有価証券報告書-第77期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は2017年8月に連結子会社であるPermasteelisa S.p.A.(以下、ペルマスティリーザ社)を売却することを決定したため、IFRSの規定に基づき、同社及び同社子会社の事業等から生じた損益を非継続事業に分類しておりました。しかしながら、当連結会計年度において、ペルマスティリーザ社の株式が現状のままで売却が可能な状況ではなくなったことから、同社及び同社子会社の事業等から生じた損益を継続事業からの損益として表示しております。また、前年同期実績も同様に表示を組み替えております。概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第9号「金融商品」及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。IFRS第9号及びIFRS第15号の適用による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、台風や地震といった国内の自然災害の影響により上半期は一時的に成長が停滞したものの、下半期は世界経済が引き続き堅調に推移したことに伴う輸出の増加等により回復をみせ、緩やかではありますが底堅い成長となりました。住宅投資は、昨年度に引き続き貸家が落ち込む中、持家及び分譲住宅が伸びを示した結果、新設住宅着工戸数は953千戸(前年同期比0.7%増)となりました。
世界経済に関しては、米国、欧州における金融緩和政策の維持・継続や中国におけるインフラ投資をはじめとする国内政策強化等により先行きの不透明感は和らぎつつありますが、米中貿易協議の長期化、ブレグジット問題、中国における債務問題等への対応状況を踏まえ、その持続性については慎重に見極めるべき状況にあります。加えて、米国の貿易赤字の悪化により各国との通商協議は厳しさを増すと予想され、日本経済にも大きな影響が生じる可能性が懸念されております。
このような環境のもと、当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に一部子会社を売却したことに加え、上半期における国内の自然災害による落ち込みの影響があったものの、期初より進めてきた新取引制度の浸透や販売体制の安定化などの諸施策により国内事業が下半期より好転したことなどから、売上収益は1兆8,326億8百万円(前年同期比0.2%増)とほぼ前年並みとなりました。利益面においては、国内事業の増収効果や継続的なコストダウンによる粗利増、販管費の抑制策などが功を奏したものの、海外事業におけるペルマスティリーザ社の業績悪化に伴う今後の物件完成までに要する工事コストの損失引当や貸倒引当金の計上等により、事業利益は127億98百万円(前年同期比83.2%減)と大幅な減益となりました。また、事業利益の減少に加え、前連結会計年度に計上した資産の整理に伴う子会社や不動産の売却益、持分法適用関連会社に対する持分の処分益がなくなったことなどから、営業損失は150億29百万円(前年同期は591億7百万円の営業利益)、税引前損失は179億90百万円(前年同期は651億0百万円の税引前利益)とそれぞれマイナスに転じる結果となりました。加えて、ペルマスティリーザ社の売却を前提として前連結会計年度に計上していた繰延税金資産の減少に伴う法人所得税費用の増加等により、非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する当期損失は521億93百万円(前年同期は545億81百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)と大幅な減益となりました。
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント別の概況は次のとおりであります。なお、報告セグメントについては従来6区分で開示しておりましたが、当連結会計年度より5区分に変更しております。変更の概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.事業セグメント」に記載のとおりであります。また、ペルマスティリーザ社及び同社子会社の事業等から生じる損益を継続事業からの損益として表示することとなったため、同社及び同社子会社の事業を「ビルディングテクノロジー事業」に含めております。このため、前年同期との比較は、変更後の報告セグメントに基づき組み替えて行っております。(以下、「④ 生産、受注及び販売の実績」においても同様であります。)
[ウォーターテクノロジー事業]
ウォーターテクノロジー事業においては、いつまでも新品の輝きを保つ“100年クリーン”の新素材「アクアセラミック」を搭載した衛生陶器の累計出荷台数が100万台を突破するなど販売が好調に推移したことに加え、“湯を、愉しむ。時を、味わう。”システムバスルーム「SPAGE(スパージュ)」、インテリアとしての美しさを備えながら道具としての“使う歓び”を突き詰めたシステムキッチン「リシェルSI」をはじめとした国内外の積極的なマーケティング活動を展開したことなどにより売上収益は8,331億28百万円(前年同期比0.6%増)と増収でありました。一方、利益面においてはシナジー効果による継続的なコストダウンを進めたものの、商品構成の変化に伴う粗利減や資材価格の上昇、アジア地域におけるショールーム設置等の先行投資などもあり事業利益は602億33百万円(前年同期比18.4%減)と減益でありました。
