有価証券報告書-第77期(2024/01/01-2024/12/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益は5,409億円(3,298百万EUR)(前期比0.3%増)、営業利益は437億円(267百万EUR)(前期比21.0%減)、税引前当期利益は371億円(226百万EUR)(前期比24.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は77億円(47百万EUR)(前期比77.3%減)となりました。(ユーロ建表示は2024年1月から12月の期中平均レート164.0円で換算しております。)
当連結会計年度の連結受注額は4,960億円となり、前年度比4.6%減となりました。工程集約機、自動化をはじめとするお客様への価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が、2023年度平均の61.9百万円(40.7万ユーロ)から71.0百万円(43.3万ユーロ)へと、円安の影響を除くユーロ換算ベースでも伸長しています。
また、連結受注の25%(前年度22%)を占めるスペアパーツ、メンテナンス・リペアの受注額が前年度比7.4%増と、受注の安定に寄与いたしました。3カ月(四半期)ベースの受注額は、年間を通じて前年同期比でマイナスとなりましたが、当10-12月の連結受注額は1,145億円と、当7-9月期の1,148億円から前四半期比で横ばいとなり、受注の底打ち感がみえてきました。
地域別受注額は、前年度比、中国を除くアジア(構成比:6%)が8%増、米州(同:22%)は同水準となりました。欧州(同:55%)は4%減、日本(同:11%)は8%減とやや弱含んでいます。中国(同:6%)は、前年度から輸出管理をより強化した影響もあり、24%減となりました。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向け受注は堅調に推移しています。
機械本体の受注残高は、2024年12月末時点で2,180億円と、2023年12月末の2,470億円から約300億円減少しています。2025年度(1-12月)の売上収益計画5,100億円達成のために、この受注残を確実に売上収益の計上につなげることに加え、期中受注・期中売上の積み増しを図ってまいります。
中期経営計画でも掲げているとおり、当社は工程集約・自動化・DX・GXにより、お客様へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、これにより環境負荷を低減させ循環型社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略による持続的な成長を目指しております。MX推進によるお客様の生産性向上とサステナブルな社会の実現を目指して邁進してまいります。
当社は、連結子会社である株式会社太陽工機(証券コード:6164、東京証券取引所スタンダード市場上場、以下「同社」)を100%グループ会社とすることを目的として2024年11月から12月にかけて同社普通株式の公開買付けを行った結果、当社の所有割合が92.84%となりました。2025年1月7日には、同社の非支配株主の全員に対する株式売渡請求を決議し、2025年第1四半期中に同社の発行済株式の全部を取得いたしました。100%グループ化により当社のノウハウやグローバルでの経営資源・ネットワークを迅速かつ柔軟に共有可能となります。また、当社が2024年1月に連結グループ化したDMG MORI Precision Boring株式会社は、同社と同様に新潟・長岡エリアに本社工場を構えており、同エリアでのシナジーを高めることができます。今後も、DMG MORIグループ全体における持続的な成長と企業価値向上のため邁進してまいります。
また、当社は2026年に欧州統括会社DMG MORI Europe Holding GmbHの本社をドイツ・ミュンヘンに新設することとし、2024年9月に起工式を執り行いました。ミュンヘンは欧州の中心に位置し、当社欧州最大の開発・生産拠点であるドイツ・フロンテン工場をはじめ世界各地へのアクセスも良いことから、国際的な交流の場となります。
さらに、グループ最大の生産拠点である三重県伊賀事業所が2024年度のデミング賞*1を受賞いたしました。当社は2017年からTQM*2を導入後「顧客志向」の重要性を再認識し、MX実現に向けTQMを推進してまいりました。今後もグローバルでTQM推進と品質向上を徹底し、継続的な成長を実現してまいります。
技術面では、当社ベストセラー機NLX2500シリーズに最新技術を結集させた「NLX 2500 | 700 2nd Generation」の販売を開始しました。従来ではマシニングセンタとターニングセンタの2台で行う加工を当機1台で可能にし、オプションを用いることで多品種加工や専用機加工の工程集約も可能となるほか、自動化システムの併用による夜間無人運転も可能となります。
また、最大32パレット、500 kgの搬送重量に対応するモジュール式パレットハンドリングシステム「PH Cell 500」の発売を開始いたしました。当機は加工エリアへの高い接近性と作業性を実現しており、お客様ごとに設計可能なモジュラー設計により1つのシステムでサイズが異なるパレットを使用可能です。
