四半期報告書-第146期第2四半期(平成27年7月1日-平成27年9月30日)
財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、第1四半期連結累計期間より「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間の日本経済は、中国経済の成長が鈍化しているなかで、輸出や個人消費が伸び悩むなど、足踏み状態となりました。世界経済については、米国では回復傾向が続き、欧州も全体としては持ち直しているものの、新興国の景気減速による影響懸念から、先行き不透明感が強まっています。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、米国等の海外を中心に自動車用ワイヤーハーネスの需要が堅調であり、また、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)等の需要も増加しました。このような環境のもと、当第2四半期連結累計期間の連結決算は、売上高は1,439,415百万円(前年同四半期連結累計期間1,310,544百万円、9.8%増)と増収を確保いたしました。また、営業利益も、先行投資による減価償却費や研究開発費の増加などがございましたが、円安の効果やコスト低減などもあり、52,890百万円(前年同四半期連結累計期間47,905百万円、10.4%増)、経常利益も62,183百万円(前年同四半期連結累計期間59,463百万円、4.6%増)と、それぞれ前年同期に比べ増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に住友スリーエム㈱(2014年9月1日付でスリーエム ジャパン㈱に商号変更)の株式売却等に伴う特別利益の計上があったため、35,830百万円(前年同四半期連結累計期間78,638百万円、54.4%減)と、減益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
自動車関連事業
ワイヤーハーネス、防振ゴムの米国等海外における需要が堅調なことに加え、円安の効果もあり、売上高は765,509百万円と54,504百万円(7.7%)の増収となり、営業利益も37,058百万円と1,046百万円の増益となりました。
情報通信関連事業
光・電子デバイス製品、光ファイバ・ケーブルの需要増加に加え、円安の効果もあり、売上高は84,203百万円と7,031百万円(9.1%)の増収となり、営業利益は1,778百万円と、前年同四半期連結累計期間(1,213百万円の損失)から2,991百万円の改善となりました。
エレクトロニクス関連事業
携帯機器用FPCの需要増加により、売上高は163,714百万円と37,060百万円(29.3%)の増収となりました。営業利益は6,962百万円と、需要増に加え、コスト低減による効果もあり、前年同四半期連結累計期間(501百万円の損失)から7,463百万円の大幅な改善となりました。
環境エネルギー関連事業
前年に連結子会社化した住電日立ケーブル㈱の売上高を前年第3四半期連結会計期間より計上していることにより、売上高は308,494百万円と29,874百万円(10.7%)の増収となりました。一方、営業利益は、電力ケーブルにおける価格競争の激化や海外工事案件の天候不順等に伴う採算悪化、鉄道車両用空気ばねの売上減少や、新製品関連費用の先行投入などにより、4,110百万円減少の688百万円の損失となりました。
産業素材関連事業他
㈱アライドマテリアルのスマートフォン向けサファイアガラス育成用るつぼ及び携帯基地局向けの半導体放熱基板、建設用PC鋼材の需要減少の一方で、円安の効果により、売上高は157,287百万円と368百万円(0.2%)の増収となりました。営業利益は7,934百万円と、需要減に加え、㈱アライドマテリアルでのタングステン及びモリブデンの相場下落に伴う原材料の時価評価損の計上などにより、2,498百万円の減益となりました。
なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、四半期連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,860,277百万円と、前連結会計年度末対比65,508百万円減少しました。
資産の部では、保有株式の時価下落に伴う投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末対比65,508百万円減少しました。
負債の部では、借入金の返済に伴う有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末対比27,102百万円減少しました。