[ハウジングテクノロジー事業]
ハウジングテクノロジー事業においては、“窓”がもつ本来の価値や役割を具現化し、当社グループが持つ最新の技術・機能を融合させ開発した新しい窓「LW(エルダブリュー)」、国内最高クラスの断熱性能を実現した高断熱玄関ドア「グランデル2」など環境性能と快適性を両立する高機能商品を拡充するとともに、IoTを活用した宅配ボックス「スマート宅配ポストTB」などの社会貢献に向けた取り組みなどにより売上収益は5,408億11百万円(前年同期比1.0%増)と増収でありました。一方、利益面においては引き続きコストダウンによる粗利率改善に努めたものの、上半期に発生した国内の自然災害による工事遅延の影響や資材価格の上昇などもあり事業利益は207億19百万円(前年同期比24.7%減)と減益でありました。
[ビルディングテクノロジー事業]
ビルディングテクノロジー事業においては、国内受注物件は堅調な伸びを示したものの、ペルマスティリーザ社の収益性回復に向けた再生計画の策定にあたり全受注物件について厳格な精査を実施した結果、北米地域を主とした工事コストの引当や貸倒引当金の大幅な増加などにより売上収益は2,560億50百万円(前年同期比5.7%減)、事業損失は381億19百万円(前年同期は45億53百万円の事業利益)と減収減益でありました。
[流通・小売り事業]
流通・小売り事業においては、“理想のくらし・新たなライフスタイルを提案する”進化するホームセンター「スーパービバホーム」4店舗をはじめ新規店舗の展開による積極的な拡販に努めたことなどにより売上収益は1,763億81百万円(前年同期比1.6%増)、加えてリフォーム関連商品の売上伸長に伴う粗利増や既存店舗のコスト削減などに努めた結果、事業利益は77億52百万円(前年同期比11.7%増)と増収増益でありました。
[住宅・サービス事業等]
住宅・サービス事業等においては、自分らしく賢く暮らせる住まい「Simple Life.」、自然の力を活かした人の暮らしにやさしいパッシブデザインの「アリエッタ VERDEA(ベルデア)」、ツーバイシックス(2×6)工法の「WoodsHill(ウッズヒル)」など、ライフスタイルの多様化に合わせた新商品の拡販に努めたことに加え、重点施策であるBtoCビジネスなどの新事業領域に注力したことや非新築領域の伸長もあり、売上収益は578億52百万円(前年同期比10.6%増)、事業利益は34億51百万円(前年同期比36.1%増)と増収増益でありました。
なお、セグメント別の売上収益はセグメント間取引消去前であり、事業損益は全社費用控除前であります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて475億87百万円減少の2兆595億44百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の変動による影響などから前連結会計年度末に比べて209億96百万円減少の8,917億80百万円となりました。非流動資産は、為替換算による影響のほか、ペルマスティリーザ社に関連するのれん及びその他の無形資産を減損処理したことによる減少などもあり、前連結会計年度末に比べて265億91百万円減少の1兆1,677億64百万円となりました。
なお、前連結会計年度にペルマスティリーザ社の売却を決定したことに伴い、同社及び同社子会社に関連する資産を売却目的で保有する資産へ分類しておりましたが、当連結会計年度において、ペルマスティリーザ社の株式が現状のままで売却が可能な状況ではなくなったことから、当該分類を中止することといたしました。概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、693億51百万円の資金増加となりました。前年同期に比べて470億11百万円の減少となり、この主な要因は、税引前利益の大幅な減少に加え、営業債権及びその他の債権など運転資本の変動があったことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったことなどから723億28百万円の資金減少となりました。前年同期に比べて197億22百万円の資金減少であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払のほか、有利子負債の調達と返済を行ったことなどから結果として15億79百万円の資金増加となりました。前年同期に比べて454億22百万円の資金増加であります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、換算差額による影響などを含めると、前連結会計年度末に比べて26億70百万円増加の1,414億21百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
受注実績
ビルディングテクノロジー事業の工事物件については、受注生産を行っております。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、分析に記載した実績値は1億円未満を四捨五入して記載しております。
