有価証券報告書-第197期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2007年に「古河電工グループ理念」を制定しましたが、当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、本年5月に行動指針をCore Valueに整理し直し、同時にグループビジョンを刷新いたしました。引き続き、グローバルに成長して企業価値を高めるよう努力してまいります。
基本理念
世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。
経営理念
私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、
・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。
・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。
・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。
・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。
Core Value
古河電工グループ理念を達成し持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観を
⦅正々堂々⦆⦅革新⦆⦅本質追究⦆⦅主体・迅速⦆⦅共創⦆の5つに定め、「Core Value」としております。
グループビジョン⦅ビジョン2030⦆
目指す時間軸と事業領域を明確にした “ビジョン2030”を策定いたしました。今後、次期中期計画に落とし込み、存在感のある企業を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
2016年5月に中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」を策定し、公表しております。当社グループ経営理念及びビジョンの実現に向けて、本中期経営計画を着実に推進してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
前述しました中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」では、"ゆるぎない成長の実現"というスローガンを掲げ、以下の3つのテーマに取り組んでまいります。
中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の推進
当社グループでは、2016年策定の中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の施策の柱として、事業の強化と変革、特に重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化に引き続き取り組んでまいります。
インフラ関連では、情報通信分野において、中長期的に世界的な需要増大が見込まれる光ファイバの生産能力増強を着実に実行するほか、デジタルコヒーレント通信用信号光源の次世代製品など高速・大容量通信に対応する製品群の開発・販売を推進し、5G(*1)の進展を背景とした事業拡大を目指していきます。
エネルギー分野では、人材確保を含む製造・工事施工能力の向上に取り組み、国内電力会社向け超高圧地中線の受注獲得に注力し安定した事業基盤を確立していきます。さらに、有望分野の海底線向け長尺・大容量ケーブルの生産能力を強化する設備投資を進めるとともに、需要拡大が見込まれる日本を含むアジア地域で洋上風力発電向け海底線の受注獲得に取り組むなど、長期的な観点から電力事業が成長していくための施策を進めてまいります。
自動車分野では、自動車の軽量化に貢献するアルミワイヤハーネスやアルミ防食端子、先進運転支援システムで必須となる周辺監視レーダ等の受注拡大に引き続き取り組むほか、CASE(*2)と称される領域において、当社グループが幅広い事業分野で培ってきた多様な技術を融合させることで当社独自の価値提供を進め、今後大きな市場拡大が予想される同領域での成長を目指してまいります。
(*1)5G:第5世代移動通信システム
(*2)CASE:Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電動化)
また、上場子会社であったFCM㈱の当社保有株式をすべて売却するなど、経営資源の再配分による最適な事業ポートフォリオ構築に向けた施策にも取り組みました。さらに、本年4月にはグループ変革本部を設置し、グループを挙げて収益力・組織実行力の強化に向けた改革活動を展開しております。
加えて、新事業の開拓に向けた取組みとして、オープンイノベーションや産学連携等を推進しております。他社との共創を目指すため横浜事業所内に開設しているオープンラボ「Fun Lab」では施設の拡充が必要となるほど活動が活発化しており、一昨年度スタートした東京大学との社会連携講座やスタートアップ企業との連携強化を目指すアクセラレータ活動にも取り組んでおります。昨年8月には、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに、当社にとって4番目となる海外研究拠点であるSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric (SVIL)を開設し、今後、新事業創出の取組みをグローバルに展開してまいります。
中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」では、連結営業利益550億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上、ROE10%以上を財務目標値として掲げております。足元では当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化しておりますが、事業資産営業利益率を意識した事業マネジメントを推進し、注力事業・製品の強化及び低採算事業・製品の変革に取り組むことで、事業ポートフォリオの見直しを進め、収益力の強化を図ってまいります。
また、当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、本年5月にグループビジョンを刷新し、「古河電工グループビジョン2030」を策定いたしました。当社グループは、「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創ることを目指してまいります。