さらに、5軸加工機や複合加工機を歯車加工機にするソリューション「Gear Production+(ギヤプロダクションプラス)」の第一弾として、歯車研削ユニットを開発いたしました。5軸加工機に歯車研削ユニットを搭載することで、ミーリング、旋削、歯車荒切りから歯車研削までを1台に工程集約しサイクルタイムを短縮します。そして、複合加工機にレーザ金属積層造形技術を融合したレーザ金属積層造形機 LASERTEC DED hybridシリーズに、最大加工長さが 3,018 mmの「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」がラインアップに加わりました。今後も当社はハード・ソフトの両面からお客様の生産性向上とMX実現に貢献いたします。
販売面では、2024年11月に東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2024」に出展し、当社グループ会社及びDMQPパートナー企業の最新技術やMX実現に向けたトータルソリューションをご紹介いたしました。同時に、当社の東京グローバルヘッドクォータでのオープンハウス「東京テクノロジーウィーク」も開催し、お客様に最新機種を含む12台の機械と自動化システムをご覧いただきました。
人材育成の面では、全国のお客様や地域の学生に対し、当社実機を用いた加工に関するトレーニングを提供する場として2024年5月にDMG MORI ACADEMY岡山を開所いたしました。本研修施設の新設は浜松、金沢、仙台に続く4拠点目となり、2025年以降には九州地方での開所も予定しております。
サステナビリティの面では、2024年2月に当社の温室効果ガス排出削減に向けた取り組みや水リスクの管理体制が高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる調査「CDP2023」において、気候変動部門および水セキュリティ部門でリーダーシップレベル「A-」の評価を獲得いたしました。
また、2023年より稼働している自家消費型太陽光発電システムについては、3月に伊賀事業所で第2期(約5,200kW)、奈良事業所で第1期(約354kW)の発電を開始し、今後の発電ターム開始後には各事業所の年間電力需要量の約30%を賄います。
さらに、6月には当社およびグループ会社のドイツDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFTが、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」の目標において、国際的な環境団体のSBTイニシアチブから認定を取得しました。今後も再生可能エネルギーの活用を拡大し、循環型社会に貢献してまいります。
人的資本経営の面では、2021年に「DMG森精機 健康経営宣言」*3を発表いたしました。2024年3月に経済産業省と日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人 2024」の大規模法人部門「ホワイト 500」に2年連続で認定されました。加えて、健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄 2024」に初めて選定されました。今後も全社的な健康増進施策を推進し、従業員が健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでまいります。
*1 戦後の日本に統計的品質管理を普及させ、日本製品の品質を世界最高水準に押し上げた故ウイリアム エドワーズ デミング博士の業績を記念して1951年に創設されたTQMに関する世界最高ランクの賞。(日本科学技術連盟ホームページより)
*2 経営管理手法の一種。Total Quality Management の頭文字をとったもので、日本語では「総合的品質管理」と言われる。企業活動における「品質」全般に対し、その維持・向上をはかっていくための考え方、取り組み、手法、しくみ、方法論などの集合体と言える。そして、それらの取り組みが、企業活動を経営目標の達成に向けて方向づける形になる。(日本科学技術連盟ホームページより)
*3 『健康経営』は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
(注)当連結会計年度より、ロシアの事業拠点であるUlyanovsk Machine Tools oooに係る事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上収益及び営業利益は非継続事業を除外した継続事業の金額のみを表示し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業の損益を含んだ金額を表示しております。なお、前連結会計年度についても同様に組み替えて表示しております。
セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益には、セグメント間の取引については相殺消去しております。
マシンツールセグメントでは民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は363,158百万円(前期比1.5%増)となり、セグメント損益は18,759百万円(前期比54.6%減)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、補修部品販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は177,742百万円(前期比2.1%減)となり、セグメント損益は42,846百万円(前期比12.8%増)のセグメント利益となりました。
②財政状態の状況
(ⅰ)資産
流動資産は317,711百万円(前期比6,061百万円の減少)となりました。これは、主として営業債権及びその他の債権が3,800百万円増加した一方で、棚卸資産が10,833百万円減少したことによります。
