有価証券報告書-第95期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/26 13:02
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当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針につきましては、本報告書「第一部 企業情報 第5 経理の状況」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、貸倒引当金、賞与引当金、環境対策引当金等の各引当金の計上、繰延税金資産の回収可能性の判断等につきましては、過去の実績や他の合理的な方法により見積りを行っております。ただし見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれら見積りと異なる場合があります。
「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費の持ち直しが緩やかに継続しました。企業活動は設備投資が増加するなど、緩やかな景気回復基調が継続しました。ただし、第4四半期に入り鉱工業生産の一部に弱さが見られるなど、景気には弱い面も出てきました。海外経済については、米国は個人消費や設備投資が増加し、着実な景気回復が続きました。欧州は、堅調な雇用環境を背景に、緩やかな景気回復が続きましたが、ドイツのGDP成長率が横ばいになるなど足踏みの動きも見られました。中国は、輸出が減少するなど経済成長率は減速傾向でしたが、政府の景気対策効果による下支えが今後期待されています。
このような経済環境の中、当社の主要需要先である自動車や産業機械メーカーに関しましては概ね好調に推移しました。その結果、鋼材売上数量は前期比で増加しました。ただし、半導体関連など一部の分野では需要が減少しました。一方、原材料・資材関係については、鉄スクラップ価格は旺盛な国内需要を受け、概ね前期よりも高値で推移しました。また、製鋼工程で使用する黒鉛電極等の副資材価格が高騰し、コストアップとなりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、売上数量の増加及び原材料・副資材価格の上昇を反映した販売価格の上昇等から前期比380億36百万円増収の5,432億55百万円となりました。経常利益は副資材価格の高騰に伴うコストアップが影響し、前期比17億87百万円減益の343億43百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27億38百万円減益の211億82百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
特殊鋼鋼材
構造用鋼は、自動車関連需要が高位で推移したこと、産業機械向けの需要も旺盛であったことから前期比で数量が増加しました。工具鋼も、自動車分野の堅調さ等を受け前期比で数量が増加しました。また、上記のとおり鉄スクラップや副資材の価格高騰により、製造コストが増加しました。販売価格は原材料・副資材価格の上昇を反映し前期比で上昇しました。
これらの結果、当連結会計年度における特殊鋼鋼材の売上高は、売上数量の増加及び原材料・副資材価格の上昇を反映した販売価格の上昇等から前期比9.9%増加の2,077億44百万円、営業利益は副資材価格の高騰に伴うコストアップが影響し、前期比4億79百万円減益の59億98百万円となりました。
機能材料・磁性材料
ステンレス鋼・高合金は、自動車の燃費改善に向けた動きの中で需要が増えており、売上数量は前期比で増加しました。一方、半導体関連は世界的な設備投資延期等の影響により、また磁石製品は、中国自動車販売の減少等を受け、それぞれ在庫調整の動きも伴い売上数量は減少しました。粉末製品は、原材料高を反映した販売価格の上昇により売上高が増加しました。
これらの結果、当連結会計年度における機能材料・磁性材料の売上高は自動車関連向けステンレス鋼・高合金等の売上数量の増加や販売価格の上昇等から前期比8.1%増加の1,845億53百万円、営業利益は半導体関連ステンレス鋼、磁石製品の数量減少等が響き前期比15億1百万円減益の206億94百万円となりました
自動車部品・産業機械部品
自由鍛造品は、航空機関連需要が堅調に推移したこと等により売上高は前期比で増加しましたが半導体関連需要は第4四半期で減少しました。型鍛造品・エンジンバルブ部品は、自動車生産が好調であり、売上高は前期比で増加しました。精密鋳造品は、タービンハウジングの需要拡大が継続し、売上高は前期比で増加しました。ただし、中国自動車の販売減少等によりタービンホイールは在庫調整の動きとなりました。
これらの結果、当連結会計年度における自動車部品・産業機械部品の売上高は主に売上数量増が寄与し前期比3.4%増加の1,099億29百万円、営業利益は副資材価格の高騰に伴うコストアップ等が影響し前期比7億61百万円減益の23億8百万円となりました。
エンジニアリング
企業の設備投資が好調であったことを受け、当連結会計年度におけるエンジニアリングの売上高は、前期比10.7%増加の275億28百万円、営業利益は前期比4億55百万円増益の22億91百万円となりました。
流通・サービス
中国内需の減速を受けた中国流通子会社の売上高減少等により、当連結会計年度における売上高は、前期比4.8%減少の134億99百万円、営業利益については前期比1億58百万円減益の25億27百万円となりました。
当社グループが目標とする経営指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。2020年度の当該指標の達成を目指して、ポートフォリオ改革、事業基盤の強化、事業の再構築を進めてまいります。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
特殊鋼鋼材208,050+8.5
機能材料・磁性材料186,151+9.8
自動車部品・産業機械部品110,439+4.4
エンジニアリング27,528+10.7
合計532,169+8.2

(注)1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注状況
当社グループ(当社および当社の連結子会社)の受注・販売形態は、素材供給等のグループ間取引が多岐にわたり、また受注生産形態をとらない製品もあるため、セグメントごとに受注規模を金額あるいは重量で示すことは行っておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
特殊鋼鋼材207,744+9.9
機能材料・磁性材料184,553+8.1
自動車部品・産業機械部品109,929+3.4
エンジニアリング27,528+10.7
流通・サービス13,499△4.8
合計543,255+7.5

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手別の販売実績は、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上の相手先がないため、記載を省略しております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 財政状態
当社グループの当連結会計年度末の総資産は、前期末に比べ86億75百万円増加し6,506億97百万円となりました。総資産の増加の主な内訳は、「たな卸資産」の増加174億82百万円、「有形固定資産」の増加140億49百万円、減少の主な内訳は、「投資有価証券」の減少171億31百万円であります。
「たな卸資産」は、旺盛な需要への生産対応等により前期末対比で増加しました。「有形固定資産」は、主に特殊鋼鋼材事業および機能材料・磁性材料事業における合理化投資、自動車部品・産業機械部品事業における新規連結等により増加しました。なお、設備投資については、特殊鋼鋼材等既存事業の収益基盤強化および成長分野、新規事業への戦略投資を厳選して実施しております。「投資有価証券」は、保有株式の時価下落および自動車部品・産業機械部品事業における新規連結に伴う関係会社株式の減少等により減少しました。
また、当社グループの当連結会計年度末の非支配株主持分を含めた純資産は、前期末に比べ17億30百万円増加し3,181億40百万円となりました。純資産の増加の主な内訳と要因は、親会社株主に帰属する当期純利益211億82百万円の計上等による「利益剰余金」の増加155億円、減少の主な内訳と要因は、保有株式の時価下落による減少等による「その他有価証券評価差額金」の減少100億1百万円であります。
この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は43.9%となりました。
(3) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前期比4億69百万円増加し、407億28百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、281億14百万円(前期比29億29百万円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益331億10百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、337億7百万円(前期比34億91百万円の増加)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出343億55百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、55億89百万円(前期比1億11百万円の増加)となりました。これは主に、社債の発行による収入100億円によるものであります。
当社グループでは、今後も売上の拡大につとめるとともに生産リードタイム短縮によるたな卸資産の削減を図ることで、営業キャッシュ・フローの最大化を図ってまいります。また、特殊鋼鋼材等既存事業への合理化投資および成長分野への戦略投資を積極的に実施していく予定です。資金需要については、設備投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。
当社グループの資金の流動性は、手許の運転資金については、当社及び一部の国内連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し、一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要については、機動的かつ確実な資金調達を目的に、コミットメントラインを設定しております。

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