① 重要な会計上の見積り及び判断、重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって利用する重要な会計上の見積り及び判断については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5)重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況に対して、事業全体及び主要なセグメントごとに重要な影響を与えた要因について経営者の視点から見た認識及び分析・評価は、次のとおりであります。
当連結会計年度はペルマスティリーザ社を除く従来継続事業が予定通りに進捗した結果、特に国内事業においては新築、リフォーム双方の需要を取り込み力強い回復をみせたことに加え、海外事業においても水回り商品のフルラインアップを提供する取り組みが順調に推移いたしました。さらに、事業利益の改善に向けて従来継続事業のコスト構造見直しを継続するなど、事業基盤は盤石であり、今後も明るい見通しが期待できます。一方で、ペルマスティリーザ社の損失計上により親会社の所有者に帰属する当期損益が大幅な減益となりましたが、既に原因を特定し、再生計画を進めております。ペルマスティリーザ社の収益性回復を目指すとともに、当社グループの潜在能力を最大限に発揮できるよう、2019年5月に公表いたしました新経営計画に基づく主要施策を推進してまいります。
売上収益は、前年同期比0.2%増の1兆8,327億円となりました。国内事業については、ウォーターテクノロジー事業(以下、LWT)は前年とほぼ同水準となったものの、その他の国内事業は増収となり、特にハウジングテクノロジー事業(以下、LHT)の下半期における売上が好調であり牽引役となったことなどから、全体として前年同期比で増収でありました。海外事業については、LWTにおいて中国をはじめとするアジア太平洋地域が増収を牽引したことに加え、欧州・中東・アフリカ地域でも売上が好調でありましたが、アメリカでは概ね横ばい、加えてペルマスティリーザ社が受注抑制を進めた影響等により、全体として前年同期比で減収でありました。
事業利益は、前年同期比83.2%減の128億円となりました。国内事業については、下半期の需要回復や販管費の抑制などがプラスに作用した結果、LWT、LHT及びビルディングテクノロジーの国内3事業における事業利益が上半期に比し大幅に改善いたしました。一方で、海外事業については、人件費や資材価格の上昇に加え、ペルマスティリーザ社の工事コストの損失引当などを受け、大幅な減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期損益は前年同期から1,068億円減少し、522億円の損失となりました。これは、事業利益の減少に加え、前連結会計年度に計上した一過性の子会社や不動産の売却益、持分法適用関連会社に対する持分の処分益がなくなったこと、及びペルマスティリーザ社の売却に関連して計上した繰延税金資産の減少に伴う法人所得税費用の増加等が主な要因でありました。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的かつ機動的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出や幅広い調達手段の実現に努めております。手元流動性に関しては、非常時の決済資金相当額を常に維持することを基本とし、財務柔軟性を確保するため、銀行などの金融機関からの借入に加え、コマーシャル・ペーパー発行枠及びコミットメントラインの確保、受取手形・債権の流動化といった取り組みを通じて、調達手段の多様化を図っております。
その結果、当連結会計年度末におけるネット有利子負債は前連結会計年度末に比べて854億円増加の5,845億円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,414億円となりました。
なお、財務状況に関する主要指標の推移は、次のとおりであります。
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。なお、各指標は、以下により算出しております。
キャッシュ・フロー対ネット有利子負債比率:(有利子負債-現金及び現金同等物)/営業キャッシュ・フロー
ネットデット・エクイティ・レシオ:(有利子負債-現金及び現金同等物)/親会社の所有者に帰属する持分
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債及び転換社債型新株予約権付社債を対象としております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。
(のれんの償却停止)
当社グループは、日本基準において、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が、前連結会計年度においては約12,000百万円、当連結会計年度においては約10,000百万円それぞれ減少しております。
(注)当社は、日本基準に基づく連結決算を2016年3月期まで行なっておりました。上記の概算額を算出するにあたり、2016年3月期に存在していたのれんについては、日本基準で採用していた償却期間を用いており、2016年4月以後に発生したのれんについては、金額的重要性が乏しい場合は即時に費用処理したものとし、それ以外については償却期間を10年としております。なお、当該償却期間10年は、のれんの効果の及ぶ期間や企業結合の対価の算定の基礎とした投資の合理的な回収期間を表すものではなく、上記の概算額を算出するにあたって設定した任意の年数であります。
