、2019年6月25日開催の第153期定時株主総会の終結の時をもって本対応方針を継続しないことを、2019年4月26日開催の取締役会において決議いたしました。
なお、当社は本プラン廃止後も、当社株式の大量買付を行おうとする者に対しては、大量買付行為の是非を株主の皆様が適切に判断するために必要かつ十分な情報の提供を求め、あわせて当社取締役会の意見等を開示し、株主の皆様の検討のための時間と情報の確保に努める等、金融商品取引法、会社法及びその他関係法令に基づき、適切な措置を講じてまいります。
④上記各取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
上記②及び③に記載の取組みは株主共同の利益を確保し、向上させるための取組みであり、上記①の基本方針に沿うものであります。これらの取組みは、株主共同の利益を損なうものではなく、また、当社の役員の地位の維持を目的としたものではありません。
(4)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、109億3千4百万円です。
なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。