また、純資産は1,608,507百万円と、四半期純利益の計上と配当金の支払、保有株式の時価下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少などとの差引きにより、前連結会計年度末対比38,406百万円減少しました。自己資本比率は49.0%と、前連結会計年度末対比0.1ポイント上昇しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,847百万円(1.6%)増加し、179,954百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動の結果得られた資金は、108,618百万円(前年同四半期連結累計期間対比29,111百万円の収入増加)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益59,370百万円や減価償却費65,608百万円から運転資本の増減などを加減したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は、73,082百万円(前年同四半期連結累計期間対比62,935百万円の支出増加)となりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出80,854百万円などがあったことによるものです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローについては35,536百万円のプラス(前年同四半期連結累計期間は69,360百万円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動の結果、資金は29,459百万円減少(前年同四半期連結累計期間は66,790百万円の減少)しました。これは、長期借入れによる収入7,242百万円があった一方で、配当金の支払14,280百万円、短期借入金の純減少8,203百万円及び長期借入金の返済による支出6,275百万円などがあったことによるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の世界経済は、中国での成長鈍化の継続、米国の金融政策正常化に向けた動き、新興国経済の不確実性や政情不安により、緩やかな景気回復基調に対して下振れリスクが強まることが想定されます。日本経済もこれらの影響により、輸出や個人消費に力強さを欠く状態が継続し、不透明な展開が続くものと予想されます。
このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と当社グループ経営理念を堅持しつつ、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)の一層の強化に努めながら、2017年度に売上高3.3兆円、営業利益2,000億円、ROA(投下資産営業利益率)9%以上、ROE8%以上を目標値とする中期経営計画「17VISION」の実現に向けて取り組んでおり、各事業においては次の施策を進めてまいります。
まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスでグローバル総合部品メーカーを目指し、自動車の軽量化に寄与するアルミハーネスや環境対応車向けの高電圧ハーネス、複雑化・高度化が進む自動車の電子制御に対応した電装部品などの新製品の開発・拡販、グローバルでの生産性の一段の向上に引き続き注力いたします。住友理工㈱は、自動車用防振ゴム・ホースにおいて、買収した海外事業との相乗効果の創出を加速し、グローバルでの事業拡大と収益力強化を推進してまいります。
情報通信関連事業では、海底ケーブル用の極低損失光ファイバ、100Gbps*の高速光デバイス、携帯基地局用GaN(窒化ガリウム)デバイスや高度道路交通システムの拡販に引き続き取り組むほか、アクセス系ネットワーク機器の海外への新製品拡販にも注力し、収益力のさらなる向上を図ってまいります。
* Gbps:gigabits per secondの略で、通信速度を表す単位。1Gbpsは1秒間に10億ビットのデータを
送れることを表します。
エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCや電子ワイヤー、照射チューブについて、東南アジアなどでのグローバル生産体制を強化し、一層のコスト低減と収益力の強化を推進いたします。また、FPCのさらなる高精細・極薄・高耐熱化に取り組むとともに、高速伝送ケーブルを応用した省スペース高速配線材や車載用FPC等への事業拡大も加速してまいります。
環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルについて足元では競争激化等により採算が厳しくなっておりますが、営業活動強化、コスト低減や技術開発の加速による競争力の向上に取り組んでまいります。また、2015年6月に英国・ベルギー間を結ぶ高圧直流海底ケーブルを受注しましたが、さらなる大型案件の獲得を推進してまいります。このほか、環境対応車向けのモーター用巻線や電池用金属多孔体の拡販を進めるとともに、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連での新規事業創出に注力し、高機能・高品質な製品をグローバルに提供してまいります。