(退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理)
当社グループは、日本基準において、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用の全額を一括で費用処理しておりました。IFRSでは、確定給付制度の負債又は資産の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
この影響により、前連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が1,674百万円増加し、その他の包括利益が1,331百万円減少しております。当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が5,300百万円増加し、その他の包括利益が3,564百万円減少しております。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、経営成績等)の状況の概要は、次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当社は2017年8月に連結子会社であるPermasteelisa S.p.A.(以下、ペルマスティリーザ社)を売却することを決定したため、IFRSの規定に基づき、同社及び同社子会社の事業等から生じた損益を非継続事業に分類しておりました。しかしながら、当連結会計年度において、ペルマスティリーザ社の株式が現状のままで売却が可能な状況ではなくなったことから、同社及び同社子会社の事業等から生じた損益を継続事業からの損益として表示しております。また、前年同期実績も同様に表示を組み替えております。概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債」に記載のとおりであります。
また、当社グループは、当連結会計年度よりIFRS第9号「金融商品」及びIFRS第15号「顧客との契約から生じる収益」を適用しております。IFRS第9号及びIFRS第15号の適用による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、台風や地震といった国内の自然災害の影響により上半期は一時的に成長が停滞したものの、下半期は世界経済が引き続き堅調に推移したことに伴う輸出の増加等により回復をみせ、緩やかではありますが底堅い成長となりました。住宅投資は、昨年度に引き続き貸家が落ち込む中、持家及び分譲住宅が伸びを示した結果、新設住宅着工戸数は953千戸(前年同期比0.7%増)となりました。
世界経済に関しては、米国、欧州における金融緩和政策の維持・継続や中国におけるインフラ投資をはじめとする国内政策強化等により先行きの不透明感は和らぎつつありますが、米中貿易協議の長期化、ブレグジット問題、中国における債務問題等への対応状況を踏まえ、その持続性については慎重に見極めるべき状況にあります。加えて、米国の貿易赤字の悪化により各国との通商協議は厳しさを増すと予想され、日本経済にも大きな影響が生じる可能性が懸念されております。
このような環境のもと、当連結会計年度の業績は、前連結会計年度に一部子会社を売却したことに加え、上半期における国内の自然災害による落ち込みの影響があったものの、期初より進めてきた新取引制度の浸透や販売体制の安定化などの諸施策により国内事業が下半期より好転したことなどから、売上収益は1兆8,326億8百万円(前年同期比0.2%増)とほぼ前年並みとなりました。利益面においては、国内事業の増収効果や継続的なコストダウンによる粗利増、販管費の抑制策などが功を奏したものの、海外事業におけるペルマスティリーザ社の業績悪化に伴う今後の物件完成までに要する工事コストの損失引当や貸倒引当金の計上等により、事業利益は127億98百万円(前年同期比83.2%減)と大幅な減益となりました。また、事業利益の減少に加え、前連結会計年度に計上した資産の整理に伴う子会社や不動産の売却益、持分法適用関連会社に対する持分の処分益がなくなったことなどから、営業損失は150億29百万円(前年同期は591億7百万円の営業利益)、税引前損失は179億90百万円(前年同期は651億0百万円の税引前利益)とそれぞれマイナスに転じる結果となりました。加えて、ペルマスティリーザ社の売却を前提として前連結会計年度に計上していた繰延税金資産の減少に伴う法人所得税費用の増加等により、非支配持分を控除した親会社の所有者に帰属する当期損失は521億93百万円(前年同期は545億81百万円の親会社の所有者に帰属する当期利益)と大幅な減益となりました。
(注)事業利益は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント別の概況は次のとおりであります。なお、報告セグメントについては従来6区分で開示しておりましたが、当連結会計年度より5区分に変更しております。変更の概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 5.事業セグメント」に記載のとおりであります。また、ペルマスティリーザ社及び同社子会社の事業等から生じる損益を継続事業からの損益として表示することとなったため、同社及び同社子会社の事業を「ビルディングテクノロジー事業」に含めております。このため、前年同期との比較は、変更後の報告セグメントに基づき組み替えて行っております。(以下、「④ 生産、受注及び販売の実績」においても同様であります。)