(4) 経営環境
世界経済は、米国と中国の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などの影響により先行き不透明な状況が続くと予想されますが、当社グループが重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野は中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
情報通信分野は、5GやIoTなど、クラウドをベースとしたサービスが様々な分野で成長しており、データセンター及びデータセンター間を結ぶ光ネットワークの建設が続いています。昨年度、北米での光ケーブル需要の一時的な低下、中国での光部品の在庫調整等がありましたが、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
エネルギー分野は、国内に関してはオリンピック需要ピーク後の需要減や人手不足による工期遅れが懸念される一方、新エネルギーや電力会社のリプレース需要が見込まれ、海外に関しては欧米、新興国での旺盛な需要が継続する見通しです。
自動車分野は、CASEというキーワードに代表されるように大変革期を迎えており、今後も当該分野は継続的に成長する見通しです。
(5) 会社の対処すべき課題
コーポレートガバナンスの強化
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す取組みの一環として、コーポレートガバナンスの強化に注力しております。
昨年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂への対応として、形式的な原則遵守に捉われない実効的なコーポレートガバナンスの実現に向け、取締役会にて複数回にわたり検討を行い、12月には、その検討結果を反映させた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」の見直しを行いました。今後も、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向け取締役会での議論を充実させていきます。
監査役会設置会社である当社は、任意の委員会として、委員の過半数及び委員長を社外取締役とする指名・報酬委員会を設置し、取締役等の選解任や評価、経営陣の報酬に関する審議等を行っております。当期は、指名・報酬委員会を13回開催し、本年4月からの経営執行体制について同委員会での審議・答申を経て取締役会において決定したほか、経営陣の報酬についても、中長期的な企業価値向上のインセンティブ付けを行うため業績連動部分の比率を高めた役員報酬制度の改定を取締役会の委任に基づき同委員会で審議・決定しました。指名・報酬委員会では、これらの指名・報酬に関する客観的かつ透明性の高いプロセスを通じて、取締役会の監督機能の補完を図っております。
2015年度から毎年実施している取締役会実効性評価を当期も実施し、取締役会の機能向上の観点から実質的な分析・評価を行いました。今後、当社の競争環境及び事業課題のより定量的な分析や、その具体的な対応施策が取締役会で適切に議論されるように取組みを進めます。
また、近年世界的に関心の高まっているESG経営・SDGsについて、取締役会等での議論を充実させ、中長期的な企業価値向上に資するよう取組みを進めてまいります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、2007年に「古河電工グループ理念」を制定しましたが、当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、本年5月に行動指針をCore Valueに整理し直し、同時にグループビジョンを刷新いたしました。引き続き、グローバルに成長して企業価値を高めるよう努力してまいります。
基本理念
世紀を超えて培ってきた素材力を核として、絶え間ない技術革新により、真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献します。
経営理念
私たち古河電工グループは、人と地球の未来を見据えながら、
・ 公正と誠実を基本に、常に社会の期待と信頼に応え続けます。
・ お客様の満足のためにグループの知恵を結集し、お客様とともに成長します。
・ 世界をリードする技術革新と、あらゆる企業活動における変革に絶えず挑戦します。
・ 多様な人材を活かし、創造的で活力あふれる企業グループを目指します。
Core Value
古河電工グループ理念を達成し持続的に成長していく上で、特に大事にし、より強化していきたい価値観を
⦅正々堂々⦆⦅革新⦆⦅本質追究⦆⦅主体・迅速⦆⦅共創⦆の5つに定め、「Core Value」としております。
グループビジョン⦅ビジョン2030⦆
目指す時間軸と事業領域を明確にした “ビジョン2030”を策定いたしました。今後、次期中期計画に落とし込み、存在感のある企業を目指してまいります。
古河電工グループは 「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報 / エネルギー / モビリティが融合した社会基盤を創る。 |
(2) 目標とする経営指標
2016年5月に中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」を策定し、公表しております。当社グループ経営理念及びビジョンの実現に向けて、本中期経営計画を着実に推進してまいります。
(3) 中長期的な会社の経営戦略
前述しました中期経営計画「Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - 」では、"ゆるぎない成長の実現"というスローガンを掲げ、以下の3つのテーマに取り組んでまいります。
Furukawa G Plan 2020 - Group Global Growth - |
Ⅰ. 事業の強化と変革 |
Ⅱ. グローバル市場での拡販推進 |
Ⅲ. 新事業での開拓加速 |
中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の推進
当社グループでは、2016年策定の中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」の施策の柱として、事業の強化と変革、特に重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野の強化に引き続き取り組んでまいります。