産業素材関連事業では、超硬工具で新興国市場等におけるグローバル展開を加速するとともに、主力の自動車分野に加え、今後の伸長が期待される航空機や精密加工分野への拡販も強化してまいります。また、メキシコ、インドネシア、タイなどで焼結部品の生産能力の増強を進めております。これらにより、グローバルな営業・生産体制、原料調達の一段の強化を図ってまいります。このほか、コア技術の強化・革新を進め、超硬工具でナノ多結晶ダイヤモンド、焼結部品で自動車電動化対応製品等の新製品の開発・拡販にも、引き続き注力してまいります。
研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業、新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、超電導製品、電力線通信応用製品の開発を進めるほか、マグネシウム合金製品、水処理装置やデータセンター向け大容量配線材などの事業化に注力します。さらに将来に向けては、先進交通安全システムや新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を生かした新製品の開発に取り組んでまいります。
当社では、法令遵守や企業倫理の維持は、経営の根幹をなすものであり、企業としての社会的義務、存続・発展のための絶対的基盤であると考えております。なかでも競争法コンプライアンスは、経営の最重要課題と位置付けており、2010年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定し、専任組織等による運用体制を構築するなど、海外拠点を含めグループ全体の競争法コンプライアンス体制の強化に注力してまいりました。今後も、これまで取り組んできた諸施策を徹底することにより、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、55,427百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、各セグメントの売上高・営業利益又は営業損失に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。
自動車関連事業については、ワイヤーハーネス、防振ゴムの米国等海外における堅調な需要と円安が増収増益要因となりました。情報通信関連事業については、光・電子デバイス製品、光ファイバ・ケーブルの需要増加と円安が増収と利益改善の要因となりました。エレクトロニクス関連事業については、携帯機器用FPCの需要増加とコスト改善が増収と利益改善の要因となりました。環境エネルギー関連事業については、住電日立ケーブル㈱の業績を前年第3四半期連結会計期間より連結していることが増収要因となる一方で、電力ケーブルにおける価格競争の激化や海外工事案件の採算悪化、鉄道車両用空気ばねの売上減少や、新製品関連費用の先行投入などが減益要因となりました。産業素材関連事業他については、㈱アライドマテリアルのスマートフォン向けサファイアガラス育成用るつぼ及び携帯基地局向けの半導体放熱基板、建設用PC鋼材の需要減少の一方で、円安が増収要因となりましたが、㈱アライドマテリアルでのタングステン及びモリブデンの相場下落に伴う原材料の時価評価損計上などが減益要因となりました。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第2四半期連結累計期間における資金の状況は下記のとおりであります。
まず、営業活動によるキャッシュ・フローで108,618百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前四半期純利益59,370百万円と減価償却費65,608百万円の合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが124,978百万円あり、これに運転資本の増減などを加減した結果です。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、73,082百万円の資金を使用しております。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出80,854百万円などがあったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、29,459百万円の資金の減少となりました。これは、長期借入れによる収入7,242百万円があった一方で、配当金の支払14,280百万円、短期借入金の純減少8,203百万円及び長期借入金の返済による支出6,275百万円などがあったことによるものです。