[ウォーターテクノロジー事業]
ウォーターテクノロジー事業においては、いつまでも新品の輝きを保つ“100年クリーン”の新素材「アクアセラミック」を搭載した衛生陶器の累計出荷台数が100万台を突破するなど販売が好調に推移したことに加え、“湯を、愉しむ。時を、味わう。”システムバスルーム「SPAGE(スパージュ)」、インテリアとしての美しさを備えながら道具としての“使う歓び”を突き詰めたシステムキッチン「リシェルSI」をはじめとした国内外の積極的なマーケティング活動を展開したことなどにより売上収益は8,331億28百万円(前年同期比0.6%増)と増収でありました。一方、利益面においてはシナジー効果による継続的なコストダウンを進めたものの、商品構成の変化に伴う粗利減や資材価格の上昇、アジア地域におけるショールーム設置等の先行投資などもあり事業利益は602億33百万円(前年同期比18.4%減)と減益でありました。
[ハウジングテクノロジー事業]
ハウジングテクノロジー事業においては、“窓”がもつ本来の価値や役割を具現化し、当社グループが持つ最新の技術・機能を融合させ開発した新しい窓「LW(エルダブリュー)」、国内最高クラスの断熱性能を実現した高断熱玄関ドア「グランデル2」など環境性能と快適性を両立する高機能商品を拡充するとともに、IoTを活用した宅配ボックス「スマート宅配ポストTB」などの社会貢献に向けた取り組みなどにより売上収益は5,408億11百万円(前年同期比1.0%増)と増収でありました。一方、利益面においては引き続きコストダウンによる粗利率改善に努めたものの、上半期に発生した国内の自然災害による工事遅延の影響や資材価格の上昇などもあり事業利益は207億19百万円(前年同期比24.7%減)と減益でありました。
[ビルディングテクノロジー事業]
ビルディングテクノロジー事業においては、国内受注物件は堅調な伸びを示したものの、ペルマスティリーザ社の収益性回復に向けた再生計画の策定にあたり全受注物件について厳格な精査を実施した結果、北米地域を主とした工事コストの引当や貸倒引当金の大幅な増加などにより売上収益は2,560億50百万円(前年同期比5.7%減)、事業損失は381億19百万円(前年同期は45億53百万円の事業利益)と減収減益でありました。
[流通・小売り事業]
流通・小売り事業においては、“理想のくらし・新たなライフスタイルを提案する”進化するホームセンター「スーパービバホーム」4店舗をはじめ新規店舗の展開による積極的な拡販に努めたことなどにより売上収益は1,763億81百万円(前年同期比1.6%増)、加えてリフォーム関連商品の売上伸長に伴う粗利増や既存店舗のコスト削減などに努めた結果、事業利益は77億52百万円(前年同期比11.7%増)と増収増益でありました。
[住宅・サービス事業等]
住宅・サービス事業等においては、自分らしく賢く暮らせる住まい「Simple Life.」、自然の力を活かした人の暮らしにやさしいパッシブデザインの「アリエッタ VERDEA(ベルデア)」、ツーバイシックス(2×6)工法の「WoodsHill(ウッズヒル)」など、ライフスタイルの多様化に合わせた新商品の拡販に努めたことに加え、重点施策であるBtoCビジネスなどの新事業領域に注力したことや非新築領域の伸長もあり、売上収益は578億52百万円(前年同期比10.6%増)、事業利益は34億51百万円(前年同期比36.1%増)と増収増益でありました。
なお、セグメント別の売上収益はセグメント間取引消去前であり、事業損益は全社費用控除前であります。
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて475億87百万円減少の2兆595億44百万円となりました。流動資産は、棚卸資産の変動による影響などから前連結会計年度末に比べて209億96百万円減少の8,917億80百万円となりました。非流動資産は、為替換算による影響のほか、ペルマスティリーザ社に関連するのれん及びその他の無形資産を減損処理したことによる減少などもあり、前連結会計年度末に比べて265億91百万円減少の1兆1,677億64百万円となりました。
なお、前連結会計年度にペルマスティリーザ社の売却を決定したことに伴い、同社及び同社子会社に関連する資産を売却目的で保有する資産へ分類しておりましたが、当連結会計年度において、ペルマスティリーザ社の株式が現状のままで売却が可能な状況ではなくなったことから、当該分類を中止することといたしました。概要につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 13.売却目的で保有する資産及び直接関連する負債」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、693億51百万円の資金増加となりました。前年同期に比べて470億11百万円の減少となり、この主な要因は、税引前利益の大幅な減少に加え、営業債権及びその他の債権など運転資本の変動があったことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形資産の取得による支出があったことなどから723億28百万円の資金減少となりました。前年同期に比べて197億22百万円の資金減少であります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払のほか、有利子負債の調達と返済を行ったことなどから結果として15億79百万円の資金増加となりました。前年同期に比べて454億22百万円の資金増加であります。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、換算差額による影響などを含めると、前連結会計年度末に比べて26億70百万円増加の1,414億21百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| ウォーターテクノロジー事業 | 423,788 | 102.3 |
