有価証券報告書-第201期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 13:04
【資料】
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【項目】
141項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金、完成工事補償引当金、たな卸資産、固定資産、有価証券、繰延税金資産、退職給付に係る資産および負債等に関する見積りに当たっては、過去の実績や状況から合理的と考えられる要因に基づき行っており、また見積りおよび判断に対して継続して評価を行っております。
なお、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 貸倒引当金
当社グループは債権の貸倒等による損失額を見積り、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化した場合等には、追加の引当が必要になる可能性があります。
② 完成工事補償引当金
当社は、施工した工事のアフターサービス費用の見積額を完成工事補償引当金に計上しております。費用の見積りは過去の実績に基づいておりますが、実際発生額が見積りと異なる場合は追加の損失計上が必要になる可能性があります。
③ たな卸資産
当社グループは、一定期間販売実績のないたな卸資産および収益性の低下したたな卸資産について評価損を計上しております。実際の将来需要や市場状況が現在より急激に変化した場合、追加の評価減が必要になる可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、現時点で減損処理の必要な固定資産については、減損損失の計上を行っていますが、将来の市況の悪化等により追加の減損損失計上が必要になる可能性があります。
⑤ 有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客および金融機関の有価証券を保有しております。保有する有価証券については、必要な減損処理を適時に実施してきておりますが、将来の株式市況悪化、または投資先の業績不振等により減損処理が必要になる可能性があります。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得の充分性等につき慎重に検討しておりますが、繰延税金資産の全部または一部を回収できないと判断した場合は、その取崩しが必要になる可能性があります。
⑦ 退職給付に係る資産及び負債
当社の退職給付に係る資産及び負債は、数理計算を基礎に算出されております。数理計算上の差異等については将来にわたり規則的に認識されるため、将来期間における退職給付費用及び債務に影響を及ぼします。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高については、半導体製造装置向け製品の需要が高水準で推移した高機能製品部門と巻付け耐火被覆材をはじめとする非住宅部門の需要が堅調に推移した建材部門を中心に売上高が増加したため、当社グループの売上高は前連結会計年度に対し5.8%増の1,803億63百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、売上高が増加したことにより前連結会計年度に対し40億74百万円(3.1%)増加し1,353億46百万円となりました。売上原価率については、主に現場力の向上を目的とした「NKK(ニチアス改善活動)」の推進による利益率の向上と、高機能製品部門の増産に伴う損益の改善により、前連結会計年度に対し2.0ポイント良化し75.0%となりました。また、販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に対し13億61百万円(5.7%)増加の254億16百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益については、売上高の増加により前連結会計年度に対し44億96百万円(29.8%)増加の196億円となりました。
④ 営業外収益、営業外費用
営業外収益については、主に受取賃貸料の増加により前連結会計年度に対し69百万円(6.8%)増加の10億97百万円となりました。また、営業外費用については、主に為替差損の増加により前連結会計年度に対し2億89百万円(44.5%)増加の9億41百万円となりました。
⑤ 経常利益
上記の結果、経常利益については197億56百万円となり、前連結会計年度に対し42億76百万円(27.6%)の増益となりました。
⑥ 特別利益、特別損失
特別利益については、前連結会計年度に対し31百万円減少の8百万円となりました。これは主に、前連結会計年度において、子会社清算益35百万円を計上したことによるものであります。また特別損失については、前連結会計年度に対し24億92百万円減少の7億54百万円となりました。これは主に、前連結会計年度において君津ロックウールの固定資産の減損損失31億11百万円を計上したことによるものであります。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は134億9百万円となり、前連結会計年度に対し67億40百万円(101.1%)の増益となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が95億28百万円、電子記録債権が60億51百万円、建設仮勘定が35億27百万円、機械装置及び運搬具(純額)が22億50百万円、投資有価証券が20億28百万円増加しましたが、受取手形及び売掛金が47億75百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して210億77百万円増加の1,759億99百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、短期借入金が33億80百万円減少しましたが、支払手形及び買掛金が23億65百万円、電子記録債務が23億46百万円、社債が20億円、長期借入金が15億1百万円、未成工事受入金が11億66百万円増加したこと等により、前連結会計年度末と比較して88億52百万円増加の781億9百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金が102億17百万円、その他有価証券評価差額金が14億91百万円、資本金が7億7百万円、資本剰余金が5億17百万円増加しましたが、為替換算調整勘定が7億96百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して122億25百万円増加の978億90百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
運転資金のうち主なものは、当社グループの製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用及び税金の支払いによるものです。
設備投資資金需要については、今後成長が見込まれる事業分野を中心に生産設備の増強によるものであります。
② 財務政策
運転資金及び設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、社債の発行及び金融機関からの借入れにより資金を調達しております。