以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,847百万円(1.6%)増加し、179,954百万円となりました。また、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債は534,736百万円と前連結会計年度末対比16,103百万円減少し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末対比18,950百万円減少し354,782百万円となりました。
(注)本報告書の「第2 事業の状況」から「第4 経理の状況」までの金額には、特に記載のない限り消費税等は含んでおりません。
なお、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、第1四半期連結累計期間より「四半期純利益」を「親会社株主に帰属する四半期純利益」としております。
(1) 業績の状況
当第2四半期連結累計期間の日本経済は、中国経済の成長が鈍化しているなかで、輸出や個人消費が伸び悩むなど、足踏み状態となりました。世界経済については、米国では回復傾向が続き、欧州も全体としては持ち直しているものの、新興国の景気減速による影響懸念から、先行き不透明感が強まっています。
当社グループを取り巻く事業環境につきましては、米国等の海外を中心に自動車用ワイヤーハーネスの需要が堅調であり、また、携帯機器用FPC(フレキシブルプリント回路)等の需要も増加しました。このような環境のもと、当第2四半期連結累計期間の連結決算は、売上高は1,439,415百万円(前年同四半期連結累計期間1,310,544百万円、9.8%増)と増収を確保いたしました。また、営業利益も、先行投資による減価償却費や研究開発費の増加などがございましたが、円安の効果やコスト低減などもあり、52,890百万円(前年同四半期連結累計期間47,905百万円、10.4%増)、経常利益も62,183百万円(前年同四半期連結累計期間59,463百万円、4.6%増)と、それぞれ前年同期に比べ増益となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期に住友スリーエム㈱(2014年9月1日付でスリーエム ジャパン㈱に商号変更)の株式売却等に伴う特別利益の計上があったため、35,830百万円(前年同四半期連結累計期間78,638百万円、54.4%減)と、減益となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
自動車関連事業
ワイヤーハーネス、防振ゴムの米国等海外における需要が堅調なことに加え、円安の効果もあり、売上高は765,509百万円と54,504百万円(7.7%)の増収となり、営業利益も37,058百万円と1,046百万円の増益となりました。
情報通信関連事業
光・電子デバイス製品、光ファイバ・ケーブルの需要増加に加え、円安の効果もあり、売上高は84,203百万円と7,031百万円(9.1%)の増収となり、営業利益は1,778百万円と、前年同四半期連結累計期間(1,213百万円の損失)から2,991百万円の改善となりました。
エレクトロニクス関連事業
携帯機器用FPCの需要増加により、売上高は163,714百万円と37,060百万円(29.3%)の増収となりました。営業利益は6,962百万円と、需要増に加え、コスト低減による効果もあり、前年同四半期連結累計期間(501百万円の損失)から7,463百万円の大幅な改善となりました。
環境エネルギー関連事業
前年に連結子会社化した住電日立ケーブル㈱の売上高を前年第3四半期連結会計期間より計上していることにより、売上高は308,494百万円と29,874百万円(10.7%)の増収となりました。一方、営業利益は、電力ケーブルにおける価格競争の激化や海外工事案件の天候不順等に伴う採算悪化、鉄道車両用空気ばねの売上減少や、新製品関連費用の先行投入などにより、4,110百万円減少の688百万円の損失となりました。
産業素材関連事業他
㈱アライドマテリアルのスマートフォン向けサファイアガラス育成用るつぼ及び携帯基地局向けの半導体放熱基板、建設用PC鋼材の需要減少の一方で、円安の効果により、売上高は157,287百万円と368百万円(0.2%)の増収となりました。営業利益は7,934百万円と、需要減に加え、㈱アライドマテリアルでのタングステン及びモリブデンの相場下落に伴う原材料の時価評価損の計上などにより、2,498百万円の減益となりました。
なお、各セグメントの営業利益又は営業損失は、四半期連結損益計算書の営業利益又は営業損失に対応しております。
(2) 財政状態の分析
当第2四半期連結会計期間末の総資産は2,860,277百万円と、前連結会計年度末対比65,508百万円減少しました。
資産の部では、保有株式の時価下落に伴う投資有価証券の減少などにより、前連結会計年度末対比65,508百万円減少しました。
負債の部では、借入金の返済に伴う有利子負債の減少などにより、前連結会計年度末対比27,102百万円減少しました。