非流動資産は479,855百万円(前期比37,822百万円の増加)となりました。これは、主として有形固定資産が23,478百万円、その他の無形資産が9,676百万円、それぞれ増加した一方で、その他の金融資産が6,949百万円減少したことによります。
この結果、資産合計は797,567百万円(前期比31,760百万円の増加)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は399,420百万円(前期比22,786百万円の増加)となりました。これは、主として社債及び借入金が43,504百万円増加した一方で、引当金が10,188百万円、契約負債が8,853百万円、営業債務及びその他の債務が7,794百万円、それぞれ減少したことによります。
非流動負債は81,667百万円(前期比34,960百万円の減少)となりました。これは、主としてその他の金融負債が12,205百万円増加した一方で、社債及び借入金が50,715百万円減少したことによります。
この結果、負債合計は481,087百万円(前期比12,173百万円の減少)となりました。
(ⅲ)資本
資本合計は316,480百万円(前期比43,934百万円の増加)となりました。これは、主として資本金が20,114百万円、資本剰余金が18,287百万円、その他の資本の構成要素が14,524百万円、それぞれ増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ2,534百万円増加し、当連結会計年度末は41,747百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、44,579百万円の収入(前期は51,608百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益37,138百万円、減価償却費及び償却費31,494百万円、棚卸資産の減少23,927百万円であり、主な減少要因は、契約負債の減少14,159百万円、引当金の減少13,963百万円、法人所得税の支払額12,534百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、38,195百万円の支出(前期は36,730百万円の支出)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入5,713百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出27,168百万円、無形資産の取得による支出16,637百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、5,664百万円の支出(前期は16,371百万円の支出)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加20,243百万円、長期借入れによる収入10,000百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額13,346百万円、リース負債の返済による支出6,525百万円であります。
④生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要性がある会計方針及び見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及びその他の無形資産」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、2024年度の目標とした経営指標に対しては、全社受注4,960億円(目標5,000億円)で未達、売上収益5,409億円(目標5,500億円)で未達、営業利益437億円(目標440億円)で未達となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社は、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額97,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、21,800百万円であります。
当期末における当社グループの有利子負債の残高は、106,450百万円(前期末比7,211百万円の減少)となっております。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は次の通りであります。
①経営成績の状況
当連結会計年度(当期)における業績は、売上収益は5,409億円(3,298百万EUR)(前期比0.3%増)、営業利益は437億円(267百万EUR)(前期比21.0%減)、税引前当期利益は371億円(226百万EUR)(前期比24.4%減)、親会社の所有者に帰属する当期利益は77億円(47百万EUR)(前期比77.3%減)となりました。(ユーロ建表示は2024年1月から12月の期中平均レート164.0円で換算しております。)
当連結会計年度の連結受注額は4,960億円となり、前年度比4.6%減となりました。工程集約機、自動化をはじめとするお客様への価値提案力が向上し、機械1台当たりの受注単価が、2023年度平均の61.9百万円(40.7万ユーロ)から71.0百万円(43.3万ユーロ)へと、円安の影響を除くユーロ換算ベースでも伸長しています。