インフラ関連では、情報通信分野において、中長期的に世界的な需要増大が見込まれる光ファイバの生産能力増強を着実に実行するほか、デジタルコヒーレント通信用信号光源の次世代製品など高速・大容量通信に対応する製品群の開発・販売を推進し、5G(*1)の進展を背景とした事業拡大を目指していきます。
エネルギー分野では、人材確保を含む製造・工事施工能力の向上に取り組み、国内電力会社向け超高圧地中線の受注獲得に注力し安定した事業基盤を確立していきます。さらに、有望分野の海底線向け長尺・大容量ケーブルの生産能力を強化する設備投資を進めるとともに、需要拡大が見込まれる日本を含むアジア地域で洋上風力発電向け海底線の受注獲得に取り組むなど、長期的な観点から電力事業が成長していくための施策を進めてまいります。
自動車分野では、自動車の軽量化に貢献するアルミワイヤハーネスやアルミ防食端子、先進運転支援システムで必須となる周辺監視レーダ等の受注拡大に引き続き取り組むほか、CASE(*2)と称される領域において、当社グループが幅広い事業分野で培ってきた多様な技術を融合させることで当社独自の価値提供を進め、今後大きな市場拡大が予想される同領域での成長を目指してまいります。
(*1)5G:第5世代移動通信システム
(*2)CASE:Connected(つながる化)、Autonomous(自動運転)、Shared & Services(シェアリング)、Electric(電動化)
また、上場子会社であったFCM㈱の当社保有株式をすべて売却するなど、経営資源の再配分による最適な事業ポートフォリオ構築に向けた施策にも取り組みました。さらに、本年4月にはグループ変革本部を設置し、グループを挙げて収益力・組織実行力の強化に向けた改革活動を展開しております。
加えて、新事業の開拓に向けた取組みとして、オープンイノベーションや産学連携等を推進しております。他社との共創を目指すため横浜事業所内に開設しているオープンラボ「Fun Lab」では施設の拡充が必要となるほど活動が活発化しており、一昨年度スタートした東京大学との社会連携講座やスタートアップ企業との連携強化を目指すアクセラレータ活動にも取り組んでおります。昨年8月には、米国カリフォルニア州のシリコンバレーに、当社にとって4番目となる海外研究拠点であるSilicon Valley Innovation Laboratories, Furukawa Electric (SVIL)を開設し、今後、新事業創出の取組みをグローバルに展開してまいります。
中期経営計画「Furukawa G Plan 2020」では、連結営業利益550億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益300億円以上、ROE10%以上を財務目標値として掲げております。足元では当社グループを取り巻く経営環境が大きく変化しておりますが、事業資産営業利益率を意識した事業マネジメントを推進し、注力事業・製品の強化及び低採算事業・製品の変革に取り組むことで、事業ポートフォリオの見直しを進め、収益力の強化を図ってまいります。
また、当社グループの事業を取り巻く環境の急速な変化を捉え、本年5月にグループビジョンを刷新し、「古河電工グループビジョン2030」を策定いたしました。当社グループは、「地球環境を守り」「安全・安心・快適な生活を実現する」ため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創ることを目指してまいります。
(4) 経営環境
世界経済は、米国と中国の貿易摩擦問題や英国のEU離脱問題などの影響により先行き不透明な状況が続くと予想されますが、当社グループが重点領域と位置づけているインフラ(情報通信、エネルギー)/自動車分野は中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
情報通信分野は、5GやIoTなど、クラウドをベースとしたサービスが様々な分野で成長しており、データセンター及びデータセンター間を結ぶ光ネットワークの建設が続いています。昨年度、北米での光ケーブル需要の一時的な低下、中国での光部品の在庫調整等がありましたが、中長期では継続的な市場成長が見込まれます。
エネルギー分野は、国内に関してはオリンピック需要ピーク後の需要減や人手不足による工期遅れが懸念される一方、新エネルギーや電力会社のリプレース需要が見込まれ、海外に関しては欧米、新興国での旺盛な需要が継続する見通しです。
自動車分野は、CASEというキーワードに代表されるように大変革期を迎えており、今後も当該分野は継続的に成長する見通しです。
(5) 会社の対処すべき課題
コーポレートガバナンスの強化
当社は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指す取組みの一環として、コーポレートガバナンスの強化に注力しております。
昨年6月のコーポレートガバナンス・コード改訂への対応として、形式的な原則遵守に捉われない実効的なコーポレートガバナンスの実現に向け、取締役会にて複数回にわたり検討を行い、12月には、その検討結果を反映させた「コーポレートガバナンスに関する基本方針」の見直しを行いました。今後も、コーポレートガバナンスのさらなる強化に向け取締役会での議論を充実させていきます。
監査役会設置会社である当社は、任意の委員会として、委員の過半数及び委員長を社外取締役とする指名・報酬委員会を設置し、取締役等の選解任や評価、経営陣の報酬に関する審議等を行っております。当期は、指名・報酬委員会を13回開催し、本年4月からの経営執行体制について同委員会での審議・答申を経て取締役会において決定したほか、経営陣の報酬についても、中長期的な企業価値向上のインセンティブ付けを行うため業績連動部分の比率を高めた役員報酬制度の改定を取締役会の委任に基づき同委員会で審議・決定しました。指名・報酬委員会では、これらの指名・報酬に関する客観的かつ透明性の高いプロセスを通じて、取締役会の監督機能の補完を図っております。
2015年度から毎年実施している取締役会実効性評価を当期も実施し、取締役会の機能向上の観点から実質的な分析・評価を行いました。今後、当社の競争環境及び事業課題のより定量的な分析や、その具体的な対応施策が取締役会で適切に議論されるように取組みを進めます。
また、近年世界的に関心の高まっているESG経営・SDGsについて、取締役会等での議論を充実させ、中長期的な企業価値向上に資するよう取組みを進めてまいります。