| ハウジングテクノロジー事業 | 224,703 | 101.0 |
| ビルディングテクノロジー事業 | 234,093 | 106.3 |
| 住宅・サービス事業等 | 2,203 | 102.8 |
| 合計 | 884,787 | 103.2 |
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| ウォーターテクノロジー事業 | 85,830 | 99.8 |
| ハウジングテクノロジー事業 | 139,350 | 105.4 |
| ビルディングテクノロジー事業 | 14,626 | 106.9 |
| 流通・小売り事業 | 117,061 | 101.0 |
| 住宅・サービス事業等 | 36,247 | 123.7 |
| 合計 | 393,114 | 104.2 |
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
受注実績
ビルディングテクノロジー事業の工事物件については、受注生産を行っております。当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 受注高(百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高(百万円) | 前年同期比 (%) |
| ビルディングテクノロジー事業 | 206,109 | 80.1 | 356,341 | 94.0 |
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前年同期比(%) |
| ウォーターテクノロジー事業 | 833,128 | 100.6 |
| ハウジングテクノロジー事業 | 540,811 | 101.0 |
| ビルディングテクノロジー事業 | 256,050 | 94.3 |
| 流通・小売り事業 | 176,381 | 101.6 |
| 住宅・サービス事業等 | 57,852 | 110.6 |
| 報告セグメント計 | 1,864,222 | 100.2 |
| セグメント間取引 | △31,614 | 101.8 |
| 合計 | 1,832,608 | 100.2 |
(注)金額には消費税等を含んでおりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。
なお、本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。また、分析に記載した実績値は1億円未満を四捨五入して記載しております。
① 重要な会計上の見積り及び判断、重要な会計方針
当社グループの連結財務諸表の作成にあたって利用する重要な会計上の見積り及び判断については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (5)重要な会計上の見積り及び判断の利用」に記載のとおりであります。また、当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における当社グループの経営成績等の状況に対して、事業全体及び主要なセグメントごとに重要な影響を与えた要因について経営者の視点から見た認識及び分析・評価は、次のとおりであります。
当連結会計年度はペルマスティリーザ社を除く従来継続事業が予定通りに進捗した結果、特に国内事業においては新築、リフォーム双方の需要を取り込み力強い回復をみせたことに加え、海外事業においても水回り商品のフルラインアップを提供する取り組みが順調に推移いたしました。さらに、事業利益の改善に向けて従来継続事業のコスト構造見直しを継続するなど、事業基盤は盤石であり、今後も明るい見通しが期待できます。一方で、ペルマスティリーザ社の損失計上により親会社の所有者に帰属する当期損益が大幅な減益となりましたが、既に原因を特定し、再生計画を進めております。ペルマスティリーザ社の収益性回復を目指すとともに、当社グループの潜在能力を最大限に発揮できるよう、2019年5月に公表いたしました新経営計画に基づく主要施策を推進してまいります。
売上収益は、前年同期比0.2%増の1兆8,327億円となりました。国内事業については、ウォーターテクノロジー事業(以下、LWT)は前年とほぼ同水準となったものの、その他の国内事業は増収となり、特にハウジングテクノロジー事業(以下、LHT)の下半期における売上が好調であり牽引役となったことなどから、全体として前年同期比で増収でありました。海外事業については、LWTにおいて中国をはじめとするアジア太平洋地域が増収を牽引したことに加え、欧州・中東・アフリカ地域でも売上が好調でありましたが、アメリカでは概ね横ばい、加えてペルマスティリーザ社が受注抑制を進めた影響等により、全体として前年同期比で減収でありました。