また、純資産は1,608,507百万円と、四半期純利益の計上と配当金の支払、保有株式の時価下落に伴うその他有価証券評価差額金の減少などとの差引きにより、前連結会計年度末対比38,406百万円減少しました。自己資本比率は49.0%と、前連結会計年度末対比0.1ポイント上昇しております。
(3) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より2,847百万円(1.6%)増加し、179,954百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の営業活動の結果得られた資金は、108,618百万円(前年同四半期連結累計期間対比29,111百万円の収入増加)となりました。これは、税金等調整前四半期純利益59,370百万円や減価償却費65,608百万円から運転資本の増減などを加減したことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の投資活動の結果使用した資金は、73,082百万円(前年同四半期連結累計期間対比62,935百万円の支出増加)となりました。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出80,854百万円などがあったことによるものです。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・
キャッシュ・フローについては35,536百万円のプラス(前年同四半期連結累計期間は69,360百万円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間の財務活動の結果、資金は29,459百万円減少(前年同四半期連結累計期間は66,790百万円の減少)しました。これは、長期借入れによる収入7,242百万円があった一方で、配当金の支払14,280百万円、短期借入金の純減少8,203百万円及び長期借入金の返済による支出6,275百万円などがあったことによるものです。
(4) 事業上及び財務上の対処すべき課題
今後の世界経済は、中国での成長鈍化の継続、米国の金融政策正常化に向けた動き、新興国経済の不確実性や政情不安により、緩やかな景気回復基調に対して下振れリスクが強まることが想定されます。日本経済もこれらの影響により、輸出や個人消費に力強さを欠く状態が継続し、不透明な展開が続くものと予想されます。
このような情勢のもと、当社グループは、住友事業精神と当社グループ経営理念を堅持しつつ、S(安全)、E(環境)、Q(品質)、C(コスト)、D(物流・納期)、D(研究開発)の一層の強化に努めながら、2017年度に売上高3.3兆円、営業利益2,000億円、ROA(投下資産営業利益率)9%以上、ROE8%以上を目標値とする中期経営計画「17VISION」の実現に向けて取り組んでおり、各事業においては次の施策を進めてまいります。
まず、自動車関連事業では、ワイヤーハーネスでグローバル総合部品メーカーを目指し、自動車の軽量化に寄与するアルミハーネスや環境対応車向けの高電圧ハーネス、複雑化・高度化が進む自動車の電子制御に対応した電装部品などの新製品の開発・拡販、グローバルでの生産性の一段の向上に引き続き注力いたします。住友理工㈱は、自動車用防振ゴム・ホースにおいて、買収した海外事業との相乗効果の創出を加速し、グローバルでの事業拡大と収益力強化を推進してまいります。
情報通信関連事業では、海底ケーブル用の極低損失光ファイバ、100Gbps*の高速光デバイス、携帯基地局用GaN(窒化ガリウム)デバイスや高度道路交通システムの拡販に引き続き取り組むほか、アクセス系ネットワーク機器の海外への新製品拡販にも注力し、収益力のさらなる向上を図ってまいります。
* Gbps:gigabits per secondの略で、通信速度を表す単位。1Gbpsは1秒間に10億ビットのデータを
送れることを表します。
エレクトロニクス関連事業では、携帯機器用FPCや電子ワイヤー、照射チューブについて、東南アジアなどでのグローバル生産体制を強化し、一層のコスト低減と収益力の強化を推進いたします。また、FPCのさらなる高精細・極薄・高耐熱化に取り組むとともに、高速伝送ケーブルを応用した省スペース高速配線材や車載用FPC等への事業拡大も加速してまいります。
環境エネルギー関連事業では、電力ケーブルについて足元では競争激化等により採算が厳しくなっておりますが、営業活動強化、コスト低減や技術開発の加速による競争力の向上に取り組んでまいります。また、2015年6月に英国・ベルギー間を結ぶ高圧直流海底ケーブルを受注しましたが、さらなる大型案件の獲得を推進してまいります。このほか、環境対応車向けのモーター用巻線や電池用金属多孔体の拡販を進めるとともに、再生可能エネルギーやスマートグリッド関連での新規事業創出に注力し、高機能・高品質な製品をグローバルに提供してまいります。