また、連結受注の25%(前年度22%)を占めるスペアパーツ、メンテナンス・リペアの受注額が前年度比7.4%増と、受注の安定に寄与いたしました。3カ月(四半期)ベースの受注額は、年間を通じて前年同期比でマイナスとなりましたが、当10-12月の連結受注額は1,145億円と、当7-9月期の1,148億円から前四半期比で横ばいとなり、受注の底打ち感がみえてきました。
地域別受注額は、前年度比、中国を除くアジア(構成比:6%)が8%増、米州(同:22%)は同水準となりました。欧州(同:55%)は4%減、日本(同:11%)は8%減とやや弱含んでいます。中国(同:6%)は、前年度から輸出管理をより強化した影響もあり、24%減となりました。産業別の需要は、民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向け受注は堅調に推移しています。
機械本体の受注残高は、2024年12月末時点で2,180億円と、2023年12月末の2,470億円から約300億円減少しています。2025年度(1-12月)の売上収益計画5,100億円達成のために、この受注残を確実に売上収益の計上につなげることに加え、期中受注・期中売上の積み増しを図ってまいります。
中期経営計画でも掲げているとおり、当社は工程集約・自動化・DX・GXにより、お客様へより付加価値の高い製品、システム、サービスを提供すること、これにより環境負荷を低減させ循環型社会にも貢献するといった、MX(マシニング・トランスフォーメーション)戦略による持続的な成長を目指しております。MX推進によるお客様の生産性向上とサステナブルな社会の実現を目指して邁進してまいります。
当社は、連結子会社である株式会社太陽工機(証券コード:6164、東京証券取引所スタンダード市場上場、以下「同社」)を100%グループ会社とすることを目的として2024年11月から12月にかけて同社普通株式の公開買付けを行った結果、当社の所有割合が92.84%となりました。2025年1月7日には、同社の非支配株主の全員に対する株式売渡請求を決議し、2025年第1四半期中に同社の発行済株式の全部を取得いたしました。100%グループ化により当社のノウハウやグローバルでの経営資源・ネットワークを迅速かつ柔軟に共有可能となります。また、当社が2024年1月に連結グループ化したDMG MORI Precision Boring株式会社は、同社と同様に新潟・長岡エリアに本社工場を構えており、同エリアでのシナジーを高めることができます。今後も、DMG MORIグループ全体における持続的な成長と企業価値向上のため邁進してまいります。
また、当社は2026年に欧州統括会社DMG MORI Europe Holding GmbHの本社をドイツ・ミュンヘンに新設することとし、2024年9月に起工式を執り行いました。ミュンヘンは欧州の中心に位置し、当社欧州最大の開発・生産拠点であるドイツ・フロンテン工場をはじめ世界各地へのアクセスも良いことから、国際的な交流の場となります。
さらに、グループ最大の生産拠点である三重県伊賀事業所が2024年度のデミング賞*1を受賞いたしました。当社は2017年からTQM*2を導入後「顧客志向」の重要性を再認識し、MX実現に向けTQMを推進してまいりました。今後もグローバルでTQM推進と品質向上を徹底し、継続的な成長を実現してまいります。
技術面では、当社ベストセラー機NLX2500シリーズに最新技術を結集させた「NLX 2500 | 700 2nd Generation」の販売を開始しました。従来ではマシニングセンタとターニングセンタの2台で行う加工を当機1台で可能にし、オプションを用いることで多品種加工や専用機加工の工程集約も可能となるほか、自動化システムの併用による夜間無人運転も可能となります。
また、最大32パレット、500 kgの搬送重量に対応するモジュール式パレットハンドリングシステム「PH Cell 500」の発売を開始いたしました。当機は加工エリアへの高い接近性と作業性を実現しており、お客様ごとに設計可能なモジュラー設計により1つのシステムでサイズが異なるパレットを使用可能です。
さらに、5軸加工機や複合加工機を歯車加工機にするソリューション「Gear Production+(ギヤプロダクションプラス)」の第一弾として、歯車研削ユニットを開発いたしました。5軸加工機に歯車研削ユニットを搭載することで、ミーリング、旋削、歯車荒切りから歯車研削までを1台に工程集約しサイクルタイムを短縮します。そして、複合加工機にレーザ金属積層造形技術を融合したレーザ金属積層造形機 LASERTEC DED hybridシリーズに、最大加工長さが 3,018 mmの「LASERTEC 3000 | 3000 DED hybrid 2nd Generation」がラインアップに加わりました。今後も当社はハード・ソフトの両面からお客様の生産性向上とMX実現に貢献いたします。
販売面では、2024年11月に東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2024」に出展し、当社グループ会社及びDMQPパートナー企業の最新技術やMX実現に向けたトータルソリューションをご紹介いたしました。同時に、当社の東京グローバルヘッドクォータでのオープンハウス「東京テクノロジーウィーク」も開催し、お客様に最新機種を含む12台の機械と自動化システムをご覧いただきました。
人材育成の面では、全国のお客様や地域の学生に対し、当社実機を用いた加工に関するトレーニングを提供する場として2024年5月にDMG MORI ACADEMY岡山を開所いたしました。本研修施設の新設は浜松、金沢、仙台に続く4拠点目となり、2025年以降には九州地方での開所も予定しております。
