有価証券報告書-第201期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:04
【資料】
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【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、明治29年(1896年)わが国における保温・断熱分野のパイオニアとしてスタートし、様々な産業分野へ「断つ・保つ」の技術を基盤とした製品とサービスを提供することで成長してまいりました。平成23年には経営理念として
ニチアス理念
「ニチアスは、『断つ・保つ』の技術で地球の明るい未来に貢献します。」
を制定し、「風通しを良くする」「仲間で仕事をする」「全体最適で考える」という具体的行動指針のもと、以下の3項目を「私たちの約束」として掲げ、事業運営を行っております。
□ルールを守り、社会と共に歩みます。
□感謝の心を忘れず、お客様の満足を追求します。
□互いに信頼し、共に成長します。
(2) 目標とする経営指標
ニチアス理念のもと当社グループは、経営ビジョン「お客様から信頼され、誇りを持って働ける会社」の実現に向け、平成28年度を初年度とする中期経営計画を平成29年5月8日に修正しております。
① さらなる事業の成長と収益性の追求
・平成30年度の売上高目標 2,000億円、営業利益率目標 10%以上
② 改善、効率を意識した経営の推進
・ROE10%以上を維持
(3) 経営環境
□平成28年度
・プラント向け工事・販売部門は、石油精製・石油化学市場のメンテナンス需要が好調に推移しました。
・工業製品部門は、足元の景気が緩やかに回復する中、全般的に堅調に推移しました。特に、環境製品の需要が好調でした。
・高機能製品部門は、半導体・液晶製造装置向け関連製品の需要が高水準で推移しました。
・自動車部品部門は、北米を中心に海外需要が堅調に推移しました。
・建材部門は、巻付け耐火被覆材やフロア材など非住宅向けの需要が増加しました。
□平成29年度
・プラント向け工事・販売部門は、石油精製・石油化学市場でのメンテナンス需要の減少、電力市場での建設物件需要の増加を予想しております。
・工業製品部門は、ふっ素樹脂製品、環境製品を中心に堅調に推移すると予想しております。
・高機能製品部門は、半導体・液晶製造装置向け関連製品の需要が、引き続き高水準で推移すると予想しております。
・自動車部品部門は、原材料価格の上昇や為替の影響が懸念されますが、国内・海外の需要は堅調に推移すると予想しております。
・建材部門は、引き続き巻付け耐火被覆材やフロア材など非住宅向けの需要が堅調に推移すると予想しております。
(4) 中長期的な会社の経営戦略と対処すべき課題
当社グループは、経営ビジョンの実現を目指し、以下の5つの基本方針に基づいた諸施策に取り組んでおります。
□コンプライアンスの厳守
当社グループが安定して成長していくためにコンプライアンスの徹底を図っております。具体的にはコンプライアンス綱領に基づき、コンプライアンス委員会を中心に当社グループ各所の支部委員会および労働組合と連携しながら、法令順守状況の把握や、従業員への啓発活動を中心に推進しております。
□企業価値の向上とステークホルダーのみなさまとの価値の共有
当社グループはこれまで、安心して使っていただける製品・サービスを提供していくため、ものづくりにおける安全、環境に配慮し、研究開発、生産技術、設備技術、技術サービスの強化を図ってまいりました。これらの活動を継続し、発展させることで企業価値の向上を図り、ステークホルダーのみなさまとその価値を共有してまいります。
□グローバルな事業運営の推進
当社グループはこれまでも生産、販売拠点としての海外展開を行い、日本および現地日系企業への製品供給を行ってまいりました。今後はより広い市場での顧客対応を行うべく、グローバルな事業運営を進めてまいります。
□明日を担う人材の育成と登用
当社グループが、今後成長発展していくために、次代の経営層を含めた人材の育成を行うとともに、中堅社員の積極的な登用も推し進めてまいります。また、グループ従業員の成長を会社として支援する制度をさらに充実させてまいります。
□リスクマネジメントの強化
過去の震災における教訓をもとに、大地震などの自然災害発生時でも事業継続すべく、リスクマネジメントを強化し、組織横断的対応を推進しております。
上記の基本方針をもとに、中期経営計画の達成に向け、事業戦略、およびその基盤となる機能戦略に基づく諸施策を実行してまいります。