四半期報告書-第157期第3四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)

【提出】
2015/11/10 13:04
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28項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、政府の金融・経済政策や円安を背景として企業収益が改善し、雇用・所得状況も上向くなど、総じて緩やかな回復傾向が続きました。しかしながら、円安による物価上昇等により、個人消費の持ち直しには遅れが見られる状況にあり、依然先行きは不透明な状況が継続いたしました。
また、世界経済は、米国では緩やかな回復が続き、欧州でも景気は下げ止まりを見せております。しかし、アジアでは中国の急激な景気減速、これによる周辺諸国への影響について明確でない中、アメリカの利上げの時期を巡る予測など、依然先行きは不透明な状況にあります。
当社グループを取り巻く事業環境は、激化する競争の中、厳しい状況で推移しました。このような状況の中、当社は創立100周年という大きな節目を迎え、これまでの脆弱な収益体質から脱却すべく、「新しい技術への挑戦と製品の高付加価値化」を推進し、新たな時代を切り開く屈強な収益体質をグループを挙げて確立する方針の下、収益性の高い高付加価値製品の展開および海外展開の強化、コスト削減活動等の諸施策にグループ一丸となって取組んでまいりました。
その結果、当第3四半期連結累計期間の業績は、売上高212億8千8百万円(前年同四半期比2.0%減)、営業利益13億5千9百万円(同187.0%増)、経常利益12億4千万円(同173.2%増)、四半期純利益6億4千9百万円(同132.3%増)となりました。
なお、セグメント別の業績は次のとおりであります。
(炭素製品関連事業)
電極部門は、国内については電炉業界の需要低迷がひと段落し、海外についても需給関係の緩みによる収益性低下に歯止めがかかりました。
ファインカーボン部門は、半導体市場および太陽電池市場に一部回復の兆しが見られ、高温炉業界の業況の回復もあり、炭素繊維および特殊炭素材料の販売は高付加価値品を中心に弱い動きながらも回復基調で推移いたしました。また、リチウムイオン電池負極材につきましては堅調に推移いたしました。炭化けい素繊維の販売は想定通りに推移いたしました。一方、不浸透黒鉛製品の販売につきましては化学プラント業界の設備投資の影響を受け、低調に推移いたしました。
この結果、売上高は203億4千7百万円(前年同四半期比2.8%減)、セグメント利益(営業利益)は11億3千9百万円(同336.5%増)となりました。
(不動産賃貸関連事業)
賃貸オフィスビルの稼働率が前年同四半期に比べ若干低下したことから、売上高は3億8千5百万円(前年同四半期比7.5%減)、セグメント利益(営業利益)は1億5千6百万円(同4.7%減)となりました。
(その他の事業)
産業用機械の製造・販売は堅調に推移し、売上高は5億5千6百万円(前年同四半期比55.0%増)、セグメント利益(営業利益)は6千2百万円(同30.5%増)となりました。
(2)財政状態の分析
当第3四半期連結会計期間末の総資産は、568億6千万円となり、前連結会計年度末に比べ2億5千4百万円の減少となりました。流動資産は、受取手形及び売掛金10億9千9百万円、現金及び預金5億3千3百万円並びにたな卸資産4億4千9百万円の減少等により、298億5千9百万円と前連結会計年度末に比べ17億7千9百万円の減少となりました。固定資産は、減価償却の進捗はあったものの、新規設備の投資等による建設仮勘定22億5千4百万円の増加により、270億円と前連結会計年度末に比べ15億2千5百万円の増加となりました。
負債は、前連結会計年度末に比べて3億3千6百万円減少し、200億8千7百万円となりました。流動負債は、支払手形及び買掛金5億2千3百万円の減少並びに短期借入金3億3千万円の減少があったものの、その他に含まれる設備関係未払金13億5千8百万円の増加により、158億2千5百万円と前連結会計年度末に比べ9千7百万円の増加となりました。固定負債は、長期借入金9千3百万円の増加がありましたが、退職給付に係る負債3億2千7百万円の減少により42億6千1百万円と、前連結会計年度末に比べ4億3千4百万円の減少となりました。
純資産は、配当金の支払い5億6千8百万円がありましたが、四半期純利益6億4千9百万円により、前連結会計年度末に比べ8千2百万円増加し、367億7千2百万円となりました。
(3)研究開発活動
当社グループの当第3四半期連結累計期間における研究開発費の総額は1億8千1百万円(全額炭素製品関連セグメント)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(4)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において新たに確定した主要な設備計画は次のとおりであります。
(主要な設備の新設)
設備投資の内容
イ.目 的 炭化けい素連続繊維の生産能力増強
ロ.会社名 NGSアドバンストファイバー㈱
ハ.所在地 富山県富山市高内1-1
ニ.セグメントの名称 炭素製品関連
ホ.設備の内容 炭化けい素連続繊維生産設備
へ.投資予定金額 約6,000百万円
ト.操業開始 平成28年末(予定)
チ.完成後の生産能力 約10t/年(予定)