事業利益は、前年同期比83.2%減の128億円となりました。国内事業については、下半期の需要回復や販管費の抑制などがプラスに作用した結果、LWT、LHT及びビルディングテクノロジーの国内3事業における事業利益が上半期に比し大幅に改善いたしました。一方で、海外事業については、人件費や資材価格の上昇に加え、ペルマスティリーザ社の工事コストの損失引当などを受け、大幅な減益となりました。
親会社の所有者に帰属する当期損益は前年同期から1,068億円減少し、522億円の損失となりました。これは、事業利益の減少に加え、前連結会計年度に計上した一過性の子会社や不動産の売却益、持分法適用関連会社に対する持分の処分益がなくなったこと、及びペルマスティリーザ社の売却に関連して計上した繰延税金資産の減少に伴う法人所得税費用の増加等が主な要因でありました。
資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。
当社グループは、健全な財政状態を維持しつつ、事業活動に必要な資金を安定的かつ機動的に確保すべく、営業活動によるキャッシュ・フローの創出や幅広い調達手段の実現に努めております。手元流動性に関しては、非常時の決済資金相当額を常に維持することを基本とし、財務柔軟性を確保するため、銀行などの金融機関からの借入に加え、コマーシャル・ペーパー発行枠及びコミットメントラインの確保、受取手形・債権の流動化といった取り組みを通じて、調達手段の多様化を図っております。
その結果、当連結会計年度末におけるネット有利子負債は前連結会計年度末に比べて854億円増加の5,845億円となりました。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は1,414億円となりました。
なお、財務状況に関する主要指標の推移は、次のとおりであります。
| 2015年 3月期 | 2016年 3月期 | 2017年 3月期 | 2018年 3月期 | 2019年 3月期 | |
| キャッシュ・フロー対ネット有利子負債比率(倍) | 5.7 | 5.8 | 4.8 | 4.8 | 8.4 |
| ネットデット・エクイティ・レシオ(倍) | 1.0 | 1.3 | 1.2 | 0.9 | 1.1 |
| インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) | 16.2 | 16.7 | 7.7 | 15.5 | 14.9 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。なお、各指標は、以下により算出しております。
キャッシュ・フロー対ネット有利子負債比率:(有利子負債-現金及び現金同等物)/営業キャッシュ・フロー
ネットデット・エクイティ・レシオ:(有利子負債-現金及び現金同等物)/親会社の所有者に帰属する持分
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
2.有利子負債は、連結財政状態計算書に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債及び転換社債型新株予約権付社債を対象としております。営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。また、利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、次のとおりであります。
(のれんの償却停止)
当社グループは、日本基準において、のれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。
この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が、前連結会計年度においては約12,000百万円、当連結会計年度においては約10,000百万円それぞれ減少しております。
(注)当社は、日本基準に基づく連結決算を2016年3月期まで行なっておりました。上記の概算額を算出するにあたり、2016年3月期に存在していたのれんについては、日本基準で採用していた償却期間を用いており、2016年4月以後に発生したのれんについては、金額的重要性が乏しい場合は即時に費用処理したものとし、それ以外については償却期間を10年としております。なお、当該償却期間10年は、のれんの効果の及ぶ期間や企業結合の対価の算定の基礎とした投資の合理的な回収期間を表すものではなく、上記の概算額を算出するにあたって設定した任意の年数であります。
(退職給付会計における数理計算上の差異の費用処理)
当社グループは、日本基準において、発生した数理計算上の差異及び過去勤務費用の全額を一括で費用処理しておりました。IFRSでは、確定給付制度の負債又は資産の純額の再測定は、発生した期においてその他の包括利益として一括認識しており、直ちに利益剰余金に振り替えております。
この影響により、前連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が1,674百万円増加し、その他の包括利益が1,331百万円減少しております。当連結会計年度においては、IFRSでは日本基準に比べて、税引前利益が5,300百万円増加し、その他の包括利益が3,564百万円減少しております。