産業素材関連事業では、超硬工具で新興国市場等におけるグローバル展開を加速するとともに、主力の自動車分野に加え、今後の伸長が期待される航空機や精密加工分野への拡販も強化してまいります。また、メキシコ、インドネシア、タイなどで焼結部品の生産能力の増強を進めております。これらにより、グローバルな営業・生産体制、原料調達の一段の強化を図ってまいります。このほか、コア技術の強化・革新を進め、超硬工具でナノ多結晶ダイヤモンド、焼結部品で自動車電動化対応製品等の新製品の開発・拡販にも、引き続き注力してまいります。
研究開発では、オリジナリティがありかつ収益力に優れた新事業、新製品の創出に努めてまいります。具体的には、新しい電力・エネルギーインフラの構築に向けてレドックスフロー電池、集光型太陽光発電装置、超電導製品、電力線通信応用製品の開発を進めるほか、マグネシウム合金製品、水処理装置やデータセンター向け大容量配線材などの事業化に注力します。さらに将来に向けては、先進交通安全システムや新たな機能を発現する新材料の探索など、社会ニーズを踏まえ当社グループの特徴を生かした新製品の開発に取り組んでまいります。
当社では、法令遵守や企業倫理の維持は、経営の根幹をなすものであり、企業としての社会的義務、存続・発展のための絶対的基盤であると考えております。なかでも競争法コンプライアンスは、経営の最重要課題と位置付けており、2010年6月に「競争法コンプライアンス規程」を制定し、専任組織等による運用体制を構築するなど、海外拠点を含めグループ全体の競争法コンプライアンス体制の強化に注力してまいりました。今後も、これまで取り組んできた諸施策を徹底することにより、社会から信頼される公正な企業活動の実践に真摯に取り組んでまいります。
(5) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、55,427百万円であります。なお、当第2四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
当第2四半期連結累計期間において、各セグメントの売上高・営業利益又は営業損失に重要な影響を与えている主な要因は次のとおりであります。
自動車関連事業については、ワイヤーハーネス、防振ゴムの米国等海外における堅調な需要と円安が増収増益要因となりました。情報通信関連事業については、光・電子デバイス製品、光ファイバ・ケーブルの需要増加と円安が増収と利益改善の要因となりました。エレクトロニクス関連事業については、携帯機器用FPCの需要増加とコスト改善が増収と利益改善の要因となりました。環境エネルギー関連事業については、住電日立ケーブル㈱の業績を前年第3四半期連結会計期間より連結していることが増収要因となる一方で、電力ケーブルにおける価格競争の激化や海外工事案件の採算悪化、鉄道車両用空気ばねの売上減少や、新製品関連費用の先行投入などが減益要因となりました。産業素材関連事業他については、㈱アライドマテリアルのスマートフォン向けサファイアガラス育成用るつぼ及び携帯基地局向けの半導体放熱基板、建設用PC鋼材の需要減少の一方で、円安が増収要因となりましたが、㈱アライドマテリアルでのタングステン及びモリブデンの相場下落に伴う原材料の時価評価損計上などが減益要因となりました。
(7) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第2四半期連結累計期間における資金の状況は下記のとおりであります。
まず、営業活動によるキャッシュ・フローで108,618百万円の資金を獲得しました。これは、税金等調整前四半期純利益59,370百万円と減価償却費65,608百万円の合計、即ち事業の生み出したキャッシュ・フローが124,978百万円あり、これに運転資本の増減などを加減した結果です。
投資活動によるキャッシュ・フローでは、73,082百万円の資金を使用しております。これは、設備投資に伴う有形固定資産の取得による支出80,854百万円などがあったことによるものです。
財務活動によるキャッシュ・フローは、29,459百万円の資金の減少となりました。これは、長期借入れによる収入7,242百万円があった一方で、配当金の支払14,280百万円、短期借入金の純減少8,203百万円及び長期借入金の返済による支出6,275百万円などがあったことによるものです。
以上により、当第2四半期連結会計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より2,847百万円(1.6%)増加し、179,954百万円となりました。また、当第2四半期連結会計期間末における有利子負債は534,736百万円と前連結会計年度末対比16,103百万円減少し、有利子負債から現金及び現金同等物を差し引いたネット有利子負債は、前連結会計年度末対比18,950百万円減少し354,782百万円となりました。
(注)本報告書の「第2 事業の状況」から「第4 経理の状況」までの金額には、特に記載のない限り消費税等は含んでおりません。