有価証券報告書-第63期(平成26年4月1日-平成27年3月31日)

【提出】
2015/06/25 9:24
【資料】
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【項目】
107項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成27年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間の収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行っております。この見積りは、過去の実績や今後の見通しに基づき合理的と考えられる方法で行っておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当社グループは、連結財務諸表の作成において使用される以下の重要な会計方針が特に当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
① 貸倒引当金
当社グループは、お客様の支払不能時に発生する損失の見積額について、貸倒引当金を計上しておりますが、お客様の支払能力が低下した場合には追加引当が必要となる可能性があります。
② 棚卸資産
当社グループは、棚卸資産の将来需要及び市場状況に基づく時価の見積額と原価との間に差額が生じた場合、評価減を実施しております。
③ 固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る会計基準を適用しております。この適用にあたり、合理的で説明可能な仮定及び予測に基づいて将来のキャッシュ・フロー等の見積りを行っておりますが、その仮定及び予測に変動が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
④ 投資の減損
当社グループは、長期的な取引関係の維持のために、特定のお客様及び金融機関の株式を所有しております。これらの株式の投資価値の下落に対しては、減損処理を行っております。この減損処理は、時価が取得原価に対して50%以上下落した場合、加えて30%~50%程度下落した場合で、回復の見込がないと判断される場合に行っております。将来の市況悪化や投資先の業績不振により、評価損の計上が必要となる可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来における課税所得の見積りにより影響を受けます。経営成績の悪化等により将来の課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が取崩されることにより、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付債務等
当社グループの退職給付費用及び債務は、数理計算上の割引率や、年金資産の長期期待運用収益率などの前提条件に基づいて算出しております。しかしながら、運用環境の悪化などにより、実際の結果がこれらの前提条件と異なった場合、あるいは前提条件の変更が必要になった場合には、退職給付費用や債務が増加し、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績及び財政状態の分析
(経営成績)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が32,815百万円(前期比19.4%増)、営業利益は4,128百万円(前期比217.4%増)、経常利益は4,596百万円(前期比199.4%増)、当期純利益は3,695百万円(前期比362.3%増)となりました。
売上高及び営業利益につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載したとおり、世界半導体市場が堅調に推移したことから、いずれも前連結会計年度を上回りました。
営業外損益につきましては、為替差益349百万円等により、467百万円の収益となりました。
特別損益につきましては、新株予約権戻入益48百万円により、48百万円の収益となりました。
税金費用につきましては、949百万円となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末における資産総額は、前連結会計年度末に比べ、5,142百万円増加し、51,790百万円となりました。これは、現金及び預金が5,681百万円増加したこと等によるものです。
負債総額は、前連結会計年度末に比べ、1,955百万円増加し、7,096百万円となりました。これは、未払法人税等が707百万円、支払手形及び買掛金が606百万円、その他流動負債が329百万円それぞれ増加したこと等によるものです。
また、純資産は前連結会計年度末に比べ、3,186百万円増加し、44,694百万円となりました。これは、利益剰余金が1,784百万円、為替換算調整勘定が1,048百万円増加したこと等によるものです。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し
当社グループは一部主要原材料を輸入や外部メーカーに依存しており、特に新興国の需要増加や原産国の政策等により影響を受ける可能性があります。
また、当社製品は半導体業界への売上依存度が高く、パソコン・モバイル端末をはじめとする世界の情報通信機器の市場動向やデジタル家電製品の需要動向が、当社業績に影響を与える可能性があります。
当社グループとしましては、どのような景気変動下にあっても安定的な成長を遂げるため、特定の事業や用途に偏ることがない事業構造への転換が必要と考え、従来から推進しているシリコン・CMP・ディスク・機能材・溶射材の5事業分野に加え、平成26年4月の組織変更において「新規事業本部」を設置し、新規事業と新たな用途の探索に継続的にチャレンジし、持続的成長を可能とする事業構造の実現に向け注力して参ります。
(4)資本の財源及び資金の流動性についての分析
資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。
(5)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、創業以来蓄積されたノウハウと研究開発力から生まれた当社製品の数々が、シリコンウェハーに代表される半導体基板の鏡面研磨、ハードディスクの研磨など高精度な表面加工が求められる先端産業に欠かせぬものと考えております。また、主力事業分野であるシリコンウェハーの超精密研磨材では世界ナンバーワンのマーケットシェアを維持しつつ、大手企業の新規参入に対しても市場優位性を有しておりますが、グループを取巻く経営環境はますます厳しくなるものと思われます。このような問題意識に基づき、今までの市場優位性を維持しつつ長期的な成長戦略を実現するため、お客様目線の実践により強固な信頼関係を構築し、新規事業の創出と育成にも積極的に取り組んでまいります。
また、いかなる環境変化にも対処できるよう、生産性の向上、コスト削減の取り組みを一層強化し、収益改善を図ってまいります。