有価証券報告書-第66期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/30 10:56
【資料】
PDFをみる
【項目】
105項目

対処すべき課題


当社グループの主力製品でありますLPガス容器の需要は、ここ数年漸増傾向にあります。これは容器更新サイクルの動きに伴う需要に加えて、LPガスが災害・緊急時の国民生活・産業活動に貢献する分散型クリーンエネルギーであるとの国のエネルギー基本計画の位置づけをもとに、LPガス需要の喚起が図られた効果と推測されます。しかし、LPガスと他のエネルギーとの競争が更に激化する傾向にあるため、LPガス容器の需要は当面大きな変動はないと予想され、当社事業環境の厳しさも当分の間継続されるものと考えております。
また、企業価値の継続的な向上を図るとともに社会から信頼される企業であることが必要と考えております。
かかる状況に対処するため、生産性の向上と新製品の開発を図り、厳しい経営環境のもとにおいても安定した収益を確保できる体質を目指すとともに、ガバナンスの充実とコンプライアンスの徹底によって企業の信頼性向上を図るべく次の施策を実行しており、今後も継続して推進してまいります。
(1)LPガス容器・バルク貯槽の売上拡大
LPガス容器については、これまでに培った技術力及び販売チャンネルを活かしながら、顧客ニーズに沿った製品群の更なる充実を図るとともに、オールプラスチック製小型LPガス容器の市場開拓を進めて、売上の拡大を図ります。
また、バルク貯槽については、販売開始より20年近くを経過して更新時期を迎えつつあることを十分に認識した製造及び営業活動を推進することにより、売上拡大につなげます。
(2)生産性の向上
従業員の能力向上策の推進により仕事力の向上を図るとともに、効率的な生産・在庫計画に基づく生産管理の実行、省力化を含めた生産設備リニューアルの着実な実行等により、各事業分野において生産性の一層の向上を図ります。
(3)収益性の向上
売上計画、原価、品質面全般について更に徹底した管理を行い、各事業分野の主要事業を対象に収益の拡大を図ります。
また、収益性に劣る事業については、既存製品の受注拡大、取扱品種の拡大・拡販により、損益分岐点以上の売上確保を目指すとともに、徹底したコストダウンによる利益率向上により黒字化を図ります。
(4)新製品の開発
エネルギーの多様化が進む中、LPガスの新たなイメージ創りにつながる新製品として、オールプラスチック製小型LPガス容器を、先般市場投入しました。これをもとに当該製品の拡充とともに市場拡大に一層の注力を図ります。
また、水素社会の到来を見据えて国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構との水素用複合容器蓄圧器の共同研究を推進するとともに、新たに国立研究開発法人 宇宙航空研究開発機構及び国立大学法人九州工業大学と宇宙探査用移動体に搭載する複合容器の共同研究を推進します。
(5)運送事業の収益確保
運送業界では、業者間の競争激化や運転手不足問題など厳しい経営環境が続いていますが、従来にも増して営業に力を注ぎ新規荷主の開拓、そして人材の育成、業務効率の向上に努めるとともに、営業倉庫の有効活用等により収益性向上を図ります。
(6)企業統治及び内部統制の体制整備
コーポレートガバナンス・コードに沿った実効性ある体制の整備により、株主をはじめ顧客・従業員・地域社会等の立場を踏まえた透明・公正かつ迅速・果断な意思決定を行うための仕組みを構築します。
また、当社グループは、業務の適正を確保するために構築した内部統制システムを引き続き適正に維持・運用するとともに拡充を図り、企業経営の信頼性確保に努めます。
(7)コンプライアンスの徹底
当社グループは、事業活動に関連する法令や社内規程などの教育をより一層強化し、高い倫理観の醸成を図るとともに、役員及び社員一人ひとりが法令等を遵守して事業活動を行います。