半期報告書-第102期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2025/11/14 9:26
【資料】
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【項目】
37項目
文中の将来に関する事項は、本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当中間連結会計期間のわが国経済における景気は緩やかに回復してきました。個人消費は、物価上昇の影響を受けつつも、雇用・所得環境の改善を背景に底堅く推移しております。企業の設備投資も回復傾向にあり、鉱工業生産の基調としても横ばい圏内の動きを続けております。引き続き、米国の通商政策の動向を踏まえ、景気動向の下振れリスク、物価動向、為替水準、各国による金融政策などの変動影響を注視していく必要があります。
当社グループの当中間連結会計期間の経営成績は、次のとおりであります。
(単位:百万円、%)
売上収益営業利益調整後
営業利益
税引前利益親会社の所有者に
帰属する中間利益
当中間期284,49918,46418,52419,65012,937
前中間期283,43918,25820,71919,60812,152
前年同期差
(増減率)
1,059
(0.4%)
205
(1.1%)
-2,195
(-10.6%)
41
(0.2%)
785
(6.5%)

(注)調整後営業利益は、営業利益から、特別損益に該当する項目、為替差損益、在庫評価損益、環境費用引当、固定資産税(平準化)、有給休暇引当を調整し算出しております。
当中間連結会計期間の売上収益は、エンジンバルブなどの自動車関連部品で受注が増加したことから、前年同期比10億59百万円増収の2,844億99百万円となりました。なお、売上収益の詳細はセグメントごとの経営成績をご覧ください。
主要原材料である鉄屑価格は引き続き高い水準で推移しました。ニッケル価格は、一時的に弱含むこともありましたが、おおむね安定して推移しました。原油・LNG市況は、中国などの需要減速影響や中東情勢の緊迫化に伴う供給懸念などの地政学リスクの影響を受けながら推移しました。全般的に原燃料価格は高位であり、徹底したコスト削減および販売価格への反映に継続して取り組み、適正マージン確保に努めております。
この結果、当期において高合金プロセス改革プロジェクトの生産アロケーション変更に伴う一時費用が23億23百万円発生したものの、営業利益は、前年同期比2億5百万円増益の184億64百万円、税引前中間利益は前年同期比41百万円増益の196億50百万円、親会社の所有者に帰属する中間利益は前年同期比7億85百万円増益の129億37百万円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(単位:百万円、%)
売上収益営業利益
前中間期当中間期前年同期差
(増減率)
前中間期当中間期前年同期差
特殊鋼鋼材105,47899,979-5,498
(-5.2%)
6,1125,424-688
機能材料・
磁性材料
100,11696,794-3,322
(-3.3%)
5,0816,3161,235
自動車部品・
産業機械部品
53,73459,1665,432
(10.1%)
4,8293,601-1,227
エンジニアリング10,58714,2573,669
(34.7%)
8091,275465
流通・サービス13,52214,300777
(5.8%)
1,4281,796368

