有価証券報告書-第200期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/29 11:27
【資料】
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【項目】
134項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成に当たり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
当社グループは、貸倒引当金、完成工事補償引当金、たな卸資産、固定資産、有価証券、繰延税金資産、退職給付に係る資産及び負債等に関する見積りに当たっては、過去の実績や状況から合理的と考えられる要因に基づき行っており、また見積りおよび判断に対して継続して評価を行っております。
なお、見積りにつきましては不確実性があるため、実際の結果と異なる場合があります。
① 貸倒引当金
当社グループは債権の貸倒等による損失額を見積り、貸倒引当金を計上しております。顧客の財務状態が悪化した場合等には、追加の引当が必要になる可能性があります。
② 完成工事補償引当金
当社は、施工した工事のアフターサービス費用の見積額を完成工事補償引当金に計上しております。費用の見積りは過去の実績に基づいておりますが、実際発生額が見積りと異なる場合は追加の損失計上が必要になる可能性があります。
③ たな卸資産
当社グループは、一定期間販売実績のないたな卸資産および収益性の低下したたな卸資産について評価損を計上しております。実際の将来需要や市場状況が現在より急激に変化した場合、追加の評価減が必要になる可能性があります。
④ 固定資産の減損
当社グループは、現時点で減損処理の必要な固定資産については、減損損失の計上を行っていますが、将来の市況の悪化等により追加の減損損失計上が必要になる可能性があります。
⑤ 有価証券の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定の顧客および金融機関の有価証券を保有しております。保有する有価証券については、必要な減損処理を適時に実施してきておりますが、将来の株式市況悪化、または投資先の業績不振等により減損処理が必要になる可能性があります。
⑥ 繰延税金資産
繰延税金資産の計上に当たっては、将来の課税所得の充分性等につき慎重に検討しておりますが、繰延税金資産の全部または一部を回収できないと判断した場合は、その取崩しが必要になる可能性があります。
⑦ 退職給付に係る資産及び負債
当社の退職給付に係る資産及び負債は、数理計算を基礎に算出されております。数理計算上の差異等については将来にわたり規則的に認識されるため、将来期間における退職給付費用および債務に影響を及ぼします。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高については、半導体製造装置向け製品の需要が回復した高機能製品部門と海外需要が堅調に推移した自動車部品部門を中心に売上高が増加したため、当社グループの売上高は前連結会計年度に対し7.2%増の1,704億30百万円となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価については、売上高が増加したことにより前連結会計年度に対し67億41百万円(5.4%)増加し1,312億71百万円となりました。売上原価率については、主に高機能製品部門の増産に伴う損益の改善により、前連結会計年度に対し1.4ポイント良化し77.0%となりました。また、販売費及び一般管理費については、前連結会計年度に対し11億35百万円(5.0%)増加の240億54百万円となりました。
③ 営業利益
営業利益については、売上高の増加により前連結会計年度に対し36億13百万円(31.4%)増加の151億4百万円となりました。
④ 営業外収益、営業外費用
営業外収益については、主に為替差益の減少により前連結会計年度に対し8億77百万円(46.1%)減少の10億28百万円となりました。また、営業外費用については、主に為替差損の増加により前連結会計年度に対し1億68百万円(34.8%)増加の6億51百万円となりました。
⑤ 経常利益
上記の結果、経常利益については154億80百万円となり、前連結会計年度に対し25億67百万円(19.9%)の増益となりました。
⑥ 特別利益、特別損失
特別利益については、前連結会計年度に対し4億43百万円減少の40百万円となりました。これは主に、前連結会計年度において、補助金収入3億79百万円を計上したことによるものであります。また特別損失については、前連結会計年度に対し21億9百万円増加の32億46百万円となりました。これは主に、当連結会計年度において君津ロックウールの固定資産の減損損失31億11百万円を計上したことによるものであります。
⑦ 親会社株主に帰属する当期純利益
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は66億69百万円となり、前連結会計年度に対し8億62百万円(11.5%)の減益となりました。
(3) 当連結会計年度の財政状態の分析
① 資産、負債および純資産の状況
当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金が54億47百万円増加しましたが、機械装置及び運搬具(純額)が31億19百万円、退職給付に係る資産が30億80百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して13億11百万円減少の1,549億22百万円となりました。
当連結会計年度末における負債は、短期借入金が22億41百万円増加しましたが、新株予約権付社債が66億55百万円、長期借入金が32億円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して80億83百万円減少の692億56百万円となりました。
当連結会計年度末における純資産は、資本金が21億37百万円、資本剰余金が30億64百万円、利益剰余金が46億38百万円増加しましたが、退職給付に係る調整累計額が31億89百万円減少したこと等により、前連結会計年度末と比較して67億71百万円増加の856億65百万円となりました。
② キャッシュ・フローの状況
当社グループのキャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① 資金需要
運転資金のうち主なものは、当社グループの製品製造のための原材料購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用および税金の支払いによるものです。
設備投資資金需要については、今後成長が見込まれる事業分野を中心に生産設備の増強によるものであります。
② 財務政策
運転資金および設備投資資金については、営業活動によるキャッシュ・フローから得られる資金、社債の発行および金融機関からの借入れにより資金を調達しております。