サステナビリティの面では、2024年2月に当社の温室効果ガス排出削減に向けた取り組みや水リスクの管理体制が高く評価され、国際環境非営利団体CDPによる調査「CDP2023」において、気候変動部門および水セキュリティ部門でリーダーシップレベル「A-」の評価を獲得いたしました。
また、2023年より稼働している自家消費型太陽光発電システムについては、3月に伊賀事業所で第2期(約5,200kW)、奈良事業所で第1期(約354kW)の発電を開始し、今後の発電ターム開始後には各事業所の年間電力需要量の約30%を賄います。
さらに、6月には当社およびグループ会社のドイツDMG MORI AKTIENGESELLSCHAFTが、2050年までに温室効果ガス排出量を実質ゼロにする「ネットゼロ」の目標において、国際的な環境団体のSBTイニシアチブから認定を取得しました。今後も再生可能エネルギーの活用を拡大し、循環型社会に貢献してまいります。
人的資本経営の面では、2021年に「DMG森精機 健康経営宣言」*3を発表いたしました。2024年3月に経済産業省と日本健康会議により、特に優良な健康経営を実践している法人を顕彰する「健康経営優良法人 2024」の大規模法人部門「ホワイト 500」に2年連続で認定されました。加えて、健康経営に優れた上場企業として、経済産業省と東京証券取引所による「健康経営銘柄 2024」に初めて選定されました。今後も全社的な健康増進施策を推進し、従業員が健康に個々の能力を発揮できるよう取り組んでまいります。
*1 戦後の日本に統計的品質管理を普及させ、日本製品の品質を世界最高水準に押し上げた故ウイリアム エドワーズ デミング博士の業績を記念して1951年に創設されたTQMに関する世界最高ランクの賞。(日本科学技術連盟ホームページより)
*2 経営管理手法の一種。Total Quality Management の頭文字をとったもので、日本語では「総合的品質管理」と言われる。企業活動における「品質」全般に対し、その維持・向上をはかっていくための考え方、取り組み、手法、しくみ、方法論などの集合体と言える。そして、それらの取り組みが、企業活動を経営目標の達成に向けて方向づける形になる。(日本科学技術連盟ホームページより)
*3 『健康経営』は特定非営利活動法人健康経営研究会の登録商標です。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 売上収益 | (億円) | 5,395 | 5,409 |
| 営業利益 | (億円) | 554 | 437 |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | (億円) | 339 | 77 |
| 基本的1株当たり当期利益 | (円) | 256.66 | 43.60 |
(注)当連結会計年度より、ロシアの事業拠点であるUlyanovsk Machine Tools oooに係る事業を非継続事業に分類しております。これにより、売上収益及び営業利益は非継続事業を除外した継続事業の金額のみを表示し、親会社の所有者に帰属する当期利益は、非継続事業の損益を含んだ金額を表示しております。なお、前連結会計年度についても同様に組み替えて表示しております。
セグメントの動向及び業績は以下のとおりであります。なお、以下の売上収益には、セグメント間の取引については相殺消去しております。
マシンツールセグメントでは民間航空機、宇宙、メディカル、金型、発電関連向けの業績が好調に推移いたしました。その結果、売上収益は363,158百万円(前期比1.5%増)となり、セグメント損益は18,759百万円(前期比54.6%減)のセグメント利益となりました。
インダストリアル・サービスセグメントでは、補修部品販売、修理復旧の業績が堅調に推移いたしました。その結果、売上収益は177,742百万円(前期比2.1%減)となり、セグメント損益は42,846百万円(前期比12.8%増)のセグメント利益となりました。
②財政状態の状況
(ⅰ)資産
流動資産は317,711百万円(前期比6,061百万円の減少)となりました。これは、主として営業債権及びその他の債権が3,800百万円増加した一方で、棚卸資産が10,833百万円減少したことによります。
非流動資産は479,855百万円(前期比37,822百万円の増加)となりました。これは、主として有形固定資産が23,478百万円、その他の無形資産が9,676百万円、それぞれ増加した一方で、その他の金融資産が6,949百万円減少したことによります。
この結果、資産合計は797,567百万円(前期比31,760百万円の増加)となりました。
(ⅱ)負債
流動負債は399,420百万円(前期比22,786百万円の増加)となりました。これは、主として社債及び借入金が43,504百万円増加した一方で、引当金が10,188百万円、契約負債が8,853百万円、営業債務及びその他の債務が7,794百万円、それぞれ減少したことによります。
非流動負債は81,667百万円(前期比34,960百万円の減少)となりました。これは、主としてその他の金融負債が12,205百万円増加した一方で、社債及び借入金が50,715百万円減少したことによります。
この結果、負債合計は481,087百万円(前期比12,173百万円の減少)となりました。
(ⅲ)資本
資本合計は316,480百万円(前期比43,934百万円の増加)となりました。これは、主として資本金が20,114百万円、資本剰余金が18,287百万円、その他の資本の構成要素が14,524百万円、それぞれ増加したことによります。
③キャッシュ・フローの状況
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | ||