特殊鋼鋼材
構造用鋼においては、自動車関連の販売不振の影響などにより需要が減少したこと、また産業機械関連の需要も低調であったことにより数量が減少しました。また、工具鋼に関しても自動車関連の需要低迷を受け数量は減少しました。この結果、当セグメントは前年同期比で減収減益となりました。
機能材料・磁性材料
ステンレス鋼は、データセンター用のHDD(ハードディスクドライブ)向け需要は上向いてきたものの、産業機械関連の需要回復は引き続き足踏みの状態が継続しており、受注に関しては若干前年を下回る水準となりました。高合金は自動車向けで数量が増加しました。磁石製品は、中国重希土類の輸出規制の強化に伴い、Dy(ジスプロシウム)、Tb(テルビウム)などの重希土類フリーが特徴である当社磁石への需要が上向いており、売上収益は増加しました。チタン製品は、医療関連において一部在庫調整が継続していることなどにより、売上収益は減少しました。この結果、当セグメントの営業利益は前期に中国磁石子会社の清算費用が発生したこともあり、前年同期比では増益となりました。
自動車部品・産業機械部品
エンジンバルブ部品は北米などにおける需要増加を受け、売上収益は増加しました。精密鋳造品はターボ関連の需要が増加しました。型鍛造品は自動車およびトラック関連の需要減少などにより、数量は減少しました。自由鍛造品は、舶用バルブの需要や重電関連の需要の水準は高位を継続したものの、航空機関連におけるボーイング減産に伴う影響や掘削関連における関税政策など政策動向を見定める動きに伴う在庫調整の影響を受け、売上収益は減少しました。この結果、当セグメントの売上収益は前年同期比で増収となったものの、営業利益は高合金プロセス改革プロジェクトの生産アロケーション変更に伴う一時費用などにより、減益となりました。
エンジニアリング
鉄鋼用溶解設備およびメンテナンス部品の売上が増加したことなどにより、当セグメントは前年同期比で増収増益となりました。
当社グループの当中間連結会計期間末の資産合計は、前期末に比べ195億69百万円増加し8,025億44百万円となりました。資産合計の増加の主な内訳は、有形固定資産の増加106億29百万円、その他の金融資産(非流動資産)の増加87億59百万円であります。
資産合計の増加の主な要因は、下記のとおりであります。
・有形固定資産は、成長分野への戦略設備投資等により増加しております。
・その他の金融資産(非流動資産)は、保有株式の時価の上昇等により増加しております。
また、当社グループの当中間連結会計期間末の非支配持分を含めた資本は、前期末に比べ88億43百万円増加し4,779億87百万円となりました。資本の増減の主な内訳は、利益剰余金の増加75億74百万円、その他の資本の構成要素の増加71億22百万円、自己株式の増加65億31百万円であります。
資本の増減の主な要因は、下記のとおりであります。
・親会社の所有者に帰属する中間利益129億37百万円の計上等により利益剰余金は増加しております。
・保有株式の時価の上昇等によりその他の資本の構成要素が増加しております。
・自己株式の取得等により自己株式が増加しております。
この結果、当中間連結会計期間末の親会社所有者帰属持分比率は54.5%となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前期末に比べ21億19百万円減少し、590億99百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、378億88百万円(前年同期は201億89百万円の資金の増加)となりました。増加の主な内訳は、税引前中間利益196億50百万円、非資金損益項目である減価償却費及び償却費152億3百万円、契約負債の増加113億88百万円であり、減少の主な内訳は、法人所得税の支払額79億71百万円、営業債権及びその他の債権の増加35億61百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、253億54百万円(前年同期は209億30百万円の資金の減少)となりました。支出の主な内訳は、有形固定資産、無形資産及び投資不動産の取得による支出254億10百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、151億29百万円(前年同期は144億84百万円の資金の増加)となりました。収入の主な内訳は、借入れによる収入279億52百万円であり、支出の主な内訳は、借入金の返済による支出226億42百万円、短期借入金の減少66億30百万円、自己株式の取得による支出66億3百万円であります。
当社グループでは、原燃料価格の高位継続、労務コストの上昇、高付加価値品の拡大等により運転資金が高止まりしていることから、コスト上昇に応じた販売価格の改定を進めるとともに、生産リードタイム短縮による棚卸資産の削減や原価低減活動、固定費等の圧縮を推し進め、安定的なキャッシュ・フローを創出するよう事業活動を続けてまいります。設備投資資金は長期借入金や社債により、運転資金は短期借入金により安定的に調達することを基本方針としております。また、手元流動性の適正レベルは時々の環境を考慮し、弾力的に運営してまいります。
(3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、2024年6月に2026年度までの3ヵ年を計画期間とする2026中期経営計画を公表しました。
この2026中期経営計画を、2030年の“ありたい姿”「高機能素材の価値を極め、顧客ベネフィットを創造し、サステナブル社会の実現に貢献する」を達成するための変革の時期“トランジション・マネジメント”であると位置づけ、2026年度についても“めざす姿”としての各種経営目標を定めました。
しかしながら、当社の主要需要先である自動車関連の需要が、中国やASEANを中心とした日系自動車メーカーのシェアの急減を受けて、当初の想定以上に減少しました。また、産業機械関連においても、内外需の悪化や中国メーカーの台頭により日系メーカーの生産活動水準は低迷しており、当社の業績を下押しする厳しい経営環境が続いております。
中期経営計画策定時は、既存事業製品である特殊鋼鋼材やステンレス鋼の需要が2026年までは緩やかに成長し、その後は電動化の影響を受けて2030年に向けて漸減していくと想定しておりましたが、中期経営計画初年度より下振れが進み、当社を取り巻く需要構造の変化は想定を上回るペースで進行しました。
さらには、米国におけるトランプ政権の関税政策を含む諸政策の影響、中国国内経済の減速の一方で進展する輸出拡大策や現地生産へのシフト、日本国内の脆弱な政治・経済、その他にも各地域で高まる地政学リスク、国際貿易の不安定化など、世界経済へ様々な影響があると考えられ、不確実性が高止まりしている状況にあります。
このような外部環境の変化を踏まえ、当社グループは、2026中期経営計画における各種経営目標の「再設計」を行い、2025年10月30日に公表いたしました。
<2026年度経営目標値(当初)>
営業利益ROE
(親会社所有者帰属持分当期利益率)
D/Eレシオ投資額
(3年累計決裁額)
株主還元
(一過性損益を除く)
600億円以上9%以上0.5目安2024-2026年累計
1,500億円
配当性向30%以上

<2026年度経営目標値(再設計)>
営業利益ROE
(親会社所有者帰属持分当期利益率)
D/Eレシオ投資額
(3年累計決裁額)
株主還元
(一過性損益を除く)
400億円以上7%以上0.5目安2024-2026年累計
1,400億円
配当性向30%以上
DOE下限指標2.5%(※)

※株主資本:その他の資本の構成要素を除外した親会社所有者帰属持分
DOE(株主資本配当率):支払配当÷(前期末の株主資本)
今回の「再設計」においては、2026年度営業利益の見直しを行いますが、一方で、株主還元に関しては安定的な配当を実現していくために、下限DOEを導入し、新たな株主還元方針を策定いたしました。
ただし、経営方針や行動方針の変更はなく、「事業ポートフォリオ変革」を確実に進め、高機能素材の拡大を推進いたします。
(4) 研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発費は32億46百万円であります。

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