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | 51,608 | 44,579 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △36,730 | △38,195 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | (百万円) | △16,371 | △5,664 |
| 現金及び現金同等物の増減額(△は減少) | (百万円) | 2,219 | 2,534 |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | (百万円) | 39,212 | 41,747 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前期末に比べ2,534百万円増加し、当連結会計年度末は41,747百万円となりました。
(ⅰ)営業活動によるキャッシュ・フロー
「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、44,579百万円の収入(前期は51,608百万円の収入)となりました。主な増加要因は、税引前当期利益37,138百万円、減価償却費及び償却費31,494百万円、棚卸資産の減少23,927百万円であり、主な減少要因は、契約負債の減少14,159百万円、引当金の減少13,963百万円、法人所得税の支払額12,534百万円であります。
(ⅱ)投資活動によるキャッシュ・フロー
「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、38,195百万円の支出(前期は36,730百万円の支出)となりました。主な増加要因は、投資有価証券の売却による収入5,713百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出27,168百万円、無形資産の取得による支出16,637百万円であります。
(ⅲ)財務活動によるキャッシュ・フロー
「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、5,664百万円の支出(前期は16,371百万円の支出)となりました。主な増加要因は、短期借入金の増加20,243百万円、長期借入れによる収入10,000百万円であり、主な減少要因は、配当金の支払額13,346百万円、リース負債の返済による支出6,525百万円であります。
④生産、受注及び販売の状況
(ⅰ)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
| マシンツール(百万円) | 370,619 | △19.1 |
| インダストリアル・サービス(百万円) | 27,362 | △5.5 |
| 合計(百万円) | 397,981 | △18.3 |
(注)1.上記金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅱ)受注実績
当連結会計年度における受注実績は、次のとおりであります。
| 受注高 (百万円) | 前年同期比 (%) | 受注残高 (百万円) | 前年同期比 (%) | |
| 受注実績 | 495,948 | △4.6 | 218,007 | △11.8 |
(注) 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(ⅲ)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 前年同期比(%) |
| マシンツール(百万円) | 363,158 | 1.5 |
| インダストリアル・サービス(百万円) | 177,742 | △2.1 |
| 全社(百万円) | 43 | 16.2 |
| 合計(百万円) | 540,945 | 0.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①重要性がある会計方針及び見積り
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成にあたり、期末日現在の資産・負債の金額、偶発的な資産・負債の開示及び報告対象期間の収益・費用の計上を行うため、必要に応じて会計上の見積り及び仮定を用いております。重要性がある会計方針及び見積りの詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 11.のれん及びその他の無形資産」に記載のとおりであります。
②経営成績の分析
経営成績の分析については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
なお、2024年度の目標とした経営指標に対しては、全社受注4,960億円(目標5,000億円)で未達、売上収益5,409億円(目標5,500億円)で未達、営業利益437億円(目標440億円)で未達となりました。
③資本の財源及び資金の流動性
当社は、主に工作機械の製造及び販売事業を行うため、事業活動における資金需要に基づき、必要な資金の一部を新株発行、社債発行、銀行からの借入金及び売掛債権流動化により調達しております。なお、効率的な資金調達を行うため、主要取引金融機関と総額97,000百万円の貸出コミットメントライン契約を締結しております。当期末における当該借入残高は、21,800百万円であります。
当期末における当社グループの有利子負債の残高は、106,450百万円(前期末比7,211百万円の減少)となっております。